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強迫性障害(強迫症)の方に向いている仕事とは?困りごとと仕事選びのコツ

目次
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この記事は 2 分で読めます。

強迫性障害(強迫症)があると、「仕事はできるのか」「仕事を続けることができるのか」といった不安や悩みを感じることが少なくありません。

例えば、確認作業に時間がかかってしまったり、周囲と同じペースで作業を進めることにプレッシャーを感じたり、急な予定変更に対応できず戸惑うこともあります。こうした強迫性障害(強迫症)特有の困りごとは、仕事をするうえで大きな負担になりやすいものです。

しかし、環境や働き方を工夫することで、強迫性障害(強迫症・OCD)とうまく付き合いながら、自分らしい仕事のスタイルを見つけることは十分に可能です。

この記事では、強迫性障害(強迫症・OCD)のある方が仕事で直面しやすい困りごとや、働きやすい環境・働き方の特徴、向いている仕事の例を紹介しながら、仕事を始めるタイミングの見極め方や、利用できる支援制度・相談先についても分かりやすく解説していきます。

狩野 淳
監修 狩野 淳 (臨床心理士/公認心理師)
この記事は、大学院で発達心理学・臨床心理学を学び、臨床心理士・公認心理師として、子どもや保護者への心理支援に携わっている専門家が監修しています。
この記事のまとめ
  • 強迫性障害(強迫症・OCD)とは
    強い不安や考えが繰り返し浮かぶ「強迫観念」や、不安を和らげるために同じ行動を繰り返す「強迫行為」などがみられる精神疾患
  • 仕事で感じる困りごとは人によって異なる
    認を繰り返して作業に時間がかかる、汚れやミスが気になる、急な予定変更に負担を感じるなど、様々な困りごとが生じる
  • 向いている仕事は職種名だけで決まらない
    業務手順が明確か、確認作業が多すぎないか、急な変更が少ないかなど、仕事内容や職場環境との相性を確認することが大切
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強迫性障害(強迫症・OCD)とは?

強迫性障害(強迫症・OCD)は、「何度も確認しないと気がすまない」「手を何度も洗ってしまう」などと自分の意思に反して不安や考えが繰り返し浮かぶ「強迫観念」や、その不安を和らげるために同じ行動を繰り返す「強迫行為」などがみられる精神疾患です。

例えば、「鍵をかけ忘れたかもしれない」と何度も確認したり、「手が汚れている気がする」と何度も手を洗ったりすることがあります。

症状の内容や程度は人によって異なりますが、自分でも「確認しすぎている」「何度も繰り返す必要はない」と分かっていても、不安が強く、行動をやめることが難しい場合があります。

※強迫性障害は現在、診断基準の改訂により「強迫症」と呼ばれるようになっていますが、最新版「DSM-5-TR」以前の診断名である「強迫性障害」という表現も広く使われています。そのため、この記事では「強迫性障害(強迫症)」と表記して統一します。

強迫性障害について詳しく知りたい方は、強迫性障害(OCD)とは?症状や原因を症状・原因・相談先までやさしく解説をご覧ください。

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が仕事で感じる困りごとは?

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が仕事で感じる困りごとは?
この章のポイント
  • 確認を繰り返すことで、仕事に時間がかかったり次の作業に進みにくくなったりする場合がある。
  • 汚れやミス、他人への影響などへの不安が、仕事中の集中や行動に影響することがある。
  • 急な予定変更や手順の変更に負担を感じる場合もあり、困りごとの内容や程度には個人差がある。

強迫性障害(強迫症・OCD)の症状は人によって異なりますが、強迫観念や強迫行為によって仕事の進め方や集中に影響が出る場合があります。

ここでは、仕事の場面で感じやすい代表的な困りごとを紹介します。

確認を繰り返して仕事に時間がかかる

「間違っていたらどうしよう」「確認が足りないかもしれない」といった不安から、同じ内容を何度も確認してしまうことがあります。

例えば、資料の数字を繰り返し見直したり、メールを送信する前に何度も文章を確認したりすることで、本来よりも作業に時間がかかる場合があります。

自分では確認を終えたいと思っていても、「見落としがあるかもしれない」という不安が残ると、次の作業へ進むことが難しくなることもあります。

確認に時間がかかる状態が続くと、仕事の予定が遅れたり、周囲からは「慎重で丁寧」と思われる一方で、「作業が遅い」「まだ終わってないの?」と誤解されてしまうこともあり、プレッシャーや孤立感を抱きやすくなります。

上司や同僚とのコミュニケーションに負担を感じる

強迫性障害(強迫症)の特性によって、ミスへの強い不安や自信のなさが影響し、上司や同僚との関係に悩むこともあります。

例えば、「この対応で問題ないか」と何度も確認したり、決められた手順から外れることに不安を感じたりすると、周囲とのやり取りが増える場合があります。

また、確認を繰り返す理由や不安の強さが周囲に伝わっていないと、「細かすぎる」「同じことを何度も聞いている」と受け取られ、すれ違いにつながることもあります。

こうした状況が続くと、周囲に相談することをためらったり、人とのやり取りそのものに負担を感じたりする場合があります。

結果として、距離を取りすぎる、孤立してしまうことにつながってしまいます。

急な予定変更や臨機応変に対応しなければならない

強迫性障害(強迫症)のある方は、決まった手順やルールが崩れることに対して強い不安を感じることがあります。

例えば、急なスケジュール変更や予期しない業務の割り込みなどがあると、それまで考えていた手順を組み直すことに時間がかかったり、「この進め方で問題ないか」と不安が強くなったりする場合があります。

また、予定どおりに進められないことが気になり、新しい対応に踏み出せなかったり、自分の中で整理がつかないまま焦りばかりが募ってしまったり、次の対応に切り替えるまでに時間がかかることもあります。

こうしたことから、臨機応変な対応が求められる職場では、プレッシャーや精神的な負担を感じやすく、体調を崩すきっかけになります。

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強迫性障害(強迫症・OCD)の方が働きやすい環境・働き方とは?

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が働きやすい環境・働き方とは?
この章のポイント
  • 業務の手順や役割が明確な職場は、見通しを持って仕事を進めやすくなる。
  • 困りごとや体調について相談できる環境があることも、働き続けるうえで大切。
  • 働きやすい環境は症状によって異なるため、自分が負担を感じやすい場面を整理して仕事を選ぶことが重要。

強迫性障害(強迫症)のある方が無理なく働くためには、症状の特性に配慮された職場環境や働き方の工夫がとても重要です。

自分がどのような場面で不安を感じやすいのかを整理したうえで、業務内容や職場環境、相談体制などを確認することが大切です。

困りごとや体調について相談しやすい職場

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が安心して働き続けるためには、特性や体調への理解について相談でき、必要に応じて仕事の進め方を調整できる環境も重要です。

障害のある方が働く際には、「合理的配慮」という考え方があります。

合理的配慮とは、障害によって仕事をするうえで生じる困難を減らすため、本人と事業主が話し合いながら必要な対応を検討するものです。

その選択肢のひとつとして、「障害者雇用」や「特例子会社」での勤務があります。

  • 障害者雇用:障害のある方が安心して働けるように、法律で定められた制度。企業には一定の割合で障害者を雇用する義務があります。
  • 特例子会社:大手企業などが、障害のある方を継続的に雇用するために設立した、障害者雇用に特化した子会社のことです。

障害者雇用や特例子会社では、強迫性障害(強迫症)のある方が働きやすくなるよう、以下のような配慮がされることがあります。

職場で受けられる配慮の具体例

  • 確認作業に時間をかけられるよう、業務の進め方を調整してくれる
  • 業務手順やルールが明確にされ、急な変更が起こりにくいように配慮されている
  • 定期的に体調や困りごとを相談できる面談やフォローがある
  • 静かな場所や集中しやすい席を選べることがある
  • コミュニケーションが少なめな作業を任せてもらえる

障害者雇用枠や特例子会社で働くことも選択肢の一つですが、働きやすさは雇用形態だけで決まるものではありません。

求人を選ぶ際は、仕事内容や職場の相談体制、実際にどのような配慮を相談できるかまで確認すると、自分に合う環境を判断しやすくなります。

業務の流れが決まっており、急な予定変更が少ない

強迫性障害(強迫症・OCD)の方の中には、決まった手順やスケジュールに沿って進められる仕事の方が、見通しを持って取り組みやすいと感じる方もいます。

一方で、急な予定変更や業務の割り込みが多い環境では、予定していた手順を組み直す必要があり、不安が強くなったり、作業への集中が途切れたりする場合があります。

そのため、業務の流れや役割が明確で、予定変更が比較的少ない職場は、働きやすい環境の一つです。

ただし、ルーティンワークであっても、確認を繰り返しやすい業務などが負担になる場合があります。

仕事内容だけでなく、どのような場面で不安や負担を感じやすいかもあわせて確認することが大切です。

自分のペースで進めやすい仕事

強迫性障害(強迫症・OCD)の方の中には、周囲とのやり取りや時間的なプレッシャーが重なると、不安が強くなったり、作業に集中しにくくなったりする方もいます

そうした場合、自分のペースで落ち着いて取り組める、または1人で進める作業が多い仕事は、安心して働きやすい選択肢のひとつになります。

1人で進める業務であれば、周囲とのコミュニケーションに気を取られることが少なく、作業に集中しやすくなるというメリットがあります。

また、確認作業や手順へのこだわりがあっても、他人に急かされることが少ないため、自分の特性に合わせたリズムで仕事を進めやすくなります。

ただし、1人で進める仕事であっても、不安や確認を1人で抱え込みやすくなる場合があります。そのため、必要なときに上司や同僚へ相談できる環境があるかどうかもあわせて確認することが大切です。

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が向いている仕事

強迫性障害(強迫症)の方に向いている仕事の特徴や職種例
この章のポイント
  • 強迫性障害(強迫症)の方に一律に向いている仕事があるわけではない。
  • 業務の手順が明確で、急な変更が少ない仕事は取り組みやすい場合がある。
  • 職種名だけでなく、自分がどのような場面で不安や負担を感じやすいかを確認することが大切。

強迫性障害(強迫症)の症状や困りごとは人によって異なるため、「この職種なら必ず向いている」と一概には言えません。

例えば、決まった手順に沿って進められる仕事が取り組みやすい方もいれば、確認を繰り返しやすい業務では負担を感じる方もいます。

そのため、職種名だけで判断するのではなく、仕事内容や職場環境、自分の症状との相性を確認することが大切です。

仕事の例働きやすさにつながる特徴確認したい点
データ入力・文字起こしなどの事務作業業務手順や完了基準が明確である正確性への不安から、確認を繰り返しやすくなる場合もある
清掃・備品管理などの施設管理業務決まった手順やスケジュールで進めやすい汚れや衛生面への不安が強い場合は、負担になることもある
軽作業(封入・シール貼り・梱包など)繰り返し作業が多く、流れを把握しやすい検品など確認作業が多い業務では、負担を感じる場合もある
Webライティング・Web制作など自分のペースで進めやすい場合がある納期や修正対応の頻度によっては、負担を感じることもある
書類整理・スキャン・データ管理などのバックオフィス業務決められた手順に沿って進めやすい確認作業や急な業務変更が多い場合は、負担になることもある

これらの仕事は、急な判断や臨機応変な対応が少なく、手順や環境が安定していることが特徴です。

仕事を選ぶ際は、「どの職種か」だけではなく、業務の進め方や確認作業の多さ、急な予定変更の頻度、相談できる環境があるかなども確認すると、自分に合う働き方を考えやすくなります。

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が働きやすい環境・働き方とは?

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が働きやすい環境・働き方とは?

強迫性障害(強迫症)の症状が仕事に影響していると、「このまま仕事を続けても大丈夫か」「休職した方がよいのか」「いつから働き始めればよいのか」と迷うことがあります。

仕事を続けるか、休職や復職を検討するかは、症状の程度や仕事で感じている負担、生活の状態などによって異なります。

焦って判断すると負担が大きくなる場合もあるため、まずは自分の状態を整理することが大切です。

自分だけで判断するのが難しい場合は、現在の体調や仕事で困っていることを整理したうえで、主治医や職場、支援機関などに相談しながら働き方を考えていきましょう。

ここでは、仕事を続ける場合や休職・復職を検討する場合に確認したいポイントを紹介します。

症状が安定しているか

仕事を続けることや復職を考える際は、強迫症状(確認行為や強い不安)がどの程度落ち着いているかを確認することが大切です。

例えば、「不安が強くて作業に手がつかない」「確認に時間がかかり、生活リズムにも影響が出ている」といった状態が続いている場合は、仕事の再開時期について主治医に相談することも一つの方法です。

目安としては、次のような状態を確認してみましょう。

  • 日常生活を大きな負担なく送れている
  • ストレスを感じたときに、自分なりの対処ができる
  • 睡眠や食事など、生活リズムがある程度整っている
  • 仕事を想定した活動をしても、強い負担が続かない

復職や就職のタイミングは、症状だけでなく、生活の状態や仕事の内容によっても異なります。

症状の安定については主治医と相談し、復職する場合は職場とも調整しながら、段階的に仕事へ戻る方法を検討するとよいでしょう。

また、必要に応じてカウンセリングや支援機関などを活用し、客観的な意見を取り入れることで、自分では気づきにくい体調や症状の変化を整理しやすくなります。

自分のストレスサインや対処法を理解できているか

仕事を始めると、どんなに環境が整っていても、多少のストレスを感じる場面は避けられません。

そのため、自分がどのような場面でストレスを感じやすいか、症状が強くなる前にどのような変化が出やすいかを整理しておくことも大切です。

例えば、次のような状態がないか振り返ってみましょう。

  • 確認を途中で終えると不安が強くなり、作業が止まってしまう
  • 汚れへの不安が頭から離れず、仕事に集中しにくくなる
  • 「間違いがないか」が気になり、次の作業へ進みにくくなる
  • 疲れがたまると確認や不安が増えやすくなる

こうしたストレスのサインを把握できていると、自分にとって負担が大きい場面を予測したり、働き方を工夫するヒントになります。

また、ストレスを感じたときに簡単な対処行動(例:深呼吸をする、少し休憩を取るなど)を思い浮かべられるかどうかも、働き始めるタイミングを判断するポイントになります。

対処法は人によって異なるため、症状への対応について迷う場合は、必要に応じて主治医や支援機関と相談しながら考えていきましょう。

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強迫性障害(強迫症)の方が仕事を続けるための具体的な工夫

この章のポイント
  • 仕事で負担を感じやすい場面を整理すると、自分に合った対策を考えやすくなる。
  • 業務の手順や優先順位を明確にし、迷いや不安を減らす工夫も一つの方法。
  • 1人で抱え込まず、必要に応じて職場や主治医、支援機関へ相談することも大切。

強迫性障害(強迫症)の症状があっても、仕事の進め方や職場との相談方法を工夫することで、負担を調整できる場合があります。

ただし、負担を感じる場面や症状の現れ方は人によって異なります。

まずは「どのようなときに不安が強くなるか」「どのような業務で時間がかかりやすいか」を整理し、自分に合う方法を考えることが大切です。

業務の手順や優先順位を明確にする

複数の仕事を同時に任されたり、指示が曖昧だったりすると、「どこまで確認すればよいのか」「どの仕事から進めるべきか」と迷い、不安が強くなる場合があります。

そのため、仕事を始める前に手順や優先順位、完了の基準を確認しておくことも一つの方法です。

例えば、次のような点を職場と共有しておくと、仕事の見通しを持ちやすくなります。

  • 業務を進める順番
  • 仕事を完了とする基準
  • 締め切りや優先順位
  • 判断に迷った場合の相談先

負担を感じやすい場面を整理する

強迫性障害(強迫症)の症状は人によって異なるため、自分が仕事のどの場面で負担を感じやすいかを把握することが大切です。

例えば、「メールを送る前の確認に時間がかかる」「予定が急に変わると不安が強くなる」など、具体的な場面を書き出してみると、必要な工夫や配慮を考えやすくなります。

あわせて、症状が強くなりやすい状況や、疲れがたまったときに出やすい変化なども整理しておくと、早めに対応するためのヒントになります。

職場に困りごとや必要な配慮を相談する

仕事を続けるうえで困っていることがある場合は、上司や職場の相談担当者などに相談する方法もあります。

例えば、業務手順を明確にしてもらう、予定変更をできる範囲で事前に共有してもらう、定期的に仕事の進め方を相談するなど、仕事内容や状況に応じた配慮を相談できる場合があります。

「強迫性障害(強迫症)だから何をしてほしいか」ではなく、「どのような場面で困っていて、どのような方法なら仕事を進めやすいか」を具体的に伝えると、職場とも相談しやすくなります。

休憩や通院を含めて無理のない働き方を考える

疲れやストレスが重なることで、不安や確認が強くなる方もいます。

必要に応じて休憩を取るほか、通院を続けやすい勤務時間になっているか、業務量が負担になりすぎていないかなども確認してみましょう。

職場での調整が必要な場合は、勤務時間や休暇、業務量について相談することも選択肢の1つです。

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が利用できる支援制度

強迫性障害(強迫症・OCD)の方が利用できる支援制度
この章のポイント
  • 強迫性障害(強迫症)の方は、症状や生活状況に応じて公的な支援制度を利用できる場合がある。
  • 通院にかかる医療費の負担を軽減する制度や、就労・生活を支える制度も。
  • 利用できる制度や条件は個人の状況によって異なるため、自治体や関係機関に確認することが大切。

強迫性障害(強迫症・OCD)のある方が安心して働き続けるためには、生活面や就労面で利用できる支援制度を知っておくことも大切です。

症状や生活状況によっては、公的な支援制度を利用できる場合があります。制度を知っておくことで、治療を続けながら仕事や生活について考える際の選択肢を増やすことができます。

ここでは、強迫性障害(強迫症・OCD)の方が利用できる代表的な支援制度を紹介します。

自立支援医療(精神通院医療)

自立支援医療(精神通院医療)は、強迫性障害(強迫症)などの精神疾患があり、継続的な通院による精神医療が必要な方を対象に、医療費の自己負担を軽減する制度です。

対象となる医療については、通常の医療保険による自己負担が3割の場合、自立支援医療を利用することで原則1割になります。また、所得などに応じて1か月あたりの自己負担上限額が設定されます。

対象となるのは、診察、薬の処方、訪問看護、デイケアなど指定された医療機関や薬局などで受ける精神疾患の通院治療が含まれます。

利用できる医療の範囲や申請に必要な書類は状況によって異なるため、お住まいの自治体で確認しましょう。

利用を検討する場合は、市区町村の障害福祉に関する窓口などで申請方法を確認できます。

自立支援医療(精神通院医療)について詳しく知りたい方は、自立支援医療とは?仕組みと対象者についてをご覧ください。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、強迫性障害(強迫症)を含む精神疾患の方が取得できる手帳で、日常生活や就労面で必要な配慮を受けやすくするための制度です。

手帳には1級から3級までの等級があり、精神疾患の状態と日常生活・社会生活への影響を踏まえて総合的に判断されます。

精神障害者保健福祉手帳を取得すると、障害者雇用枠での就職を検討できるほか、税金の控除や公共交通機関の運賃割引などを利用できる場合があります。利用できるサービスは自治体や事業者によって異なります。

申請は、お住まいの市区町村の担当窓口を経由して行います。必要な書類や手続きについては、各自治体の窓口で確認しましょう。

障害年金

障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に制限がある場合に、一定の要件を満たすことで受給できる公的な年金です。

強迫性障害(強迫症・OCD)の方も、症状による生活や就労への影響などによっては対象となる場合があります。

受給するためには、障害の状態が認定基準に該当していることに加え、初診日や保険料の納付状況などの要件を満たす必要があります。

また、初診日に加入していた年金制度によって、障害基礎年金または障害厚生年金の対象となります。

受給できるかどうかや支給額は個人の状況によって異なるため、申請を検討する場合は年金事務所や市区町村の担当窓口などで確認しましょう。

障害年金について詳しく知りたい方は、障害年金とは?初心者向けにやさしく解説をご覧ください。

強迫性障害(強迫症)の方が仕事や生活のことを相談できる支援機関

強迫性障害(強迫症)の方が仕事や生活のことを相談できる支援機関
この章のポイント
  • 強迫性障害(強迫症)の方は、仕事探しや働き方について様々な支援機関に相談できる。
  • 求人紹介だけでなく、仕事上の困りごとの整理や就職後の支援を利用できる機関もある。
  • 支援内容は機関によって異なるため、相談したい内容に合わせて利用先を選ぶことが大切。

強迫性障害(強迫症)の症状によって仕事探しや働き続けることに不安がある場合は、就労に関する支援機関へ相談することも一つの方法です。

支援機関によって、求人紹介や就職活動のサポート、仕事上の困りごとの整理など、利用できる支援内容が異なります。

ここでは、強迫性障害(強迫症)の方が仕事について相談できる主な支援機関を紹介します。

ハローワーク(障害者専門窓口)

全国のハローワークには、障害のある求職者の方向けに専門的な相談を行う「障害者専門窓口」があります。

専門の担当者に、障害の特性や希望する働き方などを相談しながら、仕事探しを進めることができます。

主な支援内容には、次のようなものがあります。

  • 障害の特性や希望に応じた職業相談
  • 求人の紹介
  • 応募や就職活動に関する相談
  • 関係機関と連携した就職支援
  • 就職後の職場定着に関する支援

「どのような仕事が自分に合うか分からない」「仕事で必要な配慮を整理したい」といった場合にも、相談先の一つとして活用できます。

ハローワークについて詳しく知りたい方は、ハローワークは障害があっても利用できる?求人の探し方・利用の流れを分かりやすく解説をご覧ください。

障害者雇用に対応した転職支援サービス

障害者雇用に対応した転職支援サービスでは、障害のある方向けの求人紹介や転職活動のサポートを受けられる場合があります。

強迫性障害(強迫症)の方も、仕事で困っていることや希望する働き方を相談しながら、求人を探すことができます。

主なサポート内容には、次のようなものがあります。

  • 障害の特性や希望に応じた求人紹介
  • キャリアや働き方に関する相談
  • 履歴書・職務経歴書の作成サポート
  • 面接対策企業への配慮事項の伝え方に関する相談
  • 就職後のフォロー

利用できる支援内容や対象となる求人はサービスによって異なります。

転職活動を中心にサポートしてもらいたい場合は選択肢の一つです。

一方で、働く準備や生活リズムの整理、仕事で必要な配慮の整理などから支援を受けたい場合は、就労移行支援など他の支援機関もあわせて検討するとよいでしょう。

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、働くための準備や就職活動のサポートを行う福祉サービスです。

強迫性障害(強迫症)のある方も利用でき、体調や特性に合わせたペースで、無理なく就職を目指すことができるのが特徴です。

転職エージェントが主に就職活動をサポートするのに対して、就労移行支援は、働くための準備段階から就職後のサポートまで、1人ひとりに合わせた支援を受けられる点が大きな違いです。

就労移行支援manaby(マナビー)の就労移行支援について

就労移行支援manaby(マナビー)では、強迫性障害(強迫症・OCD)の方をはじめ、精神障害や発達障害、難病のある方が自分らしく働くための支援を行っています。

確認作業に時間がかかってしまう、不安や緊張で作業が進まない、体調や気分の波に不安を感じている方でも、1人ひとりの状態やペースに合わせた「個別支援」を大切にしており、「どんな働き方が自分に合っているか」を一緒に考えていくことを重視しています。

例えば、次のような支援を通じて、無理なく安心して就職の準備を進めることができます。

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強迫性障害(強迫症)と向き合いながら、自分らしく仕事をするには

強迫性障害(強迫症)があると、確認に時間がかかったり、急な予定変更に負担を感じたりするなど、仕事の中で様々な困りごとが生じる場合があります。

自分に合う仕事を考えるときは、職種名だけで判断するのではなく、「どのような場面で不安が強くなりやすいか」「どのような環境なら仕事を進めやすいか」を整理することが大切です。

業務の手順が明確な職場を選ぶ、相談できる環境を確認する、働き方や業務量について職場と相談するなど、自分の状態に合わせて環境を調整する方法もあります。

また、仕事を続けることに不安がある場合や、自分に合う働き方を1人で整理することが難しい場合は、主治医やハローワーク、就労移行支援などに相談することも選択肢の一つです。

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狩野 淳

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2013年に心理学部を卒業後、大学院で発達・臨床心理学を学び、臨床心理士・公認心理師を取得。福祉事業所に勤務し、子どもと保護者を対象に心理支援を行っている。ABAやCBT、ブリーフセラピーを用いた実践的な支援を提供している。

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