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うつ病で休職するには?診断書・給料・傷病手当金・復職まで解説

目次
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仕事に行こうとすると身体が動かない、朝になると涙が止まらないという日々が続いて、「うつ病かもしれない」「今の状態で働き続けられるのかな」と不安を抱えていませんか。

心と身体が限界を迎える前に、「休職」という制度を知り、自分を守るための選択肢を持っておくことがとても大切です。

とはいえ、いざ休職を考えても「うつ病で休職するには何をすればいいの?」「まだうつ病の診断を受けていないけど、会社にどう伝えたらいい?」「お金や復職のことも心配…」と、疑問や不安が多くて動き出せない方も少なくありません。

この記事では、休職の流れ・診断の受け方・会社への伝え方までを分かりやすく解説します。

うつ病で休職できるの?

うつ病で仕事を続けることが難しい場合、会社の休職制度を利用して休職できる可能性があります。

休職とは、病気やけがなどの理由で一時的に働くことが難しくなったときに、会社に在籍したまま一定期間仕事を休む制度です。

うつ病の場合も、医師が「一定期間の休養が必要」と判断し、診断書が発行されれば、休職を申請できるケースがあります。

ただし、休職制度は法律で一律に定められているものではなく、会社ごとの就業規則によって内容が異なります。

体調不良を感じた際に最初に「休職した」と回答した方は53.0%

体調不良を感じた際に最初に「休職した」と回答した方は53.0%
■ 仕事について、体調不良を感じた際に最初に取った行動は何でしたか?
  1. 休職した 70票(53.0%)
  2. 働きながら通院した 44票(33.3%)
  3. 特に何もしていない 10票(7.6%)
  4. 配慮を受けて継続して働いた 8票(6.1%)
※小数点第2位以下は四捨五入

就労移行支援manaby(マナビー)が実施したうつ病・適応障害で休職した132名にアンケート|その後どうなった?というアンケートでは、うつ病・適応障害で休職経験のある132名のうち、体調不良を感じた際に最初に「休職した」と回答した方は53.0%でした。

また、「働きながら通院した」と回答した方も33.3%おり、休職するか働きながら治療を続けるかで迷う方も少なくありません。

休職手続きの全体の流れを把握する

うつ病で休職する際に必要なものは、会社の就業規則や社内ルールによって異なります。

一般的には、以下のような流れになることがあることが多いです。

1
医療機関を受診
2
診断書の発行
3
就業規則の確認
4
上司・人事へ相談
5
必要書類の提出
6
休職開始

会社によっては、診断書の提出後に産業医や人事労務担当者との面談が行われる場合もあります。

産業医とは、主治医の診断書や本人の体調、仕事内容などを踏まえ、休職や復職時の働き方について会社に意見を伝える役割です。

うつ病で休職したいはまず医療機関に相談しよう

この章のポイント
  • 休職を考えたら、まず医療機関に相談
  • 心療内科・精神科・メンタルクリニックが相談先
  • 初診時に休職や診断書の希望を伝えてよい
  • 診断書は必要だが、すぐ出るとは限らない

うつ病で休職を考えている場合は、まず心療内科や精神科、メンタルクリニックなどの医療機関を受診しましょう。

休職したいと思った時は、まずは医療機関に相談することが大切です。

具体的には、精神科や心療内科、メンタルクリニックなど、こころの不調に対応している医療機関を受診しましょう。

多くのクリニックでは紹介状がなくても受診でき、自分で直接予約できます。

一方で、大きな病院を紹介状なしで受診する場合は、診療費とは別に特別料金がかかることがあります。

紹介状がないと初診時に医科で7,000円以上の定額負担が必要になる場合もあるため、まずは近くの心療内科やメンタルクリニックなどに相談するとよいでしょう。

精神科と心療内科の違い

精神科
心療内科
主な対象
うつ病、双極性障害、不安障害、統合失調症などの「こころの病気」
ストレスなどの心理的な要因で、「身体に症状」が出ているケース
主な症状の例
気分の落ち込み、意欲の低下、涙が止まらない、強い不安、不眠など
動悸、胃痛、めまい、頭痛、下痢・便秘、疲労感、不眠など
こんな人に向いています
「働くのが苦しい」「不安が強い」など、こころの症状が中心の人
検査で異常がないのに身体の不調が続き、ストレスの影響が考えられる人

最近では、「メンタルクリニック」「メンタルヘルス科」「ストレスケア外来」など、さまざまな名称の医療機関があります。

精神科や心療内科に近い診療を行っている場合も多いため、名称だけで判断せず、診療内容や通いやすさで選ぶとよいでしょう。

うつ病、適応障害、不安障害、不眠症、ストレスによる心身の不調、休職や復職に関する相談、診断書の発行などに対応しているかを確認しておくと安心です。

初診時に休職について相談してもよい

受診する前から休職を考えている場合は、初診時に「仕事に行くのが難しい状態が続いている」「休職を検討している」「診断書が必要になるかもしれない」と率直に伝えても問題ありません。

医師はその情報も踏まえて、より適切な診断や治療方針を検討してくれます。

休職には医師の診断書が必要になる

うつ病で休職するには、医師に現在の症状や仕事への影響を相談後、医師から「診断書」を発行してもらう必要があります。

診断書とは、「うつ病のため、現時点では就労が困難である」と医師が判断したことを証明する正式な書類です。

診断書の発行には、通常の医療費とは別に文書料がかかることがあります。

金額は医療機関や診断書の種類によって異なりますが、一般的な診断書では3,000〜6,000円程度に設定されています。

希望する場合は、受付時に費用や発行までの日数を確認しておくと良いでしょう。

診断書を勤務先に提出することで、会社側も医師の判断に基づいて休職の必要性を確認しやすくなり、休職申請や休職期間の調整などの手続きに進みやすくなります。

ただし、休職の条件や必要書類は会社の就業規則によって異なるため、診断書を受け取った後は、上司や人事担当者に今後の手続きについて確認しましょう。

診断書はすぐに出るとは限らない

前も説明したように、休職を考えている場合、初診時に「診断書が必要かもしれない」と医師に相談しても問題ありません。

ただし、必ずしもその場ですぐに発行されるとは限りません。

これは、医師があなたの状態を正確に把握し、適切な診断を行うためにある程度の経過観察が必要になることがあるためです。

例えば、「仕事は休みたいけど、うつ病とまでは言われていない」「症状が軽いかもしれない」という場合、医師はすぐに休職を勧めるのではなく、まずは治療や通院による改善を目指すことがあります。

そのため、診断書の発行は2回目以降の受診や、一定期間の経過を見てからになることも少なくありません。

休職制度の内容は就業規則で確認する

この章のポイント
  • 休職制度は会社ごとに内容が異なる
  • 休職期間や申請条件は就業規則で確認する
  • 休職中の給与や社会保険料も確認が必要
  • 不明点は上司や人事担当者に相談する

うつ病で休職する場合は、診断書を用意するだけでなく、勤務先の就業規則で休職制度の内容を確認しておくことも大切です。

就業規則とは、労働時間や賃金、休暇、服務規律など、社員の働き方に関するルールをまとめたものです。

休職制度の条件や期間、休職中の給与の有無、復職時の手続きなどは、会社によって異なります。

そのため、同じ「うつ病による休職」であっても、休職できる期間や必要な書類、申請の流れが勤務先によって変わる場合があります。

特に確認しておきたいのは、以下のような項目です。

就業規則で確認すべき7項目
01
制度の基本
休職を申請できる条件
02
制度の基本
休職できる期間
03
制度の基本
診断書以外に必要な書類
04
お金のこと
休職中の給与の有無
05
お金のこと
社会保険料・住民税
06
復職・終了
復職時の手続き
07
復職・終了
期間満了時の扱い

就業規則の内容が分からない場合は、上司や人事担当者に確認する必要があります。

うつ病で会社を休む時の伝え方

この章のポイント
  • 休職は診断書が出た後に伝えるのが基本
  • 出勤が難しい時は診断書前でも早めに相談する
  • まずは直属の上司に伝えるのが一般的
  • 話しづらい時は人事や社内窓口に相談する

ここでは、うつ病で会社を休みたいときに伝えるタイミングや相談先、伝え方の例について解説します。

休職を伝えるベストなタイミングは「診断書が出た後」が基本

うつ病による休職を会社に伝えるタイミングは、医師から診断書が発行された後が基本です。

診断書があることで、上司や人事担当者も「医師の判断に基づく休職」として状況を把握しやすくなり、休職の手続きも進めやすくなります。

会社に伝える際は、「医師から一定期間の休養が必要と言われています」「診断書を提出したうえで、休職について相談したいです」など、休職の必要性と今後の手続きについて伝えるとよいでしょう。

なお、体調がつらく出勤が難しい場合は、診断書が出る前でも、上司や人事担当者に早めに相談することが大切です。

無理に出勤を続けず、医療機関の受診予定や現在の体調を伝え、対応を相談しましょう。

休職の相談は直属の上司に伝えるのが一般的

休職について会社に相談する場合は、まず直属の上司に伝えるのが一般的です。

ただし、会社によって相談先が決まっている場合もあるため、就業規則や社内ルールで確認しておくと安心です。

相談するときは、事前に「少しお話ししたいことがあります」と伝え、時間を取ってもらいましょう。

できれば、周囲に聞かれにくい場所やオンライン面談など、落ち着いて話せる環境を用意してもらうと安心です。

伝える内容は、詳しく話しすぎる必要はありません。

例えば、以下のようにシンプルに伝えるとよいでしょう。

そのまま使える例文
最近体調が思わしくなく、病院を受診したところ、医師より一定期間の休養が必要との診断を受けました。
伝える時のポイント
診断書が手元にある場合は「医師の診断書も発行されております」と一言添えると、会社側の手続き(休職承認など)がより円滑に進みます。

診断書がある場合は、あわせて提出すると、会社側も医師の判断に基づいて休職の必要性を確認しやすくなります。

一方で、「直属の上司に話すのが怖い」「職場の理解が得られるか不安」という場合は、人事部や総務部、社内相談窓口に相談する方法もあります。

会社に産業医がいる場合は、産業医面談を通して体調や働き方について相談できることもあります。

【アンケート】不調を伝えた時の上司の反応は?

【アンケート】不調を伝えた時の上司の反応は?

就労移行支援manaby(マナビー)が実施したうつ病・適応障害で休職した132名にアンケート|その後どうなった?というアンケートでは、休職を決める前に上司や会社へ体調について伝えていた方は81.1%でした。

伝えた後の反応としては、「理解してくれ、配慮の提案があった」が32.6%と最も多い一方で、「話を聞いてくれたが、具体的な対応はなかった」と回答した方も20.5%いました。

また伝えた時のエピソードとして、

「今まで辛かったね。」と上司から言われ、涙が出てしまいました。
上司に体調を打ち明けた際、「会社は君がいなくても回るけれど、君の人生の代わりは誰もいない。今は休むことが仕事だと思ってほしい」と言われたことが、休職への罪悪感を和らげてくれました。

という暖かい対応をされた一方で、

勇気を出して体調不良を打ち明けた際、上司から「みんな辛い中で頑張っているんだから」と言われたことが深く突き刺さりました。
上司に体調のことを伝えた際、「無理はしないでほしいが、今は忙しい時期なので正直どう対応すればいいか分からない」と言われたことが印象に残っています。責められたわけではありませんが、頼ってよいのか分からなくなり、結果的に一人で抱え込んでしまいました。この出来事をきっかけに、自分の限界をきちんと伝える必要性を強く感じました。

というコメントもありました。

このように、体調不良を伝えたときの会社や上司の反応は、人によって大きく異なります。

そのため、休職を相談する際は、感情だけで伝えるのではなく、医師の診断書や現在の体調、仕事にどのような支障が出ているかを整理して伝えることが大切です。

休職に必要な書類

提出すべき書類は企業によって異なりますが、一般的に必要となるものは以下の通りです。

  • 医師の診断書(原本)
  • 休職願・休職申請書(会社所定のフォーマットがある場合)
  • 傷病手当金支給申請書(健康保険組合等に提出するための書類)

診断書には、病名(例:うつ病、抑うつ状態など)や、「仕事を続けるのが難しい状態であること」、そして必要な休養期間などが記載されます。

また、休職を申請するには、会社ごとに決められた「休職願」「休職申請書」の提出が求められることがあります。

このような申請書は会社独自の様式が使われることが多く、人事部や総務部から入手できます。

さらに、休職中に「傷病手当金」を申請する予定のある方は、健康保険組合等が用意する「傷病手当金支給申請書」の提出も必要です。

この書類は、本人・勤務先・医師の3者が記入する欄に分かれており、順に手続きを進めていきます。

全ての書類を一度にそろえる必要はありません。

まずは診断書を提出し、その後、会社から案内される流れに沿って順番に対応すれば問題ありません。

休職期間は平均約3か月が目安

この章のポイント
  • 病休期間の平均は約3か月が目安
  • 休職期間は診断書や医師の判断で変わる
  • 実際の上限は会社の就業規則で異なる

厚生労働省によると、メンタルヘルス不調による病休期間は、平均94.6日、約3か月とされています。

ただし、これはあくまで平均であり、「3か月で必ず復職できる」という意味ではありません。

診断書には、病名や「一定期間の休養が必要であること」に加えて、医師が必要と判断した休養期間の目安が記載されることがあるため、診断書を受けったら確認しましょう。

また、実際に休職できる期間は、法律で一律に決まっているわけではなく、会社ごとの就業規則によって異なります。

会社によっては「3か月」「6か月」「最長1年」など、休職期間の上限や延長のルールが定められている場合や休職期間の途中でも、体調が回復し、医師が復職可能と判断した場合は復職できることもあります。

一方で、休職期間が満了しても復職が難しい場合は、会社の規定により退職扱いとなる可能性もあるため注意が必要です。

なお、復職後に再び病休となったケースでは、1回目の病休期間は平均107日、2回目は平均157日と、2回目の病休日数が長くなる傾向も示されています。

うつ病の休職中のお金の不安はどうする?

この章のポイント
  • 休職中は給与が支給されない場合が多い
  • 条件を満たせば傷病手当金を受け取れる
  • 支給額は給与のおおむね3分の2が目安

うつ病で休職中、「収入がなくなったらどうしよう」「生活費はどうやって賄えばいいの?」といった金銭面の不安を抱える方は少なくありません。

ここでは、休職中の生活を支える制度やサポートについてご紹介します。

休職制度を利用すると、会社から給与が支給されない

まず前提として、休職中の給与の扱いは会社の就業規則によって異なりますが、休職制度を利用すると、会社から給与が支給されないことがほとんどです。

「生活費はどうしよう」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、条件を満たせば、健康保険の制度である傷病手当金を受け取れる可能性があります。

傷病手当金で生活費を補

傷病手当金とは、健康保険に加入している会社員などが、業務外の病気やケガで働けなくなり、十分な給与を受け取れない場合に支給される手当です。

会社員など、健康保険の被保険者として加入している方は、条件を満たすことで傷病手当金を受け取れる可能性があります。

うつ病などの精神疾患で休職する場合も、医師により働くことが難しい状態と判断され、所定の条件を満たせば対象になります。

支給額は、休職前の給与そのものではなく、標準報酬月額をもとに計算されます。目安としては、休職前の給与のおおむね3分の2程度と考えるとよいでしょう。

支給期間は、支給開始日から通算して最長1年6か月です。

支給条件や申請方法、支給額の目安について詳しく知りたい方は、傷病手当金とは?支給条件や申請方法をわかりやすく解説をご覧ください。

公的な支援制度も活用しよう

住んでいる地域の自治体や社会福祉協議会では、生活費に困ったときに利用できる支援制度について相談できる場合があります。

例えば、低所得世帯や障害者世帯などを対象に生活費などを貸し付ける生活福祉資金貸付制度や、収入の減少などに応じた住民税・国民健康保険料の減免制度などがあります。。

利用できる制度や条件は、世帯の収入や資産、加入している保険、住んでいる自治体によって異なります。生活費の不安がある場合は、早めに住んでいる地域の役所や社会福祉協議会に相談してみましょう。

うつ病で休職中に意識したい過ごし方

この章のポイント
  • 休職初期は心と身体を休めることを優先する
  • 少し回復したら生活リズムを整える
  • 体調に合わせて軽い活動を取り入れる
  • 復職前は通勤や勤務時間を少しずつ試す

休職中の過ごし方は、時期によって意識したいことが変わります。

休職初期はしっかり休むことを優先し、少し回復してきたら生活リズムを整え、体調に合わせて軽い活動を取り入れていくことが大切です。

ここでは、うつ病で休職中に意識したい過ごし方を、回復の段階に合わせて解説します。

休職初期は心と身体を休めることを優先する

うつ病で休職したばかりの時期は、まず心と身体をしっかり休めることを優先しましょう。

休職初期は、これまでの疲労やストレスが一気に出やすい時期です。

無理に生活リズムを整えようとしたり、「何かしなければ」と焦って行動したりすると、かえって心身の負担になることがあります。

まずは睡眠や食事をとり、安心して休める時間を確保しましょう。

休職初期は「何かを頑張る時期」ではなく、回復の土台をつくる時期と考えることが大切です。

外出や運動、復職に向けた準備は、体調が少し落ち着いてから主治医と相談しながら進めていきましょう。

少し回復してきたら生活リズムを整える

少しずつ眠れる時間が増えたり、食事をとれるようになったりしてきたら、無理のない範囲で生活リズムを整えていきましょう。

少しずつ回復してきた目安
活動
日中に起きていられる時間が増える
生活
身の回りのことが少しずつできるようになる
外出
短時間の外出ができる日がある
気分
落ち込みや不安が以前より落ち着いている

少し回復してきた目安としては、日中に起きていられる時間が増える、身の回りのことが少しできるようになる、短時間の外出ができる日がある、気分の落ち込みや不安が以前より落ち着いている、といった状態が挙げられます。

ただし、回復のペースには個人差があります。

「そろそろ動かなければ」と焦って急に予定を詰め込むのではなく、主治医と相談しながら少しずつ整えていくことが大切です。

まずは、起きる時間と寝る時間をできる範囲で一定にする、朝にカーテンを開けて光を浴びる、食事の時間を整えるなど、小さなことから始めてみましょう。

体調に合わせて軽い活動を取り入れる

生活リズムが少しずつ整ってきたら、体調に合わせて軽い活動を取り入れていきましょう。

うつ病で休職している間は、長く横になって過ごす日が続くこともあります。

しかし、少し回復してきた段階では、無理のない範囲で身体を動かしたり、外の空気に触れたりすることが、生活リズムや気分の安定につながる場合があります。

例えば、以下のような活動から始めてみるとよいでしょう。

家の中で軽くストレッチをする
ベランダや玄関先に出て外の空気を吸う
近所を5〜10分ほど散歩する
コンビニやスーパーまで短時間出かける
簡単な家事をひとつだけ行う

復職を意識し始めたら通勤や勤務時間を想定してみる

体調が安定し、日中に活動できる時間が増えてきたら、復職後の生活を少しずつ想定してみましょう。

復職すると、決まった時間に起きる、身支度をする、通勤する、一定時間働くなど、休職中よりも心身に負担がかかります。そのため、いきなり復職するのではなく、事前に通勤や勤務時間に近い生活を試してみることが大切です。

例えば、以下のような準備が考えられます。

出勤時間に合わせて起きる
朝に身支度をして外に出る
職場の近くまで行ってみる
通勤時間と同じ時間帯に電車やバスに乗ってみる
勤務時間を想定して、図書館やカフェなどで一定時間過ごしてみる
簡単な作業や読書をして、集中できる時間を確認する

ただし、復職準備は無理に進める必要はありません。

通勤時間帯に外出したり、勤務時間を想定して一定時間活動したりしたあとに、強い疲れが出る、気分が大きく落ち込む、不安が強くなるといった場合は、まだ負担が大きい可能性があります。

そのような時は、無理に続けようとせず、主治医と相談しながら活動量や復職のタイミングを調整しましょう。

休職経験者の声|休職中はどのように過ごしていた?

就労移行支援manaby(マナビー)が実施したうつ病・適応障害で休職した132名にアンケート|その後どうなった?というアンケートでは、休職初期は「何もしない」「寝ることに専念した」という声がある一方で、少し回復してからは散歩や外出、生活リズムの調整を意識したという声も見られました。

本当に調子が悪い日以外は、できるだけ1日1回は外に出るように心がけていました。また、復帰後も負担に感じないように、1日1つ小さな目標を立てて、こなすように工夫していました。
仕事を休んでいた期間は何の気力もわかず何もやる気になれずほぼ家の中で過ごしていたが、体内時計がおかしくならないように毎朝いやでも太陽の光を少し浴びるようにしていたのは役に立ったと思う。
仕事を休んでいる間はなるべく仕事の事は考えないように、散歩をしたり旅行をしたり今まで出来なかったゆっくりとした時間を過ごした。
半年ぐらい経って会社の人と連絡を取り社外で会ったりして少しずつ職場復帰に向けて準備をした。
最初の1ヶ月は何もしないで寝ることに専念しました。回復期に入ってからは、図書館に通うなどして「決まった時間に外出する習慣」を戻しました。また、リワークプログラム(復職支援)を活用し、自分の思考の癖を客観的に捉える練習をしたことが、復帰後のストレス管理に役立っています。

実際の休職経験者のコメントを見ると、休職中は最初から復職に向けて頑張るのではなく、回復段階に合わせて過ごし方を変えていくことが大切だと分かります。

うつ病から復職する時に確認したいこと

この章のポイント
  • 復職のタイミングは主治医と相談して決める
  • 生活リズムや体力の回復も復職判断の目安になる
  • 復職後も通院や服薬を自己判断でやめない

うつ病で休職したあと、少しずつ体調が回復してくると「そろそろ復職したほうがいいのかな」と思うこともあるかもしれません。

ここでは、医師が「復職可能」と判断するポイントや、復職準備の流れについてご紹介します。

復職のタイミングは自己判断せず主治医と相談する

復職のタイミングは自己判断だけで決めず、主治医と相談しながら慎重に判断することが大切です。

気分が一時的に安定していても、生活リズムや体力、集中力が十分に回復していない状態で復職すると、再び体調を崩してしまう可能性があります。

主治医は、症状の安定度や睡眠・食事などの生活状況、日中の活動量、通勤や勤務を想定した生活ができているかなどを確認しながら、復職が可能かどうかを判断します。

また、実際に復職する際は、主治医の診断だけでなく、会社の就業規則や復職時の手続き、産業医面談の有無なども関わります。

復職を考え始めたら、主治医に現在の状態を相談したうえで、会社の人事担当者や産業医にも必要な手続きを確認しておきましょう。

不安がある場合は、「復職してもまた体調を崩さないか不安です」「通勤や勤務時間に耐えられるか心配です」など、率直に主治医へ伝えることが大切です。

焦って復職を急ぐのではなく、心身の状態を確認しながら段階的に進めていきましょう。

主治医の「復職可能」の診断はどう決まるの?

うつ病から復職する際は、まず主治医に現在の体調や生活状況を相談し、復職できる状態かどうかを確認します。

主治医は、症状の安定度や生活リズム、日中の活動量などを踏まえて、復職が可能かどうかを判断します。

例えば、以下のような状態が数週間〜1ヶ月ほど安定しているかが一つの目安になります。

復職に向けた4つの目安(セルフチェック)
リズム
睡眠や食事などの生活リズムが整っている
体力
体力が戻り、日中に活動できるようになっている
症状
気分の落ち込みや不安などの症状が落ち着いている
準備
通勤や勤務を想定した生活ができている

「働きたい」と思っても焦りは禁物!医師の判断が最優先

体調が少し良くなってくると、「早く社会復帰しなければ」「職場に迷惑をかけているかもしれない」と焦ったり、収入面の不安から、早めに復職したいと感じる方もいるかもしれません。

しかし、焦って復職すると、再び体調を崩してしまう可能性があります。

復職は「働けそうな気がする」だけで決めるのではなく、主治医と相談しながら、心身の状態を確認して進めることが大切です。

不安がある場合は、「復職してもまた休んでしまわないか不安です」「通勤やフルタイム勤務に戻れるか心配です」など、率直に主治医へ相談しましょう。

また、会社によっては、短時間勤務や業務量の調整、在宅勤務、配置転換などを検討できる場合もあります。

復職後に無理をしすぎないためにも、復職前に会社の人事担当者や産業医へ相談しておくと安心です。

復職後も治療を続け、無理をしすぎない

復職できたあとも、自己判断で通院や服薬をやめないようにしましょう。

うつ病は、症状が少し落ち着いたように感じても、回復までに時間がかかることがあります。

復職直後は、通勤や人間関係、業務への集中など、休職中にはなかった負担がかかりやすい時期です。

「もう働けているから大丈夫」と思って無理を重ねると、再び体調を崩してしまう可能性もあります。

復職後もしばらくは、主治医と相談しながら治療を続け、体調の変化を確認していくことが大切です。

また、復職直後から休職前と同じペースで働こうとせず、勤務時間や業務量を調整できる場合は、会社と相談しながら段階的に慣らしていきましょう。

疲れやすい、不安が強くなる、眠れない、食欲が落ちるなどの変化がある場合は、早めに主治医や会社の人事担当者、産業医などに相談することも大切です。

うつ病で休職したあとに解雇される可能性はある?

この章のポイント
  • うつ病で休職しても、すぐ解雇とは限らない
  • 休職期間満了後は退職扱いになる場合がある
  • 退職勧奨を受けても必ず応じる必要はない
  • 不安な時は労基署や総合労働相談コーナーへ

うつ病で休職することになった場合、「会社から解雇されるのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

結論からいうと、うつ病で休職しただけで、直ちに解雇されるとは限りません。

ただし、休職期間が満了しても復職が難しい場合は、会社の就業規則に基づき、自然退職や解雇として扱われる可能性があります。

ここでは、うつ病による休職後に解雇される可能性や、注意しておきたいポイント、困ったときの相談先について解説します。

うつ病で休職しても直ちに解雇されるとは限らない

うつ病で休職したからといって、すぐに会社から解雇されるとは限りません。

労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と定められています。

つまり、会社が一方的に解雇を決めれば必ず有効になるわけではありません。

また、労働基準法第19条では、業務上の傷病で休業中の従業員を、休業期間中、及びその後30日間は解雇できないとされています。

またそれ以外の私傷病(プライベートでの病気やケガなど)であっても、就業規則で定められた休職期間中の解雇は禁止されています。

そのため、正当な理由もなく休職中に解雇することは「不当解雇」とみなされる可能性があります。

一方で、うつ病が業務外の私傷病として扱われる場合、休職制度の内容や休職期間満了後の扱いは、会社の就業規則によって異なります。

私傷病による休職は、一般的に「解雇の猶予措置」としての性質があるとされ、休職期間中に回復して就労可能になれば復職となりますが、回復せず期間満了となった場合は、自然退職扱いとするケースもあります。

これは「解雇」ではなく、復職できないことを理由に労働契約が終了するという扱いです。

違法な解雇や退職強要が不安な時の相談先

うつ病での休職中に「会社から解雇をほのめかされた」「退職を強く勧められている」といった事態が起きた場合、それは不当な対応である可能性があります。

解雇は会社が自由に行えるものではありません。

労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効になると定められています。

また、退職勧奨を受けた場合でも、必ず応じなければならないわけではありません。

「この対応はおかしいかもしれない」と感じたら、一人で抱え込まず、以下のような相談窓口を利用してみましょう。

うつ病での復職が難しいと感じた時の選択肢

この章のポイント
  • 復職だけが唯一の選択肢ではない
  • まずは今の働き方が合うか見直す
  • 勤務時間や業務量の調整を相談する

休職後、体調が少しずつ回復してきても、「元の職場に戻れるか不安」「また同じ働き方をしたら体調を崩してしまうかもしれない」と感じる方もいるでしょう。

復職だけが唯一の選択肢ではありません。

今の自分の体調や生活リズムに合う働き方を見直したり、必要に応じて支援制度を活用したりすることも大切です。

ここでは、復職に不安がある場合に考えたい働き方の見直しや選択肢について紹介します。

復職に踏み切れない時は、働き方を見直してみる

復職に不安を感じている場合は、まず現在の働き方が自分に合っているかを見直してみましょう。

休職前と同じ働き方に戻ろうとすると、心身に負担がかかり、再び体調を崩してしまう可能性があります。

転職や退職を急いで決める前に、勤務時間や勤務場所、出勤時間、業務内容などを調整できないか確認してみることも大切です。

例えば、次のように調整できる場合があります。

勤務時間
具体例
短時間勤務、時短勤務、段階的な勤務時間の延長
負担を減らしやすいポイント
いきなりフルタイムに戻らず、体力や集中力に合わせて復職しやすくなる
勤務場所
具体例
在宅勤務
負担を減らしやすいポイント
通勤による疲労や対人面の負担を減らしやすい
出勤時間
具体例
時差出勤、通勤ラッシュを避けた出社
負担を減らしやすいポイント
朝の不調や満員電車によるストレスを軽減しやすい
業務内容・業務量
具体例
担当業務の調整、残業の制限、納期の調整、配置転換
負担を減らしやすいポイント
復職直後の過負荷を防ぎ、症状の悪化につながりやすい負担を減らせる場合がある

ただし、実際にどのような調整ができるかは、会社の制度や業務内容によって異なります。

主治医や会社の人事担当者、産業医などと相談しながら、自分に合った働き方を考えていきましょう。

就労移行支援を活用し、自分に合った働き方を見つける

「すぐに復職するのは不安」「でも、いずれは自分に合った形で働きたい」と感じている場合は、就労移行支援を活用する方法もあります。

就労移行支援とは、精神疾患や発達障害などにより一般就労に不安がある方に向けて、就職や職場復帰に必要な準備をサポートする福祉サービスです。

生活リズムを整えたり、働くためのスキルを身につけたり、職場体験を通して自分に合う働き方を考えたりできます。

ただし、利用できるかどうかは、本人の状況や自治体の判断によって異なります。

休職中に利用を検討したい場合は、主治医や勤務先、住んでいる地域の障害福祉窓口などに相談してみましょう。

休職中の就労移行支援の利用条件や、リワークとの違いについて詳しく知りたい方は、就労移行支援は休職中でも利用できる?リワークとの違いや利用条件を解説をご覧ください。

就労移行支援manabyについて

就労移行支援manaby(マナビー)は、うつ病・双極性障害・適応障害など、心の不調や体調の波に悩む方が、自分らしい働き方を見つけるためのサポートを行っている福祉サービスです。

「まだ本調子じゃないけど、いずれは働きたい」「復職を考えると不安がよぎる」「また同じように無理してしまうのでは…」という気持ちを抱えている方でも大丈夫。

就労移行支援manaby(マナビー)では、一人ひとりの体調やペースに合わせた「個別支援」を大切にしながら、少しずつステップを踏んでいける環境を整えています。

体調管理・ストレス対処のサポート
毎日を少しずつ安定させるために、生活リズムやメンタル面の整え方を一緒に考えます。
自分のペースで学べるeラーニング「マナe
PCスキル・ITスキルを、外出が難しい時も自宅でゆっくり習得できます。
在宅支援で安心して訓練できる(自治体により利用可否あり)
外出が不安な方でも、自宅から通所と同じ支援を受けられます。
就職活動のサポート(履歴書・面接・求人探し)
苦手になりやすい書類作成や面接練習も、支援員が伴走します。
就職後の「定着サポート」が充実
働き始めてからの悩みや不安も相談でき、長く働き続けるためのフォローがあります。

「まずは情報だけ知りたい」という方も、相談できます。復職や今後の働き方に不安がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

うつ病で休職する時に関するよくある質問

うつ病で休職するには診断書が必要ですか?

A

うつ病で会社の休職制度を利用する場合、医師の診断書の提出を求められるのが一般的です。診断書には、病名や休養が必要な期間の目安などが記載されることがあります。

初診で診断書はもらえますか?

A

初診時に診断書を相談することはできますが、必ずその場で発行されるとは限りません。医師が症状や仕事への影響を確認し、休養が必要と判断した場合に発行されます。

うつ病で休職したい時は、何科を受診すればよいですか?

A

精神科、心療内科、メンタルクリニックなどに相談できます。気分の落ち込みや不安、仕事に行けない状態が続いている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。>精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを受診する場合は、事前予約が必要な病院が多いので、確認しましょう。

休職は誰に相談すればよいですか?

A

まずは直属の上司に相談するのが一般的です。ただし、上司に話しづらい場合や会社のルールがある場合は、人事部や総務部、社内相談窓口、産業医に相談できることもあります。

休職中に給与は出ますか?

A

休職中の給与の扱いは会社の就業規則によって異なります。給与が支給されない場合でも、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる可能性があります。

うつ病で休職できる期間はどのくらいですか?

A

休職できる期間は会社の就業規則によって異なります。厚生労働省の資料では、メンタルヘルス不調による病休期間は平均94.6日、約3か月とされていますが、実際の期間は症状や回復状況によって変わります。

うつ病で休職するのは逃げではなく「回復のための選択」

うつ病で休職するのは逃げではなく「回復のための選択」であるという説明

うつ病による休職は、「逃げ」や「甘え」ではなく、無理なく働くための土台を整える大切な期間です。

休職には、心療内科などで医師の診断書をもらい、会社に提出する手続きが必要です。

休職中は基本的に給与が出ませんが、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合もあります。

休職期間の目安は多くの企業で3〜6ヶ月程度で、就業規則によって定められているため、事前の確認が重要です。

また復職に向けては、生活リズムや体調の安定、医師の判断が欠かせませんが、「働きたいけれど不安」という方は、働き方そのものを見直すことも選択肢のひとつです。

短時間勤務や在宅ワーク、就労移行支援などを活用すれば、自分のペースで「働く準備」を進めることができます。

今の自分に合った選択を重ねながら、安心して社会復帰を目指していきましょう。

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安森 将

社会保険労務士/行政書士/メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種
大手鉄道会社で25年間、人事・営業戦略・システム開発などに従事。社会保険労務士・行政書士などの資格を取得し、2023年に社労士として独立開業。現在は労務管理や経営相談、臨時労働保険指導員としての業務に加え、人事・社会保険分野の記事執筆や監修も行っている。

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