ADHDの就職活動で成功するには?失敗しないポイント・対策を詳しく解説
- ADHDの就職活動で失敗しないための3つのポイント
- 大事にしたい条件と妥協できる条件を分類する
- 自分の特性に合う働き方・仕事選びをする
- 1人で抱え込まず、必要に応じて支援を使う
- ADHDの強み・弱みとは?
- ADHDの強み・長所
- 興味のあることへの高い集中力
- 豊かな発想力
- 物事を多角的に捉えられる
- 行動力がある
- ADHDの弱み・短所
- 注意が散りやすい
- 忘れ物・ケアレスミスが多い
- スケジュール管理・優先順位づけが苦手
- マルチタスクが苦手
- ADHDの強みを生かせる働き方・仕事
- ADHDの強みを生かせる働き方
- ADHDの強みを生かせる仕事
- 就職活動を進める前に、整理しておきたいこと
- ステップ1:ADHDを開示するかどうか決める
- 開示のメリット
- 開示のデメリット
- 開示をしないメリット
- 開示をしないデメリット
- 一般雇用・障害者雇用の違い
- 一般雇用とは
- 障害者雇用とは
- 一般雇用と障害者雇用のメリット・デメリット
- 一般雇用のメリット・デメリット
- 障害者雇用のメリット・デメリット
- どちらを選ぶ?判断基準のポイント
- ステップ2:強みと弱みを整理する
- ステップ3:働き方・仕事を知る
- フルタイム・パート・時短勤務の違い
- フルタイムのメリット・デメリット
- パートタイムのメリット・デメリット
- 時短勤務のメリット・デメリット
- 通勤と在宅勤務(リモートワーク)とは
- 在宅のメリット・デメリット
- 通勤のメリット・デメリット
- 自分にとって働きやすい会社を選ぶ方法
- 仕事内容が具体的に説明されているか
- 注意が必要な求人の書き方
- 安心できる求人の書き方(仕事内容が具体的)
- 働き方のルール(残業・勤務時間)が明確であるか
- 指示や相談がしやすい仕組みがあるか
- 希望の仕事が見つからない時は?
- 「優先度の高い条件・低い条件」を分けてみる
- 優先度の高い条件(絶対に外せない)
- 優先度の低い条件(妥協できる)
- 求人が少ない時は、働き方の幅を少し広げてみる
- 職種を少し変えるだけ変えてみる
- どうしても見つからない時は相談機関を活用する
- ADHDの方が就職活動で利用できる相談先
- ハローワーク(障害者専門窓口)
- 地域若者サポートステーション
- 就労移行支援事業所
- 就労移行支援manaby(マナビー)でも相談できます!
- 就職活動で困りやすいポイントと対処法
- スケジュール管理がうまくできない
- 遅刻をしてしまう
- 忘れ物や書類の見落としをしてしまう
- 緊張しやすい・話がまとまらない
- 【書類対策】書類の作り方
- 志望動機は「3ステップの型」に当てはめるだけでOK
- 自己PRは「1エピソード+1工夫」でOK
- 書類ミスを減らす「見直しルール」を作る
- 【面接対策】質問への答え方と準備のコツ
- 使うのは「結論→理由→具体例」の1パターンだけでOK
- 自己PR・退職理由・志望動機はテンプレ化する
- 自己PR
- 退職理由
- 志望動機
- 質問ごとに「深掘りノート」を作っておく
- 自己PR
- 志望動機
- 退職理由
- 困難な経験について
- 話すスピードを意識的にゆっくりにする
- ADHDのある方が就職活動でアピールできる強み
- ADHDの特性を強みに変換する方法
- 1.自分が「弱み」だと思っていること・行動を書き出す
- 2.それと表裏一体になっている「ポジティブな側面」を見つける
- 3.仕事でどう活かせるか(活用シーン)を添える
- 障害者雇用の合理的配慮と伝え方
- ADHDの方が受けられる合理的配慮の例
- 面接時に合理的配慮を伝え方・ポイント
- 1.困りごとは「状況ベース」で伝えると伝わりやすい
- 2.必要な配慮は「やってほしい行動」で伝える
- 3.配慮があると 「どう働けるようになるか」 を必ず伝える
- 配慮の伝え方は「困りごと → 配慮 → 効果」の3点セット
- そもそもADHDとは?
- ADHDの就職活動を成功させるために大切なこと
- あわせて知っておきたいこと
- ADHD・発達障害と「仕事の困りごと」
- ADHD・発達障害に向いている仕事・働き方
- 発達障害の基礎知識・制度理解
この記事の要点
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● ADHDの就職活動とは、特性に合った進め方を選ぶことが重要ADHDの就職活動では、「全部を頑張る」のではなく、自分の強み・弱みや働きやすい条件を整理し、合う環境を選ぶことが成功のカギになります。
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● 書類・面接は「型」と「準備」で安定して対応できる志望動機や自己PR、面接の受け答えは、テンプレや話し方の型を使うことで、緊張やミスを減らし、自分の強みを伝えやすくなります。
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● 支援や合理的配慮を活用することで、長く安定して働きやすくなる一人で抱え込まず、支援機関や合理的配慮を上手に使うことで、働きにくさを減らし、自分の力を発揮できる職場につながります。
ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方の就職活動では、「応募しても続かないのでは…」「またミスをして迷惑をかけてしまうかも」「面接でうまく話せない」といった不安を抱える方もいるのではないでしょうか。
実際、就職活動でつまずきやすいポイントは、能力の問題ではなく「特性と環境のミスマッチ」が原因であることがほとんどです。
- 向いている仕事
- 働きやすい職場
- 負担が少ない働き方
を選ぶことで、結果は大きく変わります。
本記事では、ADHD(注意欠如・多動性障害)の方が就職活動で成功するために必要なポイントと、失敗しないための具体的な対策を解説します。
ADHDの就職活動で失敗しないための3つのポイント

この章のポイント
- ● 就職活動では「譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けて、優先順位を明確にすることが大切
- ● 自分のADHD特性を理解し、向いている仕事・避けた方がいい環境を基準に仕事を選ぶ
- ● 就職活動を一人で抱え込まず、ツールや支援機関を活用して負担と失敗を減らす
ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方が就職活動を成功させるためには、特性に合った方法で進めることが大切です。ここでは、失敗しないための3つの基本的なポイントをご紹介します。
大事にしたい条件と妥協できる条件を分類する
ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方が就職活動で失敗しないためには、 最初に「大事にしたい条件」と「妥協できる条件」を分けておくことがとても重要です。「全部そろった完璧な求人」は少ないため、条件を整理して優先順位をつけることが大切です。
まずは、次の2つに分けるだけでOKです。
- 大事にしたい条件:絶対に譲れないポイント。(例)残業がほとんどない、相談しやすい環境がある、業務量が明確など
- 妥協できる条件:あれば嬉しいけれど、なくても工夫できる条件。(例)給与や勤務地、オフィスの綺麗さなど。
自分の特性に合う働き方・仕事選びをする
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性は人それぞれですが、仕事の向き・不向きに直結しやすい傾向があります。
例:
- 物事への集中力が続きにくい→長時間の作業は負担になりやすい
- マルチタスクが苦手→同時進行の多い職場はミスが増えやすい
- 興味のあることには驚くほど集中できる→好きな分野では高いパフォーマンスを発揮
このように、特性を知る=求人選びの失敗を避けるための鍵になります。
「何が得意?」「何が苦手?」を把握すると、「向いている仕事」「避けたほうがいい環境」が自然と見えてきます。
1人で抱え込まず、必要に応じて支援を使う
就職活動は情報量もやることも多く、1人で管理しようとすると、ミスや負担が増え、ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方にとって、負担になるかもしれません。
失敗を避けるためには、1人で全部やろうとしないことが大切です。
例:
- スケジュール管理のアプリなどデジタル機器に頼る
- 困りごとを自分だけで抱え込まず、信頼できる人や専門機関に相談する
- 公的な支援(ハローワーク・若者サポートステーション・就労移行など)も選択肢に入れる
ADHDの強み・弱みとは?

この章のポイント
- ● ADHDの特性は人それぞれ異なり、強み・弱みの理解が仕事選びの土台になる
- ● 高い集中力や発想力などの強みは、環境次第で大きな武器になる
- ● 弱みを把握することで、必要な配慮や避けたほうがいい働き方が明確になる
ADHD(注意欠如・多動性障害)といっても、人によって特性の出方や困りごとはまったく違います。だからこそ、就職活動では、自分の「強み」と「弱み」を理解しておくことが重要になります。
なぜなら、「向いている仕事」「合わない働き方」など、仕事選びに「自分の特性」は深く関係しているからです。
まずは、一般的に見られる「強み」「弱み」を整理し、自分に当てはまる部分を確認してみましょう。
ADHDの強み・長所
以下は、ADHD(注意欠如・多動性障害)の代表的な強みをまとめました。
興味のあることへの高い集中力
特徴:関心を持ったことに対しては、周囲が見えなくなるほど深く集中し、高い成果を出しやすい
豊かな発想力
特徴:既存の枠や前提にとらわれにくく、新しい視点・アイデアを生み出しやすい
物事を多角的に捉えられる
特徴:一つの考えに固執せず、複数の可能性や選択肢を同時に思いつきやすい
行動力がある
特徴:思いついたことをすぐ試せるため、スピード感のある行動やチャレンジができる
ADHDの弱み・短所
つづいて、就職活動や仕事で困りやすい弱みを整理します。ここを理解しておくと、「必要な配慮」や「避けた方がいい環境」が明確になります。
注意が散りやすい
特徴:周囲の音や動きに意識が向きやすく、集中が切れやすい
忘れ物・ケアレスミスが多い
特徴:書類の見落としや忘れ物が起こりやすい
スケジュール管理・優先順位づけが苦手
特徴:予定の把握・準備・計画が負担になり、「何が大事か」が分かりにくく、作業が止まりやすい
マルチタスクが苦手
特徴:同時並行の仕事が続くと混乱しやすい
ADHDの強みを生かせる働き方・仕事

ADHD(注意欠如・多動症)の特性は1人ひとり異なるため、「これが絶対に向いている」という断言できる仕事はありませんが、傾向として以下のような働き方や仕事が向いています。
ADHDの強みを生かせる働き方
- 1つの作業に集中できるシンプルな業務内容
- スケジュールや手順が明確で、見通しが立てやすい仕事
- 静かで落ち着いて作業に取り組める環境
- 発達障害への理解があり、配慮のある職場
ADHDの強みを生かせる仕事
- 発想力やアイデアを活かせるクリエイティブな仕事:デザインやイラストの制作・商品やサービスのアイデア出し・企画立案など
- 体を動かしながら働けるアクティブな仕事:倉庫内作業(ピッキング・梱包など)・清掃スタッフなど
- 人と関わることが中心の接客・サービス業:販売スタッフ(アパレル・雑貨など)・カフェ・飲食店スタッフなど
- 1人でコツコツ取り組めるルーティンワーク:データ入力・郵送・仕分け作業など
- 興味のある分野を深掘りできる専門職:プログラマー・エンジニアなど
以下の記事でADHDの向いている仕事を紹介しています。
就職活動を進める前に、整理しておきたいこと

この章のポイント
- ● 就職活動を始める前に、「開示するか」「雇用形態」「働き方」を整理しておくことが重要
- ● 一般雇用と障害者雇用は、求められる役割や配慮の前提が大きく異なるため、自分に合う選択を考える
- ● 強み・弱みや体調に合った働き方(勤務時間・通勤/在宅)を知ることで、就職後のミスマッチを防げる
ADHDのある方は、いきなり求人を探し始めるよりも、最初に以下のポイントを整理しておくとスムーズに進めやすくなります。
ステップ1:ADHDを開示するかどうか決める
ADHD(注意欠如・多動性障害)であることを企業に伝える(=開示する)かどうかは働くうえで大きな判断ポイントです。開示とは、面接や応募書類で自分がADHD(注意欠如・多動性障害)であることを伝え、必要な配慮や支援を受けやすくすることを指します。
開示にはメリットとデメリットがあり、どちらが良いかは人それぞれの状況や考え方によって異なります。ここでは、開示の意味や重要性、開示する場合としない場合のそれぞれのメリット・デメリットを整理します。
開示のメリット
- 合理的配慮が受けやすくなる
- 自分の特性に合った働き方を相談しやすい
- 職場の理解が得られやすい
開示のデメリット
- 企業によっては偏見や誤解を受ける可能性がある
- 選考で不利になる場合がある
開示をしないメリット
- 障害に関する偏見を避けられる
- 選考がスムーズに進む場合がある
開示をしないデメリット
- 配慮や支援が受けにくい
- 特性による困りごとが職場で増える可能性がある
一般雇用・障害者雇用の違い
就職活動では、「一般雇用」と「障害者雇用」という2つの働き方があります。どちらも企業で働く点は同じですが、雇用の目的や前提となる考え方が大きく異なります。
一般雇用とは
一般雇用とは、障害の有無にかかわらず、企業の即戦力として働くことを前提とした雇用形態です。多くの求人がこの一般雇用にあたり、正社員・契約社員・パートなど幅広い働き方があります。
障害者雇用とは
障害者雇用とは、障害のある方が特性に配慮を受けながら、長く安定して働くことを目的とした雇用形態です。障害者雇用促進法に基づき、企業は一定割合の障害者雇用が義務づけられています。
一般雇用と障害者雇用は、「求人枠」が違うだけではありません。求められるスキル・働き方・配慮の受けやすさなど、多くの点で大きく異なります。
一般雇用と障害者雇用の大きな違いは、「求められる役割」と「配慮の受けやすさ」です。
一般雇用では、企業では即戦力として迎えるため、業務範囲が広く、マルチタスクを求められることも多いのが特徴です。一方で、障害者雇用は 特性に配慮しながら長く働き続けること を前提としており、仕事内容も負担の少ない業務に調整されやすく、配慮を受けやすい働き方です。
障害者雇用の場合、柔軟な働き方や休憩場所についての配慮、通院のしやすさ、有休の取りやすさなど、企業にとって過重にならない範囲で行います。企業によって異なるので事前に確認が必要です。合理的配慮が企業に義務付けられているとはいえ、小さい企業やベンチャーにとってはまだまだ対応が難しいことも多く、大企業の方が安心できる可能性もあります。
障害者雇用について詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。
一般雇用と障害者雇用のメリット・デメリット
ここでは一般雇用と障害者雇用のメリット・デメリットについて紹介します。
一般雇用のメリット・デメリット
障害者雇用のメリット・デメリット
一定期間障害者雇用で働き、実力が認められれば、障害者雇用枠からそのまま一般雇用で採用されるケースもあります。
どちらを選ぶ?判断基準のポイント
どちらが正しいということはなく、1番大切なのは、今の自分にとって負担が少なく長期的に働ける環境を選ぶことです。
例えば、
- 仕事の量・スピードに不安がある→障害者雇用のほうが働きやすい可能性が高い
- 職種にこだわりがある/キャリアアップしたい→一般雇用の方が希望に合うことがある
- 配慮がないと体調や特性が崩れやすい→障害者雇用のほうが安心
というように考えてみましょう。
ステップ2:強みと弱みを整理する
就職活動を進めるうえで、自分の「強み」と「弱み」を知っておくことはとても大切です。
ただ、ADHD(注意欠如・多動性障害)の方の中には、
- 失敗経験が多く、自分に自信がない
- 成功体験が少なく、強みが思い浮かばない
- 自分の弱みだけが気になってしまう
と感じていることが少なくありません。
しかし、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性は 「強み」と「弱み」がセットで存在する のが特徴です。
前の章で紹介した一覧を参考にしながら、「どんな条件で力を発揮できるか?」という視点で整理してみましょう。
- 集中して気づいたら時間が経っていたことは?
- 褒められたことや得意と言われたことは?
- 逆に、よく怒られた・指摘された場面は?
- 環境が合うと調子が良かった経験は? という質問から今までの経験や場面を思い出してみましょう。
例えば
- 興味がある分野 → 圧倒的な集中力が発揮される
- マルチタスクが少ない → 丁寧に仕事ができる
- ルールが明確 → 安定して作業が進む このように、「できる・できない」で評価するのではなく、どんな条件が揃うと強みが発揮されるかを知ることが重要です。
ステップ3:働き方・仕事を知る
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ方が就職活動でつまずく理由の1つは、「自分に合わない働き方・環境を選んでしまうこと」 にあります。逆に言えば、働き方や仕事の特徴を知っておくことで、働きやすい選択肢を見つけやすくなります。
フルタイム・パート・時短勤務の違い
まず、働き方には様々な種類があります。ここではフルタイム、パートタイム、時短勤務の特徴やメリット・デメリットの違いを理解しましょう。
フルタイムのメリット・デメリット
パートタイムのメリット・デメリット
時短勤務のメリット・デメリット
ADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、長時間の集中や疲労が蓄積しやすいため、パートタイムや時短勤務のように勤務時間を調整できる働き方が向いている場合があります。一方で、収入の安定や社会的なメリットを重視する場合はフルタイム勤務が適していることもあります。
通勤と在宅勤務(リモートワーク)とは
在宅勤務(リモートワーク)とは、オフィスに出勤せず、自宅や好きな場所で働ける働き方を指します。
ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方にとって、刺激を自分で調整できること や 通勤負担がないこと から、就職活動でぜひ検討したい選択肢のひとつです。
在宅のメリット・デメリット
在宅勤務は、「集中しやすい環境を自分で作れる」点が最大のメリットですが、計画性や自己管理が求められるため、自己管理能力の向上やコミュニケーション方法の工夫が必要になってきます。
Wi-Fiの状況などによってコミュニケーションが難しくなることがあり、業務に慣れるまで質問しにくい、説明を理解しにくい状況が発生するリスクもあります。いきなり完全在宅の仕事を選ぶより、一定期間出社し、その後ハイブリッド勤務を取り入れる方法もあります。
通勤のメリット・デメリット
自分にとって働きやすい会社を選ぶ方法

この章のポイント
- ● 仕事内容が具体的に書かれている求人は、業務の見通しが立ちやすくミスマッチを防ぎやすい
- ● 勤務時間・残業・休憩などのルールが明確な職場ほど、生活リズムを保ちやすい
- ● 相談や指示の仕組みが整っている会社は、ADHD特性による不安や負担を減らしやすい
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性がある方は、仕事内容の曖昧さ・突発対応の多さ・コミュニケーション量の多さなどがストレスに繋がりやすいです。
求人票の読み方を知っておくことで、働きやすい職場を選びやすくなります。
仕事内容が具体的に説明されているか
求人票には「事務」「サポート業務」とだけ書かれている場合もありますが、それでは実際どんな作業をするのかが分かりません。
例えば、以下のように業務内容が具体的に書いてあると安心です。
注意が必要な求人の書き方
仕事内容が曖昧な求人は注意しておくと良いでしょう。
(例)事務全般幅広い業務をお任せします。臨機応変な対応ができる方歓迎
このような求人は、具体的な業務が見えにくく、マルチタスクや突発対応が発生しやすい傾向にあります。、業務範囲が広がりやすく、負担が大きくなるかもしれません。
安心できる求人の書き方(仕事内容が具体的)
仕事内容が具体的である求人は比較的、負担が見積もりやすく、自分に合った働き方を見つけやすいかもしれません。
(例)データ入力(Excel使用)・メール対応(テンプレあり)・郵便物の仕分け・管理
このような求人はやることが明確で、仕事の流れをイメージしやすいため、実際に働いた時のミスマッチが少なく、働きやすさにも繋がります。
働き方のルール(残業・勤務時間)が明確であるか
求人票には、勤務時間や残業のルールが細かく書かれているかを必ず確認しましょう。ADHD(注意欠如・多動性障害)の方の場合、生活リズムが乱れやすい・突発的な業務が続いたり、過集中の影響から疲労が溜まりやすいという特性があるため、働き方のルールが曖昧な職場は負担が大きくなりやすいからです。
特にチェックしたいポイントは次のとおりです。
- 勤務時間が固定か、シフト制か
- 残業の有無・平均残業時間が明記されているか
- 繁忙期の働き方について補足があるか
- 休憩時間の取り方や中抜けのルールが決まっているか
- 休憩時間もデスクで電話番があるのか
- 離席は自由か
これらがきちんと書かれている求人は、働き方のイメージがしやすく、生活リズムを整えながら働ける可能性が高くなります。
反対に、
- 残業あり
- 忙しい時期はお願いします
- 詳細は面接で説明します
といった曖昧な表現の場合、実際には残業が多かったり、突発的な業務が続きやすいケースもあるため、慎重に判断しましょう。
元々疲れやすい特性があるので、長く働くためにも残業は極力しない方がおすすめです。長時間労働により、再度転職したい気持ちに向かい、働きながら転職活動をするとさらに気が散って忙しくなるケースもあります。
指示や相談がしやすい仕組みがあるか
ADHD(注意欠如・多動性障害)の方の特性から、相談しやすい職場かどうかが働きやすさに直結します。
- 曖昧な指示だと理解しづらい
- 突発的な変更やマルチタスクが負担になりやすい
- 「質問していいのかな?」と遠慮してしまいがち
そのため、求人票で 相談体制が整っているかを確認しましょう。
- 質問は随時チャットでOK
- 業務マニュアルあり
- 月1で個別面談
- 担当の先輩がサポートします
- 産業医・社会福祉士が配置
反対に、「自分で判断して動ける方歓迎」といった表現は、相談体制が整っていない職場の可能性があるため注意が必要です。
希望の仕事が見つからない時は?

この章のポイント
- ● 希望条件に優先順位をつけることで、求人選びの迷いを減らせる
- ● 働き方や職種の幅を少し広げるだけで、選択肢が大きく増えることがある
- ● 一人で行き詰まった時は、支援機関に相談することで新たな道が見つかりやすい
就職活動では、「これだ!」と思える求人がなかなか見つからないことも珍しくありません。
特にADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、働き方・環境の相性がとても大事なので、妥協の基準が分からずに迷いやすい傾向があります。ここでは、迷った時の「整理の仕方」と「次の選択肢」について紹介します。
「優先度の高い条件・低い条件」を分けてみる
理想の条件をすべて満たす求人は少ないため、まずは 絶対に外せない条件(優先度:高) と、あれば嬉しいけれど妥協できる条件(優先度:低) を分けてみましょう。
優先順位をつけることで、どの条件を絶対に譲れないか、どこなら柔軟に対応できるかが明確になり、求人選びの際に迷いが減ります。
以下は、優先度の高い条件と低い条件の具体例を示し、分類のポイントをまとめたものです。
優先度の高い条件(絶対に外せない)
- 勤務時間が一定か
- 残業がない
- 仕事内容が具体的
- 通勤時間が短い
- 配慮が受けられる など
生活リズムや体調に影響しやすいため、この点が整うかどうかで、働きやすさは大きく変わります。
優先度の低い条件(妥協できる)
- 給与の高さ
- 設備・福利厚生
- 勤務地の利便性
- 細かい職種のこだわり など
優先順位をつける際には、自分の特性や生活リズムを考慮し、特に体調管理やストレス軽減に影響する条件を優先度を高く設定しましょう。条件の線引きをすることで、選べる求人が増えることがあります。
求人が少ない時は、働き方の幅を少し広げてみる
「正社員だけ」「フルタイムだけ」のように希望の働き方にこだわりすぎると、求人の数が限られてしまいます。以下のように 働き方の幅を少し広げる と、マッチする求人が見つかりやすくなります。
- フルタイム → 時短勤務も検討する
- 在宅のみ→在宅と出社のハイブリッド勤務も見る
- 正社員→契約社員・パートを含めて探してみる
といったように働き方の幅を広げることも重要になります。
職種を少し変えるだけ変えてみる
これまでの経験や興味にこだわらず、似たような職種や関連する仕事に目を向けてみることもポイントです。
例えば、
- 事務職→データ入力中心の事務
- クリエイティブ→アシスタント業務
どうしても見つからない時は相談機関を活用する
1人で探していると、どうしても視野が狭くなりがちです。
その時はハローワークの障害者専門窓口や就労移行支援事業所、地域若者サポートステーションなどの専門機関に相談しましょう。
特にADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、「合う仕事・合わない仕事」の判断が難しいことも多いので、専門スタッフと一緒に整理するメリットは大きい です。
ADHDの方が就職活動で利用できる相談先

この章のポイント
- ● ADHDの特性を理解した専門機関に相談することで、就職活動の不安や迷いを整理しやすくなる
- ● ハローワーク・サポステ・就労移行支援は、それぞれ支援内容や向いている人が異なる
- ● 一人で抱え込まず、状況に合った相談先を使い分けることが、就職成功と定着につながる
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を理解したうえでサポートしてくれる相談先を紹介します。ここでは主に利用される3つの代表的な相談先をご紹介します。
ハローワーク(障害者専門窓口)
ハローワークの障害者専門窓口は、一般の窓口とは異なり、特性に配慮した仕事探しをサポートしてくれるのが特徴です。
ここでは、障害に理解のある専門スタッフが対応し、障害特性に配慮した求人の紹介や就職支援を行っており、特に、「一般雇用と障害者雇用のどちらが合うかわからない」という方に向いています。
障害者専門窓口の主な支援と利用メリットは以下の通りです。
| 支援内容 | 説明 | 利用メリット |
|---|---|---|
| 専門スタッフの個別相談 | 特性・困りごとに合わせて就職の方向性を整理 | 自分に合う働き方が見えやすい |
| 障害者向け求人の紹介 | 配慮に理解のある企業の求人を紹介 | ミスマッチを防ぎやすい |
| 面接対策・書類作成支援 | 応募書類の添削・模擬面接 | 準備が整い、自信を持って選考に進める |
| 合理的配慮の相談 | 配慮内容の整理や伝え方のアドバイス | 入社後の負担を減らし、安定して働ける |
相談時は、以下の点を意識するとスムーズです。
- 自分のADHD(注意欠如・多動性障害)の特性や困りごとを具体的に伝える(エピソード等があると尚よい)
- 希望する働き方や仕事の条件を整理しておく
- 配慮してほしい内容があれば、事前にまとめておく
- 不明点や不安があれば遠慮せず質問する
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーションは、15歳から39歳まで(施設により〜49歳)の若者を対象に、就職活動や生活の相談・支援を行う公的な支援機関です。ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方も利用でき、専門のスタッフが個別に相談に応じてくれます。就職経験が少ない方や、ブランクがある人にも利用しやすいのが特徴です。
以下の表は、地域若者サポートステーションの主な支援とメリットは以下の通りです。
| 支援内容 | 説明 | 利用メリット |
|---|---|---|
| 個別相談 | 状況・悩みに合わせて相談に応じる | 自分の不安や課題が整理しやすい |
| グループワーク・セミナー | コミュニケーション練習・ビジネスマナー学習 | 就職に必要な基礎スキルが身につく |
| 合理的配慮の相談 | 面接での伝え方・配慮内容を整理 | 働き始めた後の負担を減らせる |
地域若者サポートステーションは、完全予約制が基本で、まずは電話かウェブサイトから最寄りのサポステに連絡する必要があります。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、ADHD(注意欠如・多動性障害)をはじめとする障害のある方が一般企業での就労を目指すための福祉サービスの一つです。専門スタッフが個別の特性や困りごとに合わせて支援プログラムを提供し、就職活動の準備や職場定着までをサポートします。特に、「何から始めたらいいかわからない」
「自己管理が苦手で就活が続かない」という方に向いています。
以下の表は、就労移行支援事業所の主な支援とメリットは以下の通りです。
| 支援内容 | 説明 | 得られるメリット |
|---|---|---|
| 専門スタッフの個別相談 | 困りごとや働き方を整理し、方向性を一緒に考える | 自分に合う仕事が見つかりやすくなる |
| 面接対策・書類支援 | 応募書類の添削・模擬面接 | 準備が整い、自信を持って就活できる |
| ビジネススキル・PC訓練 | Word・Excel・コミュニケーションなど | 就職後に必要な基礎力が身につく |
| 生活リズム・体調管理サポート | 通所習慣で働く体力を作る | 就職後の継続につながる |
| 就職後の定着支援 | 仕事の悩みを相談でき、企業へ説明もしてくれる | 長く働くための心強いサポートになる |
就労移行支援manaby(マナビー)でも相談できます!
就労移行支援 manaby(マナビー) では、発達障害の方をはじめ、精神障害・知的障害・難病のある方が 自分らしく働けるようになるための支援 を行っています。1人ひとりの特性や不安に寄り添いながら、「どんな働き方なら無理なく続けられるか」 を一緒に探していくことを大切にしています。
就労移行支援manaby(マナビー) では、次のようなサポートを通して、今のつらさを整理しながら、これからの働き方を一緒に考えることができます。
「仕事がうまくいかず、今は働けていない」「この先どうすればいいのか分からない」「自分に合う仕事が本当にあるのか不安」とそんなお気持ちを抱えている方は、自分に合った働き方を探すきっかけとして、ぜひ一度ご相談ください。
就職活動で困りやすいポイントと対処法

この章のポイント
- ● ADHDの特性により、就職活動ではスケジュール管理やミス、緊張などの困りごとが起こりやすい
- ● 困りやすいポイントは、ツールや仕組みを使うことで負担を減らすことができる
- ● 「苦手だから無理」と決めつけず、自分に合った対処法を見つけることが大切
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性により、就職活動ではさまざまな困りごとが起こりやすくなります。ここでは、特に多くの方が直面しやすいポイントを紹介します。
スケジュール管理がうまくできない
ADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、複数の予定を同時に管理したり、優先順位をつけて進めることが負担になりやすい傾向があります。その結果、「締切を忘れる」「準備に時間がかかる」「面接の日程を間違える」などのトラブルにつながることがあります。
スケジュール管理が苦手な場合は、以下のような対策や工夫を取り入れることが効果的です。
- 視覚的に予定を把握する:カレンダーやスケジュール帳に色分けやアイコンを使い、見やすく整理する。
- リマインダーやアラームを活用する:スマートフォンやPCの通知機能で、予定の前にアラームを設定して忘れを防ぐ。
- タスクを小分けにする:大きな予定を細かいステップに分けて、段階的に取り組む。
- 毎日のルーチンを作る:決まった時間に予定確認や準備を行う習慣をつける。
遅刻をしてしまう
朝の準備に時間がかかったり、出る直前に別のことが気になって時間がズレるといった特性から、遅刻につながりやすくなります。就職活動中は特に面接の時間が厳格なため、負担が大きいポイントです。
遅刻を防ぐために、以下のような対策や工夫を取り入れることが効果的です。
- 余裕を持ったスケジュール設定:面接や訪問の開始時刻より30分以上前に到着する計画を立てる
- 複数のアラーム設定:スマホのアラームやタイマーを複数回設定し、時間を意識しやすくする
- 準備は前日に完了させる:服装や持ち物を前日までに用意し、当日の朝の負担を減らす
- 交通手段の確認と代替案の用意:公共交通機関の遅延情報を事前にチェックし、代替ルートも考えておく
- 時間を知らせてくれるツールの活用:スマートウォッチやタイマーでこまめに時間を確認する習慣をつける
忘れ物や書類の見落としをしてしまう
必要書類を忘れたり、誤字脱字・添付漏れなどのミスが発生しやすいのもADHD特性の一つです。応募書類の不備は選考に影響するため、対処が重要です。
忘れ物や書類の見落としを防ぐために、以下のような対策や工夫を取り入れることが効果的です。
- タスク整理:1回の作業に集中するため、タスクを小分割にする
- 書類整理:ファイルやフォルダで書類を整理する
- チェックリスト管理:チェックリストを作成し、必須項目を明確にする
- 優先順位づけ:期限や重要度で色分けする
- 見直しルール:見直しのルールを作り、第三者にチェックしてもらう
- 時間管理:リマインダーやアラームを活用する
緊張しやすい・話がまとまらない
面接で「話が長くなる」「何を話したいか分からなくなる」「緊張で言葉が出てこない」と感じやすいのもよくある困りごとです。これは思考の切り替えや言語化のスピードが影響していることが多いです。
- 話をまとめる工夫:話す前に「伝えたい3つのポイント」をメモに書く
- 短く区切って話す:長い説明は避け「短い文で区切る」習慣をつける
【書類対策】書類の作り方

この章のポイント
- ● 書類作成は「型に当てはめる」「ミスしにくい仕組みを作る」と負担を減らしやすい
- ● 志望動機は「結論→理由→具体例」の3ステップで組み立てると書きやすい
- ● 自己PRは「1エピソード+1工夫」に絞り、見直しルールで誤字脱字・添付漏れを防ぐ
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性があると、応募書類の作成は負担が大きくなりやすい部分です。そのため 「型に当てはめる」「ミスしにくい仕組みを作る」 ことが、もっとも効果的な書き方になります。
志望動機は「3ステップの型」に当てはめるだけでOK
志望動機を一から考えるのは非常に難しいため、まずは以下の 3つのパートに分けて書く方法 を使うのがおすすめです。
| パート | 内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 結論 | 応募先を志望する理由を一言でまとめる | 具体的かつ前向きな表現で、簡潔に伝える |
| 理由 | なぜその仕事や会社を選んだのかを説明する | 自分の特性や経験に関連づけて具体的に書く |
| 具体例 | 理由を裏付けるエピソードや実績を述べる | 簡潔でわかりやすく、ポジティブな内容にする |
自己PRは「1エピソード+1工夫」でOK
自己PRを書く際は、たくさんのことを盛り込もうとするとかえって伝わりにくくなります。採用担当者が知りたいのは「具体的にどんな行動ができる人か」「職場でどんな工夫をして働けるのか」です。そこでおすすめなのが、「1エピソード+1工夫」のシンプルな組み立てです。
- 1つのエピソード(実際に取り組んだこと)
- 1つの工夫(自分なりに工夫した点・改善した点)
書類ミスを減らす「見直しルール」を作る
応募書類は、誤字脱字・添付漏れなどの小さなミスで評価が下がってしまうことがあります。特にADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、注意の抜けやすさから書類の不備や誤字脱字が起こりやすいため、ルールを決めて対処することが重要です。
以下のようなルールを決めておきましょう。
- 時間を空けて見直す:書き終えた直後は見落としが多いため、数時間から1日程度、時間を空けてから再チェックしましょう。
- チェックリストを作成する:応募書類に必要な項目や注意点を書き出し、1つずつ確認できるリストを用意します。
- 複数回チェックする:1回の見直しだけでなく、2~3回に分けて確認することでミスの発見率が上がります。
- 第三者に確認してもらう:信頼できる家族や友人、支援機関のスタッフなどに見てもらい、客観的な視点での指摘を受けましょう。
- 読み上げ機能や音読を活用する:文章を声に出して読む、またはパソコンの読み上げ機能を使うことで、誤字脱字や文章の不自然さに気づきやすくなります。
- 提出前の最終確認を徹底する:必要書類がすべて揃っているか、添付ファイルの有無やフォーマットの指定に従っているかを最終的にチェックします。
これらの見直しルールを習慣化することで、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性による書類ミスを大幅に減らすことができます。
【面接対策】質問への答え方と準備のコツ

この章のポイント
- ● 面接では「結論→理由→具体例」の型を使うことで、話がズレにくくなる
- ● 自己PR・退職理由・志望動機はテンプレ化しておくと、緊張しても安定して答えやすい
- ● 事前に「深掘りノート」を作り、話すスピードを意識的に落とすことで伝わりやすくなる
面接は多くのADHD(注意欠如・多動性障害)の方にとって、「話がまとまらない」「何を言えばいいかわからなくなる」などの不安が大きい場面です。
しかし、実は たった1つの答え方の型と事前準備の仕組みを取り入れるだけで、安定して話せるようになります。
使うのは「結論→理由→具体例」の1パターンだけでOK
回答が長くなる・話がズレる原因は、「最初に結論を言わない」こと にあります。そこで、複雑に考えすぎず「結論→理由→具体例」の1パターンだけを使うことがおすすめです。
- 結論(最初に一言で言う)
- 理由(なぜそう思うのか)
- 具体例(経験やエピソード)
この順番に当てはめるだけで、「何を言っているかわからない」という状態を防ぐことができます。
例:私が大切にしているのは、正確さです。(結論)
前職ではデータ入力の仕事をしており、確認作業を徹底する必要がありました。(理由)
そこで、自分用のチェック欄を作る工夫をした結果、ミスをほぼゼロにできました。(具体例)
自己PR・退職理由・志望動機はテンプレ化する
ADHD(注意欠如・多動性障害)の方は、その場で話を組み立てようとすると混乱しがちです。だからこそ回答内容を 「テンプレ化(固定化)する」 ことが一番の近道です。テンプレート化することで、話す内容が整理され、緊張や思考の混乱を防ぎやすくなります。
参考にしながら、ご自身の経験や特性に合わせてアレンジしてみてください。
自己PR
自己PRでは以下のポイントを押さえましょう。
【ポイント】
- 1つのエピソードに絞る
- 特性を活かした工夫を含める
- ポジティブな言い回しにする
例:私は〇〇が得意で、□□の経験があります。特に△△の場面で、◇◇の工夫をして成果を出しました。
退職理由
【ポイント】
- 前向きな理由を伝える
- 具体的で簡潔にする
- ネガティブな表現を避ける
例:前職では〇〇の経験を積みましたが、更に□□の分野で成長したくて転職を決意しました。
志望動機
【ポイント】
- 会社や仕事の特徴に合わせる
- 自分の強みと結びつける
- 具体的な貢献イメージを伝える
例:御社の〇〇に魅力を感じ、私の□□の強みを活かして△△のように貢献したいと考えています。
質問ごとに「深掘りノート」を作っておく
回答が思いつかない、話がズレるといった困りごとを防ぐのは深掘りノートです。
深掘りノートとは、面接でよく聞かれる質問ごとに、自分の考えやエピソード、伝えたいポイントを具体的に書き出してまとめたノートのことです。
このノートを作ることで、面接の準備が体系的に進み、緊張しても話がまとまりやすくなります。また、自分の思考を整理できるので、自己PRや志望動機だけでなく、他の質問にも柔軟に対応できる力がつきます。
自己PR
例:
- 自分の強み・特徴
- 具体的なエピソード(工夫したことや成果)
自己PRの内容を深堀りすることで、話の軸を明確にし、説得力を高めることができます。
志望動機
例:
- 志望理由
- 会社や仕事の魅力
- 自分の強みとの関連
自分はどんな部分に興味を持ったのか、自分の強みをどう活かせるのかが明らかになり、熱意を伝えやすくなります。
退職理由
例:
- 前職の状況
- 転職の前向きな理由
- 今後の目標
自分の今までの状況を把握することができ、これからの目標まで、芯を持って話すことができるようになります。
困難な経験について
例:
- 具体的な状況
- どのように対処したか
- 学んだことや成長した点
今までの問題をどのように解決してきたのか、どうやって適応したのかを整理することで、面接でも問題解決力や適応力をアピールすることができます。
深掘りノート作成のポイントは、質問ごとに分けて、箇条書きで書き出すことです。文章にこだわりすぎず、伝えたい内容を簡潔にまとめることが大切です。
話すスピードを意識的にゆっくりにする
ADHD(注意欠如・多動性障害)方は緊張すると早口になりやすく、「結局何を言いたかったの?」となりがちです。だからこそ意識的に話すスピードを落とすことが大切になります。
【ゆっくり話すメリット】
- 伝わりやすさの向上:ゆっくり話すことで面接官が言葉を理解しやすくなり、内容が伝わりやすくなる
- 緊張の緩和:自分のペースで話すことで焦りや緊張を抑えられ、話がまとまりやすくなる
- 思考の整理:ゆっくり話すことで考える時間が増え、言いたいことを整理しやすくなる
- 印象の改善:落ち着いた話し方は冷静さや誠実さを感じさせ、面接官に好印象を与える
話すスピードをゆっくりにするための具体的な対策は以下の通りです。
- 深呼吸を取り入れる:話し始める前や話の区切りでゆっくり深呼吸し、リラックスした状態を作る。
- 一呼吸おく習慣をつける:質問に答える際や話の切り替え時に少し間を置くことで、焦らずに話せる。
- 録音して練習する:自分の話すスピードを録音し、客観的に確認して調整する。
- メモやキーワードを用意する:話すポイントを簡単にメモし、話す内容を忘れないようにする。
- ゆっくり話すことを意識して繰り返す:練習を重ねて、自然にゆっくり話せるようにする。
ADHDのある方が就職活動でアピールできる強み

この章のポイント
- ● ADHDの特性は、視点を変えることで就職活動での強みとしてアピールできる
- ● 「弱み → ポジティブな側面 → 仕事での活かし方」の3ステップで整理すると伝えやすい
- ● 特性を理解し、工夫して働く姿勢を示すことで、面接官に安心感を与えられる
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性は、一般的には「弱み」として語られることが多いかもしれません。しかし、就職活動においては 「弱みに見える部分が、実はそのまま強みになる」ケースが少なくありません。
ここでは、自己PRや面接でどのように活用するかについて具体的に解説します。
ADHDの特性を強みに変換する方法
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を強みとしてアピールする際は、次の3ステップで考えるとわかりやすくなります。
1.自分が「弱み」だと思っていること・行動を書き出す
例:注意が散漫になりやすい/興味がない作業が続かない など
最初に「弱み」を可視化することで、次の言い換えがやりやすくなります。
2.それと表裏一体になっている「ポジティブな側面」を見つける
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性は、表裏一体で必ずプラス面があります。
以下は、よくある特性の強みへの言い換え例です。
| 特性 | 強みとしての言い換え |
|---|---|
| 多動・落ち着きがない | 行動力があり、フットワークが軽い |
| 注意散漫・集中しにくい | 好奇心が強く、多角的な視点で考えられる |
| 忘れ物・ケアレスミス | 正確に進めるための工夫ができる(仕組み化が得意) |
| スケジュール管理が苦手 | 優先順位を工夫する力がある |
| 思考の切り替えが速い | 柔軟性があり、変化に強い |
3.仕事でどう活かせるか(活用シーン)を添える
例:「興味を持ったことに強く集中できるため、調査や分析業務では深く掘り下げながら正確に進めることができます。」
伝え方のポイントとしては、具体的なエピソードや成果を交えて話すこと、自分の特性を理解して工夫している姿勢を示すことが大切です。これにより、面接官に「この人なら職場で活躍できる」と感じてもらいやすくなります。
障害者雇用の合理的配慮と伝え方

この章のポイント
- ● 合理的配慮は、ADHDの特性による働きにくさを減らし、力を発揮するための環境調整
- ● 配慮は「困りごと → 必要な行動 → 配慮の効果」の3点セットで伝えると理解されやすい
- ● 状況ベース・具体的行動ベースで伝えることで、企業側も実行しやすくなる
障害者雇用では、職場が従業員の「働きにくさ」を軽減するために行うサポートを合理的配慮と呼びます。企業には、障害者雇用促進法に基づき、「過重な負担にならない範囲で必要な配慮を行うこと」が求められています。
ADHDの方が受けられる合理的配慮の例
面接時に合理的配慮を伝え方・ポイント
面接で合理的配慮を伝えることは、自分が力を発揮できる働き方を一緒に考えるためです。
- どんな場面で困りごとが起きるのか
- その状況でどんなサポートがあると仕事がしやすくなるのか
- 配慮があることでどのようにパフォーマンスを発揮できるのか
をセットで伝えると、企業側も実際の場面を想像でき、納得しやすくなります。
具体的には以下のようなポイントを押さえておきましょう。
1.困りごとは「状況ベース」で伝えると伝わりやすい
「特性そのもの」 ではなく 「その特性によって起きる状況」 を説明するのがポイントです。
(例)
- 複数の作業が同時に入ると、優先順位の判断が難しくなることがあります。」「口頭だけの指示だと、緊張で抜け漏れが出てしまうことがあります。
- 状況によってミスが発生しやすい
と伝えると、面接官は理解しやすくなります。
2.必要な配慮は「やってほしい行動」で伝える
抽象的な言葉ではなく、企業が実行しやすい具体的行動に言い換えます。
(例)
- 優先順位を示して依頼してもらえると助かる
- 口頭指示のあとに簡単なメモを共有してもらえると正確に進められる
- 最初のうちは進捗をこまめに確認してもらえると安心できる
このように 「企業が何をすればいいかが一目でわかる形」 が理想です。
3.配慮があると 「どう働けるようになるか」 を必ず伝える
ここが最も重要なポイントで、面接官は「配慮をしたことで、この人はどんなパフォーマンスが出せるのか」を知りたがっています。
(例)
- 優先順位を示していただけると、正確にタスクを進められて、作業スピードも安定します。
- メモをいただければ、ミスが大幅に減り、自信を持って作業できます。
- こまめな確認があると不安が減り、落ち着いて業務に集中できます。
配慮=能力を最大化するための環境調整と伝わるように説明しましょう。
配慮の伝え方は「困りごと → 配慮 → 効果」の3点セット
以下のテンプレートに沿って、配慮を伝えると企業側が配慮の意味を理解しやすく、採用判断にプラスに働きます。
- 困りごと:複数の作業が同時に入ると、優先順位の判断が難しくなることがあります。
- 必要な配慮:依頼時に優先順位を示していただけると助かります。
- 配慮の効果:そうすることで、落ち着いて作業を進められ、ミスを防ぎながら働くことができます。
そもそもADHDとは?

ADHD(注意欠如・多動症)は発達障害のひとつで、集中力や行動のコントロールに特徴があります。「不注意によるミスや抜け漏れ(不注意)」「考えるより先に動いてしまう、気持ちが急ぎやすい(多動性・衝動性)」という特性によって、生活や社会で生きづらさを感じたり、困りごとが発生してしまいます。
ADHDの就職活動を成功させるために大切なこと

ADHD(注意欠如・多動性障害)のある方の就職活動は、「自分にできるだろうか」「また失敗したらどうしよう」という不安を感じるかもしれません。
しかし、就職活動でつまずきやすい理由は、能力の問題ではなく 「特性と環境のミスマッチ」が原因であることがほとんどです。
- 自分の強み・弱みを理解すること
- 働き方や仕事の特徴を知ること
- 求人票を見て「負担が少ない職場かどうか」を判断すること
- 合理的配慮を上手に使うこと
これらを積み重ねることで、就職活動は確実に進めやすくなります。どうしても1人では整理しきれない時は、ハローワークや若者サポートステーション、就労移行支援など、専門の相談先を利用することで視野が広がり、選択肢も増えていきます。
あわせて知っておきたいこと

ここでは、今の疑問を整理したいときや、もう一歩理解を深めたいときに役立つ情報をまとめました。
気になるテーマがあれば、あわせて参考にしてみてください。
※各項目をクリックすると、詳しい解説ページをご覧いただけます。
ADHD・発達障害と「仕事の困りごと」
- 仕事ができないのはADHD(注意欠如・多動症)のせい?原因とシーン別の対策を分かりやすく解説
- ADHDの仕事のミス対策!今日からできる対策やコツとは?
- 仕事でのミスは発達障害のせい?今日からできる具体的な対策を分かりやすく紹介

