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仕事に行きたくないのはうつ病のサイン?甘えとの違いと対処法を紹介

目次
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朝起きた瞬間から「どうしても仕事に行きたくない」と感じてしまう日が続くと、「自分は怠けているだけなのか」と自分を責めてしまったり、「もしかしてうつ病なのか」と不安になったりする方は少なくありません。
一時的な疲れや気分の波であれば休養すれば回復しますが、気持ちの沈みや体の不調が長引くときは、心の病気のサインである可能性があります。
この記事では、「甘え」と誤解されがちな気持ちとうつ病の違いをわかりやすく整理し、今すぐできる対処法や受診の目安を紹介します。

【緊急対処】今日どうしても仕事に行けない時の対応

うつ病で仕事に行けなくなった時の対処法を紹介

どうしても「仕事に行きたくない」と感じた朝は、無理に出勤せず、まず会社に休む連絡を入れることが最優先です。「迷惑をかけてしまうのでは」「甘えだと思われるのでは」と不安になる方も多いですが、体調が整っていないまま働けば、かえって大きなミスやトラブルにつながり、職場に迷惑をかける可能性もあります。

休む判断は、決して悪いことではなく、むしろ自分と周囲を守る大切な行動です。

休むときの連絡方法(電話・メール・チャット例文付き)

連絡の方法は、勤務先で普段使っている手段(電話・メール・チャットツールなど)で構いません。大切なのは、理由を簡潔にして早めに伝えることです。

電話で伝える場合

休む連絡は、できれば電話で直接伝えるのが一番安心です。

その理由は、文字だけのやり取りよりも、声で伝えることで「誠意が伝わりやすく」、相手にもしっかり状況を理解してもらえるからです。

おはようございます、〇〇(自分の名前)です。今お時間よろしいでしょうか?

はい、大丈夫ですよ。

ありがとうございます。本日、体調が優れず出勤が難しいため、お休みをいただきたく存じます。ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。何かございましたら、電話またはメールでご連絡いただければ幸いです。

わかりました。お大事にしてください。

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

メールで伝える場合の例文

基本的には、欠勤の連絡は電話が最優先です。直接声で伝えることで誠意が伝わりやすく、相手にも確実に届きます。

ただし、以下のような状況ではメールをあわせて使うと安心です。

【メールを活用する場面】

  • 電話をかけてもつながらなかったときの補足連絡
  • 上司が会議や外出中で、折り返しが難しそうな時
  • 電話後に「念のため文面で残しておきたい」場合

メールは「電話の代わり」ではなく、電話で伝えたことを補足・記録する手段として使うのが安心です。どうしても声が出ない・体調が悪すぎて話せない場合に限って、メールのみで連絡するといいでしょう。

件名:欠勤のご連絡(本日)
本文:
〇〇課長
おはようございます。〇〇課の△△(自分の名前)です。
今朝から体調不良があり、出勤が難しい状況です。急なご連絡となり申し訳ございませんが、本日はお休みをいただきたくご連絡いたしました。
本日予定していた業務については、以下のとおりです。
◯◯資料の提出 → 明日対応予定
顧客A社への連絡 → Bさんに依頼済み
ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。体調の状況については、改めてご報告いたします。
――――――――――――――――
〇〇 〇〇(フルネーム)
部署名:〇〇部 〇〇課
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:xxxx@example.co.jp
――――――――――――――――

チャット(LINE・Teams・Slackなど)の例文

普段から上司やチームとチャットでやり取りしている職場では、チャットで欠勤の連絡をしても問題ありません。

おはようございます。△△(自分の名前)です。
今朝から体調がすぐれないため、本日は出勤が難しい状況です。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、本日はお休みをいただきます。
本日の業務については特に引き継ぎはありません。ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。体調の状況については、改めてご報告いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

「仕事に行きたくない」は甘え?それとも、うつ病のサイン?

「仕事に行きたくない」は甘えか、うつ病のサインかを判断するためのポイントを紹介

「仕事に行きたくない」と感じると、つい「自分は甘えているだけなのでは」と自分を責めてしまう方も少なくありません。気分の波による一時的な状態なのか、生活全体に影響を及ぼしている心の不調なのかを見極めることが大切です。

甘えと病気の違いを見分けるポイント

項目疲れなどの一時的な気持ちの変化の場合うつ病など心の病気の場合 
気持ち「行きたくない」と思っても、休めば回復する休んでも気分が晴れず、気持ちの落ち込みが続く
休日趣味や好きなことを楽しめる休日も気分が落ち込み、今まで楽しめていたことが楽しめない
身体の反応寝れば疲れが取れる眠れない・朝起きられない・涙が出る・疲れが抜けない
生活への影響一時的で日常生活に大きな支障はない仕事や日常生活に支障が出る

もし「数日休んでも落ち込んだ気持ちが戻らない」「朝起きるだけで涙が出る」「集中力が続かない」などが続いているなら、それは甘えではなく、心の病気のサインかもしれません。

「仕事に行きたくない」が続く時のうつ病セルフチェック

うつ病セルフチェック

「仕事に行きたくない」気持ちが続くときは、セルフチェックを行い、自分の状態を客観的に確認してみることが大切です。

兵庫県が公開しているチェックリストなどを活用すれば、うつ病の可能性を簡単に確認できます。もちろんセルフチェックはあくまで目安であり、診断を確定するものではありません。

心の健康チェックリスト

結果:

すべての質問に回答すると、結果が表示されます。

ただし、当てはまる項目が多い・点数が高い場合は、うつ病などの心の病気である可能性があります。心療内科やメンタルクリニック、産業医などに相談するタイミングと捉えて良いでしょう。

「仕事に行きたくない」と思ってしまう主な原因

「仕事に行きたくない」と思ってしまう主な原因を3つ紹介

「仕事に行きたくない」という気持ちの背景には、何かしらの理由があります。多くの場合、ストレス・体の不調・職場環境の問題といった複数の要因が重なっていることが少なくありません。

ここでは、よく見られる原因を整理して紹介します。

心がしんどい時(人間関係・強いプレッシャー・ハラスメント)

人間関係の悩みや強いプレッシャーは、「会社に行きたくない」という気持ちにつながりやすい要因です。上司や同僚とうまくいかない、重すぎるノルマや責任を抱えているといった状況は、見えにくいものの大きなストレスになります。

状況具体例感じやすい気持ち 
人間関係の悩み悪口や陰口を言われる/話しかけても返事がそっけない/無視される/孤立感がある「会社に居場所がない」「常に気を遣いすぎて疲れる」
強いプレッシャー達成困難なノルマ/失敗できない責任の重い業務/長時間の緊張感「もう限界かもしれない」「逃げたい」「失敗したら終わりだ」
パワハラなどのハラスメント明らかに不可能な業務量を押し付けられる/人格を否定されるような言動が繰り返される「自分が悪いのでは」「会社に行くのが怖い、苦しい」

身体がついていかない時(寝不足・疲れ・不調)

眠れない・疲れが取れない・体調不良が続くと、出勤そのものがつらくなります。心と体は密接につながっているため、身体の疲労や不調が続くと気持ちの落ち込みも強くなり、「もう行けない」と感じやすくなります。

状況具体例感じやすい気持ち 
睡眠の乱れ寝つきが悪い/何度も目が覚める/朝起きられない/寝ても疲れが取れない「眠れないことへの焦り」「やる気がでない」
慢性的な疲れ帰っても何もやる気が起きずぼーっと過ごしてしまう/休みの日は布団から出られない「休んでも回復できない、このまま働いていけるのか」「やる気がでない」
体調不良頭痛・胃痛・めまいが続く/体がだるい「体がついていかない」「これ以上無理して働けない」

環境が合わない時(長時間労働・合わない職場)

働く環境そのものが合っていないと、「仕事に行きたくない」という気持ちは強くなります。長時間労働や休めない勤務体制、職場の雰囲気が自分に合わない状況が続くと、心身への負担は大きくなり、出勤すること自体がストレスになります。

状況具体例感じやすい気持ち 
長時間労働残業が慢性化している/休みが取れない「もう体力が持たず限界だ」「いつまで頑張ればいいんだろう」
職場の雰囲気ピリピリした空気/雑談がしにくい環境「職場にいるだけで疲れる」「居場所がない」
業務のミスマッチ自分に合わない仕事を任され続けている/能力以上の業務負担「向いてないのにこれ以上続けられない」「逃げたい」

「仕事に行きたくない」と感じた時の働き方の工夫

「仕事に行きたくない」と感じた時の働き方の工夫を2点紹介

「仕事に行きたくない」と感じる時は、自分だけの問題ではなく、働き方や環境に原因がある場合も少なくありません。そんな時は無理に頑張るのではなく、職場の相談先を利用したり、勤務時間や働き方を調整するなどの配慮で、負担を減らすことができます。

この章では、職場で活用できる相談先や、環境を変えるための選択肢について紹介します。

職場の相談先を活用してみる

まずは職場にある相談先を利用することが大切です。上司や人事、産業医などに状況を伝えるだけで、業務の負担を減らしたり、働き方を調整してもらえる可能性があります。

相談先相談できること 
上司業務の分担/ノルマの調整/仕事内容の見直し
人事・総務勤務形態の変更/異動/休職や有給休暇の利用
産業医健康状態の相談/医療的なアドバイス/復職の可否判断
労働組合(ある場合)労働環境や労働条件、人間関係の問題

転職・退職で環境を変える

環境そのものが合わない場合は、転職や退職を選ぶことも大切な選択肢です。長時間労働や人間関係が改善できない職場にとどまり続けると、心身をすり減らすだけになってしまいます。早めに新しい環境に移ることで、自分に合った働き方を見つけられる可能性が広がります。

選択肢内容 
転職自分に合った職場へ移る/働き方を選び直す
退職一度仕事から離れて休養やリセット期間を持つ

「仕事を休むのは悪いこと?」に悩む人へ

「仕事を休むのは悪いこと?」に悩む人に向けた制度や仕組みを紹介

「休んだら迷惑をかけるのでは」「甘えていると思われるのでは」と、不調を感じている時でも無理に出勤しようとしてしまう方は少なくありません。しかし、仕事を休むことは労働者に認められた正当な権利であり、決して悪いことではありません。ここからは、休むときに利用できる制度について整理して紹介します。

休むために使える仕組みがある

安心して休むためには、会社に用意されている制度を活用することが大切です。例えば、給料を受け取りながら休める「有給休暇」や、長期間仕事から離れて療養に専念できる「休職制度」があります。これらの仕組みを知っておくことで、「休む=迷惑」ではなく「正当に認められた権利」として安心して活用できます。

制度内容メリット 
有給休暇所定の日数分、給与を受け取りながら休める収入を減らさずに休める
休職制度一定期間、会社に籍を残したまま休める退職せず療養に専念できる

休んでも生活を支える制度もある

長く仕事を休むときには、収入を補う仕組みもあります。健康保険に加入していれば、病気やケガで働けない期間に「傷病手当金」を受け取れる可能性があります。これは給与の約3分の2が支給される制度で、生活の安心に繋がります。収入の不安があると休む決断が難しくなりますが、経済的に支える制度があることを知っておくと、安心して療養に専念できます。

制度内容メリット 
傷病手当金病気やケガで働けない場合、給与の約3分の2が最長1年6か月支給される長期休養中の生活を支えられる
労災保険(対象の場合)業務や通勤が原因の病気・ケガに対して医療費や休業補償治療費や生活費の負担が軽減される

「うつ病かも…」と思ったら、受診を考えよう

「うつ病かも…」と思ったら、精神科・心療内科・メンタルクリニックの受診を勧める

うつ病かどうかを自分で判断するのは難しく、適切な診断とサポートを受けるためには心療内科や精神科の受診が欠かせません。ここからは、診断の流れや初診で聞かれること、治療方法について紹介します。

心療内科や精神科での診断の流れ

まずは心療内科や精神科を受診することが大切です。診察では、医師がこれまでの体調や気分の変化、生活の様子について丁寧に聞き取り、必要に応じて心理検査や血液検査などを行います。診断は会話を通して進められるのが基本で、特別な準備は必要ありません。

診療科対応する主な症状特徴・向いている人 
心療内科ストレスが原因で起こる体の症状(胃痛・動悸など)身体的な不調が強く出ている人向け
精神科うつ病・不安などの精神的な症状そのもの精神面の症状に対する専門的な診断・治療を受けたい人向け(迷ったら精神科へ)

最近では、「メンタルクリニック」という名前の病院も多く見られます。これは心療内科や精神科とほぼ同じ診療を行う外来クリニックのことで、名前が違っていてもうつ病をはじめとした心の不調の相談や治療に対応している場合が多いです。

初診で聞かれること

初診では、医師がこれまでの症状や生活の様子について丁寧に質問し、それをもとに診断を進めます。

例えば

  • いつから気分の落ち込みが続いているか
  • 睡眠や食欲の状態はどうか
  • 仕事や日常生活にどの程度支障があるか

といったことを聞かれるのが一般的です。

治療方法

うつ病の治療は、まずは十分に休養がとれる環境を確保し、必要に応じて抗うつ薬などの薬を使用することが一般的です。必要に応じて、臨床心理士や公認心理師などの専門家とのカウンセリングを通じて気持ちを整理し、ストレスへの向き合い方を見直していくことも効果的です。

「仕事に行きたくない」と悩んだ時のよくある質問

「仕事に行きたくない」と悩んだ時のよくある質問(FAQ)

ここでは、「仕事に行きたくない」と悩んだ時によく出てくる質問と、その答えをまとめました。

上司に「甘えてる」と思われないか不安です。会社を休む時に「理由」をどう伝えればいいですか?

詳しい理由を話す必要はなく、「体調不良のため休みます」と伝えれば十分です。うつ病や心の不調は外から見えにくいため、無理に説明しようとするとかえって負担になります。電話・メール・チャットなど、形式に合わせてシンプルに伝えることを意識しましょう。

病院に行った方がよいのでしょうか?行くとしたら、どこに行けばよいですか?

「仕事に行きたくない」が続くなら、心療内科や精神科の受診をおすすめします。内科でも一時的な対応は可能ですが、心の不調に専門的に対応できるのは心療内科・精神科です。近くにない場合は、まずはかかりつけ医や地域の相談窓口に相談してみましょう。

心療内科に行くのは怖いのですが、実際にはどのようなことをされるのでしょうか?

初診では、これまでの症状や生活の様子について医師が丁寧に聞き取ります。特別な検査や無理に何かをされることはなく、会話を通じて気分の変化や生活リズムを確認していくのが基本です。必要に応じて心理検査や薬の提案を受けることもありますが、まずは「相談の場」として捉え、じっくり話をしてみましょう。

休んだ場合、収入はどうなるのでしょうか?お金のことが心配です。

有給休暇や休職制度を利用すれば、一定期間は給与や手当で生活を支えられます。特に「傷病手当金」という制度を利用すれば、給料の約3分の2が最長1年6か月支給されます。お金の不安を一人で抱えず、会社の人事や健康保険組合に早めに確認してみましょう。

「仕事に行きたくない=うつかも?」と感じたら、一人で抱え込まないで

「仕事に行きたくない=うつサインかも」と感じたら一人で抱え込まずに相談する

「仕事に行きたくない」と強く感じるのは、決して甘えではなく、心や体からの大切なサインかもしれません。無理に出勤するのではなく、まずは会社に連絡を入れて休み体調を整えることは、仕事を続けるために必要な行動です。

それでも「自分は怠けているだけでは?」と不安になることもあるかもしれません。そんな時は、うつ病のセルフチェックリストなどを活用して、今の状態を客観的に振り返ってみるのも一つの方法です。結果にとらわれすぎる必要はありませんが、「思った以上に無理をしていたんだ」と気づけるきっかけになります。

セルフチェックはあくまで参考であり、診断を確定するものではありません。気分の落ち込みや眠れないなど、気になる症状が続いているのなら、精神科や心療内科を受診しましょう。

また、仕事を休むのは労働者の正当な権利です。有給休暇や休職制度、傷病手当金などの仕組みを利用すれば、経済的な不安を減らしながら、療養に集中できます。

無理をして限界まで頑張り続けると、心身の回復に時間がかかってしまいます。つらさを感じたら早めに対処し、休息をとることが大切です。自分を大切にする一歩が、健やかな毎日への近道になります。

一人で抱え込まず、必要な時は周囲や専門家に頼ることで、回復への道がよりスムーズになります。

小さな不調に耳を傾け、自分らしく働き続ける力を育んでいきましょう。

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のぐち みどり

臨床心理士/公認心理師
総合病院にて約10年間、心理士としてカウンセリングや心理検査、職員のメンタルヘルス支援に従事。現在は子育てをしながら、働く人のメンタルヘルスや育児・復職に関する悩みに対応するオンラインカウンセリングを提供。ライフステージの変化に寄り添った実践的な支援を行っている。

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