発達障害を恋人に伝えた?223名アンケートから見えた選択
発達障害について、恋人に「伝えるべきか」「伝えない方がいいのか」と悩んだことのある方は少なくないのではないでしょうか。伝えることで理解してもらえるかもしれない一方で、関係が変わってしまうのではないかという不安も…
実際のところ、発達障害を恋人に伝えた人はどれくらいいるのでしょうか。また、伝えたことで関係はどう変化したのでしょうか。
そこで本記事では、発達障害である223名を対象に行ったアンケート結果をもとに、発達障害を恋人に「伝えた方」「伝えていない方」のそれぞれの選択や、その後の関係性について紹介します。
アンケート概要

調査内容:「発達障害を恋人に開示したか」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年01月29日~2026年02月12日
調査人数:223名(男性88名 女性135名)
年代:10代(10名)・20代(77名)・30代(89名)・40代(33名)・50代(11名)・60代以上(3名)
- 年齢を選択してください
- 性別を選択してください
- 恋人に発達障害を伝えたことはありますか?
- その理由を詳しく教えてください。
- どのタイミングで伝えましたか?
- どうやって発達障害であると伝えましたか?
- 相手の反応やエピソードを教えてください。
- 発達障害と伝えた後、関係は変化しましたか?
- エピソードがあれば教えてください。
約7割が恋人に発達障害と伝えたことがある

- はい 148票(66.4%)
- いいえ 75票(33.6%)
恋人に発達障害について伝えたことがある人は66.4%(148票)と、約3人に2人が「伝えた経験がある」ことが分かりました。 一方で、33.6%(75票)は「伝えていない」と回答しています。
では、なぜ恋人に発達障害について伝えようと考えたのでしょうか。次に、その理由を紹介します。
発達障害と伝えた理由
恋人に発達障害について伝えた理由として、「長期的な関係を続けるため」「誤解やすれ違いを減らしたい」という声が多く見られました。
発達障害は外見からは分かりにくく、日常生活や恋愛の中での困りごとが「性格の問題」や「努力不足」と誤解されやすい部分があります。連絡頻度のムラ、感情表現の分かりにくさ、忘れ物や不注意、感覚過敏などについて、背景にある特性を理解してもらいたいという思いから、開示を選択した方が多いかったです。
また、「隠し続けることへの罪悪感」や、「後から打ち明けることで信頼を失うのではないか」という不安から、伝える決断をした方もいました。
長く付き合う相手だからこそ「理解してもらうため」だけでなく、関係をより良いものにするための前向きな選択として開示を行っていることが分かりました。
発達障害と伝えない理由
恋人に発達障害について伝えていない理由として、「関係が壊れることへの恐れ」や「誤解・偏見への不安」が多く挙げられました。
過去に発達障害について打ち明けたことで関係がうまくいかなかった、態度が変わったと感じた経験から、「伝えない方が安全だ」と判断した方もいました。こ
また、「自分の中でまだ整理しきれていない」「どう伝えれば正しく理解してもらえるか分からない」、相手が発達障害への先入観があるのではないかという不安から伝えない選択をしている方も少なくありません。
そのほかにも、「甘えだと思われそう」「距離を置かれてしまいそう」「引かれるのが怖い」といった声が多く、社会に根強く残る偏見や誤解が、恋愛の場面にも影響しているようでした。
このように、恋人に発達障害を伝えていない方の多くは、関係を失わないための自己防衛として沈黙を選んでいるようでした。
「付き合ってから」伝えた方が多い

- 付き合ってから 83票(37.2%)
- 伝えていない 73票(32.7%)
- 付き合う前 67票(30.0%)
発達障害について「付き合ってから伝えた」と回答した方が37.2%(83票)と最も多い結果となりました。 一方で、「付き合う前に伝えた」人も30.0%(67票)おり、発達障害の開示タイミングは人それぞれなようです。
半数が「対面」で発達障害を伝えた

- 対面 83票(52.5%)
- 伝えていない 73票(32.3%)
- LINEなどのメッセージ 21票(9.4%)
- 電話 10票(4.5%)
- 手紙 2票(0.9%)
- その他 2票(0.4%)
発達障害について「対面で伝えた」と回答した人が52.5%(83票)と最も多く、半数以上を占めました。
一方で、「LINEなどのメッセージ」9.4%(21票)や「電話」4.5%(10票)といった、対面以外の方法を選んだ人も一定数いました。
伝えたときの相手の反応・エピソード
「みんな多かれ少なかれそういうところはあるよね」というような、あっさりとした反応でした。
真摯に受け止めてくれました。今では理解してくれていて大きな音が苦手な私にヘッドフォンをプレゼントしてくれたりなど嬉しかったです。
特に反応はありませんでした。「そっかー、俺も出来ないことあるし」という感じでフォローしてもらいました。
飲みながら軽い感じで内心真剣に話したら、自分は仕事柄理解がある方だと思う。ホスピタリティは任せて!って言って貰えました。泣けました。
最初は驚いた様子でしたが、「教えてくれてありがとう」と言ってくれました。私が急に予定を変えられると混乱することや、音に敏感なことを話すと、デートの場所を静かなカフェにしてくれたり、事前に予定を共有してくれるようになりました。理解しようとする姿勢が嬉しかったです。
元々完璧主義な性格なのもあり、周りにADHDだと悟られないように努力してきたので話した時は驚かれました。自分の前では少し気を抜いてみてもいいのではないかと提案されました。
相手の身内にもADHDと診断された人がいるためか特に気にされず、ふーんそうなんだといったリアクションでした。
相手の反応ははじめは「全然そう見えない、本当に言ってる?」という感じだったが、ネットにある発達障害の特徴を見せながら恋人と話していくうちに、恋人も私に対して思い当たるところがあったのか、私の発達障害について納得してくれた。
多かったのは、「みんな多少はそういうところがあるよね」「俺にもできないことはある」といった、過度に構えず、個性の一部として受け止める反応です。
このような言葉は、当事者にとっては「特別視されすぎない安心感」につながっているのではないでしょうか。
また、理解を示すだけでなく音への過敏さを知ったうえでヘッドフォンを贈ったり、静かな場所をデート先に選んだり、事前に予定を共有するなど、特性を踏まえた配慮が行われていました。こうしたエピソードからは、発達障害を伝えたことで、どちらかが我慢する関係ではなく、二人で歩み寄る関係を築いているようでした。
「関係が悪化した」は少数・約6割は「変わらない・良くなった」

- 伝える前と変わらない 92票(41.3%)
- 伝えていない 73票(32.7%)
- 良くなった 51票(22.9%)
- 悪くなった 7票(3.1%)
発達障害について恋人に伝えた後の関係性は、「悪化した」と感じた人が3.1%(7表)と少数で、約6割が「変わらない」「良くなった」と回答していることが分かりました。
内訳を見ると、「伝える前と変わらない」が41.3%と最も多く、次いで「良くなった」が22.9%となっています。
この結果からは、発達障害を伝えたことが、必ずしも関係性に大きな影響を与えるわけではなく、少なくとも多くのケースでは関係の悪化には直結していないことが読み取れます。
発達障害と打ち明け後のエピソード
自分の持病を相手にも伝えるだけでも、付き合い方や自分への負担が変わっていくので、伝えないよりも伝えることが自分にも相手にもメリットがあるなと思います。私たちはたくさん話し合いもして、お互いに助け合いして今現在も交際しています。お陰様で、今年で6年目の仲です。
以前はちょっとしたことでケンカになりやすかったのですが、発達障害の特性を共有したことで、相手も私もお互いの行動を理解できるようになりました。たとえば、予定を忘れやすいことや、感情の表現が独特な部分も許容してもらえるようになり、関係が穏やかになりました。
私が人混みでパニックになりかけた時、彼が「一度外に出よう」と静かに誘導してくれました。責めたり焦らせたりせず、ただ隣にいてくれたことで落ち着くことができました。あの時の対応で、この人なら安心して一緒にいられると思いました。
特性を伝えたことで、例えば私が約束の時間を間違えたり、集中しすぎて連絡を忘れたりしても、相手が感情的に怒ることがなくなりました。具体的にお願いしたいサポートを明確に伝えられるようになったため、日常生活での摩擦が減り、お互いに自然体でいられる時間が増えて絆がより深まったと感じています。
どうやら相手にも発達障害があったらしく、しかも依存系だったので、最終的に冷めて別れました。
伝えたからといって、特に関係は変わりませんでした。しかし、私がずっと敬語を使って話したり、「ではまた」とすぐに境界線を引いてしまったりすることに対して、「寂しい」「恋人らしくない」という不満を伝えられたことが一度あります。話し合い、それも発達障害の特性の一つであることは相手に理解してもらっています。
打ち明けたあとになにかミスをすると相手は特になにも感じていないのに、私の方が勝手に罪悪感を覚えてしまい「そんなに気にしないで」と怒られるというか、たしなめられる機会が増えました。
以前は理解を得られない相手と付き合っていたが、今体調や特性について理解を示してくれた上で付き合ってくれているのでとても過ごしやすい。また、素を出せるので遠慮しなくていい。
直接打ち明けた特には、これといった反応はありませんでしたが、その時から連絡の頻度が明らかに減って、後日「向き合える自信がない」というは話しを相手から伝えられ、結果として距離を置く形となりました。
たいてい悪くなることが多い。最初の印象で期待値が高くなるタイプの人間なので、ひとつの失敗で評価がマイナスになる。完璧を求められ苦しいと伝えている。
発達障害を伝えた後に「関係が良くなった」と感じた方の多くは、特性を共有したことをきっかけに、話し合いや具体的な工夫が生まれている点が共通していました。
また、「どのようなサポートがあると助かるのか」を言葉にできるようになったことで、日常の摩擦が減り、お互いが無理をせず、自然体で過ごせる時間が増えたと感じている方も多く見られます。
一方、「伝える前と変わらない」と回答した方は、発達障害を伝えたことで関係性が大きく変化したというよりも、もともと安心して過ごせていた関係がそのまま保たれていると感じているようでした。
また、「悪くなった」と回答した方の中には、連絡頻度が減る、距離を置かれるなど、関係の変化を間接的に感じたというコメントも見られました。
発達障害を恋人に伝えるのは、関係を続けるための一つの選択肢

今回のアンケートから、発達障害を恋人に伝えることは、関係をより円滑に続けるための一つの選択肢になることが分かりました。
伝えたことで話し合いや工夫が生まれ、無理のない付き合い方につながった方がいる、伝えても関係性が大きく変わらなかった方がいる一方で、関係が悪化した、あえて伝えない選択をしている方もいます。
どの選択にも、それぞれの背景や理由があり、「伝えたかどうか」だけで関係の良し悪しが決まるわけではありません。
無理に打ち明ける必要はなく、伝えないという選択もまた、関係を守るための一つの判断と言えるでしょう。