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強迫性障害(OCD)で休職を考えたら?知っておきたい手続き・支援制度・復職までの流れ

目次
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「メールを送る前に何度も読み返してしまい、仕事が全く進まない」「戸締りを確認しても不安が消えず、家から出られない」

強迫性障害(OCD)の症状を抱えながら働き続けることに、限界を感じていませんか?

この記事では、強迫性障害(OCD)で休職を考えたときに知っておきたい手続きの流れや利用できる制度、休職中の過ごし方、復職までのポイントを分かりやすく解説します。

百武 弥生
監修 百武 弥生 (社会保険労務士/東京都社労士会城東統括支部研修委員/東京都社労士会葛飾支部研修副委員)
この記事は、建設・介護・医薬品業界などで20年以上、人事労務に携わってきた専門家が監修しています。
この記事のまとめ
  • 強迫性障害(OCD)は、強い不安と確認・手洗いなどの行動を繰り返してしまう精神疾患です
    仕事や日常生活に支障が出ることもあり、症状がつらいときは無理をせず治療や休養を優先することが大切です。
  • 休職は回復のための選択肢の一つです
    休職を検討する際は、主治医へ相談し診断書を取得したうえで、会社の就業規則を確認しながら手続きを進めましょう。
  • 傷病手当金や自立支援医療などの制度を活用しながら、焦らず回復を目指しましょう
    復職が難しい場合は、リワークや就労移行支援、障害者雇用など、自分に合った働き方を相談することも大切です。

強迫性障害(OCD)とは?

強迫性障害(OCD)とは?
この章のポイント
  • 強迫性障害(OCD)は、不安を打ち消すための行動を繰り返してしまう精神疾患です。
  • 確認行為や手洗いなどが続くことで、仕事や日常生活に支障が生じることがあります。
  • 生涯有病率は約1〜2%で、うつ病や不安障害を併発することもあるため、早めに医療機関へ相談することが大切です。

強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)とは、自分でも「考えすぎだ」「やりすぎだ」と分かっていても、不安な考えが頭から離れず、その不安を打ち消すための行動を繰り返してしまう精神疾患です。

例えば、「手が汚れているのではないか」「鍵を閉め忘れたのではないか」といった不安が繰り返し浮かび、その不安を解消するために手洗いや確認を何度も行ってしまいます。

このように、強迫性障害は「不安な考え(強迫観念)」が生じ、それを「打ち消すための行動(強迫行為)」を行い、一時的に安心しても再び不安が戻るという悪循環を繰り返すことが特徴です。

この状態が続くと、確認や洗浄に多くの時間を費やすようになり、仕事や日常生活に支障が出ることがあります。

代表的な症状には、次のようなものがあります。

不潔・汚染への恐怖:手洗いや消毒、入浴を過剰に繰り返す
確認行為:鍵やガス、戸締まり、メールの内容などを何度も確認する
加害恐怖:「自分が誰かを傷つけてしまうのではないか」という不安にとらわれる
対称性・順序へのこだわり:物の配置や手順が「正しく」ないと強い不安を感じる
数や言葉へのこだわり:特定の回数を数えたり、決まった言葉を唱えたりする

強迫性障害(OCD)とうつ病・不安障害との違い 

強迫性障害(OCD)は、うつ病や不安障害と混同されることがありますが、それぞれ中心となる症状が異なります。

疾患 中心となる特徴 強迫性障害(OCD)との関係
強迫性障害(OCD)
  • 強迫観念と強迫行為の繰り返し
うつ病
  • 気分の落ち込み・興味や意欲の低下が続く
  • 強迫性障害(OCD)から二次的にうつ症状が出ることがある
不安障害(不安症)
  • 特定の状況や対象への強い不安・恐怖
  • 強迫性障害(OCD)と共通する特徴を持つが、現在は独立した疾患群として分類されている

強迫性障害(OCD)に悩むうちに気分の落ち込みが強くなり、うつ病を併発するケースも少なくありません。また、不安障害と共通する特徴もあります。

そのため、「ただの心配性だから大丈夫」と自己判断せず、気になる症状がある場合は医療機関へ相談することが大切です。

強迫性障害(OCD)の有病率 

生涯のうちに強迫性障害(OCD)を経験する人の割合は、おおむね人口の1〜2%とされています。100人に1〜2人程度にみられる疾患であり、決して珍しいものではありません。

強迫性障害(OCD)で休職するのは甘えではない 

この章のポイント
  • 強迫性障害(OCD)で休職することは、決して甘えではありません。
  • 無理をして働き続けると、症状が悪化し、回復までに時間がかかることがあります。
  • 休職は治療と休養に専念し、再び働くための大切な準備期間です。

強迫性障害(OCD)での休職は、甘えではありません。症状によって仕事や日常生活に支障が出ている場合は、回復のために休養が必要になることがあります。

強迫性障害では、不安や恐怖を打ち消すために確認や手洗いなどの行動を繰り返してしまいます。無理をして働き続けると疲労やストレスが蓄積し、不安が強まることで症状が悪化することがあります。

その結果、仕事だけでなく日常生活にも支障が広がり、回復までに時間がかかってしまうケースも少なくありません。

そのため、症状が強くなっているときは、休職して治療や休養に専念することが大切です。休職は仕事から逃げるためではなく、回復して再び働くための準備期間と考えることができます。

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強迫性障害(OCD)で休職するまでの流れ

強迫性障害(OCD)で休職するまでの流れ
この章のポイント
  • 休職を考えたら、まずは主治医に現在の症状や仕事への影響を具体的に伝えて相談しましょう。
  • 会社の就業規則や休職制度を事前に確認しておくことが大切です。
  • 診断書を提出し、会社と相談しながら手続きを進めることで、無理のない形で休職を開始できます。

強迫性障害(OCD)で休職を考え始めたとき、「何から始めればいいのか分からない」と不安になる方もいるでしょう。

ここでは、休職開始までの流れを順番に解説します。

まずは主治医に「仕事が限界に近い状態」を具体的に伝える 

休職を考えたとき、最初に相談する相手は主治医です。

ただし、「最近つらいです」「仕事がしんどいです」といった伝え方だけでは、症状の深刻さが十分に伝わらないことがあります。

例えば、次のように具体的な状況を伝えると、医師も状態を把握しやすくなります。

  • 確認行為に1日合計3時間ほどかかり、業務が終わらない
  • メールの確認が止まらず、定時に帰れない日が続いている
  • 夜は寝付けず、朝も起きられず、出勤がつらい状態が続いている

また、「休職を考えている」という気持ちがある場合はそのことも相談してみましょう。

主治医に診断書を発行してもらう

主治医が休養を必要と判断した場合は、休職に必要な診断書を発行してもらいます。

診断書には病名や現在の状態、療養が必要であることなど、就業に関する医師の意見が記載されます。会社が休職の可否を判断する際の重要な書類となるため、多くの場合で提出が求められます。

診断書の費用は医療機関によって異なりますが、一般的には3,000〜5,000円程度が目安です。詳しい金額は受診先へ確認してみましょう。

会社の就業規則で休職制度を確認する  

診断書を受け取ったら、会社の休職制度を確認しましょう。

すべての会社に義務づけられているものではなく、制度の有無や対象者・期間・申請方法は会社の就業規則や労働契約によって異なります。

診断書を提出すれば自動的に休職できるとは限らないため、まずは就業規則を確認し、人事・労務担当者に相談することが大切です。

特に確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 休職できる期間の上限(勤続年数によって変わることがある)
  • 休職中の給与の有無(無給のことが多い)
  • 復職の手続きや条件
  • 休職の申請に必要な書類

上司または人事に休職を相談する

休職制度を確認したら、会社へ休職の意向を伝えます。基本は直属の上司への相談ですが、上司に伝えづらい事情がある場合は、人事・労務担当者や産業医へ相談する方法もあります。

人事・労務担当:休職手続きに関する相談窓口
産業医:健康面から就業に関する助言を行う医師(※)
※ 産業医は、労働安全衛生法に基づき一定規模以上の事業場で選任が義務付けられており、すべての企業に配置されているわけではありません。

また、心身の不調について相談したい場合は、厚生労働省の「こころの耳」などの相談窓口を利用することもできます。

産業医には守秘義務があります。ただし、就業上必要な措置を検討するため、本人への説明と同意を踏まえたうえで、必要な情報が会社へ共有される場合があります。

「上司に直接は話しづらい」と感じる場合は、人事・労務担当者や産業医へ相談してみるのも一つの方法です。

上司への伝え方|強迫性障害(OCD)で休職したい場合の例文

実際にどのように切り出せばよいのか、悩む方も多いのではないでしょうか。

直属の上司に病名や症状の詳細まで伝える必要は、通常ありません。

一方で、会社が休職の可否や就業上の配慮を検討するために、人事担当者や産業医などから、必要な範囲で健康状態や医師の意見について確認や資料の提出を求められる場合があります。

相談例
「お忙しいところ恐れ入ります。
体調についてご相談したいことがあり、お時間をいただけますでしょうか。

実は心身の不調が続いており、医療機関を受診したところ、療養が必要との診断を受けました。
診断書も用意しております。

現在は業務に支障が出ているため、一定期間お休みをいただき、治療に専念したいと考えています。
手続きについてご相談させていただけますでしょうか。」

診断書を提出し、会社の手続きに従って休職を開始する

診断書を提出した後は、会社の案内に沿って休職の手続きを進めます。休職開始日や休職期間、休職中の連絡方法などは会社ごとに異なるため、担当者へ確認しておくと安心です。

体調を最優先にしながら、医師や会社と相談し、無理のない範囲で引き継ぎを進めましょう。

休職中の生活費はどうする?傷病手当金とは?

この章のポイント
  • 休職中は、条件を満たすと健康保険の傷病手当金を受け取れる場合があります。
  • 傷病手当金の支給額はおおよそ給与の3分の2で、最長1年6か月受給できる可能性があります。
  • 休職中も社会保険料や住民税などの支払いが続くため、収入だけでなく支出も確認しておくことが大切です。

休職を考えるとき、最も大きな不安の一つがお金のことではないでしょうか。給与が支給されなくなったら生活はどうなるのかと心配になり、休職に踏み切れない方も少なくありません。

そのようなときに知っておきたい制度の一つが、健康保険の傷病手当金です。会社の休職制度とは別の制度であり、一定の要件を満たした場合に、申請に基づいて保険者の審査を経て支給されます。支給の対象となれば、療養中の生活を支える収入として活用できます。

まずは、傷病手当金の概要や支給要件、支給額の目安について確認していきましょう。

傷病手当金とは 

傷病手当金は、病気やケガで仕事を休み、給与を受けられないときに、健康保険から支給される制度です。強迫性障害(OCD)などの精神疾患による休職も対象となる場合があります。

実際に、精神疾患を理由に傷病手当金を利用している方は少なくありません。協会けんぽの統計でも、「精神及び行動の障害」は支給理由の中で大きな割合を占めています。

ただし、診断書があれば必ず支給されるわけではありません。傷病手当金は、健康保険の保険者が、医師の意見や申請内容などをもとに審査を行い、支給の可否を判断します。

傷病手当金を受け取る主な条件 

傷病手当金を受け取るには、主に次の4つの条件を満たす必要があります。

シンプルリスト
  • 業務外の病気やケガで療養していること
  • 療養のため、それまで従事していた仕事に就くことができない状態であること ※医師の意見や本人の業務内容、療養状況などを踏まえ、保険者が支給の可否を判断します。
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること
  • 休業中に給与の支払いがない、または傷病手当金より少ないこと

なお、最初の3日間は「待期期間」と呼ばれ、この期間は傷病手当金の支給対象になりません。支給対象となるのは4日目以降です。

支給額はおおよそ給与の3分の2が目安 

支給額はおおよそ給与の3分の2が目安 

傷病手当金の支給額は、おおよそ標準報酬月額をもとに計算した金額の3分の2が目安です。

例えば、月収30万円程度の方であれば、1日あたり約6,667円が支給額の目安となります。ただし、実際の支給額は標準報酬月額などをもとに計算されるため、人によって異なります。

1日あたりの支給額シミュレーション

(平均標準報酬月額 ÷ 30日) × 3分の2

あなたの平均標準報酬月額(給与の平均)を入力してください
万円

ステップ1:1日あたりの給与を計算

300,000円 ÷ 30日 = 10,000

ステップ2:3分の2を掛ける

10,000円 × 2/3 = 約 6,667

つまり、あなたが受け取れる傷病手当金は

1日あたり 約 6,667

※標準報酬月額とは、健康保険料などを算出する際の基準となる報酬月額です。

支給期間は通算1年6か月 

傷病手当金を受け取れる期間は、支給開始日から通算して最長1年6か月です。

一度復職して傷病手当金の支給が停止した場合でも、支給開始日から1年6か月以内であれば、再び支給対象となることがあります。

なお、実際に支給を受けるためには、その都度、支給要件を満たしていることや保険者による審査が必要です。

傷病手当金は申請後すぐに振り込まれるわけではありません。申請内容の確認や審査が行われるため、初回の支給まで2〜3か月程度かかることもあります。

休職中の生活費に充てる予定がある場合は、支給まで時間がかかる可能性も考慮し、あらかじめ生活費を確認しておくと安心です。

確認しておきたい支出一覧

傷病手当金は給与の満額ではないため、休職中は支出も見直しておくと安心です。

区分 主な項目 ポイント
固定費 家賃・住宅ローン、水道光熱費、通信費 削減や見直しの余地がないか確認
社会保険料 健康保険料、厚生年金保険料 休職中も原則として負担が続く。
会社経由で支払う場合がある
税金 住民税 前年所得をもとに課されるため、収入が減っても請求は続く
医療費 通院費、薬代 自立支援医療を使えば負担を軽くできる場合がある

特に見落としやすいのが、社会保険料と住民税です。休職中も社会保険料や住民税の支払いは続くため、思ったより出費が多いと感じる方もいます。

会社から保険料の支払い方法について連絡が来ることもあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

休職中に利用できる支援制度まとめ

この章のポイント
  • 休職中は、医療費や生活費の負担を軽減できる公的な支援制度を利用できる場合があります。
  • 自立支援医療、精神障害者保健福祉手帳、障害年金、生活保護など、それぞれ対象や利用条件が異なります。
  • 利用できる制度は状況によって異なるため、市区町村や年金事務所などの窓口へ早めに相談することが大切です。

傷病手当金以外にも、医療費や生活費の負担を軽減できる制度があります。強迫性障害(OCD)の治療を続けながら安心して療養するためにも、利用できる制度を知っておくことが大切です。

ここでは、休職中に利用できる主な支援制度を4つ紹介します。

自立支援医療

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院治療にかかる医療費の自己負担を軽減する公費負担医療制度です。

対象となる医療機関や薬局での精神科・心療内科の通院や薬代などについて、自己負担額が原則1割になります。また、所得に応じて1か月あたりの自己負担額に上限が設けられています。

なお、この制度はすべての医療費が対象になるわけではなく、精神疾患の通院治療に関する医療費が対象です。

強迫性障害(OCD)は継続的な通院や服薬が必要になることもあるため、まず検討したい制度の一つです。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、一定の精神障害の状態にあることを認定する手帳です。等級は1級から3級まであり、症状の程度に応じて判定されます。

手帳を取得すると、所得税・住民税の控除や公共料金・交通機関の割引など、等級や自治体に応じた支援を受けられる場合があります。

ただし、利用できるサービスは自治体によって異なるため、お住まいの市区町村へ確認しましょう。

また、精神障害者保健福祉手帳の有無と障害年金の受給可否は、それぞれ別の制度・基準で判断されます。

障害年金

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障がある場合に支給される公的年金制度です。強迫性障害(OCD)を含む精神疾患も対象となることがあります。

障害年金には、国民年金の加入者などが対象となる「障害基礎年金」と、厚生年金の加入者が対象となる「障害厚生年金」があります。

受給するためには、**病名だけで判断されるわけではありません。**初診日や保険料の納付状況などの要件を満たしたうえで、障害認定基準に照らして障害の状態が認められる必要があります。

また、精神障害者保健福祉手帳とは異なる制度のため、手帳を持っていることだけで障害年金を受給できるわけではなく、反対に手帳がなくても障害年金の対象となる場合があります。

制度や要件は複雑なため、自分が対象になるかどうかは、年金事務所や市区町村の窓口への相談をおすすめします。

生活保護

生活保護は、資産や収入が一定以下で、他の制度を使っても生活が成り立たない場合に、最低限度の生活費を保障する制度です。利用には資産や収入などの要件があり、申請はお住まいの市区町村の窓口で行います。

経済的に生活が立ち行かない状況になった場合は、一人で抱え込まずお住まいの市区町村の窓口へ相談してみましょう。

休職中の過ごし方・復職前に準備したいこと

この章のポイント
  • 休職中は焦らず休養・回復・準備の3つの段階を意識し、自分のペースで過ごすことが大切です。
  • 生活リズムを整えながら、主治医の指示に従って治療や通院を継続しましょう。
  • 復職や転職を考え始めたら、リワークや就労移行支援などの支援を活用する方法もあります。

休職に入ると、「何をして過ごせばいいのか」「このまま休んでいて本当に回復するのか」と不安になる方も少なくありません。しかし、休職期間は治療と回復を優先するための大切な時間です。

休職中は、おおまかに次の3つの段階を意識すると過ごし方の見通しが立ちやすくなります。

休養期:心身を休めることだけに集中する時期。何もできなくて当然
回復期:体調が上向き、生活リズムを整え始める時期
準備期:復職や次の働き方に向けて、少しずつ準備を始める時期

最初は何もできなくても問題ありません。焦らず、回復のペースに合わせて過ごすことが大切です。

【基本】生活リズムを整える

体調が少し落ち着いてきたら、生活リズムを整えることから始めましょう。

  • 朝、決まった時間に起きて、日光を浴びる
  • 三食をなるべく決まった時間にとる
  • 日中に軽く体を動かす(散歩程度)
  • 夜は強い光やスマートフォンを控え、眠りに備える

完璧を目指す必要はありません。少しずつ生活のリズムを取り戻していくことが大切です。

主治医の指示に従って強迫性障害(OCD)の治療を受ける

休職期間は、強迫性障害(OCD)の治療に集中できる貴重な時間でもあります。

強迫性障害の治療では、薬物療法や認知行動療法などが行われます。症状や状況によって適した治療法は異なるため、主治医と相談しながら継続的に治療を受けましょう。

仕事を離れている間に無理なく通院を続けることが回復への近道になります。

リワークや復職支援を検討する

体調が回復し、働くことを考え始めたら復職や再就職に向けた支援を活用する方法もあります。

リワークは、休職中の方が職場復帰を目指すための復職支援プログラムです。

  • 規則正しい生活リズムを身につける
  • 通勤や勤務を想定した活動を行う
  • 復職への不安を軽減する

こうした支援を受けながら、無理なく職場復帰を目指せます。

就労移行支援

復職ではなく転職や再就職を考えている場合は、就労移行支援を利用する方法もあります。

就労移行支援では、次のようなサポートを受けられます。

  • 体調管理のサポート
  • パソコンスキルやビジネスマナーの訓練
  • 就職活動の支援
  • 就職後の定着支援

「今の職場に戻ることが難しい」「働き方を見直したい」と感じている場合は、一度相談してみることをおすすめします。

なお、就労移行支援を利用するには、市区町村による支給決定などの手続きが必要です。利用を希望する場合は、お住まいの自治体や就労移行支援事業所へ相談してみましょう。

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Q2. 就職に向けて、どんな仕事やスキルに興味がありますか?

質問 2 / 5

Q2. 就職活動において、今一番不安なことは何ですか?

質問 2 / 5

Q3. パソコンを使った作業は、普段から行っていますか?

質問 3 / 5

Q3. 人と話す仕事と、黙々と進める仕事、どちらが好きですか?

質問 3 / 5

Q3. 人が多い場所や、通勤ラッシュなどは疲れやすいですか?

質問 3 / 5

Q3. 自分の「得意なこと・苦手なこと」をはっきりと説明できますか?

質問 3 / 5

Q4. 将来的には「在宅ワーク(テレワーク)」も視野に入れたいですか?

質問 4 / 5

Q4. 履歴書添削や面接練習などの「就活対策」はしっかりサポートしてほしいですか?

質問 4 / 5

Q4. 困ったとき、すぐに相談できるスタッフが近くにいてほしいですか?

質問 4 / 5

Q4. 自分と同じような障害・悩みを持つ人と、交流してみたいですか?

質問 4 / 5

Q5. 事業所を選ぶ上で、一番重視したいポイントはどれですか?

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タイプB:メンタルケア・マイペース型

心理カウンセラーが常駐していたり、短時間からの通所を認めてくれたりする、体調管理重視の事業所です。「まずは生活リズムを整えたい」という方に寄り添ってくれます。

チェックポイント:
休憩室の有無や、急な体調不良時の柔軟な対応を確認しましょう。

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チェックポイント:
企業でのインターンシップ(企業実習)の提携先が多いかどうかがカギになります。

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職場復帰の流れと注意点

この章のポイント
  • 復職は症状の回復だけでなく、生活リズムや通勤・勤務ができる状態になっていることも目安になります。
  • 復職のタイミングは自己判断ではなく、主治医や会社と相談しながら決めることが大切です。
  • 復職前に勤務時間や業務内容、必要な配慮について会社と確認しておくと、安心して職場復帰しやすくなります。

休職からの復職は、回復状況に合わせて段階的に進めることが大切です。焦らず準備を整えながら進めていきましょう。

復職できる状態の目安

復職を検討する際は、次のような状態になっているかが一つの目安になります。

  • 生活リズムが整い、朝決まった時間に起きられる
  • 通勤を想定した時間帯に、外出や活動ができる
  • 強迫症状が軽くなり、日常生活への支障が減っている
  • 集中力や意欲が、ある程度戻ってきている

ただし、これらはあくまで目安です。症状が完全になくなっている必要はありません。復職のタイミングは自己判断だけで決めず、主治医と相談しながら見極めることが大切です。

復職は本人だけで決めるものではない

復職の判断には、本人だけでなく主治医や会社も関わります。

立場 役割
本人 復職の意思や不安を伝える
主治医 病状の回復状況を判断する
産業医 業務遂行能力の回復状況を確認する
会社 最終的な復職の可否を判断する

ここで知っておきたいのは、主治医の「復職可能」という判断と、実際の職場で求められる働く力が必ずしも一致するとは限らないという点です。

主治医は日常生活の回復度をもとに判断することが多い一方で、産業医は職場での業務遂行という視点から確認を行います。そのため、両者の意見をすり合わせることで、より無理のない復職につながりやすくなります。

復職前に会社と決めておくべきこと

復職後の勤務時間や業務内容などは、会社の制度や業務内容によって対応できる範囲が異なります。そのため、次のような点を会社と確認しておくと安心です。

勤務時間:最初は短時間勤務から始め、段階的に通常勤務へ移行する
業務内容:当面は負担の軽い業務から再開する
配慮事項:強迫症状が出やすい業務(確認作業など)の調整
相談体制:不調時に相談できる窓口や担当者の明確化
通院への配慮:通院日の勤務調整について事前に確認する

希望する配慮が必ず認められるわけではありません。不安がある場合は、主治医や産業医、人事担当者とも相談しながら、無理のない復職を目指しましょう。

復職後の再燃・再休職を防ぐためには?

この章のポイント
  • 復職後は、症状が再燃しやすいタイミングを把握し、自分に合ったストレス対処法を準備しておくことが大切です。
  • 通院や服薬は自己判断で中断せず、主治医と相談しながら進めることで、再休職の予防につながります。
  • 復職が難しい場合は、一人で抱え込まず、就労移行支援やハローワークなどに相談し、転職や障害者雇用も選択肢として検討しましょう。

復職後は、安定して働き続けるために、日々の過ごし方や体調管理に注意することが大切です。 

ここでは再燃・再休職を防ぐためにできることを3つ紹介します。

復職後に強迫症状が再燃しやすいタイミングを把握する

まず大切なのは、症状が再燃しやすいタイミングを把握しておくことです。復職直後や繁忙期、人事異動など、環境や業務の変化がある時期はストレスが高まりやすくなります。

こうした時期を事前に理解しておくことで、「今は負荷がかかりやすい時期だ」と気づきやすくなり、早めの対応につながります。

例えば、次のような場面は特に注意が必要です。

  • 復職して1〜2週間の慣れない時期
  • 月末や締め作業など業務量が増えるタイミング
  • 人事異動や担当変更の直後
  • 上司や同僚との関係性が変わったとき

ストレス対処法を準備しておく

次に、ストレスへの対処法をあらかじめ準備しておくことが重要です。

気分転換の方法や、不安が強まったときの相談先、休息の取り方など、自分に合った対処法を複数持っておくことで、症状が強まったときにも落ち着いて対応しやすくなります。

例えば、次のような方法があります。

  • 10分程度の散歩や軽い運動で気分転換をする
  • 深呼吸やストレッチで緊張をほぐす
  • 不安が強いときは早めに上司や同僚に相談する
  • 帰宅後はスマートフォンやパソコンの使用を控え、休息時間を確保する

「不安が出たときにどうするか」を事前に決めておくことが、安定した就労につながります。

定期通院・服薬を継続する

定期通院や服薬を継続することも欠かせません。

体調が安定してくると通院や服薬を自己判断で中断したくなることがありますが、再燃のリスクを高める可能性があります。

中断や減薬の判断は自己判断せず、必ず主治医と相談しながら進めることが大切です。

それでも職場に戻れないと感じたら、転職・障害者雇用も考える

それでも現在の職場への復職が難しいと感じる場合は、転職や障害者雇用という選択肢もあります。

障害者雇用で働くためには、原則として障害者手帳が必要です。

自分に合った働き方について迷ったときは、主治医や就労移行支援事業所、ハローワークなどに相談しながら検討してみましょう。

強迫性障害(OCD)の休職について相談できる窓口・支援機関まとめ

この章のポイント
  • 強迫性障害(OCD)や休職の悩みは、一人で抱え込まず目的に合った相談窓口を利用することが大切です。
  • 症状や休職については医療機関、働き方は就労移行支援やハローワーク、お金のことは市区町村の福祉課へ相談できます。
  • 利用できる支援制度は自分で申請する必要があるものが多いため、早めに相談すると安心です。

休職や強迫性障害(OCD)に関する悩みは、頭の中で整理しきれず、一人で抱え込んでしまいやすいものです。調子が不安定なときほど、「どこに相談すればいいのか分からない」と感じることも少なくありません。

ここでは、目的別に主な相談先を4つ紹介します。

今すぐ誰かと話したい:こころの健康相談統一ダイヤル・よりそいホットライン

「とにかく今のつらい気持ちを聞いてほしい」というときは、匿名・無料で利用できる電話相談やSNS相談を活用しましょう。

こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556):全国共通の電話番号で、お住まいの都道府県・政令指定都市の公的な相談窓口につながります
よりそいホットライン(0120-279-338):24時間、どんな悩みでも受け付ける無料の電話相談です
こころの耳(厚生労働省):働く人向けに、電話・SNS・メールでの相談を受け付けています

「こんなことで相談していいのか」とためらう必要はありません。どの窓口も、悩みを抱える方のためのものです。

医療的な判断が必要:かかりつけ精神科・心療内科

症状の悪化や治療方針、「今の状態で休職すべきか」といった判断については、医療機関が相談先になります。

すでに通院している場合

まずは、かかりつけの精神科・心療内科の主治医に相談してみましょう。休職が必要と判断された場合は、診断書を発行してもらえます。

まだ受診していない場合

精神科や心療内科の受診から始めます。どの医療機関を選べばよいか分からないときは、厚生労働省の全国医療機関検索や、お住まいの地域の精神保健福祉センターで案内を受けられます。

仕事・復職について相談したい:就労移行支援・ハローワーク

「今の職場に戻るべきか」「別の働き方を探すべきか」と迷うときも、こうした窓口で整理を手伝ってもらえます。

復職や転職、これからの働き方について相談したいときは、就労支援の窓口があります。

就労移行支援事業所:一般就労を目指す訓練と、就職・定着のサポートを受けられます
ハローワーク(公共職業安定所):障害のある方向けの専門窓口があり、求職の相談ができます

お金のことを相談したい:市区町村の福祉課

傷病手当金以外の制度や、生活費の不安については、お住まいの市区町村の福祉課(障害福祉担当)が窓口になります。自立支援医療、精神障害者保健福祉手帳、障害年金、生活保護など、複数の制度をまとめて相談できます。

「どの制度が自分に使えるのか分からない」という場合でも、窓口で状況を伝えれば、利用できる可能性のある制度を案内してもらえます。公的な制度は自分から申請しないと利用できないものがほとんどであるため、早めに相談しておくと安心です。

強迫性障害(OCD)と休職に関するよくある質問

ここでは、強迫性障害(OCD)の休職に関してよく寄せられる質問にお答えします。 

強迫性障害(OCD)で休職できますか? 

休職できる場合があります。

強迫性障害(OCD)は休職が必要となることのある精神疾患です。主治医が療養のために休職が必要と判断した場合は、診断書を作成してもらえます。

ただし、診断書があれば必ず休職できるわけではありません。休職制度の有無や利用条件は会社によって異なり、最終的には就業規則などに基づいて会社が判断します。

休職期間はどのくらいが目安ですか?

必要な療養期間は、症状の程度や回復のペースによって一人ひとり異なります。数か月で回復する方もいれば、半年以上かけて療養が必要となる方もいます。

休職期間についても、会社の就業規則によって上限や運用が異なります。そのため、医学的に必要な療養期間と会社で認められる休職期間が必ずしも一致するとは限りません。

休職を検討する際は、主治医と相談しながら必要な療養期間の見通しを確認するとともに、会社の就業規則で休職制度や休職期間の上限を確認しておくと、その後の見通しを立てやすくなります。

休職中の給料・収入はどうなりますか?

休職中は無給となる会社が多いものの、条件を満たせば健康保険の傷病手当金を受け取れる場合があります。給与が止まる前提で、傷病手当金の利用も含めて備えておくと安心です。

休職を会社に伝えたら解雇されませんか?

病気で休職を申し出たことだけを理由に、直ちに解雇されるわけではありません。

一方で、休職制度の内容や休職期間、休職期間満了後の取り扱いは会社によって異なります。休職期間が終了しても復職が難しい場合の対応については、就業規則を確認するとともに、不安があれば会社へ相談しておきましょう。

休職中に転職活動をしてもよいですか?

法律で禁じられているわけではありませんが、慎重に判断することが大切です。

休職中の収入源となる傷病手当金は、「療養のため仕事に就くことができない状態」であることが支給の要件の一つです。

転職活動をしたことだけで、直ちに傷病手当金が支給されなくなるわけではありませんが、活動の内容や頻度によっては、「仕事に就くことができる状態かどうか」を判断する事情の一つとして考慮される可能性があります。最終的な支給の可否は、加入している健康保険の保険者が個別に判断します。

また、体調が十分に回復していない時期の転職活動は、心身の負担となり、症状の悪化につながることもあります。

まずは治療と回復を優先し、転職活動を始める時期や傷病手当金への影響について不安がある場合は、主治医や勤務先、加入している健康保険へ事前に確認しておくと安心です。

就労移行支援は強迫性障害(OCD)でも使えますか?

就労移行支援は、障害や疾患のある人が一般企業への就職を目指すための福祉サービスです。強迫性障害(OCD)などの精神疾患にお悩みの方も利用の対象になります。

強迫性障害(OCD)で仕事が限界なら、一人で抱えず休職も選択肢に

強迫性障害(OCD)の症状が強くなると、確認行為や不安によって仕事や日常生活に大きな負担が生じることがあります。

「まだ頑張れるかもしれない」と無理を続けてしまう方もいますが、症状が悪化すると回復までにより長い時間がかかることもあります。そのため、仕事への支障が大きくなっている場合は、休職を検討することも大切な選択肢の一つです。

休職中は、傷病手当金や自立支援医療などの制度を利用できる場合があります。また、復職に向けてリワークを利用したり、働き方を見直したい場合は就労移行支援などの支援機関へ相談したりする方法もあります。

制度の利用にはそれぞれ要件があり、利用できるかどうかは状況によって異なります。不安や疑問がある場合は、一人で抱え込まず、主治医や会社、自治体の窓口、支援機関などへ相談しながら、自分に合った回復の進め方や働き方を考えていきましょう。

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百武 弥生

社会保険労務士/東京都社労士会城東統括支部研修委員/東京都社労士会葛飾支部研修副委員
ファッション業界から人事労務の道へ進み、建設・介護・医薬品業界などで20年以上実務経験を積む。中小企業の労務管理や障害者雇用支援、助成金活用に対応し、現場経験と制度知識を活かした「寄り添う労務コンサルティング」を強みとして、実践的で柔軟な支援を行っている。

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