障害者手帳を持つメリット・デメリットを解説!
- 障害者手帳とは
- 精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 障害者手帳を持つ9つのメリット
- 障害者雇用枠で就職・転職できる
- 就職支援を受けやすくなる
- 所得税などの「障害者控除」
- 医療費の助成
- 自動車税の減免
- 交通機関の割引
- 携帯料金や施設利用料の割引
- 公営住宅に入りやすくなる
- 手当や生活保護の加算対象になる場合がある
- 障害者手帳を持つ5つのデメリット
- 心理的なハードルや不安を感じることもある
- 診断書の作成などに費用がかかる
- 申請してから交付までに時間がかかる
- 生命保険の加入が難しい場合がある
- 手帳の種類によっては更新や再判定が必要
- 【アンケート】障害者手帳のメリットとデメリット
- メリットの声
- デメリットの声
- 障害者手帳がなくても使える支援制度ってある?
- 障害者手帳の取得が向いている方
- 障害者雇用枠での就職・転職や就職支援を活用したい方
- 税金の控除や交通機関・施設の割引を活用したい方
- ご自身の障害を周囲に知ってもらいたいと考えている方
- 障害者手帳の取得が向いていない方
- 手帳を持つことに強い抵抗感や不安がある方
- 手帳を取得してもメリットをあまり感じられない方
- 医療機関とのやり取りや診断書の取得に抵抗がある方
- 障害者手帳の申請方法
- 障害者手帳の申請に役立つガイドブックを無料配布中
- 障害者手帳を取るか迷った時の相談先
- まずは主治医に相談してみる
- 申請条件や手続きは自治体の窓口で確認する
- 就職や働き方も含めて相談したい時は支援機関を活用する
- ハローワーク(障害者専門窓口)
- 就労移行支援
- 就労移行支援manabyでも相談できます!
- 障害者手帳に関するよくある質問
- 障害者手帳を家族に知られることはありますか?
- 就職のときに障害者手帳を提示する必要はありますか?
- 障害者手帳があると生命保険に入れなくなりますか?
- 障害者手帳の更新で返却になった場合、障害者雇用で働き続けられますか?
- 障害者手帳の取得にはどのタイミングでお金がかかりますか?
- 障害者手帳をなくしたらどうすればいいですか?
- 障害者手帳は毎日持ち歩く必要がありますか?
- 障害者手帳は身分証明書として使えますか?
- 普通に日常生活を送れていますが、障害者手帳を取得できますか?
- うつ病と自覚していますが、障害者手帳は取得できますか?
- 引っ越したら障害者手帳はどうなりますか?
- 障害者手帳の割引は他の地域でも使えますか?
- 障害者手帳の更新を忘れて期限が切れたらどうなりますか?
- 障害者手帳があると障害年金がもらえるのでしょうか?
- 障害者手帳のメリット・デメリットを理解して、自分に合う選択をしよう
- この記事を読んだあなたへ
- 次に読むべき記事はこちら
- お近くの事業所を検索してみましょう
- まずは気軽に相談してみませんか?
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障害者手帳を取るか迷っている方も多いのではないでしょうか。
障害者手帳には、税金の軽減や交通費の割引、就職支援などのメリットがある一方で、心理的な負担や生命保険の加入条件に影響する可能性など、気になる点もあります。
この記事では、実際に障害者手帳をお持ちの方へのアンケートも交えながら、障害者手帳のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
障害者手帳とは
- 障害者手帳の種類は「精神障害者保健福祉手帳」「身体障害者手帳」「療育手帳」の3つ
- どの手帳を取得できるかは、医師の診断と自治体の判断による
障害者手帳は、障害があることを証明するための公的な手帳です。大きく分けて次の3つの種類があります。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは、精神保健福祉法に基づいて、精神疾患がある方に交付される手帳です。
対象となるのは、次のような診断を受けた方です。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物依存症
- 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
- そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)
参考:国立精神・神経医療研究センター「障害者手帳・障害年金」
身体障害者手帳
身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法に基づき、身体に障害がある方に交付されます。
対象となる主な障害は以下のとおりです。
- 視覚障害
- 聴覚又は平衡機能の障害
- 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
- 肢体不自由
- 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
- ぼうこう又は直腸の機能の障害
- 小腸の機能の障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
- 肝臓の機能の障害
参考:厚生労働省「身体障害者手帳制度の概要」
療育手帳
療育手帳とは、知的障害があると判定された方に対して、児童相談所や知的障害者更生相談所を通じて交付される手帳です。
上記はあくまで一例です。どの手帳に該当するかは、医師の診断や自治体の判断によって決まります。
参考:厚生労働省「障害者手帳」
障害者手帳を持つ9つのメリット
- 障害者雇用枠に応募でき、就職や転職の選択肢が広がる
- 税金・交通費・携帯料金など、生活にかかる負担が軽くなる場合がある
- 使える制度や割引は、手帳の種類・等級・自治体によって異なる
ここでは、障害者手帳を持つ主なメリットを紹介します。
障害者雇用枠で就職・転職できる
障害者手帳を取得すると、障害者雇用枠で求人に応募できるようになります。
障害者雇用枠とは、障害のある方を対象とした採用枠で、体調や特性に配慮した働き方を相談しやすい点が特徴です。
企業によって内容は異なりますが、例えば、通院への配慮、業務内容の調整、勤務時間の見直しなど、障害特性に応じた働き方や環境面の調整を受けられる場合があります。
一般雇用枠よりも、自分の状況を伝えたうえで働きやすい職場を探しやすくなることは、障害者手帳を持つ大きなメリットのひとつです。
また、一般雇用枠だけでなく障害者雇用枠にも応募できるため、自分の体調や特性に合った職場を探しやすくなる点もメリットといえるでしょう。
用語:障害者雇用
就職支援を受けやすくなる
障害者手帳を取得すると、障害のある方を対象とした就職支援を利用しやすくなることがあります。
例えば、ハローワーク(障害者専門窓口)や就労移行支援などで、求人探し、応募書類の作成、面接対策、職場定着に向けた相談などのサポートを受けられることがあります。
自分に合う働き方や必要な配慮を整理しながら就職活動を進めやすくなることは、障害者手帳を持つメリットのひとつです。
ひとりで就職活動を進めることに不安がある方にとって、支援につながりやすくなる点は大きな安心材料といえるでしょう。
用語:ハローワーク(障害者専門窓口)
用語:就労移行支援
所得税などの「障害者控除」
障害者手帳を取得すると、年末調整や確定申告で障害者控除の対象になる場合があります。
国税庁によると、所得税では一定の要件を満たすと、障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円を所得金額から控除できます。
なお、実際に控除を受けられるかどうかは、手帳の種類や等級、本人や扶養親族の状況などによって異なるため、詳細は市区町村の窓口や税務署に確認しましょう。
参考:国税庁「No.1160 障害者控除」
医療費の助成
障害者手帳を持っていると、自治体の制度によって医療費の助成を受けられる場合があります。
例えば、東京都の心身障害者医療費助成制度(マル障)のように、手帳を持つ方を対象に医療費を助成する制度があります。
対象となる条件や助成内容は、自治体や手帳の種類、等級によって異なるため、お住まいの自治体で確認することが大切です。
また、医療費に関する支援には自立支援医療のような制度もあります。
自立支援医療とは、うつ病や統合失調症などの精神疾患で、長く治療を続ける必要がある方のために、医療費の負担を軽くする公的な制度です。
自立支援医療は、手帳がなくても利用できる場合があるため、障害者手帳そのもののメリットとは少し性質が異なりますが、通院にかかる自己負担を軽減できることがあります。
医療費の負担を抑える方法を考える際は、手帳による助成とあわせて確認しておくと安心です。
自動車税の減免
障害者手帳を持っていると、一定の条件を満たした場合に、自動車税や軽自動車税の減免を受けられることがあります。
対象となるかどうかは、手帳の種類や等級、本人が運転するか、生計を一にする家族や介護者が運転するかなどによって異なります。
自治体によって申請条件や必要書類も異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
参考:練馬区「自動車税・軽自動車税の減免について」
交通機関の割引
障害者手帳を持っていると、電車やバス、タクシーなどの交通機関で運賃の割引を受けられる場合があります。
割引の有無や対象となる条件は、交通事業者や手帳の種類、等級によって異なるため、利用前に各社の案内を確認することが大切です。
また、交通機関によっては、障害者手帳の代わりにミライロIDを提示して割引を受けられる場合もあります。スマートフォンで提示できるため、外出時の手続きがしやすいです。
携帯料金や施設利用料の割引
障害者手帳を持っていると、携帯電話の料金や施設の入場料・利用料が割引になる場合があります。
例えば、携帯電話会社の障がい者向け割引サービスや、美術館・博物館・レジャー施設などの障害者割引が代表的です。
対象となる条件や割引内容は事業者ごとに異なるため、利用前に確認しておくと安心です。
公営住宅に入りやすくなる
障害者手帳を持っている方は、公営住宅の入居者選考で優先的に取り扱われる場合があります。
国土交通省は、公営住宅の優先入居の対象世帯の主な例として障害者世帯を挙げています。
ただし、実際の募集条件や優先枠の有無、申し込み方法は自治体によって異なります。
そのため、障害者手帳があれば必ず入居しやすくなるとは限りませんが、住宅に困っている方にとっては選択肢のひとつになり得ます。
住みたい地域の自治体や住宅供給公社の案内を確認してみるとよいでしょう。
参考:国土交通省「公営住宅の優先入居について」
手当や生活保護の加算対象になる場合がある
障害者手帳を持っていると、障害の状態や生活状況に応じて、特別障害者手当などの手当や、生活保護の障害者加算の対象になる場合があります。
こうした制度は、生活にかかる負担を軽くするための支援として設けられています。
ただし、手帳があるだけで一律に支給されるわけではありません。
特別障害者手当は、厚生労働省によると、20歳以上で、精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする在宅の方が対象です。
生活保護の障害者加算も、障害の程度を確認したうえで認定される仕組みで、精神障害者保健福祉手帳の等級が判定に用いられる場合があります。
制度ごとに年齢や所得、障害の程度などの条件が異なるため、実際に対象となるかは自治体や福祉事務所に確認することが大切です。
参考:厚生労働省「特別障害者手当について」「生活保護法による保護における障害者加算等の認定について」
障害者手帳を持つ5つのデメリット
- 手帳の提示に、心理的なハードルや不安を感じることがある
- 申請には診断書の費用がかかり、交付までにも時間を要する
- 保険加入や更新・再判定など、取得後に注意が必要な点もある
障害者手帳を持つことにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、デメリットを詳しく紹介します。
心理的なハードルや不安を感じることもある
障害者雇用で働く場合や、公共交通機関の割引を受ける際には、障害者手帳の提示が必要になることがあります。
そのため、人によっては「周囲に見られているのではないか」「偏見を持たれるのではないか」と不安を感じ、心理的なハードルになることもあります。
診断書の作成などに費用がかかる
障害者手帳を申請する際は、医師の診断書の作成費用がかかることがあります。
金額は医療機関によって異なりますが、5,000円台〜7,000円台になることもあります。
また診断書料を助成している自治体もあるので、申請前に、お住まいの自治体や受診先の医療機関で確認しておくと安心です。
申請してから交付までに時間がかかる
障害者手帳は、申請してすぐに受け取れるわけではなく、交付までに一定の時間がかかります。
目安は手帳の種類や自治体によって異なりますが、次の通りです。
| 障害者手帳種類 | 申請~交付期間 |
| 身体障害者手帳 | 1ヶ月前後〜2ヶ月程度 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 2〜3ヶ月程度 |
そのため、「すぐに手帳を使いたい」と思っても、申請時期によっては利用開始まで時間がかかることがあります。
診断書に不備がある場合などはさらに日数を要することもあるため、利用を考えている場合は早めに準備しておくと安心です。
参考:横浜市「精神障害者保健福祉手帳の交付」、世田谷区「身体障害者手帳の案内」
生命保険の加入が難しい場合がある
生命保険に加入する際は、一般的に現在の健康状態や過去の傷病歴、通院歴などを告知する必要があります。
実際には、加入できるかどうかは手帳の有無だけで決まるわけではなく、健康状態や治療状況などをもとに保険会社が判断します。
場合によっては、通常の保険に加入しにくいこともありますが、特別条件付きで契約できたり、引受基準緩和型・限定告知型の保険を検討できたりすることもあります。
参考:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関するQ&A」
手帳の種類によっては更新や再判定が必要
障害者手帳は、一度取得すればずっと同じ条件で使い続けられるとは限りません。
手帳の種類や自治体によっては、有効期限ごとの更新手続きや、障害の状態を確認するための再判定が必要になる場合があります。
そのため、継続して利用したい場合は、更新時期や必要書類をあらかじめ確認しておくことが大切です。
【アンケート】障害者手帳のメリットとデメリット

- 実際に手帳を持つ方からは、交通機関や施設の割引、障害者雇用で働きやすくなったことがメリットとして多く挙がった
- 一方で、手帳を持っていても「特にデメリットはない」と感じる方もおり、受け止め方には個人差がある
- デメリットとしては、更新手続きの負担や周囲に知られる不安、転職への影響を挙げる声が見られた
障害者手帳を「現在持っている方」「過去に持っていた方」に、手帳を使って感じたメリットやデメリットについてアンケートを実施しました。
以下がアンケート概要です。
調査内容:「障害者手帳のメリット・デメリット」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月12日~2024年1月26日
調査対象:障害者手帳を現在持っている、または過去に持っていた方
調査人数:100名(男性50名 女性50名)
年代:20代(17名)・30代(31名)・40代(31名)・50代(16名)・60代以上(5名)
メリットの声
実際に障害者手帳を取得している人に聞いたメリットを紹介します。
自分は出歩くことが多いので、交通機関の割引が助かります。不安が高いので、ついつい家に閉じこもりがちになりますし、どこかに出かけるのにも交通費がかかって嫌だと思っても、割引があると考えると、出歩いても良いかなと思って、症状が落ち着きやすいので。
映画館の料金が1000円になることやテーマパークも安くなるのでお得に楽しめるところが一番のメリットだと感じています。
手帳を貰うまで、体調不良になる日が多く会社に迷惑をかけて、自分を責めることが多かったです。しかし、手帳を貰い障害者雇用で働いてからは休日や出勤時間に余裕があり自分のペースで働くことができているので、自分らしい働き方ができています。
障害者手帳を持っている方々に、実際に感じたメリットを具体的なエピソードとともにお聞きしました。
その結果、「交通機関の割引」が最も多く挙げられ、次に「レジャー施設が安くなる」が23%、そして「障害者雇用で働くことができる」が16%となりました。
「交通機関の割引」や「レジャー施設の割引」をメリットとして挙げた方々は、お金の負担が軽くなるだけでなく、外出することや映画などの趣味を楽しむことで気分転換ができていると感じているようです。
また、その他にも「車の税金が免除されて助かっている」や「美術館に無料で入れることで新たな趣味を見つけた」といった意見もありました。
デメリットの声
ここでは実際に手帳を取得した方が感じるデメリットを紹介します。
更新手続きが窓口に出向いてしかできないこと、更新するのに3か月近くかかり、新手帳が来る前に旧手帳の有効期限が切れてしまわないか不安である。
誰にも知られてないし教えてもいないので特にないです。
鬱で障害者手帳をもらったのですが、転職時にそれが原因で採用されないことがありました。
一部の人ではありますが、障害者手帳を保有していることで、距離を置いてくることがあります。
実際に手帳を持っている方や、持っていた方に聞いた結果、最も多く挙げられたデメリットは「2年ごとの更新手続きが面倒」というものでした。
続いて、「特にない」と答えた方が22%で、「一般転職が以前より難しくなった」や「周囲に障害者だと知られた」という意見がそれぞれ11%でした。
更新手続きに関しては、書類をたくさん用意しなければならないこと、新しい手帳を受け取るまでに時間がかかること、さらには窓口に行って手続きをしなければならないことが負担に感じられるようです。
このような理由から「2年ごとの更新手続きが面倒」と感じた方が最も多かったという結果になりました。
障害者手帳がなくても使える支援制度ってある?
- 障害者手帳がなくても利用できる支援制度はある
- 自立支援医療や就労移行支援は、手帳がなくても使える場合がある
- 利用条件は自治体によって異なるため、事前の確認が大切
障害者手帳がなくても利用できる支援制度はあります。
例えば、自立支援医療(精神通院医療)は、継続して精神科などに通院が必要な方を対象とした制度で、手帳がなくても利用できる場合があります。
また、就労移行支援などの障害福祉サービスも、自治体によっては手帳が必須ではない場合があります。精神障害者保健福祉手帳がなくても、自立支援医療受給者証や主治医の意見書などで利用を検討できることがあります。
利用条件は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村や相談支援窓口に確認しましょう。
障害者手帳の取得が向いている方
- 障害者雇用枠での就職・転職や、就職支援を活用したい方に向いている
- 税金の控除や交通機関・施設の割引など、生活面の支援を活用したい方にも向いている
- 職場や支援機関に障害のことを伝え、必要な配慮を相談しやすくしたい方に向いている
障害者手帳は、誰もが必ず持たなければならないものではありません。取得によって受けられる支援がある一方で、手続きや気持ちの面で負担に感じる場合もあります。
必要かどうかは、その方の生活や気持ちによって変わってきます。ここでは、手帳の取得が向いている方についてご紹介します。
障害者雇用枠での就職・転職や就職支援を活用したい方
障害者雇用枠での就職・転職を考えている方や、就職支援を受けながら自分に合う働き方を探したい方は、障害者手帳の取得を前向きに考えてみると良いでしょう。
多くの企業では、障害者雇用枠の応募時に障害者手帳の提示が求められます。
また、就労移行支援やハローワークの障害者専門窓口など、障害のある方を対象とした支援に繋がりやすくなる場合もあります。
ひとりで就職活動を進めることに不安がある方や、体調・特性に配慮された環境で働きたい方にとって、障害者手帳の取得は向いています。
税金の控除や交通機関・施設の割引を活用したい方
税金の控除や交通機関・施設の割引など、日常生活で利用できる支援を活用したい方にも、障害者手帳の取得は向いています。
障害者手帳があると、年末調整や確定申告で障害者控除の対象になる場合があるほか、電車やバスなどの交通機関、美術館や映画館などの施設で割引を受けられることがあります。
支援の内容は手帳の種類や等級、自治体、事業者によって異なりますが、日々の負担を少しでも軽くしたい方にとっては、取得を考える方に障害者手帳の取得は向いています。
ご自身の障害を周囲に知ってもらいたいと考えている方
職場や支援機関などにご自身の障害について伝え、必要な配慮を相談したい方にも、障害者手帳の取得は向いています。
「何かあったときに説明しやすいように、証明になるものがほしい」「周囲に理解してもらうきっかけがほしい」と感じている方にとって、障害者手帳は状況を伝える際のひとつの支えになることがあります。
もちろん、手帳を持ったからといって、必ず周囲に開示しなければならないわけではありません。
ただ、必要な場面で障害の状況や配慮してほしいことを説明しやすくなるため、周囲に理解を求めたい方にとっては取得を考えると良いでしょう。
障害者手帳の取得が向いていない方
- 手帳を持つことに強い抵抗感や不安がある方は、無理に取得を急がなくてもよい
- 今の生活や働き方ではメリットを感じにくい方は、必要になった時に検討する
- 通院や診断書の取得、書類準備が大きな負担になる方は、体調や状況に合わせて考えることが大切
一方で、次のような方にとっては、無理に取得しようとしなくても良い場合があります。
手帳を持つことに強い抵抗感や不安がある方
障害者手帳を持つことに強い抵抗感や不安がある方は、取得を急ぐ必要はありません。
例えば、「周囲に知られたくない」「手帳を持つことにまだ抵抗がある」と感じている場合、無理に取得しても心理的な負担が大きくなってしまうことがあります。
障害者手帳にはさまざまなメリットがありますが、「気持ちが追いつかない」「まだ整理がついていない」という段階であれば、かえって負担に感じることもあります。
主治医や相談支援機関に相談しながら、本当に今の自分に必要かを考えてみましょう。
手帳を取得してもメリットをあまり感じられない方
障害者手帳を取得しても、今のご自身の生活や働き方ではあまりメリットを感じられない方は、無理に申請をする必要はありません。
例えば、障害者雇用枠での就職を考えていない場合や、税金の控除、各種割引、公的な支援制度を特に利用する予定がない場合は、手帳を持つ必要性を感じにくいことがあります。
障害者手帳は、持つこと自体が目的ではなく、自分に必要な支援や配慮につながるかどうかで考えることが大切です。
今の時点で必要性が低いと感じる場合は、状況が変わった時にあらためて取得を検討してもよいでしょう。
医療機関とのやり取りや診断書の取得に抵抗がある方
障害者手帳を申請するには、医療機関で診断書を依頼したり、必要書類をそろえたりする必要があります。
そのため、通院そのものに負担を感じている方や、医療スタッフに生活や状態を伝えることに強い抵抗がある方にとっては、申請の過程が大きな負担になることもあります。
通院や書類の準備に不安がある場合は、無理に取得を急がず、自分の体調や状況に合わせて考えることが大切です。
障害者手帳の申請方法
- 申請前に、主治医や自治体の障害福祉窓口へ相談して条件や必要書類を確認すると安心
- 申請には、申請書・顔写真・診断書や意見書・マイナンバー確認書類などが必要になる
- 申請後すぐには受け取れず、交付まで1〜4か月ほどかかることがあるため早めの準備が大切
障害者手帳は、主治医や自治体の窓口に相談したうえで、必要書類をそろえて申請するのが一般的です。
手帳の種類や自治体によって条件や流れが異なるため、詳しい申請方法はこちらの記事で確認しておくと安心です。
障害者手帳の申請に役立つガイドブックを無料配布中
障害者手帳の申請を検討している方に向けて、
- 申請前に準備しておきたいこと
- 役所に行く際の持ち物チェックリスト
などをまとめた「障害者手帳ガイドブック」を無料で配布しています。
障害者手帳を取るか迷った時の相談先

- 取得を迷ったら、まずは主治医に相談して対象になりそうか確認するとよい
- 申請条件や必要書類、手続きの流れは自治体の窓口で確認できる
- 就職や働き方も含めて相談したい場合は、ハローワークや就労移行支援の活用が役立つ
障害者手帳を取るかどうか迷ったときは、信頼できる相談先を見つけることが大切です。
まずは主治医に相談してみる
障害者手帳を取るか迷った時は、まず主治医に相談してみると良いでしょう。
例えば、主治医には次のようなことを相談できます。
- 障害者手帳の申請を考えたほうがよい状態か
- 現在の症状や生活への影響が、手帳の対象になりそうか
- 診断書を書いてもらえるか
- 申請のタイミングは今がよいか
主治医に相談することで、現在の症状や生活への影響を踏まえて、手帳の対象になりそうかどうかを確認しやすくなります。
また、申請には診断書の作成が必要になる場合もあるため、手帳の取得を考えていることを早めに伝えておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
ひとりで判断するのが難しいときは、今の状態で取得を考える必要があるかどうかも含めて相談してみましょう。
申請条件や手続きは自治体の窓口で確認する
障害者手帳の申請条件や必要書類、申請の流れは、手帳の種類や自治体によって異なります。そのため、取るか迷った時は、お住まいの自治体の窓口でも確認しておくと安心です。
例えば、自治体の窓口では次のようなことを確認できます。
- 申請に必要な書類は何か
- 診断書の様式や写真の規格は決まっているか
- 申請から交付までどのくらい時間がかかるか
事前に確認しておくことで、必要な準備がわかりやすくなり、手続きをスムーズに進めやすくなります。主治医への相談とあわせて、自治体の窓口でも確認しておくと良いでしょう。
就職や働き方も含めて相談したい時は支援機関を活用する
就職や働き方のこともあわせて相談したい場合は、支援機関を活用する方法があります。
主に2つの機関がおすすめです。
- ハローワーク(障害者専門窓口)
- 就労移行支援
ハローワーク(障害者専門窓口)
ハローワーク(障害者専門窓口)では、障害のある方に向けた就職相談や求人紹介、応募書類の支援、面接に関する相談などを受けられます。
就労移行支援
就労移行支援は、障害や難病のある方が一般就労を目指すための障害福祉サービスです。スキルアップや就職活動のサポートを受けられるほか、就職後も安心して働き続けられるよう定着支援を受けられます。
働き方に不安がある方や、自分に合う仕事を整理しながら進めたい方は、こうした支援機関に相談することで、障害者手帳を取るべきかどうかも含めて考えやすくなるでしょう。
就労移行支援manabyでも相談できます!
就労移行支援manaby(マナビー)では、働き方に不安がある方に向けて、一人ひとりに合った支援を行っています。
適応障害やうつ病、発達障害などのある方に寄り添いながら、「障害者雇用を考えた方がいいのか」「自分に合う働き方は何か」を一緒に整理し、無理なく働き続けるための準備をサポートしています。
障害者手帳に関するよくある質問
障害者手帳に関するよくある質問について紹介します。
障害者手帳を家族に知られることはありますか?
場合によります。実家暮らしの場合、障害者手帳に関する書類が自宅に届くことで家族に知られる可能性があります。 未成年の方は保護者の同意が必要になることもあるため、心配な方は事前に自治体に相談するのが安心です。
就職のときに障害者手帳を提示する必要はありますか?
一般雇用枠での応募では、障害者手帳を提示する義務はありません。 障害者雇用枠での応募を希望する場合は、障害者手帳の提示が必要になります。
障害者手帳があると生命保険に入れなくなりますか?
障害者手帳を持っていても、保険会社の審査を通れば生命保険に加入できます。 ただし、持病がある場合は一般の方より審査が厳しくなることがあり、加入が難しくなることもあります。 申し込み時には、障害者手帳の所持についても申告しておくのが安心です。
障害者手帳の更新で返却になった場合、障害者雇用で働き続けられますか?
障害者手帳を返却すると、障害者雇用枠として働き続けることは難しくなります。返却後の働き方や配慮などについては、返却のタイミングで職場と話し合って決めるのが一般的です。
障害者手帳の取得にはどのタイミングでお金がかかりますか?
診断書の作成には3,000〜5,000円程度の費用がかかることが一般的ですが、自治体によっては費用の一部を助成している場合もあります。 (例)東京都武蔵野市 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳用診断書の助成額:5,000円 障害の種別によって助成の有無は異なるため、申請前に、念のため自治体の福祉窓口に確認しておくと安心です。
障害者手帳をなくしたらどうすればいいですか?
まず警察に紛失届を提出し、その後、自治体の窓口で再発行の手続きを行います。 再発行には、印鑑や顔写真などが必要です。自治体によって必要なものが異なるため、事前に確認しておきましょう。
障害者手帳は毎日持ち歩く必要がありますか?
常に持ち歩く必要はありませんが、バスや公共交通機関での割引を利用するためには、手帳を持ち歩く必要があります。
障害者手帳は身分証明書として使えますか?
障害者手帳が身分証明書として使えるかどうかは、利用する場面によります。 使用を予定している場合は、事前にその機関に確認するのがおすすめです。
普通に日常生活を送れていますが、障害者手帳を取得できますか?
日常生活を送れていても、仕事や人間関係などで困難を感じている場合、障害者手帳の対象になる可能性があります。
気になる方は、一度医療機関で相談してみるのがよいでしょう。
うつ病と自覚していますが、障害者手帳は取得できますか?
障害者手帳の取得には、医師の診断と診断書が必要です。
まずは精神科などの医療機関を受診し、診断を受けたうえで申請の準備を進めましょう。
引っ越したら障害者手帳はどうなりますか?
引っ越し先の自治体でも、障害者手帳の転入・再登録の手続きが必要です。
基本的には手帳を持参すれば継続して使用できますが、内容に変更があった場合は再審査となる場合もあります。
障害者手帳の割引は他の地域でも使えますか?
多くの割引制度は全国共通ですが、一部地域限定のサービスもあります。
旅行や転居の際は、行き先の自治体や施設に確認しておくと安心です。
障害者手帳の更新を忘れて期限が切れたらどうなりますか?
期限が切れた場合は、再申請が必要になります。
手帳が再発行されるまでは一時的に使えませんが、更新に追加料金がかかることは基本的にありません。
更新には1か月から3か月ほどかかることがあるため、有効期限より3か月ほど前より手続きを始めるのがおすすめです。診断書の作成にも時間がかかる場合があるため、早めの準備を心がけましょう。
障害者手帳があると障害年金がもらえるのでしょうか?
障害者手帳と障害年金は別の制度で、審査基準も異なります。障害年金は主に「日常生活や労働についての制限の度合い」によって支給の有無が決まります。障害者手帳が交付されていても障害年金の受給ができないことはありますし、逆に障害者手帳がなくても障害年金が受け取れる場合もあります。
障害者手帳のメリット・デメリットを理解して、自分に合う選択をしよう
障害者手帳を持った方がよいかどうかは、その方の状況や感じ方によって違います。手帳にはメリットもあれば、デメリットに感じる点もあります。
メリットの方が大きいと感じたなら、前向きに取得を検討してみるのもひとつの方法です。
反対に、今はデメリットの方が気になるという場合には、無理に申請する必要はありません。
それでも迷いがある時は、病院の先生や自治体の窓口で相談してみるのがおすすめです。
かかりつけの病院がある方であれば、普段の体調や状態をよく理解してくれている先生に、「手帳の対象になるのか」「取得した方がよさそうか」といった点を相談できます。
まだ病院に通っていない方や、手帳の制度についてもっと知りたい方は、お住まいの自治体にある障害福祉窓口で話を聞いてみるとよいでしょう。わからないことや不安に思っていることを整理するきっかけになるかもしれません。
疑問や不安を解消してから、自分にとって本当に必要かどうかを、ゆっくり考えてみてくださいね。
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