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統合失調症とは?原因・症状についてや、仕事の向き合い方、支援制度まで解説

目次
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統合失調症とは、精神疾患のひとつです。脳の働きがスムーズにいかないことから、幻覚を感じたり、考えが上手くまとまらないといった症状が現れてしまいます。

しかし、脳の中は見えないことから、自分が病気であることを受け入れるのが難しかったり、周囲への説明に戸惑ってしまうケースも珍しくありません。「仕事を続けられるのだろうか?」という不安を抱えてしまうこともあるでしょう。

この記事では、統合失調症の症状や治療法、さらには仕事との向き合い方や、活用できる支援制度について解説します。

この記事のまとめ
  • 統合失調症は精神疾患のひとつ
    脳の働きに乱れが生じ、気持ちや考えが上手くまとまらなくなり、日常生活に影響が起きてしまう病気
  • 治療のためにできること
    自身の「症状」「体調悪化のサイン」を把握し、適切に対処をすることが、体調の安定につながるト

統合失調症とは?

この章のポイント
  • 統合失調症は珍しい病気ではない
    適切な治療を受けることで、多くの方が安定した生活を取り戻せるとされる
  • 発症の原因ははっきりしていない
    強いストレスや不安が発症のきっかけになりやすいと言われている
統合失調症は、脳の働きに乱れが生じ、気持ちや考えが上手くまとまらなくなり、日常生活に様々な影響が起きてしまう病気です。

「視線が気になり、悪口を言われていると感じる」「音がうるさく聞こえ、集中できない」などの症状が現れます。

およそ100人に1人がかかると言われており、決して珍しい病気ではありません。

統合失調症は、適切な治療を続けることで、多くの方が安定した生活を取り戻せるとされています。

統合失調症の原因は?

統合失調症が起こるはっきりとした理由は、現代の医学でも完全には解明されていません。生まれつき持っている体質や、生活の中で受ける強いストレスが組み合わさって発症すると考えられています。

例えば、進学や就職といったライフステージの変化による緊張、人間関係の悩みや強い不安などが、統合失調症発症のきっかけになりやすいと言われています。

統合失調症は、本人の努力不足によるものではなく、脳という器官の不調によって起こるのです。

統合失調症で起こる代表的な症状

この章のポイント
  • 幻覚など不思議な体験(陽性症状)
  • だるさや興味関心の低下(陰性症状)
  • 集中が難しくなる(認知機能の症状)

統合失調症で見られる症状は様々です。またすべての症状が現れるとは限らず、人によって目立つ症状が違うことはよくあります。ここでは、統合失調症の代表的な症状を3つに分けて説明します。

幻聴・妄想など(陽性症状)

本来はないはずの感覚が続いたり、通常ありえないようなことでも強く信じ込み、時に周囲を混乱させてしまう、といったことがあります。脳の働きが非常に敏感になり、現実と頭の中のイメージが混ざり合ってしまうために起こる症状で、陽性症状と呼ばれます。主に以下のような症状が挙げられます。

  • 幻覚・幻聴
    周りに誰もいないのに自分を責める声が聞こえたり、周囲の人から悪口を言われていると感じる。
  • 妄想
    誰かに監視されている・尾行されていると感じる。誰かが自分を陥れようとしているのではと感じる。
  • 考えの混乱
    頭の中で考えがまとまらず、脈絡のないことを言ったり考えたりしてしまう。

感情表現の減少・意欲低下など(陰性症状)

心身のエネルギーが消耗し、喜怒哀楽の表現や活動意欲が失われてしまいます。これは本人が怠けているのではなく、脳の機能の不調や、強い不安・緊張から脳が疲れ切ってしまったことによって起きているとされています。この状態を陰性症状と言い、主に以下のような症状が挙げられます。

  • 感情がわきにくく、無表情になる。人との交流を避け、引きこもる。
  • 何事にも関心が持てなくなる。これまで好きだったものや趣味にも興味が持てない。
  • 身だしなみに気を配れず、入浴もできない。だるく、一日中布団から出られない。

注意力・判断力の低下(認知機能の症状)

脳の司令塔部分が混乱してしまい、情報の整理がスムーズにできないという症状が見られます。例として、以下のような症状が挙げられます。

  • 判断力の低下から、物事の段取りが組めなくなったり、買い物での支払いに迷う。
  • 集中することが難しく、ミスが増える。
  • 複数の指示を一度に理解することが難しい。一度に多くの刺激を受けるとパニックになりやすい。

統合失調症は治るの?

統合失調症は治るの?
この章のポイント
  • 「寛解」を目指す
    症状が現れず落ち着いた状態を維持することを目指す
  • 「服薬」を続けながら「症状の理解と対処を身に付ける」
    自己判断で治療を止めないことが、悪化や再発を防止する

「一度統合失調症になったら、もう元の生活に戻れないのでは」と不安に感じるかもしれません。ですが、病気の正しい理解と適切な休息・治療を続けることによって、自分らしい生活を取り戻すことができるとされています。実際に、統合失調症と上手く付き合いながら社会復帰をし、自分のペースで働いている方も多くいらっしゃいます。

統合失調症に限らず、精神疾患の多くは、症状が完全になくなる「完治」ではなく、症状が現れず落ち着いた状態を維持できる「寛解」状態を目指します。

このためには、病気を受け入れ症状と向き合いながら、一つひとつ対処を身に付けていくことが必要になるでしょう。また、家族など周囲の人たちの理解や協力も大切です。

代表的な治療法

統合失調症の治療は、「薬で症状を落ち着ける」ことと、「症状の理解と対処を身に付ける」ことの両面から進めていく方法が一般的です。具体的な方法を見ていきましょう。

薬で症状を落ち着ける(薬物療法)

薬を服用することで、過敏になった脳の神経を穏やかにし、幻聴や妄想、考えの混乱などの改善を目指します。その他にも、強い緊張や不安を軽減したり、不眠に対処するためにも薬が処方されることがあります。

統合失調症は症状が再発しやすい病気と言われています。そのため、症状が安定したと感じても自己判断で中止せず、服薬を続けることが、再発を防ぐためにはとても重要です。

もし、薬を飲み続けることが不安であったり、副作用がつらいと感じる時は、必ず主治医へ相談しましょう。

症状の理解と対処を身に付ける(心理社会的療法)

統合失調症と付き合いながらの社会復帰へ向けて取り組む治療です。医師など専門家と相談しながら、統合失調症という病について理解を深め、不安の軽減と症状への対処を身につけることを目指します。

また日常生活を送るうえでの困りごとについて、リハビリや訓練に取り組んだり、集団生活を通して生活力を身に付けたりと、本人の状態に合わせて様々な方法が用いられます。

取り組みの例内容
病気の仕組みを知る
(心理教育)
医師や専門スタッフと一緒に、病気の特徴や体調が変化するサインについて学びます。
症状への対処法をあらかじめ知ることで漠然とした不安を減らし、安心感を持って生活を送る力を身に付けます。
好きな作業で心身を動かす
(作業療法)
料理や手芸、スポーツといった作業を通じて、楽しみを見つけたり集中力を少しずつ取り戻します。
無理のない範囲で体を動かしたり何かに没頭したりすることで、心のエネルギーを蓄えられます。
情報を整理する力や集中力を高める
(認知機能リハビリテーション)
パソコンやカードを使ったゲーム感覚のトレーニングで、物事を段取り良く進める力を身に付けます。
仕事や家事で必要な「計画を立てる力」や「集中を維持する力」を、少しずつ高めていくことが可能です。
人との接し方を練習する
(生活技能訓練/SST)
周りの人とやり取りする際のコツを、実際の場面を想定して練習します。
相手との距離感や言葉の選び方を改めて確認することで、対人関係での緊張を和らげる効果が期待できます。
仲間と過ごして生活リズムを作る
(デイケア)
日中、決まった場所に集まって人と一緒に過ごすことで、生活リズムを整えます。
居場所を持つことで孤独感が和らぎ、社会復帰に向けて自信を取り戻すきっかけになることも多いです。

統合失調症の経過

統合失調症の経過
この章のポイント
  • 症状によって4つの段階に分けられる
    「前兆期」「急性期」「休息期」「回復期」
  • 現れる症状を知っておく
    その時に合わせた適切な対処をとりやすくなる

統合失調症には4つの段階があり、それぞれ現れる症状や体調が変化していきます。必ずしも順番に症状が現れるとは限らず、また統合失調症は再発しやすいという特徴からも、個人によってどのように段階を進んで行くかは異なります。良くなったり立ち止まったりを繰り返すこともありますが、回復に向けて焦らずに過ごしていきましょう。

また、それぞれの段階で、自分にはどのような症状が現れるのかを知っておくことで、その時の状態に合わせた無理のない過ごし方を見つけやすくなります。4つの段階がどのように分けられているのか、見ていきましょう。

前兆期:なんとなく調子が悪い時期

眠れない日が続いたり、音や光に敏感になったりと、心身にわずかな変化が現れ始めます。集中力が落ちて仕事や家事の効率が下がったりすることもあります。脳が疲れを感じて「少し休んでほしい」という合図を送っている状態と言えます。

急性期:不安や緊張がピークになる時期

現実と頭の中のイメージが混ざり合ってしまい、幻聴や妄想といった症状が現れる時期です。 こうした症状から不安や緊張が強まったり、日常生活や人間関係に影響が出てしまいます。急性期の段階では、服薬によって症状を落ち着かせ、安心できる環境で過ごすことが優先されます。

休息期:心と体をしっかり休ませる時期

急性期の激しい症状によりエネルギーを消耗してしまい、活動意欲が無くなってしまう時期です。体が重く感じて一日中寝て過ごしたり、人との交流もおっくうに感じることがあります。 休息期の時期は脳が回復のために省エネモードになっているため、休むことを優先し、服薬を続けながら焦らずに過ごすことが大切です。

回復期:少しずつ自分らしさを取り戻す時期

心身のエネルギーが戻り、身の回りのことへの関心ややる気も戻ってくる段階です。人との交流を持てたり、趣味を楽しんだりと、活動の範囲を広げていけるようになります。回復期の段階では、再発を防ぐために服薬や通院は変わらず続けることが特に大切です。

仕事中に現れる、統合失調症の症状悪化の前兆サイン

この章のポイント
  • 体調悪化前によく起こる症状は「サイン」
    自分の悪化サインを把握して、統合失調症とうまく付き合う
  • よくある悪化サイン
    「集中力が落ちる」「音がうるさい」「悪口を言われているように感じる」「遅刻が増える」など

統合失調症は、体調が悪化する時には大抵パターンがあり、悪化の前兆として現れやすい症状があります。そうした「悪化のサイン」は人それぞれ違いがありますが、自分はどういった症状が前兆として現れやすいのか分かれば、統合失調症と付き合いながら無理なく働く方法を見つける、大切な手がかりになります。

ここでは、統合失調症の方が仕事中によく感じる、体調悪化のサインを4つ紹介します。

集中力が落ちる・注意がそれやすい

いつもより作業に時間がかかったり、単純なミスが増えたりします。頭の中に霧がかかったような感覚になり、集中することが難しく感じます。一度に複数の指示を受けるとどうしていいか分からず、混乱してしまうこともあります。

音がうるさくて辛い・静かな場所に行きたくなる

話し声や電話の音、キーボードを叩く音などが普段よりも大きく聞こえ、辛さを感じます。とても騒がしく刺激が強いので、ひどく疲れてしまい、静かな場所へ移動したいと感じます。

常に監視されているように感じる・悪口を言われているように感じる

周囲の視線がすべて自分に向けられているような感覚になり、落ち着きません。誰かが自分の悪口を言っていると感じたり、周りの人の何気ない動作も「こちらを監視しているのでは」と思い、恐ろしくなってしまうこともあります。

遅刻や早退が増える・連絡がおっくうで無断欠勤してしまう

朝起きても体がだるく起き上がれず、思うように職場へ向かうことができません。何とか家を出られても遅刻してしまったり、出勤後も体調がすぐれないため早退をする、といったことが増えてしまいます。また、連絡をしなければならないと分かっていても、どうしても手が動かず、結果として無断欠勤をしてしまうこともあります。

統合失調症になったら、職場にどう伝える?

この章のポイント
  • 伝えるメリット・デメリットを考え、周囲とよく相談する
    自分が納得できる選択をすることが大切
  • 職場の相談先も活用する
    一人で抱え込まずに相談を

統合失調症とうまく付き合っていく上で、職場にも病気のことを伝えるかどうかは、悩みやすいポイントでしょう。出勤時間や業務量、業務内容について調整すれば働けると考える時は、「働き続けたいと思っており、そのために協力をして欲しい」という意思を共有することで、検討してもらえるきっかけになります。

また、病名を伝えずとも「疲れやすいため、業務量を少し調整してほしい」といった相談から始める方法もあります。

いずれにせよ、主治医や家族など周囲の人ともよく相談した上で、ご自身が納得できる選択をすることが大切です。

職場に伝えるメリット・デメリット

メリット
  • 体調への理解が得やすくなる
  • 仕事量や勤務時間などの相談をしやすくなる
  • 体調に配慮した環境で働ける可能性がある
デメリット
  • キャリアへの影響を不安に感じる場合がある
  • 特別扱いされているようで落ち着かない
  • すぐに理解や配慮が得られるとは限らない

職場での相談先

体調について悩んだ際、社内にはいくつかの相談窓口が用意されていることが一般的です。まずは話しやすい相手を選び、一人で抱え込まずに今の状況を少しずつ共有していくことが、結果として安心感につながるはずです。

  • 直属の上司
    日々の業務内容を一番よく知っているため、仕事の分担や配置換えについて具体的な相談がしやすい相手と言えます。
  • 人事担当者
    休職の手続きや、社内の福利厚生制度について詳しく確認したい場合に適した相談先です。
  • 産業医や産業保健スタッフ
    医学的な視点から、健康を維持して働くためのアドバイスをくれる専門家を指します。
    会社との間で中立的な立場として話を聞いてくれるため、病気についての悩みを打ち明けやすい存在と言えるでしょう。症状や働きやすい環境についての説明を会社へ行ってもらうことも可能です。

統合失調症で働き続けられる?

この章のポイント
  • 統合失調症でも働いている方は大勢いる
    「疲れない目安」を把握して、自分のペースで社会と関わる
  • 主治医から客観的意見をもらう
    どの程度働いてよいのか、判断してもらう
  • 就職・復職を相談できる支援機関もある
    病気や障害のある方の就労をサポートする「就労移行支援」の利用もおすすめ

統合失調症と向き合いながら、自分に合ったスタイルやペースで働かれている方は大勢います。病気になったからといって、働くことをあきらめる必要は全くありません。大切なのは、現在の体調や心の状態を正しく知り、無理のないペースで社会と関わっていく工夫をすることです。

そのためには、全てを一人で抱え込まずに、医師や家族へしっかり相談をしましょう。

仕事を続ける場合の注意点

「忙しくて休憩がとれない」「気が散って余計に体力を使う」「残業が続き睡眠時間が削られる」といった状況は、体調を崩すきっかけになりやすいです。

そのため、「これ以上は疲れすぎてしまう」というご自身の目安をあらかじめ把握しておくようにしましょう。目安をしっかり把握しておくことで、早めに周囲へ調整をお願いしたり、体調が悪くなる前に休む、といった判断ができるようになります。

また、職場の対人関係での悩みについて相談できる相手や場所についても、あらかじめ用意できると安心です。

安定して働き続けるためには、心身に負担をかけすぎないことを意識しましょう。

まずは主治医に相談しよう

統合失調症と診断された後も仕事を続けるかどうか、まずは主治医にしっかりと相談をしましょう。今の体調でどの程度の業務内容や勤務時間なら働けるのか、または休職が必要かどうかなど、専門家の立場から意見をもらいます。診断書や意見書を作成してもらえば、職場への病気の説明や、仕事への配慮を求める際もスムーズです。

主治医は、病気の回復に向けて伴走してくれる心強い味方の一人です。「自分はこれからどうしたいのか」「不安に思っていることは何か」などをしっかりと伝え相談することが、今後の治療や社会復帰のためにも大切です。上手く話せないと感じる時は、「あらかじめメモに書き出しておく」「家族と一緒に受診する」といった手段も使ってみてくださいね。

就職や復職に不安があるなら就労移行支援もおすすめ

「就労移行支援」とは、病気や障害を持つ方の「働く」をサポートする福祉支援サービスです。統合失調症により就職や復職に不安がある場合も、スムーズな社会復帰のための手段としておすすめです。

就労移行支援では、働くために必要なスキルを身につけたり、自分に合った働き方や職場を一緒に探したりといったサポートを行っています。

就労移行支援manabyについて

就労移行支援manaby(マナビー)は、一人ひとりの「自分らしさ」を大切にしたサポートが特徴の就労移行支援です。統合失調症など病気があっても無理せず安定して働くために、病気との付き合い方や向いている働き方について、スタッフが一緒に考える支援を行っています。

「体調に波があり、働くのが不安」「病気があっても続けられる仕事を探したい」といった悩みについて、安心して相談できる環境が整っています。

体調管理・ストレス対処のサポート
毎日を少しずつ安定させるために、生活リズムやメンタル面の整え方を一緒に考えます。
自分のペースで学べるeラーニング「マナe」
PCスキル・ITスキルを、外出が難しい時も自宅でゆっくり習得できます。
在宅支援で安心して訓練できる(自治体により利用可否あり)
外出が不安な方でも、自宅から通所と同じ支援を受けられます。
就職活動のサポート(履歴書・面接・求人探し)
苦手になりやすい書類作成や面接練習も、支援員が伴走します。
就職後の「定着サポート」が充実
働き始めてからの悩みや不安も相談でき、長く働き続けるためのフォローがあります。

統合失調症の方が利用できる支援制度とは?

この章のポイント
  • 休んで治療に専念できる「休職制度」
  • 金銭面の支援「傷病手当金」「自立支援医療制度」「障害年金」
  • 様々な福祉支援を受けるために「精神障害者保健福祉手帳」

統合失調症の治療を続ける中で、医療費の負担や生活費について不安を感じることがあるかもしれません。回復に専念するためにも、経済的な不安を少しでも減らすことは、非常に大切なことです。

ここでは、病気と向き合いながら安心して生活を送るための様々なサポート制度を5つ、紹介します。

統合失調症の方が利用できる支援制度をチェック▼

休職制度

治療や休養のために、一定期間仕事を休むことができる制度です。利用できる期間や条件、また給与支給の有無については会社によって異なります。

傷病手当金

病気や怪我で働けなくなってしまった時に、給与の代わりに受け取れるお金です。最長1年6ヶ月間にわたり、給与の約3分の2にあたる金額が支給されるため、生活の大きな支えとなります。

健康保険(社会保険)に加入していることなど、支給には一定の条件が必要です。

自立支援医療制度

統合失調症などの精神疾患で、長期間の通院が必要な場合に、医療費の自己負担を軽くできる制度です。通常、医療費の自己負担は3割ですが、自立支援医療制度を利用することで1割に軽減されます。

比較的簡単に申請できる制度であり、安心して治療を継続できる助けになります。

精神障害者保健福祉手帳

一定の障害があることを証明する手帳で、手帳の取得と利用により様々な福祉サービスを受けられるようになります。所得税や住民税の軽減、公共料金や交通機関等の割引、さらには障害者雇用枠での就職活動が可能になります。生活を送る上での色々なサポートを受けられるため、病気や障害の程度によっては取得を検討すると良いでしょう。

障害年金

病気やけがによって日常生活に制限がある場合に、国から支給を受けられる公的年金です。原則として20歳以上65歳未満の方が対象で、一定の条件を満たしていれば申請することが可能です。どれぐらい日常生活や仕事に影響を受けているか国の基準によって審査され、障害年金の等級が決定されます。支給される金額はその等級や加入している年金の種類によって変わりますが、定期的な収入が得られることによって生活の安定につながります。

統合失調症を再発・悪化させないためのポイント

この章のポイント
  • 薬を飲むのを勝手に止めない
  • 睡眠を十分にとる
  • 体調悪化のサインを感じたら、早めに対処する

統合失調症は、症状が落ち着いた後も再発しやすいという特徴を持っています。体調を優先できる無理のない過ごし方を身につけ、再発を予防することが大切です。ここでは、再発を防ぐために特に気を付けたいポイントを3つ紹介します。

自己判断で薬を減らさない・飲むのを止めない

治療を続ける内に体調が良くなってくると、「もう薬は必要ないのでは」「副作用がつらいからもう飲みたくない」と思うこともあるかもしれません。

しかし、自己判断で薬の量を減らしたり中止したりすることで、むしろ症状が再発する可能性が高くなってしまいます。

統合失調症の薬物治療は、風邪薬のように「体調が良くなったら飲むのをやめていいもの」ではなく、調子が安定している時でも、再発を予防するために飲み続けることが大切です。また、自分に合った薬の量を見つけていくことは重要ですが、自己判断で薬を減らしたりやめたりせず、必ず主治医に相談して指示を仰ぐようにしましょう。

薬を飲むことに不安を感じていたり、つらい副作用が出ていると感じる時は、必ず主治医に相談してくださいね。

生活リズムを整え、睡眠を十分取る

疲れをためず無理なく過ごすためには、規則正しい生活と十分な睡眠が欠かせません。毎日決まった時間に起き、日光を浴びて、夜は静かに休むというリズムを作ることで、心身の安定を保ちやすくなります。特に睡眠不足は症状を悪化させるきっかけとなりやすいため、眠れない日が続く時は早めに医師へ相談しましょう。

体調悪化のサインに気づく

「いつもより音がうるさく感じる」「集中力が落ちてきた」といった、自分なりの体調悪化のサインを把握しておくと安心です。そうすることで、早めに休憩をとる判断をしたり、仕事量の調整をお願いしたりなど、症状が悪化する前に対処することが可能になります。統合失調症とうまく付き合っていく手段として、ご自身の体調変化のサインを把握しておくと心強いでしょう。

統合失調症の家族はどう関わる?気づき方とサポート

統合失調症の家族はどう関わる?
この章のポイント
  • 家族も本人の体調悪化サインを把握する
  • まずは本人の不安に寄り添うことが大切
  • 困った時には以下の相談窓口へ
    「保健所」「精神保健福祉センター」「家族会」「相談支援事業所」「医療ソーシャルワーカー・精神科ソーシャルワーカー」

身近な家族が統合失調症と診断された際、どうしたらよいのか迷ってしまうことも多いでしょう。統合失調症という病気について家族がしっかりと理解をし、適切にサポートをすることは、本人の回復や安心感に大きくつながります。病気にかかる以前の生活を取り戻すために、家族が気を付けられるポイントを紹介します。

家族が気づきやすいサイン

体調悪化のサインは、大抵同じパターンで現れることが多いです。もしサインに気が付いた時は、本人に休息を勧めたり、早めに病院へ相談をするようにしましょう。

よく見られるサインは、以下のようなものがあります。

  • イライラ、そわそわしている。
  • 常に不安そうにしている。
  • 眠れていない。または眠ることを避ける。
  • 「誰かに見られている」と警戒し、部屋に閉じこもる。
  • 「悪口を言われた」「命令する声が聞こえる」と訴える。
  • 表情が乏しくなり、会話が噛み合わなくなった。
  • これまで好きだったものに、興味を示さなくなった。

家族がやってはいけない接し方

家族として力になりたい、病気をどうにかしたいという思いから、良かれと思ってかけた言葉が、むしろ本人の負担になってしまうことがあります。症状を落ち着かせ、早めに回復ができるよう、以下のような接し方は避けるようにしましょう。

幻聴や妄想を理屈で否定する

本人が感じている幻覚や妄想について、「それは現実ではない」と強く否定することは避けましょう。安心して欲しくてかけた言葉であっても、不安を理解してもらえなかったことで落ち込んだり、本人がその後周囲に相談しにくくなることで、症状が悪化する可能性が高まります。
「本人はとても怖い思いをしている状態なのだ」と理解し、「そうなんだね」と寄り添うことが大切です。

回復を急かしたり、「頑張れ」と励ましたりする

1日中引きこもっていたり、寝てばかりいる姿を見ると「いつまで休んでいるの?」「もっとしっかりして」といった言葉をかけたくなるかもしれません。いつまでも落ち込んで不安そうにしている姿を見て、「頑張れば早く復帰できるよ」と、つい何度も言ってしまうかもしれません。しかし、それは骨折している人に「早く走れ」「頑張って走れ」と無理をさせているのと同じと言えます。
統合失調症の回復のためには、何よりも休息が最優先であることを理解し、焦らず見守ることが必要です。

感情的に叱る、批判的な態度をとる

大きな声で怒鳴ったり、突き放すような冷たい態度をとったりすることは、病気により敏感になっている脳に強いダメージを与えます。 本当に治るのか不安に思ったり、思い通りにいかずイライラしてしまう場面もあるでしょう。しかし、できるだけ穏やかなトーンで話すことを心がけ、刺激が強すぎない環境を保つことが、症状の安定と回復につながります。

家族ができるサポートのポイント

本人が感じている不安について、相談しやすい関係性を作ることが大切です。

「誰にも理解してもらえない、相談できない」と孤立してしまった場合、さらなる病状の悪化を招くことになり、治療も難しくなっていってしまいます。

また、ゆっくりと休める静かな環境を用意することも、重要なサポートのひとつです。

家族も本人も全員が安心して治療に専念できるように、医師との連携や、福祉制度、支援サービスの利用も検討してみてください。

家族が困った時の相談先

統合失調症の治療において、家族のサポートは大きな支えとなります。しかし、家族だけで解決しようと無理を続けてしまうと、支える側の心身も疲れ果ててしまう恐れがあります。そうなれば、本人の症状にも少なくない影響がでてしまい、全員が安心して生活をすることが難しくなってしまいます。

治療を支える上での困りごとについて相談できる支援窓口もあります。代表的な相談先を5つ紹介しますので、ぜひ積極的に活用してみてください。

保健所保健師や精神保健福祉士などの専門家が配置されており、電話や窓口にて相談を受け付けています。
統合失調症など心の健康に関する悩みや、医療機関などについて相談することが可能です。
精神保健福祉センター心の健康に関するより専門的な相談を受け付けています。
病気の症状への具体的な対応方法や、引きこもりといった難しい悩みについてもアドバイスをもらえます。
家族向けの教室やグループワークを開催している地域もあります。
家族会統合失調症の方を支える家族が集まり、お互いの悩みや経験を共有する場です。
同じ立場だからこそ分かる苦しみや、その苦しみをどのように乗り越えたかなどについて、話をしたり聞いたりできます。
仲間とつながることで癒しや活力を得られるきっかけになります。
相談支援事業所病気や障害のある方やその家族が、必要な福祉支援を受けられるようにサポートをしてくれる窓口です。
様々ある地域福祉サービスとの連携や紹介を通し、これからの生活をどのように組み立てていくかを、一緒に考える支援を行っています。
医療ソーシャルワーカー・精神科ソーシャルワーカー病院などに在籍している福祉の専門家です。
治療や入院にあたっての精神的不安や経済的な悩み、主治医には聞きにくいこと、社会復帰への支援など、本人や家族が抱えやすい様々な困りごとについて相談することが可能です。
医療ソーシャルワーカーは全ての病気や患者さんを対象としていますが、精神科ソーシャルワーカーは心の健康に関する病気とその患者さんを専門としています。

統合失調症とは、脳の情報処理が乱れ、日常生活に支障が出る病気です。

統合失調症と診断を受けた場合でも、通院や服薬など適切な治療を続けることで、落ち着いた生活を取り戻せる場合が多いです。

自身の心や体に現れやすい「体調悪化のサイン」を正しく把握し、早めに休むといった対処法を身につけることが、体調安定のために大切なことです。

一人で抱え込まず、主治医や家族、さらには福祉支援機関や経済的なサポート制度を積極的に活用することで、社会とのつながりを保ちながら自分らしく過ごすことができるでしょう。

回復へのペースや道のりは一人ひとり異なります。焦らずゆっくり、自分のペースで取り組んでいきましょう。

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米澤 駿

臨床心理士/公認心理師
2016年に臨床心理士指定大学院を修了後、精神科病院にて心理カウンセラーとして勤務。発達相談やスクールカウンセリング、就労支援など多様な現場を経験。2025年よりフリーランスとして独立し、現在は心理職としての実務経験を活かし、Webライターとしても活動している。

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