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発達障害の方に向いている仕事とは?働きやすい環境・仕事選びのポイントを解説

目次
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この記事は 約10分以上 で読めます。

「仕事が続かない」「人間関係でうまくいかない」「自分だけ、なぜかうまくいかない気がする」という違和感や生きづらさから、発達障害の可能性に気づいた方もいるかもしれません。


発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム)、LD(学習障害)などがあり、それぞれの特性によって仕事の中でつまずきやすいポイントも異なります。


この記事では、発達障害のある方が仕事で直面しやすい困りごとや避けたほうがよい職場環境、無理なく働ける環境・働き方、向いている仕事の見つけ方やポイントを紹介します。

狩野 淳
監修 狩野 淳 (臨床心理士/公認心理師)
この記事は、大学院で発達心理学・臨床心理学を学び、臨床心理士・公認心理師として、子どもや保護者への心理支援に携わっている専門家が監修しています。
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この記事のまとめ
  • 発達障害のある方に向いている仕事とは?
    向いている仕事は診断名だけで決まらず、得意・苦手や仕事内容との相性によって異なる。
  • 自分に合った仕事の選び方は?
    得意・苦手を整理し、仕事内容だけでなく、勤務時間や職場環境、働き方も確認することが大切。
  • 仕事探しで利用できるサポートは?
    仕事探しで利用できるサポート: ハローワークや転職エージェント、就労移行支援などを活用し、相談しながら就職活動を進める。

発達障害の方に向いている仕事

この章のポイント
  • 発達障害のある方に向いている仕事は、得意・苦手や障害の特性によって異なる。
  • ADHD・ASD・LDの特性を踏まえ、強みを活かせる仕事内容を考えることが重要である。
  • 同じ職種でも、担当業務や職場環境によって働きやすさは変わるため、具体的な仕事内容の確認が必要である。

発達障害のある方に向いている仕事には、アイデアや発想力を活かせる企画・デザイン、決められた手順で進めるデータ入力や検品、専門的な知識や技術を活かすIT関連職などがあります。

ただし、同じ発達障害でも得意なことや苦手なことは一人ひとり異なるため、障害名だけで向いている仕事が決まるわけではありません。

また発達障害のある方は、過去の経験や特性ゆえに「仕事が続かない」「どこで働けばいいか分からない」と感じていることもあるでしょう。

ただし、同じ発達障害でも得意なことや苦手なことは一人ひとり異なるため、障害名だけで向いている仕事が決まるわけではありません。

仕事を選ぶ際は、自分の強みを活かせるか、負担になりやすい作業はないか、働きやすい環境が整っているかを確認することが大切です。

ここからは、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)それぞれの特性を踏まえ、向いている仕事の例を紹介します。

ADHD(注意欠如・多動性障害)に向いている仕事

注意がそれやすい、忘れ物やミスが多い、スケジュール管理が苦手といった困りごとを感じる場合があります。

一方で、新しいアイデアを考えることや行動力、興味のある分野に集中して取り組むことなどを強みとして活かせる方もいます。

例えば、発想力を活かせる企画・クリエイティブ職や、体を動かす機会が多い仕事などが選択肢になります。

ただし、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性には個人差があり、変化のある仕事を好む方もいれば、決まった手順で取り組める仕事が合う方もいます。

以下は、ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方が得意なことや働き方の希望に応じて検討できる仕事の例です。

発想力やアイデアを活かせる仕事

職種例
グラフィックデザイナー、コピーライター、商品企画、広告・マーケティング職
向いている理由・確認したい点
新しいアイデアを考えることが得意な方に適しています。ただし、納期管理や複数の業務を同時に進める力も求められます。

体を動かしながら働ける仕事

職種例
倉庫内作業、清掃スタッフ、調理補助、軽作業スタッフ
向いている理由・確認したい点
座り続けるより体を動かす方が集中しやすい方にとって選択肢になります。作業手順や安全確認が必要な点に注意しましょう。

人と関わる機会が多い仕事

職種例
販売スタッフ、飲食店スタッフ、イベントスタッフ
向いている理由・確認したい点
人と話すことや、状況に応じて行動することが得意な方に向いています。一方で、複数の対応が重なる場面では負担を感じる場合があります。

手順が明確な仕事

職種例
データ入力、郵便物の仕分け、検品、梱包作業
向いている理由・確認したい点
作業内容や優先順位が明確な環境を好む方に適しています。ただし、単調な作業を長時間続けることが負担になる方もいます。

興味のある分野を深く追求できる仕事

職種例
プログラマー、Webデザイナー、動画編集者
向いている理由・確認したい点
関心のある分野に集中して取り組める方に向いています。専門スキルの習得や、計画的に作業を進める力が必要です。

例えば、同じデザイナーでも、一つの制作物に集中できる職場と、複数の案件を短い納期で進める職場では、求められる働き方が異なります。

また、仕事中のミスや予定管理に不安がある場合も、チェックリストの活用や指示の明確化などによって、負担を軽減できることがあります。

ASD(自閉スペクトラム症)に向いている仕事

ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、曖昧な指示の理解や急な予定変更、人とのコミュニケーションなどに難しさを感じる場合があります。

一方で、一つの作業に集中して取り組むことや、決められたルールに沿って正確に作業を進めること、興味のある分野の知識を深めることなどを得意とする方もいます。

例えば、作業手順が明確なデータ入力や検品、専門的な知識を活かすIT関連職などが選択肢になります。

ただし、ASD(自閉スペクトラム症)の特性には個人差があり、一人で作業することを好む方もいれば、人と協力して仕事を進めることが得意な方もいます。

決められた手順に沿って進める仕事

職種例
データ入力、書類のスキャン・仕分け、郵便物の封入・発送準備
向いている理由・確認したい点
手順や作業内容が明確な環境で力を発揮しやすい方に向いています。ただし、作業の途中で急な変更や別の業務が発生する場合もあります。

正確さや丁寧さを活かせる仕事

職種例
製品の検品、データチェック、文章の校正
向いている理由・確認したい点
細かな違いや間違いに気づくことが得意な方に適しています。一方で、作業スピードや確認する項目の多さが負担になる場合があります。

一人で集中して取り組みやすい仕事

職種例
ECサイトの商品登録、画像加工、資料の整理・分類、清掃スタッフ
向いている理由・確認したい点
自分の作業に集中できる環境を好む方にとって選択肢になります。ただし、報告や連絡、他の方との連携が必要な場面もあります。

興味のある分野を深く追求できる仕事

職種例
プログラマー、動画編集者、研究補助、データ分析関連職
向いている理由・確認したい点
特定の分野に関心があり、知識や技術を深めることが得意な方に向いています。専門スキルの習得に加え、納期管理やチームでの連携が求められる場合があります。

例えば、同じデータ入力の仕事でも、決められた手順に沿って作業できる職場と、電話対応や急な依頼が頻繁に入る職場では、働きやすさが異なります。

また、音や光などの刺激に敏感な場合は、作業場所や周囲の環境も重要な確認項目です。

仕事を選ぶ際は、職種名だけで判断せず、自分の得意なことを活かせる仕事内容か、安心して作業に取り組める環境が整っているかを確認しましょう。

LD(学習障害)に向いている仕事

LD(学習障害)のある方は、全般的な知的発達に遅れがない一方で、文字を読むことや書くこと、計算することなど、特定の分野に困難を感じる場合があります。

例えば、文章を読むことが苦手でも、口頭での説明を理解したり、実際に作業をしながら手順を覚えたりすることが得意な方もいます。

また、計算が苦手な場合でも、イラスト制作やデザインなど、別の得意分野を仕事に活かせる可能性があります。

ただし、LDの特性には個人差があり、読み書きや計算以外の能力が必ず得意というわけではありません。

以下は、LDのある方が得意なことや苦手な作業に応じて検討できる仕事の例です。

実際の作業を通して手順を覚えられる仕事

職種例
清掃スタッフ、軽作業スタッフ、製造スタッフ、倉庫内作業
向いている理由・確認したい点
文字による説明よりも、実演を見ながら作業を覚えることが得意な方に向いています。ただし、マニュアルや商品ラベルを読む機会があるか確認が必要です。

視覚的な表現や発想力を活かせる仕事

職種例
デザイン補助、イラストレーター、レイアウト制作、装飾関連の仕事
向いている理由・確認したい点
絵や色、配置を考えることが得意な方に適しています。一方で、デザインソフトの操作や文字情報の確認、寸法の計算が必要な場合もあります。

役割分担が明確な仕事

職種例
工場のライン作業、調理補助、検品、梱包作業
向いている理由・確認したい点
担当する作業が決まっている環境を好む方にとって選択肢になります。作業に必要な読み書きや計算の量を事前に確認しましょう。

決まった手順で繰り返し取り組める仕事

職種例
機械操作、シール貼り、仕分け、清掃業務
向いている理由・確認したい点
手順を覚えて繰り返す作業が得意な方に向いています。ただし、数字の確認や記録業務、安全に関する指示の理解が必要な場合もあります。

例えば、同じ倉庫内作業でも、商品を決められた場所に仕分ける仕事と、伝票の読み取りや数量の計算が多い仕事では、求められる能力が異なります。

また、文字を読むことが苦手な場合は、写真付きの手順書や音声読み上げ機能を活用するなど、作業方法を工夫できる場合があります。

仕事を選ぶ際は、職種名だけで判断せず、苦手な作業がどの程度含まれるか、自分に合った方法で仕事を進められるかを確認することが大切です。

発達障害とは?仕事で見られる特性と困りごと

この章のポイント
  • 発達障害にはADHD・ASD・LDなどがあり、仕事での困りごとの現れ方は人によって異なる。
  • 自分がどのような場面で困りやすいかを知ることは、仕事選びや必要な配慮を考える際に役立つ。

発達障害とは、生まれつき脳の働き方に違いがあり、コミュニケーションや対人関係、注意力、感覚の受け取り方などに特性が見られる状態を指します。

周囲との違いから日常生活や仕事の場面で困りごとを感じることが多く、「努力不足」や「わがまま」と誤解されることも少なくありません。

仕事では、指示の理解やスケジュール管理、人とのやり取りなどで困難を感じる場合があります。ただし、同じ診断名でも特性の現れ方には個人差があり、得意なことや苦手なことも一人ひとり異なります。

ADHD(注意欠如・多動性障害)・の主な特徴や受診・相談のポイントを詳しく知りたい方は、「大人のADHD(注意欠如・多動症)とは?」をご覧ください。

また、ASD(自閉スペクトラム症)の特徴や原因、相談先については、「大人のASD(自閉スペクトラム症)とは?」で詳しく解説しています。

代表的な発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)・ASD(自閉症スペクトラム)・LD(学習障害)があります。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の方が仕事で感じやすい困りごと

注意欠如・多動症(ADHD)のある方は、不注意や多動性・衝動性などの特性によって、仕事で困りごとを感じる場合があります。

例えば、周囲の音が気になって作業に集中できなかったり、複数の業務を同時に進める中で、優先順位が分からなくなったりすることがあります。

ADHDのある方が仕事で感じやすい困りごとの例

  • 指示の理解・整理 複数の指示を一度に受けると、内容を整理しきれず、何度も確認することがある
  • 集中力の維持 周囲の音や人の動き、別の考え事などに注意が向き、作業が中断してしまう
  • うっかりミス・忘れ物 書類の記入漏れや持ち物の忘れ、作業の抜け漏れなどが起こる
  • スケジュール管理 複数の仕事の優先順位を決めたり、期限から逆算して作業を進めたりすることが難しい

ただし、ADHDの特性や困りごとの程度は一人ひとり異なり、すべての方に同じ問題が生じるわけではありません。

また、仕事の進め方や指示の出し方を工夫することで、負担を軽減できる場合もあります。

まずは、どのような業務や状況で困りごとが生じやすいのかを把握することが、自分に合った働き方や必要な配慮を考えるうえで大切です。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の方が職場で感じやすい困りごとや注意すべきポイントについては、ADHDに向いている仕事とは?注意したい職場環境・利用できる支援先を解説でより詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ASD(自閉症スペクトラム)の方が仕事で直面しやすい困りごと

自閉スペクトラム症(ASD)のある方は、コミュニケーションの取り方や物事へのこだわり、感覚の受け取り方などの特性によって、仕事で困りごとを感じる場合があります。

例えば、上司から「適当に進めておいて」と指示されても、具体的に何をすればよいのか分からなかったり、急な予定変更に戸惑ったりすることがあります。

ASDのある方が仕事で感じやすい困りごとの例

  • 曖昧な指示の理解 「なるべく早く」「いい感じに」など、具体的な基準が示されない指示を理解することが難しい
  • コミュニケーション 遠回しな表現や相手の意図を読み取ること、雑談などのやり取りに負担を感じる
  • 感覚の過敏さ 周囲の話し声や照明、においなどが気になり、作業に集中しづらくなる
  • 急な予定変更 予定していた作業の変更や突然の依頼に、戸惑いやストレスを感じる
  • 複数業務への対応 決められた作業の途中で別の仕事を頼まれると、切り替えや優先順位の判断が難しくなる

ただし、ASD(自閉スペクトラム症)の特性や困りごとの程度は一人ひとり異なり、すべての方に同じ問題が生じるわけではありません。

また、指示を具体的に伝えてもらう、予定変更を事前に共有してもらうなど、職場での工夫や配慮によって負担を軽減できる場合もあります。

まずは、自分がどのような状況で困りごとを感じやすいのかを整理することが、働きやすい環境や必要な配慮を考える手がかりになります。

ASD(自閉スペクトラム症)の方が職場で抱えやすい悩みや注意点については、【体験談あり】ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事とは?働きやすい環境・職種などを紹介!でも詳しくご紹介しています。

LD(学習障害)の方が仕事で直面しやすい困りごと

LD(学習障害)は、知的な発達に大きな遅れがなくても、文字を読む・書く・計算するといった一部のことが特に難しい状態です。

例えば、仕事の内容は理解できていても、書類を読むのに時間がかかったり、数字を使う作業で間違いが起きたりすることがあります。

LDのある方が仕事で感じやすい困りごとの例

  • 読むことが苦手 メールやマニュアルを読むのに時間がかかる、文字を読み間違える
  • 書くことが苦手 文字を正確に書くのが難しい、メールや報告書の文章を作るのに時間がかかる
  • 計算することが苦手 請求書の金額や在庫の数を計算するときに、時間がかかったり間違えたりする

また、一度に複数の口頭指示を受けると、内容を覚えきれない方もいます。ただし、これはLDだけに見られる困りごとではありません。

LDの特性には個人差があり、読むことは苦手でも、書くことや計算は問題なくできる方もいます。

そのため、仕事を選ぶ際は、自分がどの作業を苦手としているのか、どのような方法なら取り組みやすいのかを整理することが大切です。

メールやマニュアルを読むのに時間がかかる

LD(学習障害)のある方の中には、文字を正確に読んだり、文章の内容を理解したりすることが難しい方がいます。

例えば、仕事のメールやマニュアルを読むときに、文字を読み間違えたり、必要な情報を見つけるまでに時間がかかったりすることがあります。

特に、長い文章を読む業務が続くと、内容を理解するだけで疲れてしまう場合もあります。

仕事の進め方は分かっていても、文章を読む段階で時間がかかることがあるため、本人の努力や集中力だけの問題ではありません。

計算や数字の処理が苦手で、繰り返しミスをしてしまう

文字を書くことが苦手な場合、書類の記入やメールの作成などに時間がかかることがあります。

例えば、漢字を思い出せない、文字を書き間違える、文章をどのような順番で書けばよいか迷うといった困りごとです。

また、話すときには伝えられる内容でも、メールや報告書にまとめようとすると、必要な情報が抜けたり、文章を作るのに時間がかかったりする方もいます。

こうした困りごとは、伝えたい内容を理解していないこととは異なります。

計算や数字の確認で間違いが起こりやすい

LD(学習障害)の特性の一つに、数字の理解や計算が難しい「算数障害」があります。

例えば、足し算や引き算で桁を間違える、数字を読み違える、複数の数字を比べることが難しいといった困りごとがあります。

仕事では、請求書の金額を確認する、商品の在庫数を数える、数量を計算するなどの場面で負担を感じる場合があります。

何度確認しても計算を間違えてしまうことがあり、周囲から注意不足と誤解される場合もあります。

口頭の指示を覚えることが難しい場合もある

LD(学習障害)のある方の中には、読み書きや計算以外にも、仕事の指示を一度に覚えることが難しいと感じる方がいます。

例えば、「書類を整理して、担当者に提出したら、次にメールを確認してください」と複数の作業を頼まれたときに、途中の指示を忘れてしまうことがあります。

ただし、口頭の指示を覚えにくいことは、LDだけに見られる特徴ではありません。ほかの発達障害の特性などが関係する場合もあります。

そのため、指示を覚えることに難しさがある場合は、何が負担になっているのかを具体的に確認することが大切です。

LD(学習障害)のある方が仕事を選ぶ際は、苦手な作業がどの程度あるのか、自分に合った方法で仕事を進められるかを確認しましょう。

例えば、文字を読むことが苦手な場合は音声で確認する、書くことが苦手な場合はパソコンを活用するなど、作業方法を工夫できる場合もあります。

発達障害のある方が働きやすい職場環境と合理的配慮

この章のポイント
  • 発達障害のある方の働きやすさには、仕事内容だけでなく、職場環境や仕事の進め方も関係する。
  • 特性に合わせて指示の伝え方や作業環境を調整することで、仕事の負担を減らせる場合がある。
  • 職場で困っていることがある場合は、必要な合理的配慮について相談できる。

発達障害のある方が仕事を続けるためには、仕事内容だけでなく、職場環境が自分に合っているかも大切です。

例えば、周囲の音が気になって集中できない方もいれば、一度に複数の仕事を頼まれると、何から始めればよいか分からなくなる方もいます。

こうした困りごとに対しては、職場での工夫や「合理的配慮」が役立つ場合があります。

合理的配慮とは、障害のある方が働くうえで困っていることについて、本人と職場が話し合い、仕事の進め方や働く環境を調整することです。

例えば、仕事の指示を口頭だけでなく文章でも伝えてもらう、周囲の音が気になりにくい席に変更してもらうといった方法があります。

ここからは、発達障害のある方が負担を感じやすい職場環境や、働きやすい環境の特徴、職場で相談できる合理的配慮について紹介します。

同じ職種でも、仕事内容や職場のルールによって働きやすさは異なります。

例えば、事務職でも、一つの作業に集中できる職場と、電話対応や急な依頼が多い職場では、求められる働き方が違います。

そのため、仕事を探す際は、職種名だけで判断せず、どのような場面で負担を感じやすいのか、仕事の進め方を調整できるかを確認することが大切です。

発達障害の方が働きやすい環境・働き方

避けたほうがよい環境を理解した上で、次に大切なのは、自分にとって「働きやすい」と感じられる環境や働き方を知ることです。

発達障害のある方が無理なく働くためには、特性に合った職場や仕事のスタイルを選ぶことがポイントになります。

例えば、仕事の手順が決まっている職場や、周囲の音が少なく集中しやすい職場などです。

ただし、働きやすい環境は一人ひとり異なります。発達障害の特性別に、働きやすい職場環境の例を紹介します。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の方が働きやすい環境・働き方

ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方は、仕事の進め方が分かりやすく、集中しやすい職場環境で力を発揮できる場合があります。

例えば、次のような環境や働き方が考えられます。

ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方が働きやすい環境・働き方の例

  • 一つの作業に集中できる 複数の仕事を同時に進めるのではなく、順番に取り組める
  • 仕事の優先順位や手順が明確 何から始めるか、いつまでに終わらせるかが分かりやすい
  • 集中しやすい作業環境がある 周囲の音や人の動きが気になりにくく、落ち着いて作業できる
  • 特性への理解やサポートがある 困ったときに相談でき、仕事の進め方を一緒に考えてもらえる

ただし、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性には個人差があります。静かな場所で一つの作業に集中する方が働きやすい方もいれば、変化があり、体を動かせる仕事が合う方もいます。

そのため、自分が集中しやすい環境や、無理なく仕事を進められる方法を知ることが大切です。

仕事を選ぶ際は、仕事内容だけでなく、作業の進め方や困ったときに相談できる環境が整っているかも確認しましょう。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の方が働きやすい環境や働き方については、ADHDに向いている仕事とは?注意したい職場環境・利用できる支援先を解説でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

ASD(自閉スペクトラム症)の方が働きやすい環境・働き方

【ASD(自閉症スペクトラム)の方が働きやすい環境・働き方】
  • 業務内容や手順が明確に決まっている
  • 静かで落ち着いた環境
  • 1人で集中して取り組める
  • 予定外の対応が少なく、見通しを立てやすい
  • 特性への理解があり、配慮をしてくれる環境

ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、仕事の内容や手順が分かりやすく、予定を把握しやすい職場環境で力を発揮できる場合があります。

例えば、急な予定変更や曖昧な指示に負担を感じる方にとっては、仕事の進め方が決まっており、変更があるときに事前に知らせてもらえる環境が働きやすさにつながります。

ASDのある方が働きやすい環境・働き方の例

  • 仕事の内容や手順が明確 何をどのような順番で進めるのか、具体的な指示やルールが決まっている
  • 予定の変更が少ない 1日の仕事の流れを把握しやすく、変更がある場合は早めに知らせてもらえる
  • 音や光などの刺激が少ない 周囲の話し声や照明などが気になりにくく、落ち着いて作業できる
  • 一人で集中できる時間がある 頻繁に作業を中断されず、目の前の仕事に取り組める
  • 特性への理解や相談しやすい環境がある 困っていることを伝えやすく、仕事の進め方について相談できる

仕事を選ぶ際は、業務内容だけでなく、指示の出し方や予定変更の頻度、職場の音や人との関わり方なども確認しましょう。

ASD(自閉症スペクトラム)の方に合った具体的な働き方や環境については、【体験談あり】ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事とは?働きやすい環境・職種などを紹介!で詳しく紹介しています。

LD(学習障害)の方が働きやすい環境

LD(学習障害)のある方は、文字を読む・書く・計算することなど、苦手な作業に合わせて仕事の進め方を工夫できる環境で働きやすくなる場合があります。

例えば、文字を読むことが苦手な方は、音声で仕事の説明を聞ける環境や、写真を使って作業手順を確認できる環境が合うことがあります。

LDのある方が働きやすい環境・働き方の例

  • 自分に合った方法で指示を確認できる 文字だけでなく、音声や写真、実際の作業を見ながら仕事を覚えられる
  • パソコンや便利な機能を活用できる 文字の読み上げ機能や音声入力などを使って、読み書きの負担を減らせる
  • 数字の確認をサポートしてもらえる 計算機を使用したり、計算結果を確認してもらったりできる
  • 得意な作業を活かせる 苦手な業務について相談し、自分の得意なことを活かせる仕事の分担を考えてもらえる
  • 困ったときに相談できる 作業に時間がかかる理由や、取り組みやすい方法を職場の方と相談できる

自分が苦手な作業を把握し、負担を減らせる方法で仕事に取り組めるかを確認することが大切です。

発達障害の方が避けるべき環境・働き方

発達障害のある方が仕事で負担を感じやすい環境には、指示が分かりにくい職場や、急な予定変更が多い職場などがあります。

ただし、発達障害があるからといって、特定の仕事や職場を必ず避ける必要があるわけではありません。

例えば、人と話すことが得意な方には接客業が合う場合もありますが、急な対応や複数の作業を同時に行うことが苦手な方には、負担になることがあります。

以下は、発達障害のある方が働きづらさを感じやすい職場環境の例です。

指示が曖昧なことが多い
起こりやすい困りごと 「いい感じに進めて」「なるべく早く」などの指示では、何をどこまで行えばよいか分からなくなることがある
業務ルールや予定が頻繁に変わる
起こりやすい困りごと 上司によって指示が違ったり、急に仕事の予定が変わったりすると、対応に時間がかかることがある
周囲の音や人の動きが多い
起こりやすい困りごと 話し声や電話の音、人の出入りなどが気になり、作業に集中しづらくなることがある
複数の仕事を同時に求められる
起こりやすい困りごと 作業中に別の仕事を頼まれると、何から始めればよいか迷ったり、作業の抜け漏れが起きたりすることがある
接客や電話対応が多い
起こりやすい困りごと 初対面の方との会話や突然の質問への対応などに、負担を感じることがある

職場で相談できる合理的配慮の例

合理的配慮とは、障害のある方が仕事で感じる困りごとを減らし、自分の力を発揮できるように、会社が仕事の進め方や職場環境を調整することです。

例えば、口頭での指示を覚えることが難しい方に対して、指示を文章でも伝えることや、周囲の音が気になる方の座席を変更することなどが挙げられます。

合理的配慮は、障害者雇用枠だけでなく、一般雇用枠で働く方も対象となります。法律により、会社には過度な負担にならない範囲で、必要な合理的配慮を行う義務があります。

発達障害のある方が職場で相談できる合理的配慮には、次のような例があります。

発達障害のある方が職場で相談できる合理的配慮の例

複数の仕事を頼まれると、何から始めればよいか分からない
合理的配慮の例 仕事の優先順位を決めてもらう、一度に出す指示を少なくしてもらう
予定が急に変わると、対応が難しい
合理的配慮の例 変更がある場合は早めに知らせてもらう、1日の予定を事前に共有してもらう
曖昧な指示では、仕事内容を理解しにくい
合理的配慮の例 作業の手順や完成した状態の見本を示してもらう
周囲の音や光が気になり、集中できない
合理的配慮の例 座席を変更してもらう、耳栓などの使用を相談する
文字を読むことや書くことが難しい
合理的配慮の例 音声読み上げや音声入力を使用する、写真付きの手順書を用意してもらう
数字の確認や計算で間違えやすい
合理的配慮の例 電卓の使用や、計算結果を確認する方法について相談する

合理的配慮を相談するときは、「何に困っているのか」「どのようにしてもらえると仕事を進めやすいか」を具体的に伝えることがポイントです。

例えば、「口頭で複数の指示を受けると忘れてしまうことがあるため、チャットでも伝えていただけますか」と相談する方法があります。

ただし、希望した配慮が必ずそのまま実施されるわけではありません。会社の状況によって対応が難しい場合もあるため、本人と職場で話し合い、実施できる方法を考えることが大切です。

まずは上司や職場の相談窓口に、仕事で困っていることを伝えてみましょう。

発達障害の方の仕事選びのポイント

発達障害の方の仕事選びのポイント
この章のポイント
  • 仕事探しを始める前に、得意・苦手や負担になりやすい作業を整理することが重要である。
  • 希望する勤務時間や働く場所などを具体的にすることで、自分に合う求人を探しやすくなる。
  • すべての条件を決める必要はなく、特に優先したいことから整理する方法がある。

「何から始めればいいのか分からない」「自分に向いている仕事ってなんだろう?」と仕事探しを始める前に、そんな不安や戸惑いを感じる方も多いと思います。

特に発達障害のある方の場合は、自分の得意・不得意を整理したり、働きやすい条件をあらかじめ把握しておくことが、仕事選びのミスマッチを防ぐための大切な準備になります。

無理に急いで就職先を決めるよりも、自分の特性や希望を明確にすることが、安心して働ける職場に出会う第一歩です。

ここでは、仕事を探し始める前にやっておきたいことを、2つの視点からご紹介します。

自分の得意・苦手と負担になりやすい作業を整理する

発達障害のある方が自分に合う仕事を探す際は、まず得意なことと苦手なことを整理してみましょう。

例えば、「一人でコツコツ作業するのは得意だけど、人と話し続けると疲れる」「決まった手順で作業するのは得意だけど、急な変更には戸惑いやすい」などです。

得意・苦手を整理するときは、過去の仕事やアルバイト、学校生活などを振り返り、次のように書き出してみるのがおすすめです。

得意・苦手を整理する例

得意・取り組みやすい作業
具体例 決まった手順で進める作業、細かい間違いを確認する作業
苦手・ミスが起きやすい作業
具体例 複数の仕事を同時に進める作業、急な予定変更への対応
できるけれど疲れやすい作業
具体例 人と長時間話すこと、騒がしい場所での作業
好きだけど負担を感じる作業
具体例 デザインを考えることは好きだが、短い納期で複数の制作物を仕上げるのは難しい

大切なのは、単に「できる・できない」で判断しないことです。

例えば、人と話すことが得意でも、長時間の接客では疲れやすい方もいます。反対に、苦手な作業でも、手順が分かりやすければ取り組める場合があります。

「何が苦手か」だけでなく、「どのような条件なら取り組みやすいか」まで整理することが、自分に合う仕事を考える手がかりになります。

自分に合った働き方を整理する

仕事を選ぶとき、「興味がある」「やってみたい」という気持ちは大切ですが、実際に働いてみると、思っていたよりも負担が大きい場合があります。

そのため、自分が毎日働く場面を想像し、どのような条件なら無理なく続けられそうかを考えてみましょう。

例えば、次のように2つの働き方を比べてみる方法があります。

自分に合った仕事を選ぶためのチェックリスト

仕事内容

苦手な業務

指示の出し方

職場環境

人との関わり方

仕事内容の変化

勤務時間・場所

休憩・作業ペース

例えば、通勤すると疲れやすい方は、在宅勤務ができる職場の方が負担を減らせる場合があります。一方で、自宅では集中しにくく、会社に通う方が仕事に取り組みやすい方もいます。

すべての条件を満たす職場を探すのは難しい場合もありますが、「これなら続けられそう」と感じる条件を知ることが、自分に合う仕事を見つける手がかりになります。

さらに希望する条件を「譲れない条件」と「できれば希望したい条件」に分けておくと、仕事を比較するときにも役立ちます。

発達障害のある方の就職方法|一般雇用枠と障害者雇用枠の違い

この章のポイント
  • 発達障害のある方は、一般雇用枠と障害者雇用枠の両方を就職先の選択肢として考えられる。
  • 一般雇用枠は障害の有無にかかわらず応募できる求人、障害者雇用枠は障害のある方を対象とした求人である。
  • 仕事内容や勤務条件、必要な配慮などを比較し、自分に合う就職方法を選ぶことが重要である。

発達障害のある方が仕事を探す方法には、「一般雇用枠」と「障害者雇用枠」の2つがあります。

一般雇用枠は、障害の有無にかかわらず応募できる求人です。 一方、障害者雇用枠は、障害のある方を対象とした求人で、障害の特性や必要な配慮を職場に伝えながら働くことを前提としています。

ただし、一般雇用枠でも、障害について職場に伝え、仕事上の配慮を相談することはできます。

どちらの雇用枠が合っているかは、希望する仕事内容や勤務条件、必要な配慮などによって異なります。

ここからは、それぞれの特徴や違い、障害者手帳がない場合の仕事探しについて解説します。

一般雇用枠で就職する場合

一般雇用枠は、職種や仕事内容の選択肢が幅広く、自分の希望やスキルに合った仕事を探しやすいことが特徴です。

発達障害のある方も応募でき、障害について職場に伝えるかどうかは本人が選択できます。

一般雇用枠での障害の伝え方

障害を伝えて働く場合

自分の特性や苦手なことを職場に理解してもらい、必要な配慮を相談しながら働く方法

障害を伝えずに働く場合

障害について職場に知らせず、仕事内容や勤務条件などを基に就職する方法

例えば、口頭で複数の指示を受けることが苦手な場合、障害について伝えることで、指示をチャットでも共有してもらうなどの配慮を相談できます。

一般雇用枠で仕事を探す際は、希望する仕事内容や勤務条件に加えて、自分に必要な配慮を受けられるか、障害について伝えるかも考えておきましょう。

障害者雇用枠で就職する場合

障害者雇用枠は、発達障害のある方が、自分の特性や仕事で困りやすいことを職場に伝えたうえで働ける就職方法です。

例えば、複数の仕事を同時に進めることが苦手な場合は、業務の優先順位を決めてもらうなど、働きやすくなるための配慮を相談できます。

障害者雇用枠で働くメリット

  • 障害の特性を理解してもらいやすい 得意・苦手や仕事で必要な配慮について、採用前から相談できる
  • 仕事内容の調整を相談できる 苦手な作業や業務量について、職場と話し合いながら調整を検討できる
  • 就職後のサポートを受けられる場合がある 定期的な面談などを通して、仕事の悩みや困りごとを相談できる

一方で、障害者雇用枠の求人では、担当する仕事内容や勤務時間が限られる場合もあります。給与や働き方、サポート体制は企業によって異なるため、応募前に確認しましょう。

また、障害者雇用枠の求人では、一般的に障害者手帳の所持が求められます。発達障害のある方は、状態に応じて精神障害者保健福祉手帳などの交付対象となる場合があります。

障害者雇用の仕組みや対象となる方、一般雇用との違いを詳しく知りたい方は、障害者雇用とは何か?対象・仕組み・安心して働けるサポート制度まで徹底解説をご覧ください。

障害者手帳がない場合の仕事探し

発達障害の診断を受けていても、障害者手帳を取得していない方はいます。

障害者手帳がなくても、一般雇用枠で仕事を探したり、就職に向けた支援を利用したりすることは可能です。

例えば、次のような方法があります。

障害者手帳がない場合の仕事探しの方法

  • 一般雇用枠で仕事を探す

    障害者手帳の有無にかかわらず、希望する職種や勤務条件に合った求人へ応募できます。

  • ハローワークに相談する

    障害のある方向けの専門窓口では、障害者手帳がなくても、仕事探しや就職活動について相談できます。

  • 就労移行支援を利用する

    医師の診断書などで障害の状態を確認できる場合は、障害者手帳がなくても利用できることがあります。

ただし、障害者雇用枠の求人では、基本的に障害者手帳の所持が求められます。また、就労移行支援を利用するには、お住まいの自治体による確認や手続きが必要です。

「障害者手帳がないから支援を利用できない」と決めつけず、まずは利用できる制度や相談先を確認してみましょう。

自分に合う仕事が分からない場合や、就職活動を一人で進めることに不安がある場合は、ハローワークや自治体の障害福祉担当窓口に相談する方法があります。

発達障害のある方が仕事を探すときに利用できるサポート

発達障害のある方が仕事を探すときに利用できるサポート
この章のポイント
  • 発達障害のある方は、ハローワークや就労移行支援などで仕事探しのサポートを受けられる。
  • 求人紹介や就職活動の相談、仕事に必要なスキルの習得など、様々な支援がある。
  • 支援内容や利用条件はそれぞれ異なるため、自分の状況や目的に合わせた選択が重要である。

発達障害のある方が仕事を探す際は、専門の相談員や支援員に相談しながら就職活動を進める方法があります。

例えば、「自分に向いている仕事が分からない」「一人で就職活動を進めるのが不安」という方も、サポートを受けながら仕事探しを進められます。

主な相談先には、ハローワーク、障害者雇用専門の転職エージェント、就労移行支援があります。

それぞれ受けられるサポートや利用条件が異なるため、自分の状況に合った方法を選びましょう。

ここからは、3つのサポートについて詳しく紹介します。

ハローワーク(障害者専用窓口)

ハローワークは、国が運営する無料の就職支援機関です。全国各地に窓口があり、仕事探しから就職後まで幅広いサポートを行っています。

例えば、一般雇用枠や障害者雇用枠の求人紹介、自分に合った仕事についての相談、履歴書・職務経歴書の作成や面接対策などのサポートを受けられます。

また、障害のある方向けの専門窓口(障害者専門窓口)では、発達障害の特性を踏まえた仕事探しについて相談できます。

専門の職員や相談員に、仕事で苦手なことや必要な配慮を伝えながら、希望に合った求人を探すことが可能です。障害者手帳がなくても、専門窓口で相談できます。

就職後も、必要に応じて職場で働き続けるための相談や、関係機関と連携したサポートを受けられます。

「自分にどんな仕事が合っているか分からない」「就職活動に不安がある」という方は、まずはお住まいの地域のハローワークに相談してみましょう。

障害者雇用専門転職エージェント

障害者雇用専門の転職エージェントとは、発達障害をはじめとする障害のある方を対象に、就職や転職をサポートする民間のサービスです。

登録すると、担当のキャリアアドバイザーに希望する仕事内容や勤務条件、障害の特性などを相談しながら仕事を探せます。

主に受けられるサポートは、次のとおりです。

  • 求人の紹介

    希望する仕事内容や働き方に合った求人を紹介してもらえる

  • 応募書類・面接対策

    履歴書や職務経歴書の作成、面接に向けた準備をサポートしてもらえる

  • 企業との調整

    必要な配慮や勤務条件について、応募先の企業とのやり取りをサポートしてもらえる

ハローワークとの違いは、転職エージェントが取り扱う求人の中から、希望や特性に合った企業を紹介してもらえることです。

例えば、「在宅勤務ができる仕事を探したい」「苦手な業務について事前に相談したい」といった希望を伝えながら、就職活動を進められます。

基本的に無料で利用できますが、紹介できる求人やサポート内容、利用条件はサービスによって異なります。

また、障害者雇用枠の求人では、障害者手帳が必要となる場合が多いため、事前に確認しましょう。

就労移行支援

就労移行支援は、発達障害をはじめとする障害のある方が、一般企業への就職を目指すための福祉サービスです。

仕事に必要なスキルの習得だけでなく、自分の得意・苦手の整理、生活リズムの改善、応募書類の作成や面接対策など、就職に向けた様々なサポートを受けられます。

例えば、「自分に向いている仕事が分からない」「働きたいけれど、何から準備すればよいか分からない」という方も、支援員と相談しながら就職活動を進められます。

就労移行支援の利用対象や具体的な支援内容については、「就労移行支援とは?」の記事で詳しく紹介しています。

manaby(マナビー)の就労移行支援について

就労移行支援manaby(マナビー)では、発達障害をはじめ、精神障害や知的障害、難病のある方が自分らしく働くための支援を行っています。

1人ひとりの特性や不安に合わせた個別支援を大切にしており、「自分に合った働き方」を一緒に見つけていくことを重視しています。

例えば、以下のような支援を通じて、今の辛さを整理しながら、これからの働き方を一緒に考えていけます。

体調管理・ストレス対処のサポート
毎日を少しずつ安定させるために、生活リズムやメンタル面の整え方を一緒に考えます。
自分のペースで学べるeラーニング「マナe」
PCスキル・ITスキルを、外出が難しい時も自宅でゆっくり習得できます。
在宅支援で安心して訓練できる(自治体により利用可否あり)
外出が不安な方でも、自宅から通所と同じ支援を受けられます。
就職活動のサポート(履歴書・面接・求人探し)
苦手になりやすい書類作成や面接練習も、支援員が伴走します。
就職後の「定着サポート」が充実
働き始めてからの悩みや不安も相談でき、長く働き続けるためのフォローがあります。

「仕事がうまくいかず、今は働けていない」「この先どうすればいいのか分からない」とそんなお気持ちを抱えている方は、自分に合った働き方を探すきっかけとして、ぜひ一度ご相談ください。

発達障害のある方の仕事に関するよくある質問

発達障害のある方が仕事を探す際は、就職や転職、働き方について様々な疑問が生じることがあります。

ここでは、発達障害と診断された場合の転職の必要性や、障害者手帳がない場合のサポート、未経験からの仕事探しなど、よくある質問に回答します。

発達障害と診断されたら転職した方がよいですか?

発達障害と診断されたからといって、必ずしも転職する必要はありません。

現在の仕事内容や職場環境が自分に合っていて、無理なく働けている場合は、そのまま仕事を続けることも選択肢の一つです。

一方で、仕事のミスが続いたり、職場の人間関係に強い負担を感じたりしている場合は、働き方を見直すことも考えられます。

例えば、業務の優先順位を明確にしてもらう、指示を文章で伝えてもらうなど、職場での調整によって働きやすくなる場合があります。

まずは現在の仕事で何に困っているのかを整理し、職場で改善できることがないか確認してみましょう。

それでも負担が大きく、働き続けることが難しい場合は、転職や就職支援の利用を検討する方法もあります。体調に影響が出ている場合は、主治医などにも相談しながら判断しましょう。

障害者手帳がなくても就職支援を利用できますか?

はい。発達障害のある方は、障害者手帳がなくても利用できる就職支援があります。

例えば、ハローワークの専門窓口では、障害者手帳をお持ちでない方も仕事探しや就職活動について相談できます。

また、就労移行支援も、医師の診断書などで障害の状態を確認でき、お住まいの自治体が利用を認めた場合は、障害者手帳がなくても利用できます。

ただし、障害者雇用専門の転職エージェントなど、サービスによっては障害者手帳が必要な場合もあります。

利用できるサポートを知りたい方は、ハローワークや自治体の障害福祉担当窓口に相談してみましょう。

発達障害のある方が未経験から目指せる仕事はありますか?

発達障害のある方も、未経験から応募できる仕事があります。

例えば、データ入力や事務補助、商品の検品・仕分けなどは、未経験者を募集している求人もあります。

ただし、同じ職種でも仕事内容や求められるスキルは企業によって異なります。

例えば、事務職でも、決められた手順に沿って作業する仕事もあれば、電話対応や複数の業務を同時に進める仕事もあります。

そのため、未経験から仕事を探す際は、経験や資格の有無だけでなく、自分の得意・苦手に合った仕事内容かどうかを確認しましょう。

必要に応じて、就労移行支援などで仕事に役立つスキルを身につけてから、就職を目指す方法もあります。

発達障害で仕事が続かない場合はどうすればよいですか?

発達障害のある方が仕事を続けられない場合は、仕事で負担を感じている原因を整理し、自分に合った働き方や職場環境を考えることが大切です。

例えば、仕事のミスが多い場合は、業務の進め方が合っていない可能性があります。また、職場の人間関係や周囲の音などが負担になっている場合もあります。

現在の職場で働き続けたい場合は、上司や相談窓口に困りごとを伝え、仕事内容や勤務環境の調整を相談する方法があります。

一方、職場での調整が難しい場合は、転職や就労移行支援などの利用を検討することも選択肢の一つです。

仕事が続かないことを自分だけの問題と考えず、自分の特性に合った仕事や、働きやすい環境を見つけることを意識してみましょう。

なお、心身の不調が続いている場合は、無理をせず主治医などに相談してください。

発達障害のある方が安心して働くために

発達障害のある方が働くうえで感じる困りごとは、人によって様々です。

仕事でミスが続いたり、人間関係に悩んだりする場合もありますが、仕事内容や職場環境が自分に合っていないことが原因となっている可能性もあります。

また、発達障害のある方に向いている仕事は、診断名だけで決まるものではありません。同じ職種でも、担当する業務や職場環境によって働きやすさは異なります。

自分の得意・苦手を整理し、無理なく力を発揮できる仕事内容や働き方を見つけることが大切です。

仕事を探す際は、仕事内容だけでなく、勤務時間や職場環境、必要な配慮を相談できるかどうかも確認してみましょう。

「自分に合う仕事が分からない」「一人で就職活動を進めることに不安がある」という方は、ハローワークや就労移行支援などのサポートを活用する方法もあります。

一人で抱え込まず、必要なサポートを取り入れながら、自分に合った仕事や働き方を探していきましょう。

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狩野 淳

臨床心理士/公認心理師
2013年に心理学部を卒業後、大学院で発達・臨床心理学を学び、臨床心理士・公認心理師を取得。福祉事業所に勤務し、子どもと保護者を対象に心理支援を行っている。ABAやCBT、ブリーフセラピーを用いた実践的な支援を提供している。

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