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障害者雇用でどんな職種がある?雇用形態や特徴を分かりやすく紹介

目次
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「どんな職種が多いのかわからない」「自分に合う仕事はあるかな」

障害者雇用に興味はあるものの、このような不安を感じていませんか?

障害者雇用では、事務職や軽作業をはじめ、サービス補助や専門・技術職など様々な職種があります。また、勤務時間や働く場所など働き方の選択肢も一つではありません。

この記事では、障害者雇用に多い職種や代表的な働き方をわかりやすく解説します。あわせて、就労移行支援を利用した就職先の例やハローワーク・障害者向け転職エージェントを活用した求人の探し方についても紹介します。

この記事のまとめ

  • 障害者雇用に多い職種とは
    事務職や軽作業を中心に、サービス・販売補助や専門・技術職など、障害特性に応じた幅広い職種がある
  • 働き方・雇用形態の選択肢も多い
    フルタイム・短時間勤務・在宅勤務など体調や生活リズムに合わせて無理のない働き方を選ぶことができる
  • 自分に合った仕事選びが長く働くポイント
    障害特性や得意・不得意を整理し、支援機関も活用しながら仕事を選ぶことで安定して働き続けやすくなる

障害者雇用に多い職種とは?

障害者雇用の人気職種と傾向

この章のポイント

  • 障害者雇用では、障害種別ごとに多い職種の傾向が見られる
  • 得意なことや必要な配慮を整理した上で、特性や症状に合っているか確認しながら職種を選ぶことが大切

障害者雇用では、障害の特性に合った職種を選ぶことが、働き続けるための大切なポイントです。令和5年度に厚生労働省が公表した資料を元に実際にどんな職種で働いている方が多いのか障害種別に紹介します。

身体障害の方に多い職種

順位職種割合
1事務的職業26.3%
2生産工程の職業15.0%
3サービスの職業13.5%

身体障害の方は、事務的職業の割合が最も高くなっています。事務職は、机に座って行う作業が中心となるため、身体への負担が比較的少なく環境を整えやすい点が理由の一つとして考えられます。

知的障害の方に多い職種

順位職種割合
1サービスの職業23.2%
2運搬・清掃・包装等の職業22.9%
3販売の職業16.8%

知的障害の方は、サービス業や物流、清掃などの現場作業に従事する割合が比較的高い傾向にあります。作業の手順が分かりやすく、成果が目に見えやすい仕事は、取り組みやすさややりがいにつながっている可能性があります。突発的な対応が少なく、ルーティーン業務が多い職場も知的障害の方に合っていると言えます。

精神障害の方に多い職種

順位職業割合
1事務的職業29.2%
2専門的・技術的職業15.6%
3サービスの職業14.2%

精神障害の方は、他の障害種別と比べて専門職に就く割合が高い点が特徴です。これまでのキャリアや自身の強みを活かして活躍している様子が伺えます。

発達障害の方に多い職種

順位職種割合
1サービスの職業27.1%
2事務的職業22.7%
3運搬・清掃・包装等の職業12.5%

発達障害の方は、接客から事務作業まで非常に幅広い職種に就いています。得意な作業や集中しやすい環境を重視しながら、職種を選んでいるケースが多いようです。

全体を見ると、事務職は障害種別を問わず安定して多い職種となっています。一方で、知的障害や発達障害の方では、サービスや運搬・清掃・包装といった、身体を動かす職種も大きな割合を占めています。

この傾向から分かるのは、障害の特性によって向いている仕事が異なるという点です。自分の得意なことや、働く上で必要な配慮を整理した上で職種を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントと考えられます。

森 彩佳
森 彩佳(社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員)
支援者や家族だけではなく、ご本人が自身で障害特性を理解していくことも重要なポイントになります。

まずは「この仕事でなければならない」と決めつけず、興味のある仕事を色々体験してみて、特性や症状に合っているかどうか確認していくこともおすすめです。

就労移行支援manabyを利用した方の主な就職先

就労移行支援manabyの就職実績グラフ(事務職・IT技術職などの内訳)

就労移行支援manaby(マナビー)を利用した方は、約7割が事務職、約2割の方がIT・クリエイティブ系の職種に就いています。

就労移行支援manaby(マナビー)でこうした実績を出せている背景には、利用者が自分に合ったスキルを選び、段階的に習得できる学習環境があります。その中心となっているのが、独自のeラーニング教材「マナe」です。

マナe」では、WordやExcelの基本操作から、IllustratorやPhotoshop、プログラミングの基礎まで幅広く学習できます。動画教材は1,500本以上用意されており、実務スキルだけでなく、ビジネスマナーや気持ちの整理といった、働くための土台づくりにも対応しています。

自分のペースで必要なスキルを身につけられるため、未経験から事務職やIT職を目指す方でも、安心してチャレンジできる環境が整っています。「マナe」を使った訓練は無料で体験可能です。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

障害者雇用のよくある働き方とは?

障害者雇用の働き方(フルタイム・パート・契約社員)の実態

この章のポイント

  • フルタイム・短時間・パートなど、体力や生活状況に合わせて勤務時間を選びやすい
  • 正社員・契約社員・アルバイトといった雇用形態があり、体調や目標に応じて段階的に働き方を調整できる
  • 出社か在宅か、また特例子会社など配慮のある環境も含め、自分に合った働く場所・職場を選ぶことが大切

障害者雇用では、働く方の特性や体調に合わせた、様々な働き方が用意されています。自分に合った働き方を選びやすいのが特徴です。

勤務時間の種類:フルタイム・短時間・パート

勤務時間には、フルタイムだけでなく、短時間勤務やパートタイムといった働き方もあります。それぞれの目安は以下の通りです。

フルタイム
時間の目安
1日8時間前後・週5日程度
特徴
安定した収入や業務量が見込める一方、体力や集中力が求められます。
向いている方
体力があり、毎日働くリズムに慣れて安定収入を重視したい方
短時間勤務
時間の目安
1日4〜6時間程度
特徴
通常より短い時間で働く形です。体調や特性に配慮しながら、無理のないペースで仕事を継続できます。
向いている方
無理のない範囲で、治療や体調管理と仕事を両立させたい方
パート・アルバイト
時間の目安
1日数時間・週数日から可
特徴
勤務日数や時間が比較的柔軟で、負担を抑えて働ける契約形態です。
向いている方
まずは働く感覚を取り戻したい方や、生活リズムを整えたい方

このように、働き方には複数の選択肢があります。体力や特性、今の生活状況に合わせて勤務時間を調整することで、無理をせず働き続けることが可能になります。

森 彩佳
森 彩佳(社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員)
職場までの通勤に体力を使う場合もあるため、勤務時間だけでなく、通勤時間や移動の負担も含めて考慮しながら働き続けられるか検討していくと良いでしょう。

雇用契約の種類:常用・契約社員・アルバイト

働き方は、勤務時間だけでなく「雇用契約の形」によっても違いがあります。代表的な雇用契約の種類と、その特徴は以下の通りです。

常用雇用(正社員など)

雇用期間の定めがなく、長期的に働くことを前提とした契約です。勤務日数や時間が比較的安定しており、責任のある業務を任されることが多い働き方です。

契約社員

「6か月」「1年」など、あらかじめ雇用期間が決められている契約です。仕事内容や勤務条件が明確な場合が多く、働き方を試しながら経験を積みたい方に選ばれています。契約更新を重ねて長く働くケースもあります。

アルバイト

勤務時間や日数の融通が利きやすく、比較的負担を抑えて働ける契約形態です。まずは働く感覚を取り戻したい方や、体調や生活リズムに不安がある方が選びやすい働き方です。

このように、雇用契約にも段階があります。生活状況や体調、将来の目標に合わせて、アルバイトから始めて契約社員へ、さらに常用雇用へと、無理のない形でステップアップしていく選択も可能です。こうした働き方に加え、別の選択肢としてフリーランスで働く方法もあります。

フリーランスは、企業と雇用契約を結ばず、仕事ごとに業務を請け負う働き方です。勤務時間や働く場所を調整しやすく、自分のペースで仕事を進めやすい点が特徴です。一方で、収入や仕事量が安定しにくく、体調管理やスケジュール管理を自分で行う必要があります。

働く場所の種類:出社・在宅

働く場所にもいくつかの選択肢があります。代表的なのが、職場へ出社する働き方と在宅で働く働き方です。

出社

会社や事業所に通って働くスタイルです。対面でのやり取りが多く、分からないことをその場で確認しやすいのが特徴です。業務の切り替えがしやすく、生活リズムを整えやすいと感じる方もいます。

在宅勤務

自宅で仕事を行う働き方です。通勤が不要なため、移動による疲れやストレスを減らすことができます。自宅の慣れた環境で、周囲の刺激を抑えながら落ち着いて作業したい方に向いています。

なお、在宅勤務といっても働き方は会社によってさまざまです。基本的に出社の必要がない「完全在宅勤務」のほか、週1日や月1日など、決められた頻度で出社する在宅勤務もあります。このように、在宅勤務とオフィス出社を組み合わせた働き方を取り入れている企業も少なくありません。

出社と在宅のどちらが合うかは人によって異なります。業務内容や体調、集中しやすい環境に合わせて、自分に合った出社頻度や働く場所を選ぶことが、無理なく働き続けるためのポイントになります。

特例子会社で働く

障害のある方が働きやすいよう、業務内容や職場環境に特別な配慮がなされている「特例子会社」という選択肢もあります。特例子会社で働く人も多く見られます。特例子会社は、障害のある方が働きやすいよう、業務内容や職場環境に工夫がされている点が特徴です。安心して仕事を続けやすい環境と感じられることが多いようです。

障害者雇用において、働き方に決まった正解はありません。自分の得意なことや生活リズムに合った形を選ぶことで、無理なく働き続けることができます。

障害者雇用で多い職種1:事務職

業務内容が比較的決まっており、障害者雇用でも募集の多い職種のひとつです。PCスキルを活かして安定して働きたい方に選ばれています。

仕事内容
  • データ入力、書類作成・ファイリング、郵便物の仕分け・発送準備
  • 電話・メール対応、来客対応(一般事務・営業事務などの一部)
  • 社内資料の作成補助
向いている特性
  • デスクワークが得意、自分のペースで作業したい
  • PCの基本操作(タイピング・Word・Excelなど)ができる、あるいは練習できる
  • 身体的負担を抑えたい、静かな環境の方が集中しやすい

障害者雇用で多い職種2:軽作業(ピッキング・検品・清掃)

手順が比較的わかりやすく、作業の成果が目に見えやすい仕事です。決まった作業に集中したい方に向いている傾向があります。未経験から始めやすい点も特徴のひとつです。

仕事内容
  • 倉庫での商品ピッキング(指示書に沿って商品を集める)
  • 製品や部品の検品・仕分け・シール貼り・袋詰め
  • オフィスや施設の清掃、ゴミ回収、机拭き・床掃除など
向いている特性
  • 同じ手順の繰り返しやルーチン作業が得意、動きながら仕事したい
  • 細かい違いに気づきやすく、単純作業でも集中できる
  • 人との会話は少なめの方が安心で、身体を動かすことに抵抗がない

障害者雇用で多い職種3:サービス・販売補助(品出し・バックヤード・陳列)

座りっぱなしではなく、適度に体を動かしながら働ける仕事です。接客が中心ではなく、裏方業務がメインとなるケースも見られます。人との関わりと作業のバランスを取りながら働きたい方に選ばれやすい職種と考えられます。

仕事内容
  • スーパーやドラッグストアなどでの商品陳列・品出し
  • バックヤードでの在庫整理、賞味期限チェック、値札付け
  • 簡単な接客補助(カゴ回収、お客様の誘導など一部任される場合も)
向いている特性
  • 立ち仕事や軽い力仕事が可能で、ある程度の体力がある
  • 長い会話は苦手でも、短い声かけ程度なら対応できる
  • 動きのある仕事が好きで、体を動かす方が集中しやすい

障害者雇用で多い職種4:生産工程(工場ライン・組立・加工)

決まった手順で作業を進める仕事が多く、「流れが決まっている方が安心」という方に向いています。

仕事内容
  • 工場ラインでの組立・加工・部品の取り付け、製品の検査
  • 梱包・箱詰め、ラベル貼り、機械への材料投入・取り出し補助
  • 単純な工程を繰り返すライン作業や、決まった手順の手作業
向いている特性
  • 一定のペースで同じ作業を続けるのが得意
  • 指示どおりに黙々と作業することができる
  • 工場特有の音や環境に、ある程度対応できる

障害者雇用で多い職種5:受付・庶務・総務サポート

「誰かを支える仕事がしたい」という気持ちを活かしやすい職種です。決まった対応が多く、サポート役として働くケースが多く見られます。人との関わりを大切にしながら、落ち着いた環境で働きたい方に向いている職種です。

仕事内容
  • 企業や病院・施設の受付での来客応対、案内、電話の取次ぎ
  • 会議室予約、備品管理、郵便物や宅配物の受け取り・配布
  • 書類整理、勤怠データ確認、社内便の仕分けなど
向いている特性
  • 決まった流れでの挨拶や案内ができる
  • 周囲に気を配ることやサポートする役割が好き
  • PC作業と対人対応をバランスよく行いたい

障害者雇用で多い職種6:専門・技術職

専門的なスキルを活かして働く職種で、近年は障害者雇用でも選択肢が広がっています。在宅勤務など柔軟な働き方が可能な場合もあります。自分の得意分野を活かしながら、働き方の自由度を重視したい方に選ばれやすい職種です。

仕事内容
  • IT・Web系:プログラマー、テスター、IT事務、ヘルプデスク、Webデザイナーなど
  • クリエイティブ系:DTPデザイナー、動画編集、グラフィックデザインなど
  • その他:経理・労務・人事などの専門事務、CADオペレーター、研究補助 など
向いている特性
  • 特定分野のスキルをじっくり伸ばしたい
  • 集中力が高く、1人でPC作業を進めるのが得意
  • 働き方の柔軟さや、スキルで評価される環境を希望している

障害者雇用とは?

障害者雇用とは?一般雇用との違いや制度の概要

この章のポイント

  • 障害のある方が無理なく働き続けられるよう、職場環境や業務内容に配慮しながら雇用する制度のこと
  • 働く上で必要なサポート体制を整えることも制度の一部とされており、一人ひとりの特性や状況に応じた働き方を実現することを目的としている

「障害者雇用」とは、障害のある方が安心して働けるように整えられた制度のことです。職場環境への配慮やサポート体制を整えることも定められており、一人ひとりが自分らしく働ける環境を広げていくことを目的としています。

障害者雇用の求人を探す方法

障害者雇用求人の探し方まとめ(ハローワーク・エージェント・支援機関)

この章のポイント

  • ハローワークでは、公的機関ならではの安心感と幅広い求人情報を得られる
  • 障害者雇用に特化した転職エージェントは、非公開求人や選考対策のサポートが強み
  • 就労移行支援は、準備から就職後の定着まで含めて、段階的に支援を受けたい方に向いている

障害者雇用の求人を探すには、いくつかの方法があります。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。

ハローワークの「障害者専用窓口」を利用する

ハローワークには、障害のある方向けの「障害者専門窓口」が設置されています。専門知識を持った職員が対応してくれるため、障害特性や配慮が必要な点を踏まえたうえで求人を紹介してもらえます。

幅広い業種・職種の求人を扱っているため、まず全体像を知りたい方にも向いています。

障害者雇用に特化した転職エージェントを活用する

障害者雇用に特化した転職エージェントを利用すると、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえる場合があります。あわせて、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策などのサポートを受けられるのも特徴です。

精神・発達・身体など、障害種別ごとに強みを持つサービスもあるため、自分に合ったエージェントを選ぶことがポイントになります。

就労移行支援で求人紹介を受ける

就労移行支援では、日々の訓練を通して、支援員と一緒に強みや苦手なこと、体調の傾向などを整理しながら仕事探しを進めていきます。自己理解を深めたうえで、特性や希望に合った働き方を考えていくのが特徴です。

なお、利用を開始してすぐに求人紹介が行われるわけではありません。
多くの場合、生活リズムや体調の安定、必要なスキルの習得、職場で配慮してほしい点の整理などを行ってから、段階的に就職活動へ進みます。これは、ミスマッチによる早期離職を防ぐためでもあります。

十分な準備を重ねたうえで、特性に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、就職後も職場定着のフォローを受けられる点は、就労移行支援ならではの強みです。


焦らず自分のペースで準備しながら、長く働ける就職先を目指したい方に向いています。

就労移行支援manabyについて

就労移行支援manaby(マナビー)は、一人ひとりの個性や特性を大切にしながら、自分らしい働き方を目指す就労移行支援です。

日頃の訓練の様子をもとに、向いている職種を一緒に考え、目指す仕事に就けるようサポートしています。職業訓練や実習、求人紹介、就職後の定着支援まで一貫して支援しているほか、タイピングやExcel・Wordといった基本的なPCスキル、ビジネスマナーも身につけることができます。

体調管理・ストレス対処のサポート
毎日を少しずつ安定させるために、生活リズムやメンタル面の整え方を一緒に考えます。
自分のペースで学べるeラーニング「マナe」
PCスキル・ITスキルを、外出が難しい時も自宅でゆっくり習得できます。
在宅支援で安心して訓練できる(自治体により利用可否あり)
外出が不安な方でも、自宅から通所と同じ支援を受けられます。
就職活動のサポート(履歴書・面接・求人探し)
苦手になりやすい書類作成や面接練習も、支援員が伴走します。
就職後の「定着サポート」が充実
働き始めてからの悩みや不安も相談でき、長く働き続けるためのフォローがあります。

複数方法を併用するのがおすすめ

それぞれのサービスには異なる強みがあります。

ハローワーク 幅広い障害者雇用求人を確認
転職エージェント 条件の良い求人や非公開求人をチェック
就労移行支援 スキル習得・就職準備・定着支援

これらを組み合わせて活用することで、自分に合った働き方や就職先を安心して探すことができます。

加えて、インターネットで「障害者雇用 求人」と検索し、住んでいる地域にどのような求人が出ているかを確認する方法もあります。まずは身近な情報から仕事探しを始めてみることも一つの手段です。

自分に合った仕事の選び方

「自分に合った仕事の選び方」自己分析や実習を通じた適性把握のポイント

この章のポイント

  • 「やりたい仕事」だけでなく、無理なく続けられる条件を軸に考えることが大切
  • 集中しやすい作業や疲れやすい場面など自分の傾向を言語化しておくと仕事選びに役立つ
  • 一人で整理が難しい場合は、就労移行支援などの支援機関を活用することで自分に合った仕事を見つけやすくなる

ここまで様々な職種を紹介してきましたが、実際に「自分に合った仕事」を選ぶとなると、何を基準に考えればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、仕事選びのポイントを解説します。

仕事選びでは、次の3つを整理して考えると判断しやすくなります。

障害特性 得意なこと・苦手なこと
希望する働き方 勤務時間や勤務場所
スキル 今持っているスキル、これから伸ばしたいスキル

これら3つをあわせて考えることで、無理なく続けられる仕事や、今の自分に合った働き方が見えやすくなります。

ポイントは、「やりたい仕事」を探すことだけでなく、「続けられる条件」を軸に考えることです。

まずは自己分析として、集中しやすい作業や疲れやすい場面、心地よい人との距離感など、自分の傾向を書き出してみるのがおすすめです。こうした整理を通じて、自分に合う職場環境や働き方が少しずつ明確になっていきます。

仕事選びでは、つい「やりたいこと」を最優先にしがちですが、長く安定して働くためには、無理なく続けられそうな条件を土台に据えることが大切です。土台が安定することで、結果的にやりたかった仕事へのステップアップにも繋がりやすくなります。

森 彩佳
森 彩佳(社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員)
やりたい仕事であっても、実際の業務が想像以上に大変で負担が大きいと仕事を続けることが難しくなります。まずは長く働く経験を積み、少しずつ自信をつけていくことが大切です。

スキルに自信がないなら就労移行支援がおすすめ

自分に合った仕事を考えるうえでは、障害特性や希望する働き方、スキルを整理することが大切ですが、それらを一人で見極めたり、不足しているスキルを自力で補ったりするのは簡単ではありません。

「ブランクが長くて自信が持てない」「PC操作やビジネスマナーを基礎から学びたい」「体調を整えながら、無理のない働き方を相談したい」といった不安がある場合は、就労移行支援を活用するのがおすすめです。

就労移行支援では、日々の訓練を通じて客観的に自分の強みや課題を整理でき、スキル習得や履歴書・職務経歴書の作成、求人紹介、就職後の定着支援まで一貫してサポートしてもらえます。

障害者雇用以外の働く選択肢

障害者雇用以外の働き方:就労継続支援A型・B型の特徴と違い"

この章のポイント

  • 就労継続支援A型は雇用契約を結び、最低賃金が保障される一般就労に近い働き方
  • 就労継続支援B型は雇用契約がなく、体調や生活リズムを優先しながら自分のペースで通える
  • A型・B型は収入や求められる責任が大きく異なるため、生活状況や体調に合った選択が重要

働き方の選択肢は、障害者雇用だけではありません。

一般就労がまだ難しいと感じる場合でも、配慮を受けながら働ける環境として、福祉サービスを利用した働き方があります。ここでは代表的な「就労継続支援A型・B型」について紹介します。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、一般企業で働くことに不安はあるものの、雇用契約を結んで決まった時間働くことができる方を対象とした福祉サービスです。事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます。

原則18〜65歳の方が対象で「一般就労に近い形で、支援を受けながら働きたい」「ある程度安定した収入を得たい」という方に向いています。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、「利用契約」のもとで自分のペースで作業を行い、工賃を受け取る福祉的就労サービスです。

年齢制限はなく、体調や障害特性の影響で長時間の就労が難しい方や、ブランクが長く、すぐに雇用契約を結んで働くことに不安がある方などが対象となります。

通所日数や時間も柔軟に調整しやすく、「リハビリ的に働きたい」「まずは生活リズムを整えたい」という方に適した選択肢です。

就労継続支援A型・B型の主な違い

就労継続支援A型・B型の大きな違いは、求められる働き方と得られる収入にあります。

就労継続支援A型は雇用契約があるため、出勤や業務に対する責任は一般就労に近くなります。その分、最低賃金が保証され、安定した収入を得られるのが特徴です。

一方、就労継続支援B型は雇用契約がなく、体調やコンディションを最優先にしながら働けます。負担を抑えたペースで通えるため、「まずは働く感覚を取り戻したい」「少しずつ自信をつけたい」という段階の方に向いています。

今の自分にはどの働き方が合っているのか、これから目指したい生活・仕事のイメージと照らし合わせながら選ぶことが自分らしい働き方への第一歩になります。

森 彩佳
森 彩佳(社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員)
就労継続支援A型は、B型と比べて生産性のある業務が求められる傾向があり、その分、働き方の負担や責任も大きくなります。また、就労継続支援B型では最低賃金が保証されず、「工賃」という形で報酬が支払われます。

就労継続支援A型・B型を選ぶ際には、年金や預金なども含めて無理のない生活が成り立つかどうかを事前に確認しておくことが重要です。どちらが自分に合っているか迷った場合は、相談支援事業所でアドバイスを受けるのも一つの方法です。

障害者雇用に関するよくある質問

ここでは、障害者雇用についてよくある質問にお答えします。

障害者雇用ではどんな仕事内容が多いですか?

障害者雇用で多く見られる仕事には、主に以下のようなものがあります。

  • 事務補助: データ入力、書類の整理、郵便物の仕分けなど
  • 軽作業: 清掃、商品の検品・梱包、製造ラインでの作業など
  • バックオフィス業務: オフィス内の備品管理や、庶務的なサポート業務

最近ではITスキルを活かしたプログラミングやデザイン職など、専門性を活かせる職種も広がっています。

給料は一般雇用より低いのですか?

令和5年度の厚生労働省の調査によると、障害の種類ごとの平均給与は次の通りです。

障害の種類平均給与(円)
身体障害235,000
知的障害137,000
精神障害149,000
発達障害130,000

令和5年度の日本の給与所得者の平均給与は年収460万円、月額に換算すると約38万円です。比べると、障害者雇用の平均給与は少し低めと言えます。

在宅勤務の障害者雇用はありますか?

はい、在宅勤務で働ける障害者雇用もあります。特にIT系や事務系の仕事では、在宅で働ける求人が増えてきています。

障害者雇用から一般雇用へ転職できますか?

可能です。障害者雇用で経験を積みながら、スキルや体調に合わせて一般雇用への転職を目指すこともできます。

障害者雇用でできる仕事は多い、無理なく働ける仕事を見つけよう。

障害者雇用には多様な仕事があることを伝え、自分に合った無理のない働き方探しを促すまとめ画像

障害者雇用には、事務職や軽作業、サービス・販売補助、専門・技術職など、多様な職種があります。また、勤務時間や働く場所、雇用形態など働き方の選択肢も一つではありません。

大切なのは、自分の障害特性や得意・不得意、体調や生活リズムに合った職種や働き方を整理することです。就労移行支援やハローワーク、転職エージェントなどの支援を活用すれば、無理なく自分に合った仕事を見つけることができます。

まずは「どんな働き方が自分に合うか」を考えることが、自分らしく長く働き続ける第一歩です。

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森 彩佳

社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
国立大学卒業後、新聞記者として教育・福祉分野を取材。2018年に障害福祉業界へ転身し、生活介護事業所を経て相談支援専門員として勤務。障害児や発達・精神障害のある方の相談支援を行っている。福祉系大学院で社会福祉学修士号を取得し、地域福祉の発展にも取り組んでいる。

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