精神障害者保健福祉手帳を取ってよかった?メリットとデメリットを調査
精神障害者保健福祉手帳を取るか迷った時、「周囲に知られたらどうしよう」「就職や転職で不利にならないだろうか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
精神障害者保健福祉手帳は、医療費の負担軽減や福祉サービスの利用、障害者雇用などにつながる一方で、取得前には気持ちの面で迷いやすく、取得後も手続きや周囲の反応に負担を感じることがあります。
そこで今回は、精神障害者保健福祉手帳を取得した方151名にアンケート。
取得前にどのくらい悩んだのか、何が不安だったのか、取得後にどう感じているのかを調査しました。あわせて、実際に感じたメリット・デメリットも紹介します。
アンケート概要

調査内容:「精神障害者保健福祉手帳」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年03月03日~2026年03月17日
調査人数:151名(男性79名 女性72名)
年代:10代(1名)・20代(22名)・30代(68名)・40代(45名)・50代(12名)・60代以上(3名)
- 年齢を選択してください。
- 性別を選択してください。
- 取得前、どの程度悩みましたか?
- 取得前に一番不安だったことは?
- 取得後はどのように感じていますか?
- 取得してよかったこと・メリットを教えてください。
- 取得してよかったと思ったエピソードがあれば、教えてください。
- 取得して後悔・デメリットに感じたエピソードがあれば、教えてください。
7割以上が精神保健福祉手帳の取得前は「悩んだ」

- 少し悩んだ 64票(42.4%)
- かなり悩んだ 47票(31.1%)
- あまり悩まなかった 26票(17.2%)
- ほとんど悩まなかった 14票(9.3%)
アンケートでは、精神保健福祉手帳を取得する前に「悩んだ」と答えた票が7割以上となりました。
「かなり悩んだ」が31.1%(47票)、「少し悩んだ」が42.3%(64票)でした。
この2つを合わせると、73.5%が、取得前に何らかの迷いや不安を感じていたことが分かります。
取得前に多かった不安は「周囲に知られること」と「自分で受け入れられるか」

- 周囲に知られるのが不安だった 44票(29.1%)
- 「障害者手帳を持つ自分」を受け入れづらかった 41票(27.2%)
- 就職・転職で不利になりそうだった 31票(20.5%)
- 特に不安はなかった 14票(9.3%)
- 申請や更新などの手続きが負担になりそうだった 11票(7.3%)
- 制度やメリットがよく分からなかった 9票(6.0%)
- その他 1票(0.7%)
精神保健福祉手帳の取得前に一番不安だったこととして、最も多かったのは、「周囲に知られるのが不安だった」29.1%(44票)でした。
次いで多かったのは、「障害者手帳を持つ自分』を受け入れづらかった」27.2%(41票)です。この結果から、制度そのものよりも、周囲の目や自分の気持ちの整理に悩む人が多かったことが分かります。
また、「就職・転職で不利になりそうだった」20.5%(31票)という回答も一定数あり、手帳を持つことで、働く場面に影響が出るのではないかと不安に感じる人も少なくないようです。
障害者手帳を取得して「よかった」が8割以上

- どちらかというとよかった 74票(49.0%)
- 取ってよかった 50票(33.1%)
- どちらともいえない 23票(15.2%)
- どちらかというと後悔している 3票(2.0%)
- 後悔している 1票(0.7%)
障害者手帳を取得した後の気持ちについて聞いたところ、「取ってよかった」33.1%(50票)、「どちらかというとよかった」49.0%(74票)となりました。
この2つを合わせると、82.1%が、取得後に前向きな気持ちを持っていることが分かります。
取得後によかったことは「医療費・生活費の負担軽減」が最多

- 医療費や生活費の負担が減った 100票
- 公共交通・施設利用などの割引が使えた 88票
- 就労移行支援など福祉サービスにつながれた 38票
- 障害者雇用の選択肢が持つことができた 35票
- 家族・周囲の理解が進んだ 19票
- 特になし 4票
- その他 2票
障害者手帳を取得してよかったこととして、最も多かったのは「医療費や生活費の負担が減った」100票でした。
次いで多かったのは、「公共交通・施設利用などの割引が使えた」88票です。この結果から、手帳を取得したことで、お金の負担が軽くなったと感じる方が多いことが分かります。
そのほか、「就労移行支援など福祉サービスにつながれた」38票、「障害者雇用の選択肢が持つことができた」35票という回答もありました。
手帳のメリットは、割引や助成だけではなく、働き方や支援につながるきっかけにもなっているようです。
取得してよかったことエピソード
特に多く見られたのは、通院費や薬代の負担が軽くなり、治療を続けやすくなったという声です。自立支援医療との併用によって、毎月の出費への不安が減り、治療に集中しやすく、体調の安定にもつながっているというコメントが多くありました。
また、就労移行支援や障害者雇用につながれたことをメリットとして挙げる声も目立ちました。体調を崩して働けない時期があった人でも、手帳をきっかけに支援サービスを利用できたり、障害者雇用という選択肢を持てたりしたことで、無理のない形で社会復帰を目指しやすくなったというコメントもありました。
取得後のデメリット多かったのは「見せる場面の心理的負担」と「手続きの大変さ」

- 手帳を見せる場面で心理的な負担を感じる 61票
- 手続きが大変(申請/更新/診断書など) 59票
- 更新時の判定結果(等級など)が気がかりだった 38票
- 周囲の反応が怖い・実際に嫌な思いをした 29票
- 「自分は障害者なんだ」と落ち込んだ 29票
- 特になし 27票
- 就職・転職での扱いが難しい(開示など) 22票
- 制度が分かりづらく、使いこなせない 11票
障害者手帳を取得してから感じた後悔やデメリットとして、最も多かったのは「手帳を見せる場面で心理的な負担を感じる」61票でした。
次いで多かったのは、「手続きが大変(申請/更新/診断書など)」59票です。
この結果から、取得後の負担は、制度そのものよりも、手帳を提示する場面での気持ちの負担や、申請・更新の手間にデメリットを感じやすいことが分かりました。
取得して後悔・デメリットに感じたエピソード
取得後の後悔やデメリットに関するエピソードを見ると、負担として大きいのは、単なる手続きの手間だけではなく、「見せる場面のしんどさ」や「更新の手続きの負担」「等級の更新ができるか不安」だと分かります。
特に多く見られたのは、手帳を提示する場面で周囲の目が気になるという声です。バスや施設の窓口で割引を受ける時に、「どう見られているだろう」と不安になったり、「自分が普通ではないと突きつけられるようでつらい」と感じたりする方がいました。
これは、制度そのものの問題というよりも、手帳を使うたびに偏見や視線を意識させられやすいということが分かります。
その他にも、更新手続きに対して、2年ごとの更新のたびに、診断書の依頼や費用、通院の手間がかかるだけでなく、自分の症状を改めて言葉にしたり文章で確認したりすることで、気持ちが落ち込んでしまうというコメントもありました。
さらに、「等級が下がったらどうしよう」「支援が受けられなくなったらどうしよう」という不安も、継続的なストレスになっているようです。
障害者手帳は不安もある一方で、生活や働き方を支える助けになっている
今回のアンケートから、障害者手帳の取得前には、周囲に知られる不安や「手帳を持つ自分」を受け入れづらい気持ちを抱える方が多いことが分かりました。
実際に、取得前に「かなり悩んだ」「少し悩んだ」と答えた票は7割を超えており、すぐに決められるものではないことがうかがえます。
一方で、取得後の気持ちを見ると、8割以上が「取ってよかった」「どちらかというとよかった」と答えていました。
よかったこととしては、医療費や生活費の負担が減ったこと、公共交通や施設の割引が使えたこと、就労移行支援や障害者雇用などの選択肢につながれたことが多く挙がっています。
障害者手帳は、生活費の負担を軽くするだけでなく、治療を続けやすくしたり、働き方の選択肢を広げたりする助けにもなっているようです。
その一方で、取得後のデメリットとしては、手帳を見せる場面での心理的な負担や更新手続きの大変さが目立ちました。
特に、提示時に周囲の目が気になることや、更新のたびに自分の症状を見つめ直さなければならないつらさは、見えにくい負担だといえます。
この結果から、障害者手帳は不安や負担がまったくない制度ではないものの、実際には多くの人にとって、生活や治療、就職を支える現実的な助けになっていることが分かります。
障害者手帳取得を迷っている場合は、メリットとデメリットの両方を知ったうえで、自分に必要な支援につながる手段として考えてみることが大切です。