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うつ病で転職すべき?判断のポイントと続けやすい職場の選び方を解説 

目次
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うつ病と診断されて通院を続けている中で、「今の職場をこのまま続けていいのか」「転職を考えたほうがいいのか」と迷うことは少なくありません。

体調の変化によって、これまでと同じように働くことが難しく感じられることもあり、働き方や職場環境の見直しについて考える場面も出てきます。

この記事では、うつ病のときに転職を検討すべきかどうかの判断ポイントを整理しながら、転職を急いだほうがよいケースと慎重に考えたほうがよいケース、さらに今の職場でできる調整や休職といった選択肢についてもわかりやすく解説します。

加藤 美遥
監修 加藤 美遥 (社会福祉士/精神保健福祉士/介護福祉士)
この記事は、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士の資格を持ち、精神科病院で医療ソーシャルワーカーとして、うつ病や発達障害、依存症などの支援に携わる専門家が監修しています。
この記事のまとめ
  • うつ病になったからといって、すぐに転職する必要はありません
    業務量や働き方の調整、休職などによって負担を軽減できる場合もあるため、転職以外の選択肢も検討しましょう。
  • 転職するかどうかは体調と職場環境を整理して判断することが大切です
    症状が強い時期は判断力が低下しやすいため、焦らず現在の状態を整理したうえで決めることが重要です。
  • 一人で抱え込まず、主治医や支援機関へ相談しながら進めましょう
    客観的な意見を取り入れることで、自分に合った働き方や転職のタイミングを判断しやすくなります。

うつ病になったら転職すべき?

うつ病になったら転職すべき?
この章のポイント
  • 職場環境がうつ病の悪化につながっている場合は、転職を検討することも大切です。
  • 症状が強い時期は判断力が低下しやすいため、焦って転職を決めないようにしましょう。
  • 業務量の調整や働き方の見直し、休職などで負担を軽減できる場合もあります。

うつ病の症状が続くと、今の働き方を続けること自体が負担になることがあります。

この時に大切なのは、「転職すべきかどうか」を一気に決めるのではなく、今の職場が体調にどれくらい影響しているかを分けて考えることです。

ここでは、「転職を検討したほうがよいケース」と「転職を急がないほうがよいケース」をそれぞれ解説します。

うつ病で転職したほうがいいケース 

転職を検討する必要性が高いのは、今の職場環境が症状の悪化に強く影響している場合です。

例えば、以下のような状況が続いている場合は注意が必要です。

  • 長時間労働や残業が常態化し、十分な休息が取れない
  • 帰宅後も強い疲労感が抜けず、睡眠をとっても回復しない
  • 上司の叱責や同僚との関係など、人間関係のストレスが強い
  • 業務が複雑でミスが増え、自己評価が下がってしまう

このような環境では日々の負担が積み重なり、症状の悪化につながる可能性があります。

うつ病で転職を急がないほうがいいケース

一方で、すぐに転職を決めることが適切でない場合もあります。

うつ病の症状が強い時期は判断力や集中力が低下しやすく、冷静な意思決定が難しくなることも少なくありません。

この状態で転職活動を始めると準備そのものが負担となり、かえって体調が不安定になるおそれも出てきます。

そのため、まずは現在の環境の中で改善できる余地がないかを確認することが大切です。

例えば、次のような対応があります。

  • 業務量を調整したり、勤務時間を短縮したりする
  • 在宅勤務を利用するなど、働き方を変更する
  • 医師の意見を踏まえて休職を検討する

こうした調整によって負担が軽くなる場合は、転職を急がず様子を見るという選択肢もあります。

うつ病で転職する前に考えたい3つの選択肢 

この章のポイント
  • 転職を決める前に、今の職場で負担を減らせる方法がないか確認しましょう。
  • 業務量や働き方の調整、休職、異動・配置転換なども選択肢の一つです。
  • 会社へ相談する際は、体調の状況と仕事への影響を具体的に伝えることが大切です。

うつ病の状態で働いていると、「このまま働き続けるのは難しいかもしれない」「転職したほうがいいのでは」と考えてしまうことがあります。

ただ実際には、すぐに転職をしなくても今の職場の中で負担を軽くできる方法が残っている場合も少なくありません。

ここでは、転職を決める前に一度確認しておきたい3つの選択肢について整理していきます。

今の職場で業務量や働き方を調整する 

現在の職場に在籍したまま負担を軽くする方法として、業務量や働き方の調整があります。

具体的には、以下のような対応があります。

  • 残業の削減や業務量の調整
  • 電話・会議・来客対応など負担の大きい業務の軽減
  • 時差出勤・短時間勤務・在宅勤務など働き方の変更

このように、働き方を少し変えるだけでも体調への負担が軽くなるケースは少なくありません。

こうした調整を受けるためには、会社に現在の状況を具体的に伝えることが大切です。日々どのような場面で負担を感じているのかを整理しておくと、相談もしやすくなります。

相談例
「朝の時間帯に強い疲労感があり、業務開始直後の集中が難しい状態が続いています。現在の業務量を一部調整していただくことは可能でしょうか。」

このように、体調と業務への影響をセットで伝えることで実際の調整につながりやすくなります。

休職して回復を優先する 

仕事を続けること自体がつらい場合は、一度しっかり休むという選択肢もあります。

特に、「少し頑張れば続けられる」という状態ではなく、「仕事を続けること自体がしんどい」と感じている場合は無理を続けないことも重要になります。

休職する際には、基本的に主治医の診断書が必要になります。そのため、まずは医師に現在の状態を正直に伝えたうえで休養が必要な段階かどうかを相談することが大切です。

相談例
「医師から休養が必要と言われていて、今の状態だと仕事の継続が難しいと感じています。休職について相談させていただけますか。」

休職を挟むことで、その後の働き方についても落ち着いて考えやすくなります。

異動や配置転換を相談する 

今の業務そのものが負担になっている場合は、異動や配置転換という方法もあります。

例えば、電話対応や接客など、人と関わる場面が多い業務に負担を感じている場合は、事務作業中心の部署に移ることで働きやすくなることがあります。

相談するときは、「できないこと」だけでなく、「どのような環境なら続けやすいか」も一緒に伝えることがポイントです。そのほうが、会社側も調整の方向性をイメージしやすくなります。

相談例
「対人対応が続くと強い疲労感が出やすく、体調にも影響が出ています。事務作業中心など落ち着いて取り組める部署への異動は可能でしょうか。」

転職する前に見直したい、今の仕事がつらくなった原因 

転職する前に見直したい、今の仕事がつらくなった原因 
この章のポイント
  • 転職を考える前に、仕事がつらくなった原因を整理することが大切です。
  • 業務量や人間関係、仕事内容、働き方の傾向などを振り返ることで原因が見えやすくなります。
  • 負担の原因を把握することで、職場での調整や転職の必要性を判断しやすくなります。

うつ病の状態で働き方に悩みが出ている場合は、転職という選択肢を考える前に、「何が負担になっているのか」を整理することが大切です。

原因がはっきりすると、今の職場で調整できることがあるのか、それとも環境を変えたほうがよいのかを判断しやすくなります。

ここでは、仕事がつらくなった原因を整理するための4つの視点を紹介します。

業務量や残業が多すぎなかったか 

仕事量や勤務時間の多さは、心身の疲労につながりやすい要素です。まずは、日々の働き方に無理がなかったかを振り返ってみましょう。

負担の傾向チェックリスト
負担の傾向チェックリスト
1日の業務が勤務時間内に終わらず、持ち帰りや残業が発生している
残業が週に複数回発生している状態が続いている
昼休憩が短くなる、または十分に確保できない日がある
複数の業務を同時に進める場面が多い
業務の締め切りが常に重なっている

人間関係や職場の雰囲気が負担ではなかったか 

職場の人間関係や雰囲気は、働きやすさに大きく影響します。業務内容そのものより、人との関わりが強いストレスになっているケースも少なくありません。

負担の傾向チェックリスト
負担の傾向チェックリスト
出勤前に職場の人間関係を思い出して気分が重くなることがある
上司や同僚とのやり取りで強い緊張を感じることが多い
質問や相談をしにくい雰囲気がある
ミスに対する指摘が強く、萎縮しやすい環境になっている
職場内に安心して話せる相手が少ない

仕事内容や働き方が自分に合っていたか 

仕事内容や働き方との相性も、継続的な疲労に影響します。努力だけでは解決しにくい「向き・不向き」が関係している場合もあります。

負担の傾向チェックリスト(業務内容・環境)
負担の傾向チェックリスト
細かい作業が多く、長時間の集中が必要になっている
対人対応が多く、気疲れが残りやすい
勤務時間やシフトが不規則で生活リズムが乱れやすい
業務スピードの要求が高く、常に急かされる感覚がある
得意な作業よりも苦手な作業が中心になっている

頑張りすぎや完璧主義の傾向がなかったか 

職場環境だけでなく、自分自身の働き方の傾向が負担を強めている場合もあります。真面目に頑張ろうとするほど、無理を重ねてしまうケースも少なくありません。

負担の傾向チェックリスト(個人の傾向)
負担の傾向チェックリスト
ミスを必要以上に気にしてしまうことが多い
一人で業務を抱え込みやすい傾向がある
他人に頼ることに抵抗を感じやすい
設定された時間よりも長く作業を続けてしまう
休むことに対して罪悪感が生じやすい

うつ病で転職を考える時に押さえたい重要なポイント 

この章のポイント
  • 転職は焦って決めず、体調や現在の状況を整理して判断することが大切です。
  • 体調が安定してから転職活動を始めることで、心身への負担を減らしやすくなります。
  • 一人で判断せず、主治医や支援機関に相談しながら進めましょう。

うつ病の状態で転職を考える際はその時の気持ちだけで判断を急がず、体調や今の状態を整理しながら進めることが大切です。

ここでは、転職を検討する際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

焦って退職や転職を決めない 

うつ病の症状が強い時期は、気持ちが追い込まれやすく、「今の職場から早く離れたい」と感じることがあります。

しかし、体調が不安定な状態では視野が狭くなり、冷静に判断しづらくなることも少なくありません。

例えば、生活費や今後の働き方を十分に整理しないまま退職してしまい、あとから経済的不安が強くなるケースがあります。また、転職先でも同じような業務負担や人間関係の悩みを抱える可能性もあります。

そのため、すぐに結論を出すのではなく、一度立ち止まって状況を整理することが大切です。

まずは体調の安定を優先する 

転職活動では、求人探しや書類作成、面接対応など、想像以上にエネルギーを使います。

体調が不安定な時期は、それだけでも大きな負担になりやすく、無理に活動を進めることで、さらに症状が悪化してしまうこともあります。

そのため、まずは生活リズムを整え、日常生活を無理なく送れる状態を目指すことが大切です。

例えば、決まった時間に起きられる、一定時間の集中が続く、外出後に極端な疲労が残らないなどが、一つの目安になります。加えて、主治医から「転職活動を進めても問題ない」と判断されているかも重要なポイントです。

1人で判断せず主治医や支援先に相談する 

うつ病の状態では、気分の波によって考え方が極端になりやすく、1人で結論を出すと判断が偏ってしまうことがあります。

主治医に相談することで、今の体調で転職活動を進められるか、どのような働き方なら負担を減らしやすいかを整理しやすくなります。

また、ハローワークや就労移行支援などの支援機関を利用すれば、体調に配慮した求人や働き方について具体的なアドバイスを受けることも可能です。

自分だけで抱え込まず、周囲のサポートを活用しながら進めることで、無理の少ない働き方を見つけやすくなります。

うつ病で転職を考える時の働き方の選択肢  

うつ病の状態で働き方を検討する際には、転職するかどうかだけでなく、「どのような働き方を選ぶか」という視点も重要です。

働き方によって、業務負担や職場で配慮の受けやすさが変わるためです。

ここでは、一般雇用と障害者雇用の違いや、自分に合う働き方を選ぶポイントについて解説します。

一般雇用(クローズ就労)で働く 

一般雇用(クローズ就労)は、障害や病気について企業に伝えずに働く形態です。

他の社員と同じ条件で働くため、幅広い職種に応募しやすく、キャリアの選択肢が広いという特徴があります。

一方で、勤務時間や業務量への配慮を受けにくい場合もあります。急な残業や業務量の増加がある職場では、体調への負担が大きくなることも少なくありません。

そのため、体調が比較的安定しており、一定の業務を継続できる状態の方に向いている働き方です。

障害者雇用(オープン就労)で働く 

障害者雇用(オープン就労)は、障害や病気について企業に伝えたうえで働く形態です。

体調への配慮を前提としているため、勤務時間の調整や業務内容の配慮を受けやすい特徴があります。

例えば、短時間勤務から始める、通院に合わせて勤務を調整する、負担の少ない業務を中心に担当するといった対応が行われることがあります。

一方で、一般雇用に比べると職種の幅が限られる場合もあります。そのため、働きやすさとキャリアの希望を整理しながら選ぶことが大切です。

体調の安定を優先しながら働きたい場合に、選ばれることが多い働き方です。

うつ病で障害者雇用へ転職した方の体験談

実際にうつ病を経験した後、働き方を見直して再スタートした方もいます。ここでは、障害者雇用で働くことを選んだ方の事例を紹介します。

新卒で教員として働き始めたDさんは、長時間労働や強い責任感から無理を重ね、うつ病を発症しました。食欲低下や不眠が続き、通勤中に倒れたことをきっかけに休職。その後退職し、一度は別の職場へ再就職したものの、再び体調を崩してしまいます。

「このままでは働き続けられない」と感じたDさんは、就労移行支援を利用しながら、自分に合う働き方を見直しました。支援員と相談を重ねる中で、「頑張りすぎてしまう傾向」や「無理を抱え込みやすいこと」に気づき、障害者雇用という選択肢を検討するようになります。

訓練では、体調に合わせて通所や在宅訓練を利用しながら、事務スキルの習得や生活リズムの安定に取り組みました。その後、障害者雇用の事務職へ転職。現在は在宅勤務を中心に、自分の体調と向き合いながら働き続けています。

Dさんの事例から、働き方や職場環境を見直すことが長く働き続けるためにつながる場合があることがわかります。

自分に合う働き方を選ぶポイント

働き方を選ぶ際は、現在の体調や負担感を整理しながら考えることが重要です。

例えば、以下のような点は判断の目安になります。

  • 決まった時間に起きられるか
  • 一定時間の集中を続けられるか
  • 人とのやり取りで強い疲労が出やすくないか
  • 急な予定変更や残業に対応できそうか

こうした点を踏まえて、自分にとって負担が少ない働き方を考えていきます。

体調が安定していて幅広い仕事に挑戦したい場合は一般雇用という選択もありますし、配慮を受けながら働きたい場合は障害者雇用の方が働きやすい可能性があります。

大切なのは、どちらが正しいかではなく、「今の自分に合うかどうか」という視点です。

うつ病で転職する時の仕事・職場選びのポイント 

この章のポイント
  • 一般雇用と障害者雇用にはそれぞれ特徴があり、体調や希望に合わせて選ぶことが大切です。
  • 障害者雇用では、勤務時間や業務内容などの配慮を受けながら働きやすい環境を選べます。
  • 働き方は「どちらが良いか」ではなく、「今の自分に合っているか」を基準に考えましょう。

うつ病の状態で転職を考える際は、給与や仕事内容だけでなく、「無理なく働き続けられる環境か」を確認することが大切です。

シンプルリスト
事前に確認しておきたいポイント
  • 残業が多すぎないか
  • 業務量を調整しやすいか
  • 相談しやすい職場環境か
  • 人間関係の負担が強すぎないか
  • 通院や体調への配慮を受けられるか
  • 自分に合う仕事内容か

例えば、人とのやり取りが続くと疲れやすい方もいれば、複数作業を同時に進めることに負担を感じやすい方もいます。

そのため、自分がどのような働き方なら続けやすいかを整理しておくことが重要です。

うつ病で転職する前に主治医へ相談したいこと 

この章のポイント
  • 転職前に、現在の体調で転職活動を進められる状態か主治医へ相談しましょう。
  • 体調によっては、転職よりも休養や休職を優先したほうがよい場合があります。
  • 負担になりやすい働き方を整理し、自分に合う就労環境を確認することが大切です。

うつ病の状態で転職を検討する場合は、自分だけで判断を進めず、主治医に相談しながら現在の体調や働ける状態かどうかを確認することが大切です。

ここでは、転職前に主治医へ確認しておきたい3つのポイントを紹介します。

今の状態で転職活動をしてもよいか 

まず確認したいのは、現在の体調で転職活動を進められる状態かどうかです。

転職活動では、求人探しや履歴書の作成、面接対応など、継続的な集中力や気力が必要になります。

うつ病の症状が強い時期は、それ自体が大きな負担になることも少なくありません。

そのため、主治医に「今の状態で転職活動を始めても問題ないか」「どの程度なら無理なく進められそうか」を確認しておくことが大切です。

休養や休職を優先したほうがよいか 

体調によっては、転職よりも先に休養を優先したほうがよい場合もあります。

例えば、睡眠の乱れや強い疲労感が続いている状態では、仕事を続けながら回復するのが難しいことも少なくありません。

自分では「まだ頑張れる」と無理をしてしまうケースもあるため、今は休養を優先したほうがよい状態かどうかを主治医に確認しておくことが大切です。

今後の働き方で避けたほうがよい条件はあるか 

転職を進める場合は、どのような働き方が負担になりやすいかも整理しておきたいポイントです。

例えば、

  • 夜勤や不規則な勤務
  • 残業が多い働き方
  • 対人対応が多い業務
  • 業務量の変動が大きい環境

などは、人によって負担になりやすさが異なります。

事前に主治医へ相談しておくことで、自分に合う働き方や避けたほうがよい環境を整理しやすくなります。

うつ病で転職を考えるときに知っておきたい支援制度 

この章のポイント
  • うつ病で転職や休職を考える際は、公的な支援制度を利用できる場合があります。
  • 傷病手当金や自立支援医療を活用することで、治療や休養に専念しやすくなります。
  • 退職後は、条件を満たせば失業給付を受けられる可能性があります。

うつ病の状態で転職や休職を検討する場合、収入や医療費への不安を感じる方も少なくありません。

そのようなときは、公的な支援制度を利用することで、治療や休養に専念しやすくなることがあります。

ここでは、代表的な支援制度を3つ紹介します。

転職を考えるときに知っておきたい支援制度
病気やケガで働けない期間の生活を支える給付金です。概ね給与の3分の2程度の金額が最長1年6ヶ月間支給されます。
※継続的な通院が必要な場合(一定の所得要件あり)
心療内科・精神科の通院医療費の自己負担が、原則「1割」に軽減される制度です。休職中や退職時に限らず、幅広く検討できる制度です。
※退職した場合
休職ではなく退職を選んだ際、働く意欲と能力がありながら仕事に就けない場合に、条件を満たせば支給対象となります。

うつ病で転職したい時に相談できる支援先 

うつ病で転職したい時に相談できる支援先 
この章のポイント
  • ハローワークや転職エージェント、就労移行支援など、状況に応じた相談先があります。
  • 体調や希望する働き方に合わせて、自分に合った支援機関を選ぶことが大切です。
  • 一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら転職活動を進めましょう。

うつ病の状態で転職を進める場合は、状況に応じて相談できる支援先を知っておくことが大切です。

転職や就職の相談先はいくつかありますが、ここでは代表的な3つを紹介します。

ハローワーク

ハローワークは、国が運営する就職支援機関で、求人紹介や職業相談を行っています。障害者専用窓口もあり、体調に配慮した働き方についても相談しやすい仕組みになっています。

例えば「通院しながら働きたい」「残業は少なめがよい」といった条件をそのまま伝えたうえで求人を探すことができ、履歴書の作成や面接対策などの支援も受けられます。

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こんな人におすすめ
  • まずは幅広く求人を見ながら検討したい
  • 公的機関で安心して相談したい
  • 応募書類や面接も一緒に準備したい

転職エージェント

転職エージェントは、民間企業が運営する転職支援サービスです。担当者がつき、希望条件に合う求人の紹介や応募手続きのサポートを行います。非公開求人の提案や企業との条件調整を任せられる点も特徴です。

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こんな人におすすめ
  • 条件に合う求人を効率よく探したい
  • ある程度、転職活動を進める余力がある
  • 働き方や条件交渉も含めてサポートしてほしい

自分で求人を探す負担を減らせる一方で、就職活動のペースがが早くなることもあります。そのため、体調が不安定な時期はペースを調整しながら利用することが大切です。

就労移行支援 

就労移行支援は、障害や病気のある方が一般就労を目指すための福祉サービスです。

生活リズムを整えながら、パソコンの基本スキルやコミュニケーションなど、働くための準備を段階的に進めていきます。一般就労に向けて事業所内や企業における作業・実習を通して適正に合った職場探しができ、就職後も一定期間フォローを受けられるため、働き始めた後の不安も軽減しやすい仕組みです。

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こんな人におすすめ
  • すぐの就職よりも準備から始めたい
  • 生活リズムや体調を整えながら進めたい
  • 就職後もサポートを受けながら働きたい

就労移行支援manaby(マナビー)とは

就労移行支援manaby(マナビー)は、うつ病などの精神疾患を抱える方が、自分に合った働き方を見つけるためのサポートを行う就労移行支援です。

「すぐに転職する」ことを前提にするのではなく、まずは体調や生活リズムを整えながら、「どんな働き方なら続けられるか」を一緒に考えていく点が特徴です。

在宅・通所を組み合わせて、無理のないペースで
※自治体に申請し認められた場合のみ、在宅訓練が可能です。
manabyでは、体調に合わせて通所と在宅を組み合わせながら訓練を進めることができます。
「毎日通うのはまだ不安」「外出すると疲れやすい」といった状態でも、自分のペースで利用できるため、
ブランクがある方でも取り組みやすい環境です。
興味のあるスキルを自分のペースで学べる
eラーニングを活用することで、パソコンの基本操作から
デザイン・Web制作・プログラミングなどのITスキルまで幅広く学ぶことができます。
学習内容は自分の興味や段階に合わせて選べるため、
「まずは気になる分野から試してみたい」という方でも取り組みやすい環境です。
一人で抱えずに、考えを整理しながら進められる
manabyの特徴のひとつは、支援員との対話を通じて自分の状態や働き方を一緒に整理できることです。
「何が負担になっているのか」「どんな働き方なら続けやすいのか」といった点を
言語化しながら、転職の方向性を決めていきます。

うつ病で転職に関するよくある質問 

うつ病でも転職できますか? 

うつ病であっても転職すること自体は可能です。実際に、治療を続けながら働いている人も少なくありません。

ただ、転職活動には応募書類の作成や面接対応など、ある程度の集中力や体力が必要になるため、症状の強さによって転職活動の進めやすさは変わってきます。

休職してから転職したほうがいいですか? 

休職してから転職したほうがいいかどうかは、体調の状態によって異なります。

症状が強く、仕事や日常生活に支障が出ている場合は転職よりも先に、まず休養を優先したほうがよいことがあります。

判断に迷う場合は、主治医に「今の状態で転職活動ができるか」を一度確認してみるのが安心です。

うつ病を隠して転職しても大丈夫ですか? 

申告する義務はないため、うつ病であることを伝えずに転職活動を行うことも可能です。

ただし、うつ病を「伝えるか」「伝えないか」によってそれぞれ異なるメリットとデメリットがあります。

特徴を比較し、体調や希望する働き方に合わせて選ぶことが大切です。

就労形態 メリット デメリット
クローズ就労
  • 応募できる求人の幅が広い
  • 一般枠として選考に進める
  • 配慮を受けにくい
  • 体調悪化時に相談しづらい
オープン就労
  • 業務量や勤務時間の配慮が受けやすい
  • 安定して働きやすい
  • 求人の選択肢が狭くなる
  • 選考で体調面を見られることがある

退職してから転職するのは不利ですか? 

必ずしも不利になるわけではありません。

ブランクがある場合は理由を説明する必要がありますが、治療や回復のための期間であれば理解を示す企業もあります。

そのため、期間の長さよりも「理由をどう説明できるか」のほうが重要です。

障害者雇用はどんな人に向いていますか? 

体調に波があり、働き方に配慮を必要とする方に向いている働き方です。

業務内容・量・勤務時間の調整やなど、配慮を受けやすい環境で働ける点が特徴です。うつ病などで体調に波がある場合でも、働き続けやすい選択肢の一つになります。

うつ病で転職を考えたら、焦らず今の状態に合う選択をしよう

うつ病になると、「今の仕事を続けるべきか」「転職したほうがいいのか」と判断に迷いやすくなります。体調が不安定な時期は気持ちも揺れやすく、焦って結論を出してしまうことも少なくありません。

ただ、転職するかどうかはすぐに決める必要はありません。

今の職場でも、業務量の調整や働き方の見直し、休職による休養によって、負担が軽くなるケースはあります。一方で、職場環境そのものが症状の悪化につながっている場合には、転職を選択肢として考えることも必要になります。

重要なのは「辞めるか続けるか」を急いで決めることではなく、今の状態を踏まえたうえで無理の少ない働き方を整理していくことです。

うつ病の状態では気持ちや体調の影響もあり、一人で判断しようとすると考えが偏りやすくなります。そのため、主治医や支援機関など第三者の視点も取り入れながら整理していくことが大切です。

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加藤 美遥

社会福祉士/精神保健福祉士/介護福祉士
福祉系専門学校を卒業後、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士を取得。現在は北海道の精神科病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務し、うつ病や発達障害、依存症などの支援に従事。医療と福祉の両面から得た経験を活かし、メンタルヘルスや福祉制度に関する情報発信・監修を行っている。

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