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精神障害がある方が就職する方法とは?

目次
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精神障害があると、「就職は難しいのではないか」「自分に合う働き方が分からない」と不安を感じる方も少なくありません。

しかし実際には、症状や状態に合った働き方を選び、適切な支援を活用することで就職を目指すことは十分に可能です。

この記事では、精神障害があっても就職はできるのかという疑問から、就職前に確認すべき状態の目安、向いている職場や避けるべき環境まで詳しく解説します。

加藤美遥
監修 加藤 美遥 (社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士)
この記事は、福祉や医療の現場経験を持つ社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士の専門家が監修しています。
この記事のまとめ
  • 精神障害があっても、体調や特性に合った働き方を選ぶことで就職を目指せる
    精神障害のある方の雇用は増加しており、一般雇用や障害者雇用など、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
  • 就職活動は体調や生活リズムが安定している状態で始めることが重要
    無理な就職活動は体調悪化につながる可能性があるため、主治医や支援機関と相談しながら進めましょう。
  • 就労移行支援などのサポートを活用すると就職準備を進めやすい
    自己理解やスキル習得、応募書類作成、面接対策などの支援を受けながら、自分に合った職場探しができます。

精神障害があっても就職はできる?

この章のポイント
  • 精神障害があっても、体調や特性に合った働き方を選ぶことで就職を目指せる
  • 精神障害のある方の雇用は年々増加しており、就労機会は拡大傾向にある
  • 特に精神障害のある方の雇用増加率は高く、企業の受け入れも広がっている

近年は就労支援の充実や精神障害のある方を受け入れる企業の増加により、体調に配慮した働き方ができる職場も少しずつ広がっています。そのため、精神障害があっても就職を目指すことは十分に可能だと考えられます。

精神障害がある方の雇用状況については、公的なデータから確認できます。

精神障害がある方の雇用状況

精神障害者の雇用者数の推移と増加率(身体障害・知的障害との対前年比比較・厚生労働省データ参照)

厚生労働省が公表した「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業に雇用されている障害のある方の総数は約70万人に達し、21年連続で過去最高を更新しています。

また、前年比では4.0%増加しており、障害のある方の就労機会は拡大傾向にあります。

  • 身体障害:1.3%増
  • 知的障害:2.8%増
  • 精神障害:11.8%増

特に、精神障害のある方の雇用増加率は他の障害種別と比べても高く、企業の採用対象として広がっている状況です。

就職を考える前に「今の自分の状態」を確認しよう

この章のポイント
  • 就職活動を始める前に、現在の体調や生活状況を確認することが大切
  • 日常生活を安定して送れているかどうかが就職活動開始の目安になる
  • 就職活動のタイミングは主治医や支援機関と相談しながら判断することが重要

療養期間が続く中で、「そろそろ就職を考えた方がよいのではないか」と感じる場面は少なくありません。

しかし、就職活動は想像以上に心身への負担が大きく、無理に動き出すことで体調を崩す可能性があります。そのため、まずは「今の状態で就職活動を無理なく進められるか」を確認することが大切です。

ここでは、就職活動を始めるタイミングの目安を4つ紹介します。

就職活動を始めていい状態の目安とは?

就職活動を始めるタイミングに明確な正解はありませんが、「日常生活をある程度安定して送れている状態かどうか」は重要な判断基準になります。

特に、以下のような状態が継続しているかを確認することが大切です。当てはまる項目数を元に就職活動を始めるタイミングか確認しましょう。

就職活動を始めるための体調チェック
結果
当てはまる項目: 0 / 4

上の項目にチェックを入れてみましょう。現在の状態に合わせたアドバイスが表示されます。

これらはあくまで目安です。就職活動は自分だけで判断せず、日頃から主治医に相談しながら進めることが大切です。

「働きたい気持ちはあるが、今動いて問題ないか分からない」という段階でも、主治医や支援機関へ相談することで、無理のない進め方を検討しやすくなります。

精神障害がある方が向いている職場・仕事

この章のポイント
  • 仕事選びでは職種よりも無理なく働き続けられる環境かどうかが重要
  • 仕事内容だけでなく、業務の進め方やサポート体制も確認することが大切
  • 業務量の調整がしやすく、相談できる環境は働きやすさにつながる

精神障害のある方が仕事を選ぶ際は、「どの職種か」よりも、「無理なく働き続けられる環境かどうか」を基準に考える必要があります。

例えば同じ事務職でも、業務量が安定している職場と、急な対応が多い職場では、働きやすさが大きく異なります。そのため、仕事内容だけでなく、業務の進め方や職場のサポート体制まで含めて確認することが大切です。

特に、次のような特徴がある職場は、精神的な負担を抑えながら働きやすい傾向があります。

  • 業務量や仕事のペースを調整できる
  • 業務の流れが決まっており、見通しが立てやすい
  • 困ったときに相談できる体制がある

精神障害がある方に避けるべき職場・仕事

この章のポイント
  • 安定して働き続けるためには、自分にとって負担が大きい環境を避けることも重要
  • 指示が曖昧で優先順位が分かりにくい職場はストレスにつながりやすい
  • 複数業務の同時進行や相談しにくい環境は疲労が蓄積しやすい傾向がある

一方で、体調や集中力への負担が大きくなりやすい環境を避けることも、安定して働き続けるためには重要です。

特に、次のような特徴がある職場は疲労が蓄積しやすい傾向があります。

  • 指示が曖昧で、優先順位がわかりにくい
  • 複数の業務を同時に進める必要がある
  • 相談しにくく、自己判断が求められる

精神障害のある方の就職にはどんな選択肢がある?

精神障害者の就職における一般雇用(クローズ)と障害者雇用(オープン)のメリット・適性の違い
この章のポイント
  • 精神障害のある方の就職には、一般雇用(クローズ就労)と障害者雇用(オープン就労)の選択肢がある
  • 一般雇用と障害者雇用にはそれぞれメリット・注意点があり、体調や必要な配慮によって適した働き方は異なる
  • どちらを選ぶか迷った場合は、主治医や就労支援機関に相談しながら判断することが大切

精神障害のある方の就職には、大きく分けて「一般雇用」と「障害者雇用」の2つの働き方があります。体調の安定度や必要な配慮、働き方の希望によって合う働き方は異なります。

まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。

一般雇用での就職(クローズ就労)

一般雇用とは、障害の有無に関係なく応募できる通常の求人での就職を指します。その中で、精神障害があることを職場に伝えずに働く方法を「クローズ就労」といいます。

主な特徴
  • 求人数が多く、職種の選択肢が広い
  • 給与水準が比較的高くなりやすい
  • キャリアアップや経験を積む機会が多い
  • 障害について職場へ伝える必要がない
注意点
  • 障害を開示しないため、体調が悪化した際に勤務時間や業務量について相談しにくい場合があります。
  • 無理をしても周囲へ伝えづらく、結果的に体調を崩してしまうケースも少なくありません。
向いている方
  • 体調が比較的安定している方
  • フルタイム勤務が可能な方
  • 業務への影響が少ない方
  • キャリアや職種の幅を重視したい方

障害者雇用での就職(オープン就労)

障害者雇用とは、障害のある方が働きやすいよう配慮された雇用枠です。精神障害があることを職場へ伝えたうえで働く方法を「オープン就労」といいます。

なお、応募には原則として精神障害者保健福祉手帳が必要です。

主な特徴
  • 勤務時間や業務量等の配慮を受けやすい
  • 障害への理解がある環境で働きやすい
  • 体調の変化について相談しやすい
  • 短時間勤務等から段階的に始められる場合がある
注意点
  • 一般雇用と比べると、職種の選択肢が限られる場合があります。また、給与水準が低めになるケースもあります。
  • 障害者手帳の取得が必要になるため、事前に主治医へ相談しておくことも大切です。
向いている方
  • 体調に波があり、勤務調整が必要な方
  • 配慮を受けながら働きたい方
  • 安定して長く働くことを優先したい方

【体験談】障害者雇用で働く方の声

実際に障害者雇用(オープン就労)を選んだ方の声をご紹介します。

Aさん・女性・30代
働き方の柔軟性
体調が悪いときは日数や時間を減らしていただきました。作業量も体調によって調節してもらえて、良かったです。電話対応などは台本を作っていただけたので、緊張せず行うことができました。
Aさん・男性・30代
業務内容
障害者雇用ということで、業務についての配慮がしっかりなされていたことと作業手順についてわかりやすくしてもらえました。
Cさん・女性・20代
人間関係
コミュニケーションが苦手ということを理解してくれて、良い人ばかりの部署に配属されました。明らかに優しい人ばかりですし、仕事の進捗などもこまめに聞いてくださってとてもうれしかったです。

このように、障害者雇用では体調や特性に配慮した環境で働きやすい傾向があります。

関連記事:障害者雇用で実際に働いている人アンケート。障害者雇用のメリットとデメリットは?

どちらか迷った時は?

一般雇用と障害者雇用のどちらを選ぶべきか迷う場合は、「今の自分にどの程度の配慮が必要か」を基準に考えると整理しやすくなります。

確認ポイント 一般雇用が向く場合 障害者雇用が向く場合
体調の安定度 安定しておりフルタイム勤務が可能 波があり調整が必要
職場への開示 伝えずに働きたい 理解してもらいながら働きたい
優先したいこと キャリア・職種の幅 安定・継続
通院・服薬 業務への影響が少ない 休みや配慮が必要

働き方は状況に応じて変えることも可能です。

例えば、最初は障害者雇用で働き、体調が安定してから一般雇用へ移る方もいます。反対に、一般雇用から障害者雇用へ切り替えるケースもあります。

どちらを選ぶか迷う場合は主治医や就労移行支援、ハローワークの専門窓口等へ相談しながら判断することが大切です。

退職理由やブランクは就職でどう見られる?

この章のポイント
  • 企業は退職理由そのものよりも、現在安定して働ける状態かを重視する傾向がある
  • 過去の経験を踏まえた再発防止策や体調管理の工夫を伝えることが大切
  • ブランク期間があっても不利とは限らず、現在の回復状況を説明できれば問題ない場合が多い

精神的な不調が原因で退職した場合、「退職理由をどう説明すればよいか」「ブランク期間をどう見られるか」に不安を感じる方は少なくありません。

ただ、企業が見ているのは「過去に休職・退職した事実」だけではなく、「現在どの程度安定して働ける状態か」という点です。採用側の視点を理解しておくことで、就職活動の準備も進めやすくなります。

企業が気にしやすいのは、再発や早期離職のリスク

企業が退職理由を確認するのは、採用後に再び体調を崩してしまわないか、長く働き続けられそうかを確認したいという意図があります。

そのため、退職理由そのものよりも、「現在はどの程度安定しているか」「同じ状況になったときにどう対処できるか」が重視されやすい傾向があります。

例えば、「以前は一人で抱え込みやすかったが、現在は早めに相談することを意識している」「相談しやすい環境を重視して職場を選んでいる」といったように、過去の経験を踏まえてどのように対策しているかを伝えられると、企業側の不安も和らぎやすくなります。

また、企業は「入社後に無理なく働き続けられるか」という点も重視しています。そのため、生活リズムや体調をある程度安定させておくことや、自分に合う働き方を整理しておくことが就職活動では重要です。

ブランクがあっても不利とは限らない

療養によるブランク期間があっても、それだけで不利になるとは限りません。企業が重視するのは、「空白期間の長さ」よりも、「現在どの程度働ける状態なのか」という点です。

ブランクについて説明する際も、無理に特別な経験や成果を話す必要はありません。「体調を整えるために療養していた」「通院や服薬を続けながら生活リズムを整えてきた」「少しずつ外出や活動ができるようになってきた」など、当時の状況と現在の回復状況を落ち着いて説明できれば十分です。

特にブランクが長い場合は、「今どの程度働ける状態か」を確認されやすくなるため、事前に伝え方を整理しておくと安心です。

精神障害のある方の就職体験談

精神障害がある中での就職は、不安や迷いを感じる場面も多いものです。

ここでは、同じような悩みを抱えながらも、自分に合った働き方を見つけた方の体験談を2つ紹介します。

体験談 1
社交不安症(SAD)の方の場合

私は自閉スペクトラム症(ASD)があり、社交不安症(SAD)も抱えています。幼い頃から人と関わることや自分から話すことが苦手で、アルバイトの電話対応では頭が真っ白になり、言葉が出なくなることがありました。

高校卒業後、専門学校に進学するため地元を離れましたが新しい環境に適応できず、そのまま中退。その後は精神的に不安定な状態が続きましたが、主治医に勧められ就労移行支援を利用しました。

就労移行支援では、自分の考えや気持ちを伝える練習に取り組み、あわせて得意なこと・苦手なことを整理し、それぞれにどう対応するかも少しずつ考えられるようになりました。認知行動療法にも取り組み、不安の捉え方を見直す中で人の目も以前ほど気にならなくなったと感じています。

就職活動では「長く働き続けること」を重視し、面接でも無理に取り繕わず、できること・できないことを正直に伝えながら、ありのままで臨むようにしていました。

その結果、障害者雇用で在宅勤務の仕事に就くことができ、現在はチャットでのやり取りが中心の環境で働いています。対面でのやり取りが少ない分、無理なく自分のペースで続けられており、働き始めて3年目になります。

体験談 2
失語症の方の場合

私は失語症を抱えています。失語症の症状は隠しきれるものではないため、「周囲に知ってもらっていた方が自分も楽になる」と判断し、障害をオープンにする「障害者雇用」で就職活動を行うことにしました。

就職活動中は、当時通所していた就労継続支援B型の支援員さんと何度も面談を重ね、自分の適性や希望を整理しました。私は週4日の勤務を希望していたため、事業所に通っている期間も、実際の働き方を見据えて週4日の訓練を休まずに続け、体力をつけるようにしました。こうしたサポートや日々の積み重ねのおかげもあり、自分にとって理想的な就職先を見つけることができました。

現在は、在宅勤務をしており、業務のやり取りはチャットがメインです。在宅勤務はずっと家にいて一日誰とも話さない日もあるため、発声の感覚が鈍らないよう訓練中から続けていた口や舌の運動を、現在の業務中にも意識的に取り入れています。

就職活動中の面接や、就職後のビデオ会議などで直接会話をする際も、「相手が自分の障害を理解してくれている」という安心感があるため、言葉が詰まったときなども、焦らずゆっくりと自分のペースで話すことができています。

2つの体験談からも、就労移行支援などを活用しながら自分の特性や体調に合った働き方を整理していくことの大切さが分かります。

また、今回紹介した体験談以外にも、様々な障害や疾患を抱えながら自分らしい働き方を見つけた方の利用事例を紹介しています。就職活動に役立つアンケート調査の結果なども掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

精神障害のある方が利用できる就職サポート・支援

この章のポイント
  • 就職活動に不安がある場合は、就職支援サービスを活用することで進め方を整理しやすくなる
  • ハローワークや就職エージェントでは、求人紹介や応募書類作成、面接対策などの支援を受けられる
  • 就労移行支援では、体調管理から就職後の定着支援まで幅広いサポートを受けられる

精神障害のある方が就職活動を進める中で、「一人で何から始めればよいかわからない」と感じることは少なくありません。

そのようなときは、就職サポートや支援を活用しながら進めることで自分に合った働き方や就職活動の進め方を整理しやすくなります。

ここでは、代表的な3つの支援を紹介します。

ハローワーク(障害専門窓口)

ハローワークは、国が運営する公共の就職支援機関で、全国に設置されています。

一般窓口とは別に、障害のある方を対象とした「障害者専門窓口」が設置されており、精神障害のある方も無料で利用できます。

求人紹介だけでなく、履歴書や職務経歴書の作成支援、面接対策、職場実習の紹介など、就職活動全般のサポートを受けることができます。

また、「どんな仕事が合うかわからない」「障害についてどう伝えるべきか」といった悩みも相談しやすい点が特徴です。

なお、精神障害者保健福祉手帳がなくても相談は可能ですが、障害者雇用枠に応募する場合は原則として障害者手帳が必要になります。

就職エージェント

就職エージェントは、企業が運営する就職支援サービスです。希望条件や体調に合わせて求人を紹介してもらえるほか、応募書類の添削や面接対策、条件交渉などのサポートも受けられます。

ハローワークと比べると、条件に合う求人をピンポイントで紹介してもらいやすい点が特徴です。転職経験がある方や、これまでのスキルや経験を活かした仕事を探したい方にも向いています。

就労移行支援

就労移行支援は、障害のある方が一般企業への就職を目指すための福祉サービスです。原則18歳〜65歳未満の方が対象で、体調管理から就職活動、就職後の定着支援まで幅広いサポートを受けられます。

具体的には、次のような支援を受けることができます。

  • 生活リズムを整えるための通所訓練
  • パソコン・ビジネスマナーなどのスキル習得
  • 自己理解(得意・苦手の整理)
  • 職場実習
  • 応募書類・面接対策
  • 就職後の定着支援

「まずは通うことから始めたい」「働くことへの不安が強い」という方でも、自分のペースで就職準備を進めやすい点が特徴です。生活リズムや体調がまだ安定していない方や、働くことに不安があり、段階的に準備を進めたい方に向いています。

就労移行支援manaby(マナビー)について

就労移行支援manaby(マナビー)は、うつ病や不安障害など、様々な精神障害のある方が「自分らしく働く力」を身につけられるようサポートしています。

一人ひとりの特性や不安に寄り添いながら、「どんな働き方なら無理せず続けられるか」を一緒に考えていきます。

就労移行支援マナビーのサポート
体調管理やストレス対処のサポート
毎日を安定して過ごすためのサポートを行います。
自分のペースで学べる eラーニング「マナe
PC・ITスキルを無理なく習得することができます。
外出が不安なときも安心の在宅支援
※ 在宅訓練の利用可否は、お住まいの自治体によって異なります。
就職支援(履歴書・面接・求人探し)
履歴書の作成・面接練習・求人探しのアドバイスなどを行います。
働き始めた後も定着サポート
職場との連携・フォローがあり、就職後も安心の体制です。

「働くことに不安がある」「何から始めればいいかわからない」という方も、就労移行支援manaby(マナビー)で、今の状態に合った働き方を見つけることができます。

まずは一度、話を聞いてみませんか?

就職活動を始める前に整理しておきたいこと

この章のポイント
  • 就職活動の前に、自分にとって負担が大きい環境や業務を整理しておくことが大切
  • 過去に体調を崩した原因や苦手な業務を振り返ることで、自分に合う職場を見つけやすくなる
  • 仕事内容だけでなく、通勤時間や勤務時間が無理のない範囲かも確認しておくと安心

求人情報を見始めると、「条件の良い仕事」や「興味のある職種」に目が向きやすくなります。しかし、一時的に頑張れても、数か月後に体調を崩してしまっては、結果的に離職や再就職を繰り返すことにつながる可能性があります。そのため、就職活動を始める前に、「どのような環境で負担が大きくなりやすいか」「どの程度なら安定して続けられそうか」を整理しておくことが大切です。

ここでは、事前に整理しておきたいポイントを2つ紹介します。

自分にとって負担が大きい業務を整理しておく

仕事選びでは、「できる仕事」を考えるだけでなく、「どのような環境で不調になりやすいか」を把握しておくことも重要です。

求人票だけでは、実際の働きやすさまでは分からないことも少なくありません。そのため、過去に「つらかった業務」や「体調を崩したきっかけ」を振り返ることで、自分に合う環境を整理しやすくなります。

例えば、「業務量が急に増えたとき」「相談しにくい環境だったとき」「複数の業務を同時に求められたとき」等、不調につながった場面を具体的に整理してみると、自分にとって負担になりやすい条件が見えやすくなります。

また、「絶対に避けたい業務」と「工夫すれば対応できる業務」を分けて考えることも大切です。「人と話すことは苦手でも1対1なら対応できる」「急な対応は難しいが、決まった業務なら取り組みやすい」と整理できれば、必要以上に選択肢を狭めずに仕事を探しやすくなります。

通勤時間や勤務時間が無理のない範囲かを考える

仕事内容だけでなく、通勤時間や勤務時間も長く働き続けるうえでは重要なポイントです。

例えば、満員電車での長時間通勤が続くとそれだけで疲労が蓄積し、仕事以外の部分でも大きな負担になることがあります。

そのため、「片道30分以内」「乗り換えが少ない」「ラッシュ時間を避けやすい」等、自分にとって無理の少ない条件を整理しておくと安心です。

精神障害のある方の就職に関するよくある質問

精神障害のある方が就職を考える際は、「就職できるのか」「障害を伝えるべきか」等、不安を感じることも少なくありません。

ここでは、よくある質問にお答えします。

精神障害があると就職で不利になりますか?

「不利になる」と一概には言えません。企業が「長く働き続けられるか」を懸念して影響が出る場面はありますが、精神障害のある方の雇用は年々拡大しています。

重要なのは、「どう準備し、どう伝えるか」です。自分の体調管理の方法や必要な配慮を具体的に説明できるようにしておく事で企業の不安を和らげ、採用の可能性を高めやすくなります。

精神障害があることを応募先に伝えたほうがよいですか?

必ずしも伝える必要はありません。

ただし、勤務時間や業務量の調整等、配慮を受けながら働きたい場合は、伝えたほうが働きやすくなることがあります。

一方で、体調が安定しており、配慮がなくても働ける場合は、障害を伝えずに就職する選択肢もあります。

大切なのは、「今の自分に必要な配慮があるか」を基準に考えることです。

一般雇用と障害者雇用はどちらを選べばよいですか?

「体調の安定度」と「何を優先したいか」を基準に選ぶ事が大切です。

フルタイム勤務が無理なく行えるほど体調が安定している場合は、一般雇用も選択肢になります。一方で、体調に波があり、業務量や勤務時間の調整が必要な場合は、障害者雇用の方が無理なく働き続けやすい環境です。

迷った際は、「今の状態で無理なく続けられるか」を基準に考える事が、長く働き続けるためのポイントになります。

精神障害のある方の就職は、支援を活用しながら準備する選択肢もあります

精神障害がある中での就職は、「就職できるか」だけではなく、「自分に合った働き方を続けられるか」という視点も重要です。

そのためには、現在の体調や特性を整理し、「どのような環境なら無理なく続けられるか」を把握しておく必要があります。

また、就職方法も一つではありません。一般雇用・障害者雇用に加え、ハローワークや就職エージェント、就労移行支援等を活用しながら、自分に合った形で就職活動を進めることも可能です。

特に、「一人で就職活動を進めるのが不安」「働く準備から始めたい」と感じる場合は、支援を利用しながら進めることで無理なく就職を目指しやすくなります。

急いで就職先を決めるのではなく、自分の状態に合った準備を進めることが、結果的に安定して働き続けることにつながります。

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加藤 美遥

社会福祉士/精神保健福祉士/介護福祉士
福祉系専門学校を卒業後、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士を取得。現在は北海道の精神科病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務し、うつ病や発達障害、依存症などの支援に従事。医療と福祉の両面から得た経験を活かし、メンタルヘルスや福祉制度に関する情報発信・監修を行っている。

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