精神疾患がある方におすすめの仕事は?おすすめの職場環境と職種を紹介
- 精神疾患とは?
- 精神疾患の方が仕事でつまずきやすいこと
- 疲れやすい・回復が追いつかない
- 体調の波でパフォーマンスが安定しない
- 職場の理解が得られず孤立しやすい
- 精神疾患の方におすすめな職場環境は3つ
- 仕事内容・負荷が調整しやすい
- 見通しが立ちやすい
- 支援・相談ができる
- 森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
- 精神疾患の方のおすすめの仕事|職場環境3つ別
- 負荷を調整しやすい職場に多い仕事例
- 見通しが立ちやすい職場に多い仕事例
- 相談・支援がある職場に多い仕事例
- 森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
- 精神疾患のある方が避けたい環境
- 曖昧な指示が多い
- 常にマルチタスクを求められる
- ノルマ・数字プレッシャーが強い
- 相談しにくい環境・自発性が求められる
- 精神疾患のある方が避けたい仕事
- 曖昧指示が多い職場の仕事例
- 常にマルチタスクを求められる職場の仕事例
- ノルマ・数字プレッシャーが強い職場の仕事例
- 相談しにくい環境・自発性が求められる仕事例
- 自分に向いている仕事を見つけるステップ
- ステップ1:避けたい条件を書き出す
- ステップ2:「できない」「頑張ればできる」に分類する
- ステップ3:「できること」を書き出してみる
- ステップ4:「続けるために必要な職場環境3つ」を決める
- 森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
- 自分で「向いている仕事」を見つけることが難しいと感じた時は
- 就労移行支援manaby(マナビー)での仕事の見つけ方
- 障害者雇用とは?一般雇用との違い
- 一般雇用が向いているケース
- 障害者雇用が向いているケース
- 精神疾患の方が仕事を探す時に利用できる支援制度
- 地域若者サポートステーション
- ハローワーク
- 就労移行支援
- 森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
- 精神疾患の方におすすめの仕事に関するよくある質問(FAQ)
- 障害者雇用と一般雇用の違いについて教えてください。
- 障害者手帳がなくても障害者雇用に応募できますか?
- 精神疾患があっても正社員は可能ですか?
- 障害者手帳がなくても支援は受けられますか?
- 就労移行支援はどんな人におすすめですか?
- まずは「職場環境」から自分に合う条件を見つけよう
精神疾患があると、働きたい気持ちはあっても「また体調を崩してしまうのではないか」「長く続けられる仕事が分からない」と悩む方も少なくありません。
うつ病や不安障害などの症状がある場合、疲れやすさや体調の波、人間関係の負担などが重なり、仕事を続けることに難しさを感じるケースもあります。
しかし、精神疾患があっても働きやすい仕事や職場環境は存在します。この記事では、精神疾患がある方が仕事でつまずきやすいポイントを整理したうえで、働きやすい職場環境の特徴やおすすめの仕事例、避けたほうがよい環境について分かりやすく解説します。
精神疾患とは?
- 精神疾患とは、気分や思考、行動に不調が生じ、生活や仕事に影響が出る状態を指す
- うつ病や社会不安障害、パニック障害など、症状や困りごとは人によって異なる
- 疲れやすさや集中力の低下、人間関係の負担などから働きづらさにつながることがある
精神疾患とは、気分や考え方、行動などの心の働きに不調が起こり、日常生活や仕事に影響が出る状態を指します。強いストレスや環境の変化など様々な要因が重なって発症することがあり、誰にでも起こり得る身近なものです。
精神疾患には様々な種類があり、症状や困りごとも人によって異なります。
例えば、気分の落ち込みが長く続くうつ病、不安や緊張が強くなる社会不安障害、突然の動悸や息苦しさを伴う「パニック発作」が繰り返されるパニック障害などが挙げられます。
仕事の場面では、精神疾患によって疲れやすさや集中力の低下、人間関係の負担などによって働きづらさを感じるケースもあります。
参考:厚生労働省「精神障害の基礎知識とその正しい理解」
精神疾患の方が仕事でつまずきやすいこと

- 疲れやすさや回復の遅れにより、日々の業務を継続すること自体が負担になりやすい
- 体調の波によってパフォーマンスが安定せず、同じペースで働き続けることが難しくなる
- 精神疾患は周囲から見えにくく、理解されにくいため孤立しやすい傾向がある
精神疾患を抱えながら働く場合、どのような場面で負担を感じやすいのかをあらかじめ知っておくことが、無理のない職場選びの第一歩になります。
ここでは、精神疾患のある方が仕事の場面でつまずきやすい主なポイントを3つ解説します。
疲れやすい・回復が追いつかない
うつ病や不安の症状が強い場合、健康な状態のときと比べて、心身のエネルギーの消耗が激しくなる傾向があります。常に緊張や不安を抱えながら業務に取り組んでいるため、夜に睡眠をとっても朝起きると身体が重く、日々の疲労の回復が追いつかないケースは珍しくありません。
例えば、月曜日から水曜日までは無理をして出社できても、木曜日にはベッドから起き上がれなくなり、そのまま欠勤が続いて退職に至ってしまうという状況が挙げられます。
休日も横になって休むだけで終わり、家事や趣味を楽しむ余裕が持てないと感じる方も少なくありません。
体調の波でパフォーマンスが安定しない
精神疾患の症状は、日によって体調や気分に波が出ることがあります。
体調が安定している日は周囲と同じように業務を進められても、調子が悪い日には、普段なら間違えない簡単なデータ入力でミスが増えたり、上司の指示が頭に入りにくくなったりすることがあります。
毎日同じペースで成果を求められる職場では、こうした体調の変化に合わせた働き方が難しく負担を感じやすくなると言えます。
職場の理解が得られず孤立しやすい
骨折や発熱といった身体の不調とは異なり、精神疾患による辛さは周囲の目に見えにくいため、職場の同僚や上司から適切な配慮を得にくいという側面があります。
勇気を出して「不安が強くて業務に集中できない」と打ち明けても、「気の持ちようだ」「誰でも疲れる時はある」と軽く受け流されたり、怠けていると誤解されたりするケースは少なくありません。
辛さを分かってもらえない環境にいると、「職場に自分の居場所がない」「周りに迷惑をかけてばかりいる」と感じて誰にも相談できないまま孤立してしまい、結果として退職を選ばざるを得なくなる場合もあります。
精神疾患の方におすすめな職場環境は3つ

- 業務量や仕事のスピードを調整できる環境は、体調に合わせて無理なく働きやすい
- 業務の流れや手順が明確な職場は、見通しを持って安心して仕事に取り組みやすい
- 相談や支援ができる環境は、悩みを抱え込まず長く働き続けることにつながる
精神疾患がある場合、仕事内容だけで仕事を選ぶと、働き始めてから負担の大きさに気づくケースがあります。長く働き続けるためには、仕事の内容だけでなく職場環境の特徴にも目を向けることが大切です。
ここでは、精神疾患の方におすすめの職場環境を3つ紹介します。
仕事内容・負荷が調整しやすい
精神疾患のある方にとって、業務量や仕事のスピードをある程度調整できる職場は働きやすい環境と言えます。
例えば、体調に合わせて業務量を少しずつ増やせる職場や、繁忙期と通常期の差が大きくない仕事では、心身への負担が急に大きくなりにくい傾向があります。最初は簡単な業務から始め、慣れてきた段階で業務の幅を広げられる職場も負担が少ないです。
反対に、締め切りに追われる業務や仕事量が過度に多い環境ではストレスが大きくなりやすく、さらに常に高い成果やスピードを求められる状況が続くと、体調の波がある方にとって大きなプレッシャーになりやすい傾向があります。
そのため、負荷を調整できる環境かどうかを事前に確認しておくことが重要です。
見通しが立ちやすい
業務の流れや一日の仕事がある程度決まっている職場は、精神的な負担が小さくなりやすいです。
「朝はメール確認、午前はデータ入力、午後は書類整理」といったように、業務の順序やマニュアルが整っているが決まっている仕事では、次に何をすればよいか迷いにくく、安心して取り組みやすいと言えます。
一方で、指示が曖昧だったり、その場の判断を求められる場面が多かったりする職場では、不安や緊張が強くなる場合があります。
支援・相談ができる
困ったときに相談できる環境があるかどうかも重要なポイントです。
上司や先輩に業務の相談がしやすい職場や、体調について理解を示してくれる職場では、一人で悩みを抱え込まずに働き続けやすくなります。
障害者雇用や支援制度を活用している企業では、定期的な面談やサポート体制が整っているケースも見られます。
反対に、「自分で考えて動くこと」が強く求められる職場や、相談しにくい雰囲気の職場では、負担が積み重なりやすい面があります。

森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
調子の悪い時は小休憩を取れるかどうかなど、職場環境も大切なポイントです。
精神疾患の方のおすすめの仕事|職場環境3つ別
この章では、精神疾患の方におすすめの職場環境を3つに分け、仕事例とあわせて紹介します。
負荷を調整しやすい職場に多い仕事例
体調に波がある場合、仕事量や働く時間を調整しやすい環境は大きな安心材料になります。
- データ入力
- Webライティング
- 事務補助
- 軽作業(梱包・仕分けなど)
データ入力や事務補助は、決められた作業を自分のペースで進めやすい点が特徴です。業務内容が比較的シンプルなため、作業量を調整しながら働きやすい仕事とされています。
Webライティングは、納期を守る必要はあるものの、作業時間を調整しやすい働き方ができるケースもあります。
見通しが立ちやすい職場に多い仕事例
業務の流れが決まっている仕事では、作業の見通しを持ちやすく落ち着いて取り組むことができます。
- 工場のライン作業
- 清掃業務
- 施設管理・警備
- 倉庫内での仕分け・ピッキング
工場や倉庫の作業は作業手順が決まっていることが多く、覚える内容も比較的シンプルです。 清掃業務も作業範囲が明確で日々の流れが大きく変わりにくいため、落ち着いて取り組みやすい職種とされています。
相談・支援がある職場に多い仕事例
体調が崩れたときに「誰にも言えない」という状況は、症状の悪化や早期離職につながる可能性があります。そのため、困ったときに周囲へ相談できる環境があるかどうかは、長く働き続けるうえで重要なポイントです。
相談体制が整った職場の例として「障害者雇用枠」が挙げられます。
障害のある社員を積極的に受け入れている企業では、配属部署に障害への理解がある担当者が配置されているケースが多く、体調不良のサインにいち早く気づいてもらいやすい体制が整っています。
障害者雇用とは何か?対象・仕組み・安心して働けるサポート制度まで徹底解説

森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
また、人とのやり取りが少なく、黙々と一人で進められる作業は比較的負担が少なく続けやすい傾向があります。
精神疾患のある方が避けたい環境

- 指示が曖昧な職場では判断の負担が大きく、不安や緊張につながりやすい
- マルチタスクが多い環境は集中力が続きにくく、ミスや疲労が増えやすくなる
- ノルマや数字プレッシャーが強い職場は、精神的な負担が大きくなりやすい
- 相談しにくく自発性が求められる環境では、孤立や負担の蓄積につながる
無理を続けると体調の悪化や短期離職につながる可能性もあるため、仕事探しの段階で環境面にも目を向けることが大切です。
ここでは、精神疾患のある方にとって負担になりやすい職場環境の例を4つ紹介します。
曖昧な指示が多い
仕事の指示が曖昧な職場は、精神的な負担につながりやすい環境です。
例えば「いい感じにまとめておいて」「適当に対応しておいて」といった指示だけでは、どこまで対応すればよいのか判断が難しくなります。
業務のゴールや優先順位が分からない状態では、不安や緊張を感じやすくなる傾向があります。
また、指示内容が人によって変わる職場では「どのやり方が正しいのか分からない」と感じる場面も増えがちです。
結果として、常に周囲の様子を気にしながら仕事を進めることになり、精神的な疲労が蓄積しやすくなります。
常にマルチタスクを求められる
複数の仕事を同時に進める働き方は、精神的な負担が大きくなりやすい働き方です。
電話対応をしながら資料作成を進めたり、複数の案件を同時に管理したりする業務では、常に頭の切り替えが必要になります。仕事の優先順位を瞬時に判断する場面も多く、疲労を感じやすい環境になりがちです。
特に体調の波がある場合、業務量や情報量が多すぎると集中力が続きにくくなることがあります。仕事の途中で混乱したり、ミスが増えたりするケースも少なくありません。
ノルマ・数字プレッシャーが強い
売上目標や契約件数などのノルマが厳しい職場は、精神的なプレッシャーが大きくなりやすい環境です。
営業職や販売職の中には、朝礼で前日の成績が読み上げられたり、達成率が全員の見える位置に貼り出されたりする職場もあります。体調の波がある中でノルマを追い続ける状況は、「頑張っても数字が出ない日」が続くたびに自己肯定感を削っていく原因になりやすいです。
相談しにくい環境・自発性が求められる
「困ったことがあれば自分から声を上げてほしい」という文化が強い職場では、助けを求めるタイミングを逃してしまうケースがあります。
上司が常に忙しそうで話しかけにくい雰囲気だったり、質問すること自体が「仕事ができない証拠」のように扱われたりする環境では、孤立感が強くなりやすいです。
また、業務の進め方をすべて自分で考え、自発的に動くことが求められるポジションも注意が必要です。
指示がないまま動き続ける働き方は、体調が安定しているときでも消耗しやすく、調子が落ちている時期には負担が大きくなりやすい傾向があります。
精神疾患のある方が避けたい仕事
ここでは、精神疾患のある方が特に負担を感じやすい仕事の特徴を具体的な仕事例とあわせて紹介します。
曖昧指示が多い職場の仕事例
業務の進め方やゴールがはっきり決まっていない仕事では、何を優先すればよいのか判断に迷う場面が増えます。
- 企画職
- 広告・マーケティング職
- コンサルタント
- スタートアップ企業の総合職
企画職やマーケティング職では、正解が一つに決まっていない業務が多く、成果の基準も曖昧になりがちです。また、スタートアップ企業では業務範囲が広く、担当者が自分で仕事の進め方を考える場面も少なくありません。
常にマルチタスクを求められる職場の仕事例
複数の業務を同時に進める働き方は、精神的な疲労がたまりやすい傾向があります。
- コールセンターのオペレーター
- 営業事務
- 接客業(飲食店・販売スタッフ)
- 秘書業務
コールセンターでは電話対応をしながら顧客情報の入力や確認作業を行う場面が多くなります。接客業では来店対応、会計、商品の整理など複数の作業を同時に進める必要があります。
ノルマ・数字プレッシャーが強い職場の仕事例
売上や契約数などの数字が強く求められる仕事では、精神的なプレッシャーが大きくなりやすいです。
- 営業職
- 保険・金融商品の販売
- 不動産営業
- テレアポ営業
営業職の中には、毎月の売上目標や契約件数が細かく設定される職場もあります。
成績が社内で共有される企業では、結果へのプレッシャーを強く感じる方も少なくありません。
相談しにくい環境・自発性が求められる仕事例
周囲のサポートが少なく、自分の判断で仕事を進める場面が多い職種では負担が大きくなりやすい傾向があります。
- フリーランス・個人事業
- スタートアップ企業の少人数チーム
- 新規事業の立ち上げ担当
- 完全歩合制の営業職
フリーランスや個人事業では、仕事の進め方やトラブル対応まで自分で判断する必要があります。
少人数のスタートアップ企業でも役割が固定されていないことが多く、状況に応じた判断が求められる場面が多くなります。
自分に向いている仕事を見つけるステップ

- まずは避けたい条件を書き出し、負担になりやすい環境を整理するところから始める
- 「できないこと」と「頑張ればできること」に分けて考えると、選択肢を狭めすぎずに整理できる
- 自分が取り組みやすい作業や得意なことを書き出すと、向いている仕事のイメージが見えてくる
- 最後に「続けるための職場環境」を決めることで、仕事選びの軸がはっきりする
仕事選びでは「どんな職種が向いているか」を考えるより先に、「どんな環境なら続けられるか」を整理することが重要です。
ここでは、自分に向いている仕事を見つけるための具体的な4つのステップを紹介します。
ステップ1:避けたい条件を書き出す
まずは、働くうえで負担になりやすい条件を整理します。仕事探しでは「できること」ばかり考えてしまいがちですが、続けるためには避けたい条件を知ることも重要です。
例えば、次のような内容です。
- 電話対応が多い仕事
- 常に複数の業務を同時に進める働き方
- 急な残業が多い職場
- ノルマや売上目標が厳しい仕事
過去の職場で「辛い」と感じた場面を思い出すと、整理しやすくなります。
ステップ2:「できない」「頑張ればできる」に分類する
書き出した避けたい条件は、「できないこと」と「頑張ればできること」に分けて考えます。
例えば、電話対応が苦手でも「短時間なら対応できる」「マニュアルがあれば」というケースもあります。
一方で、強い不安症状が出やすい方にとって、クレーム対応が多い仕事は大きな負担になる場合があります。
全てを避けようとすると選択肢が狭くなりやすいため、絶対に避けたい条件と環境次第で対応できる条件を分けて考える視点が大切です。
ステップ3:「できること」を書き出してみる
次に、比較的負担が少なく取り組める作業を整理します。特別なスキルだけを考える必要はありません。
例えば、以下のような内容も立派な強みです。
- 同じ作業をコツコツ続けられる
- 一人で集中する作業が得意
- 決められた手順に沿って作業するのが得意
- データ入力なら落ち着いて取り組める
自分が取り組みやすい作業を整理することで、自分に合う仕事のイメージが見えてきます。
ステップ4:「続けるために必要な職場環境3つ」を決める
ステップ1〜3で整理した内容をもとに、「長く働き続けるために必要な職場環境の条件」を3つに絞り込みます。条件を絞ることで、求人を見る際に判断軸がブレにくくなります。
例えば、次のような条件です。
- 業務の手順が決まっている
- 分からないことを相談しやすい雰囲気がある
- 残業が少なく生活リズムを保ちやすい
- 業務量が比較的安定している
同じ職種でも、職場の環境によって働きやすさは大きく変わります。
「どんな仕事か」だけでなく、「どんな環境なら続けやすいか」を基準に考えることが、長く働くために重要です。

森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
そのうえで、「どのような環境なら無理なく続けられるか」という視点もあわせて整理していくことが重要です。
業務の手順が決まっている環境は、見通しを持って仕事に取り組みやすく、体調に無理なく安心して働くことにつながります。
また、終業時間が見えない働き方はストレスや不安につながりやすいため、残った業務を翌日に回し、定時で帰れるような環境を選ぶことも大切です。
自分で「向いている仕事」を見つけることが難しいと感じた時は
仕事の整理を一人で進めると、判断が難しくなることがあります。
「向いている仕事が分からない」「働くイメージが持てない」と悩む方も少なくありません。
そのような場合は、就労移行支援という福祉サービスを利用する方法もあります。
就労移行支援は、精神疾患を含む様々な障害や難病を抱える方の就職活動をサポートする制度です。
就労移行支援manaby(マナビー)での仕事の見つけ方
就労移行支援manaby(マナビー)では、次の流れで仕事探しを進めます。
体調の波や得意な作業を整理し、働き方の方向性を確認します。
基本的なPCスキルや、希望する働き方に必要なスキルを身につけます。
実際の職場で仕事を体験し、仕事内容との相性を確認します。 ※ 職場実習への参加は任意です。
履歴書や職務経歴書の添削、面接練習、面接同行などの支援を受けられます。
いきなり就職を目指すのではなく、体調と仕事の相性を確認しながら段階を踏んで進めていける点が就労移行支援manaby(マナビー)の大きな特徴です。
障害者雇用とは?一般雇用との違い
- 一般雇用と障害者雇用では、応募条件や配慮の有無、働き方に違いがある
- 一般雇用は求人数や職種の幅が広く、体調が安定している人やキャリアを重視したい人に向いている
- 障害者雇用は配慮を受けながら働けるため、体調に合わせた働き方をしたい場合に選びやすい
- 障害者雇用を利用するには原則として障害者手帳が必要になるため、事前に確認しておくことが大切
精神疾患がある方が仕事を探す場合、一般雇用と障害者雇用という2つの働き方の選択肢があります。 それぞれの働き方の違いを理解しておくと、体調や希望に合う職場を選びやすくなります。
主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 一般雇用 | 障害者雇用 |
|---|---|---|
| 応募条件 | 誰でも応募できる | 原則として障害者手帳を 持っている方が対象 |
| 障害の開示 | 必須ではない | 基本的に企業へ共有する |
| 配慮 | 基本的に個別対応。 配慮を受けられるかは企業による |
勤務時間や業務量などの 配慮を受けられる |
| 求人数・職種 | 多く、選択肢が広い | 一般雇用より少なく、 職種は限られる傾向 |
一般雇用は、障害の有無に関係なく応募できる求人です。 一方、障害者雇用は障害者手帳を持っている方を対象にした採用枠であり、体調や症状に合わせた配慮を受けながら働くことができます。
一般雇用が向いているケース
一般雇用は求人数が多く、職種の選択肢が広いのが強みです。
- 職種の選択肢を広げたい
- フルタイムで働きたい
- キャリアアップを目指したい
体調が比較的安定しており、働き方の制限が少ない方にとっては、一般雇用の方が仕事の幅は広がります。
障害者雇用が向いているケース
体調の波がある場合や配慮が必要な場合は、障害者雇用がおすすめです。障害について企業に共有したうえで働くため、業務内容や勤務時間について相談しやすい環境が整っています。
- 通院のため定期的な休みが必要
- 体調に合わせて勤務時間を調整したい
- 業務量を少しずつ増やしたい
- 職場に症状を理解してもらいたい
勤務時間を短くしたり、業務内容を調整したりといった配慮を受けながら働くことが可能です。無理なく働き続けることを重視する場合、障害者雇用を選ぶ方も少なくありません。
ただし、障害者雇用を利用するためには障害者手帳の取得が必要なため主治医や支援機関に相談しながら検討することが大切です。
障害者雇用とは何か?対象・仕組み・安心して働けるサポート制度まで徹底解説
精神疾患の方が仕事を探す時に利用できる支援制度
- 仕事探しは支援機関を利用することで、一人で悩まずに進めやすくなる
- サポステやハローワークでは、求人探しや就職活動の相談ができる
- 就労移行支援は、働く準備から就職後の定着までサポートを受けられるのが特徴
- 体調や状況に合わせて、支援機関を使い分けることが大切
精神疾患がある場合、仕事探しを一人で進めると不安を感じることがあります。
求人情報の探し方や働き方の相談ができる支援機関を利用すると、仕事探しを進めやすくなります。
ここでは、仕事探しをサポートする代表的な3つの相談窓口を詳しく紹介します。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(サポステ)は、働くことに不安を感じている若者を対象に就労支援を行う公的機関です。
主に15歳から49歳までの方を対象に、就職に向けた相談や支援を行っています。
地域若者サポートステーションでは、就職活動だけでなく働く準備段階のサポートも受けられます。
働くことに不安がある場合や、いきなり就職活動を始めることに抵抗を感じる場合に、相談先として利用しやすい支援機関です。
ハローワーク
ハローワークは、求人紹介や就職活動のサポートを行う公的な職業紹介機関です。
全国に設置されており、求人検索や就職相談、職業訓練の案内などの支援を受けられます。
ハローワークには一般窓口と障害者窓口があります。
- 一般窓口:障害の有無に関係なく利用できる窓口
- 障害者窓口:障害のある方の就職支援を専門に行う窓口
障害者手帳を持っていない場合でも、相談自体は可能ですが、障害者雇用の求人に応募する場合は、障害者手帳の所持が原則必要になるため注意が必要です。
ハローワークは障害があっても利用できる?求人の探し方・利用の流れを分かりやすく解説
就労移行支援
就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく国の障害福祉サービスです。
一般就労を目指す18歳以上65歳未満の障害や難病のある方を対象に、スキルアップや就職活動のサポートを行います。
地域若者サポートステーションやハローワークは、主に求人紹介や就職相談など働く前の支援を中心とした機関ですが、就労移行支援は働く準備から就職後の定着支援まで行う点が特徴です。
体調の波がある場合や、すぐに就職活動を始めることに不安を感じている場合は、就労移行支援を利用しながら就職を目指す方法もあります。働く準備を整えてから就職活動を進めたい場合に適した支援です。
就労移行支援とは?

森彩佳(社会福祉士・精神保健福祉士・相談支援専門員)
また、時間をかけて準備を進めることが自信を持って就職することにつながります。
精神疾患の方におすすめの仕事に関するよくある質問(FAQ)
精神疾患の方が仕事探しを進める際によくある質問と回答をまとめました。
障害者雇用と一般雇用の違いについて教えてください。
最も大きな違いは、病気や障害に対する配慮を制度として受けられるかどうかという点です。
障害者雇用は、病気や障害があることを企業に伝えたうえで働く方法です。体調に合わせて出勤時間を調整してもらったり、通院のための休みを取りやすくしてもらったりと、無理なく働き続けるための環境を整えてもらいやすい特徴があります。ただし、一般雇用と比べると選べる職種が限られていたり、給与が低めに設定されていたりする場合もあります。
一方、一般雇用は選べる求人数が多く、給与やキャリアアップの面で選択肢が広いのが魅力です。病気や障害をオープンにして働くことも、伝えずに働くことも本人の判断で選べます。ただし、障害者雇用のような制度的な配慮は受けにくいため体調が崩れたときに対応しづらいケースもあります。
障害者手帳がなくても障害者雇用に応募できますか?
障害者雇用枠の求人に応募するには、原則として障害者手帳の取得が必要です。
精神疾患があっても正社員は可能ですか?
精神疾患があっても正社員として働くことは可能です。実際に一般雇用や障害者雇用で正社員として働いている方もいます。
ただし、就職後に体調が変化した際に相談できる環境を事前に整えておくことが長く働き続けるうえで重要です。主治医や家族、支援機関など、困ったときに頼れる相手を把握しておくと安心できます。
障害者手帳がなくても支援は受けられますか?
障害者手帳がなくても利用できる支援機関はあります。ハローワークの一般窓口や地域若者サポートステーションでは、障害者手帳がなくても相談が可能です。
就労移行支援についても、医師の診断書や意見書で利用できる場合があります。
就労移行支援はどんな人におすすめですか?
病気や障害によってすぐに働く自信はないが、準備を整えてから一般企業への就職を目指したいと考えている方に向いているサービスです。
具体的には、以下のような方におすすめです。
- 長期間仕事をしておらず、まず生活リズムを整えるところから始めたい
- データ入力や文書作成などの基本的なPCスキルを身につけたい
- 得意なことや苦手なことを整理しながら、向いている仕事の条件を一緒に考えてほしい
- 履歴書の書き方や面接の練習をサポートしてほしい
- 就職後も、職場の人間関係や体調について相談できる相手がほしい
就労移行支援事業所には専門のスタッフが在籍しており、就職活動の準備から内定後のフォローまで一貫して支援を受けられます。「いきなり求人に応募するのは不安」という方にとって、段階を踏んで就労を目指せる場として活用できます。
まずは「職場環境」から自分に合う条件を見つけよう
精神疾患がある方の仕事探しでは、「どの職種が向いているか」だけに注目すると判断が難しくなる場合があります。 同じ職種でも、職場環境によって働きやすさは大きく変わるからです。
例えば、事務職という同じ仕事でも、常に急ぎの業務が発生する職場と、毎日の業務内容がある程度決まっている職場では、感じる負担が大きく異なります。
そのため、仕事探しを進める際は「職種」だけで判断するのではなく、「避けたい環境」と「働きやすい環境」を整理することが大切です。条件を分けて考えることで、自分に合う仕事の方向性が見えてきます。
一人で整理するのが難しい場合は、ハローワークや就労移行支援などの支援機関を利用する方法もあります。専門スタッフと一緒に条件を整理することで、無理のない働き方を見つけやすくなります。
