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就労移行支援は休職中でも利用できる?リワークとの違いや利用条件を解説

目次
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「休職中でも就労移行支援は使えるの?」と気になっていませんか?

実は、休職中でも就労移行支援を利用できる場合があります。

この記事では、休職中に就労移行支援を利用するための条件や手続き、リワークとの違い、利用するメリットをわかりやすく解説します。

この記事のまとめ

  • 就労移行支援は休職中でも利用できる?
    休職中でも利用できるが、主治医、会社、自治体の三者全ての許可が必須
  • リワークとの違い
    リワークが「元の会社への復職」に特化しているのに対し、就労移行支援は「新しい働き方や転職」も視野に入れ、自己理解とスキル訓練を行う

休職中でも就労移行支援は利用できる?

休職中でも就労移行支援を利用できるかという疑問に答える導入画像

この章のポイント

  • 休職中でも条件を満たせば就労移行支援の利用は可能
  • 障害者手帳がなくても、主治医の診断書や自立支援医療受給者証があれば利用できる場合がある

ここでは、休職中の就労移行支援の利用について、障害者手帳は必須かどうかも含めて解説します。

【結論】休職中でも就労移行支援を利用できる場合あり!

結論から言うと、休職中でも就労移行支援を利用できる場合があります。ただし、誰でも利用できるわけではなく、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。

また、障害者手帳がなくても主治医の診断書や自立支援医療受給者証があれば利用できる場合もあります。

詳しくは、お住まいの自治体の窓口で確認するのが安心です。

休職中でも就労移行支援を利用できる条件とは?

就労移行支援の利用条件について(休職中の場合)

この章のポイント

  • 主治医・会社・自治体の三者の理解と協力が揃うことが必須

休職中でも就労移行支援を利用できるのは、以下の5つの条件をすべて満たす場合です。

条件1:企業や地域の復職支援が困難であること

休職者を雇用する企業や地域の就労支援機関・医療機関による復職支援の実施が見込めない、または困難である場合です。

条件2:主治医の意見書で「就職準備が可能」と判断がある

体調が就労移行支援の利用に適しているかどうかを、主治医に判断してもらい、意見書として書面にまとめてもらう必要があります。

条件3:会社から許可が出ている

休職中の就労移行支援の利用には会社の許可が必要です。

企業側が「自社でのリワークプログラムが難しいため、外部の支援を受ける方が良い」と判断した場合に認められます。

会社に復職支援制度がある場合は利用が難しいこともあるため、人事担当者に確認しましょう。

条件4:自治体(障害福祉課)から利用を認められている

自治体の窓口(障害福祉課など)に申請し、利用の許可をもらう必要があります。自治体が「就労移行支援の利用が復職を効果的にサポートする」と判断すれば、利用が可能です。

条件5:休職期間が一定程度残っている

就労移行支援は、働くための準備にじっくりと取り組む場所です。そのため、休職期間に十分な余裕があることが重要になります。具体的な期間は自治体や事業所によって違いますが、復職まで慌てずに準備を進められる程度、休職期間が残っていることが望ましいです。

休職中に就労移行支援を利用するには、「主治医」「会社」「自治体」の三者の理解と協力が揃うことが必須です。

就労移行支援を「休職中」に利用するメリット

就労移行支援を「休職中」に利用するメリット

この章のポイント

  • 生活リズムを整えながら社会復帰の練習ができる
    決まった時間・場所に通うことで生活習慣を取り戻し、自分のペースで徐々に社会に慣れることができる。
  • 転職準備としても活用できる
    元の職場への復職が難しい場合、転職に向けたスキル習得や計画作りに切り替えて支援を受けられる。
  • 自己理解とストレス対策が深まる
    自己分析やストレスマネジメント、コミュニケーション訓練を通じて、自分の強みや弱みを理解し、働きやすい環境づくりに役立つ。

休職中に就労移行支援を利用することで得られるメリットを3つ紹介します。

生活リズムを整えながら社会復帰の練習ができる

休職中は、どうしても生活のリズムが崩れやすくなります。就労移行支援に通うことで、決まった時間に起き、決まった場所に行くという習慣を取り戻す練習になります。

いきなり満員電車に乗るのが不安な場合は、人混みを避ける時間に通所したり、少ない日数から始めたりと、自分のペースに合わせて通うことも可能です。

復職が難しい場合に「転職準備」として使える

休職中の就労移行支援は、基本的に元の職場への復職を目的としています。しかし、通所を続ける中で「元の職場には戻れない」「今の仕事は自分に合わない」と感じることもあります。その場合、転職を前向きに考えた上で、就労移行支援を転職準備のサポートに切り替えることが可能です。

転職を目的として切り替える場合は、事業所のスタッフや計画相談を担当する相談支援専門員と相談することが重要です。自治体の判断によって、支援を継続できるかどうかが決まります。

苦手なことへの対策やストレスマネジメント等の自己理解が深まる

精神的な不調で休職している場合、自分の得意や苦手を改めて知ることが重要になります。就労移行支援では、以下のようなサポートを通して自己理解を深められます。

  • 自己分析:これまでの経験を振り返り、ストレスを感じやすい状況や強み・弱みを整理
  • ストレスマネジメント:ストレスと上手に向き合う方法を学ぶ
  • コミュニケーション訓練:職場で必要な人とのやり取りを練習

自己理解を深めることで、復職する場合でも新しい職場で働く場合でも、ストレスを減らし長く働き続けやすくなります。

就労移行支援とリワークの違い

比較項目就労移行支援リワーク(復職支援) 
目的障害や難病を抱える方が一般企業への就職を目指す休職中や無職の方の復職・再就職に向けたリハビリ
対象者障害や難病を抱える18歳以上65歳未満で一般企業への就職・転職を目指す方精神疾患(うつ病・不安障害など)で休職中の方、再就職準備中の方
支援期間原則2年間通所期間は3~7か月程度が目安
支援内容PC訓練、ビジネススキル習得、就職活動支援、職場定着支援など幅広いサポートストレスマネジメント、認知行動療法、生活管理、SSTなど復職特化プログラム
利用場所就労移行支援事業所企業内、医療機関、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所など
費用負担1割負担(収入に応じて負担上限あり)利用施設によって異なる

この章のポイント

  • 就労移行支援に向いている方の特徴
    転職も視野に入れ、自分に合う仕事を探したい
  • リワークに向いている方の特徴
    今の会社に戻ることを第一に考え、復職準備をしたい人

簡単にいうと、リワークは「今の会社に戻るため」就労移行支援は「新しい職場で働くことも視野に入れることができる」サポートです。 

就労移行支援に向いている方

「新しい働き方を見つけたい」「自分に合う仕事を探したい」という人に向いているサポートです。

  • 今の会社に戻っても、また体調を崩しそうという不安がある
  • 思い切って転職も考えている
  • 自分のペースでじっくりと働く準備をしたい
  • 自己理解を深め、自分に合った働き方を見つけたい

リワークに向いている方

「今の会社に戻ること」を第一に考えていて、復職に必要な力を整えたい人に向いています。

  • 「なんとしても今の会社に戻りたい」という気持ちが強い
  • 今の会社での仕事内容や人間関係に不満がない
  • 会社のサポートを受けながら復職を目指したい
  • 給料や待遇を変えずに復職したい

就労移行支援とリワークのどちらを利用するか迷った場合は、まず両方の情報を集めて比較してみましょう。さらに、主治医や信頼できる人に相談することで、自分に合った支援を選びやすくなります。

休職中に利用する方法・手続き

就労移行支援を休職中に利用する際の手続きフロー図:1.主治医・勤務先へ相談、2.事業所の見学・体験利用、3.申請書類の準備、4.自治体へ申請、5.利用開始

この章のポイント

  • 主治医・会社に相談し、事業所見学や書類申請を経て受給者証を取得し利用開始

休職中に就労移行支援を利用するには、いくつかのステップがあります。順番に確認していきましょう。

STEP1:主治医・勤務先へ相談する

まず、主治医に復職のために就労移行支援を利用したいことを伝えます。休職中の就労移行支援の利用は、主治医が復職に向けたリハビリとして適切と判断した場合に可能です。

さらに、会社の産業医や人事担当者に相談し、就労移行支援を復職支援として利用したいことを伝えて了承を得ます。会社によってはリワーク制度の利用を勧められることがあります。

STEP2:事業所の見学・体験利用

申請の前、または申請と同時進行で、気になる事業所を見学・体験します。

実際に事業所の雰囲気やプログラム内容を確認し、通う事業所を決める大事なステップです。

STEP3:申請に必要な書類を準備

就労移行支援を利用するために必須となる「障害福祉サービス受給者証」を申請するにあたり、以下の書類をそろえる必要があります。これらの資料は、「企業や地域の復職支援が困難であり、就労移行支援を受けることが復職に適切である」と証明するためのものです。

必要書類内容 
雇用先からの資料復職支援が困難で、就労移行支援を受けることが適切と判断されていることを示す書類
主治医からの資料主治医が復職支援として就労移行支援が適切と判断したことを示す書類
相談支援事業所からの資料※地域の就労支援機関や医療機関による復職支援が困難であることを示す書類

※自治体によっては、自治体(障害福祉課)への申請後に相談支援事業所が資料を作成する場合もあります。

STEP4:自治体(障害福祉課)へ受給者証を申請

お住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口で、就労移行支援利用の意思を伝え、受給者証の申請を行います。

受給者証は正式に就労移行支援を利用するための証明書のようなもので、交付までに1〜2か月程度かかります。

STEP5:利用契約を結び、就労移行支援を開始

受給者証が交付されたら、希望する事業所と利用契約を結び、正式にプログラムを開始します。

内容は、生活リズムを整える練習、ビジネススキル訓練、復職リハビリなどが中心です。通所を続けながら、心身の準備を少しずつ進め、復職に向けた実践的な練習を行います。

休職中に利用できる他の支援制度

休職中に利用できる支援制度一覧:医療リワーク、職リハリワーク、地域若者サポートステーション、ハローワークの障害者専門窓口

この章のポイント

  • 医療リワーク
    体調が安定していない人向けに、症状管理と復職準備を同時に進める医療リハビリ
  • 職リハリワーク
    生活リズムを整えつつ職場適応の練習を行う復職準備プログラム
  • 地域若者サポートステーション
    退職済みや就業していない15~49歳向けに転職・再就職準備を支援
  • ハローワーク障害者専門窓口
    求人紹介や面接対策など具体的な就職活動のサポート

就労移行支援以外にも、休職中に利用できる支援制度があります。「復職」や「転職」といった目標の違いを踏まえ、主な4つの制度を紹介します。

医療リワーク

医療リワークは、うつ病などの精神疾患で休職中の方や現在は無職で再就職を目指す方が「再発防止」や「職場復帰準備」を目的として利用する医療リハビリです。通院治療と併用して行うことが一般的で、医師とリワーク担当者が連携することで、症状の安定と職業的リハビリを同時に進めることができます。費用は健康保険に基づくものになりますが、自己負担金が原則1割になる「自立支援医療制度」が利用できます。

職リハリワーク

職リハリワークは、医療リワークとは異なり治療は行わず、職場への適応や復職準備を支援するプログラムです。地域障害者職業センターが提供しており、生活リズムを整える練習や、職場での練習などを通して復職に向けた準備を進めます。公務員は利用できませんが、民間企業に休職中の方は無料で利用できるのが大きな特徴です。

地域若者サポートステーション

サポステは、15歳~49歳で現在就労していない、もしくは就学していない方を対象に、就職や再就職をサポートする公的機関です。

休職中の方は、現職の退職を決めた段階で相談可能です。転職を検討している方向けの支援として活用できます。

就労相談や体験プログラム、心理カウンセリングなどを通して、仕事に向けた準備を進められます。

利用は原則無料ですが、一部の心理カウンセリングは有料の場合があります。

ハローワークの障害者専門窓口

ハローワークの障害者専門窓口では、障害者雇用枠での求人紹介や職業相談、面接対策など、具体的な就職活動の支援をしています。就労移行支援で訓練を受けながら、並行してハローワークに登録し、求職活動を進めることが可能です。休職中に「復職ではなく転職したい」となった場合のサポートとして、積極的に活用できる窓口です。

こんな人にはこの制度がおすすめ

ここまで紹介した制度について、どんな人に向いているかをまとめました。

医療リワーク
症状が安定しておらず、まずは体調を整えながら復職準備を進めたい

職リハリワーク
体調は落ち着いており、生活リズムを整えながら復職に向けた実践的な訓練をしたい

地域若者サポートステーション(サポステ)
現職の退職を決めており、転職や再就職に向けて準備を進めたい

ハローワークの障害者専門窓口
就労移行支援で訓練を受けつつ、具体的な求人情報や面接対策など就職活動を進めたい

自分の状況に合った制度を選んで、無理なく復職や再就職に向けて準備を進めましょう。

自分に合った就労移行支援の選び方

自分に合った就労移行支援の選び方

この章のポイント

  • 支援内容や通いやすさ、就職実績、事業所の雰囲気を確認することがポイント

就労移行支援を利用して安心して復職に向けた準備を進めるには、事業所選びがとても重要です。選ぶ際に押さえておきたいポイントは、主に次の5つです。

  1. 自分の特性や困りごとに合った支援があるか
  2. カリキュラムやプログラム内容は自分に合っているか
  3. 家から通いやすい立地か
  4. 就職実績や就職後の支援はあるか
  5. 事業所の雰囲気と支援員との相性はどうか

就労移行支援manabyについて

就労移行支援manabyでは、様々な障害や難病を対象に就職支援を提供しています。復職や転職に向けた支援も一人ひとりの状況に合わせて行っています。

相談や見学・体験は無料ですので、気軽にお問い合わせください。

休職中の就労移行支援利用に関するよくある質問

休職中の就労移行支援利用について、よくある質問と回答のまとめ

休職中に就労移行支援を利用する際に、よくある疑問をまとめました。

会社に在籍したまま利用すると会社にばれてしまいますか?

はい、会社に知られてしまいます。

休職中に就労移行支援を利用するには、会社(雇用主)の許可が必要です。会社から「復職支援として利用することが適切である」という書類を自治体に提出する必要があり、会社に内緒での利用はできません。支援開始後も、事業所は復職に向けて会社と情報共有や連携を行うのが一般的です。

傷病手当金をもらいながら通ってもいいですか?

傷病手当金を受給しながら就労移行支援を利用することは可能です。

就労移行支援は「訓練」であり、賃金を得るための「労働」ではないため、傷病手当金の支給条件(労務不能であること)には原則として影響しません。

障害者手帳がなくても利用できますか?

障害者手帳がなくても、医師の診断書・意見書や自立支援医療受給者証があれば利用できる場合があります。詳しくはお住まいの自治体への確認をおすすめします。

退職を決めていなくても相談することはできますか?

退職を決めていなくても相談可能です。

アルバイトと就労移行支援を併用するのは可能ですか?

原則として併用できません。

就労移行支援は「一般企業で働くことが難しい方」を対象としたサービスです。アルバイトであっても、すでに「働くこと(就労)」ができているとみなされるため、原則、利用対象外となります。

関連記事:就労移行支援 働きながら

他サービスとの併用はできますか?

併用できるものとできないものがあります。

  • 併用できないもの:医療リワークや職リハリワークなど、復職支援を目的とした他の公的プログラム。自治体が重複支援を認めないため、原則同時利用は不可です。
  • 併用できるもの:傷病手当金や自立支援医療制度など、生活や治療を支える制度は並行して利用できます。

休職中でも条件を満たせば就労移行支援は利用可能

休職中でも条件を満たせば、就労移行支援を利用することができます。

ただし、利用するには主治医や勤務先の確認や同意が必要です。まずは、利用できるかどうか相談してみましょう。

許可が得られたら就労移行支援の事業所を実際に見学し、プログラムを体験することをおすすめします。体験することで、自分に合っているかを確かめたうえで安心して利用を始め、復職に向けた準備を進めることができます。

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久木田 みすづ

精神保健福祉士/社会福祉士/心理カウンセラー
福祉系大学を卒業後、カウンセリングセンターや医療機関で精神保健福祉士・カウンセラーとして勤務。うつ病・統合失調症・発達障害などを抱える患者と家族への相談支援に従事してきた。現在は臨床経験を活かし、メンタルヘルスや精神疾患、福祉制度に関するWebライターとして活躍中。

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