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発達障害は遺伝する?原因・確率・調べ方|受診の目安と相談先も紹介

目次
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「メモしたはずなのに忘れてしまう」「なぜか仕事でミスばかり繰り返してしまう…」 

毎日頑張っているのに、なんだかうまくいかない。そんなとき、「もしかして自分は発達障害なのかも」と考えたことはありませんか?

自分の親や兄弟にも似たような傾向があると、「家族から遺伝したのかな?」と不安になってしまいますよね。

発達障害には遺伝の影響があるといわれていますが、「遺伝する=必ず症状が現れる」というわけではありません。特性のあらわれ方や困りごとは人によって異なります。

この記事では、発達障害と遺伝の関係について確率の考え方や調べ方も含めてわかりやすく解説します。

この記事のまとめ
  • 発達障害は遺伝の影響があるが「必ず発症する」ものではない
    複数の遺伝要因と環境が重なって特性が現れるため、遺伝だけで決まるわけではない
  • 「似ている=同じ障害」とは限らない
    家族で傾向が似ることはあるが、特性の出方や困りごとの程度は人によって異なる
  • 遺伝率はあくまで目安であり、発症確率ではない
    数値は「遺伝の関与の強さ」を示すもので、同じ症状が出ることを意味しない
  • 診断は医療機関での総合判断のみで可能
    遺伝子検査では分からず、問診・心理検査・観察をもとに医師が判断する
  • 大切なのは「遺伝かどうか」より困りごとへの対処
    メモ・テンプレ化・見える化などの工夫や、必要に応じた相談で日常や仕事は改善できる

結論:発達障害は「遺伝の影響がある」が「遺伝=必ず同症状が現れる」ではない

この章のポイント
  • 発達障害は遺伝の影響があるが「遺伝=必ず発症」ではない
  • 特性は複数の遺伝要因と環境要因が重なって現れる
  • 同じ遺伝的傾向があっても、困りごとの出方は人それぞれ異なる

発達障害は遺伝の影響を受けることが分かっていますが、「遺伝したら必ず症状が現れる」というものではありません。

発達障害は特定の一つの遺伝子で決まるものではなく、複数の遺伝的な要因が関わっています。さらに、育った環境や生活習慣、ストレスなどが重なり、特性が困りごととして現れるかどうかが変わります。

そのため、遺伝的な傾向があっても必ず同じように発達障害として現れるわけではありません。遺伝だけで決まるものではなく、環境など様々な要因が重なってあらわれるもの、と理解しておくことが大切です。

「発達障害は遺伝する」と言われる根拠は?

この章のポイント
  • 研究により、発達障害には遺伝的な影響があることが分かっている
  • ただし発達障害は遺伝だけで決まるものではなく、環境要因も大きく関わる
  • 同じ特性でも環境によって困りごとの出方は大きく変わる

近年の研究で、発達障害において遺伝性の要因の影響があることが明らかになっています。そのため、親子や親族間の中で似た傾向がみられるケースも多くなりがちです。

例えば、忘れ物が多い親の子どもも同じように物をなくしやすかったり、こだわりが強い親の子どもも似た傾向を持っていたりすることがあります。

遺伝だけで決まるわけではない

遺伝的な影響があるとはいえ、発達障害は「遺伝子だけで症状が現れるもの」ではありません。発達障害の特性が強く現れ、困り感を生じるかどうかは、遺伝的な要因と環境的な要因の両方が関係していると考えられています。

環境的な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

環境的な要因の例
妊娠中・出産時の状況
低体重出産や早産、妊娠中の感染症や強いストレスなど
幼少期の養育環境
安心できる環境や適切なサポートの有無
学校・職場などの社会環境
特性に合う環境かどうか
生活習慣
睡眠、栄養、運動などの体調面

同じ特性があっても、置かれている環境によって困りごとの出方は変わります。

例えば、注意が散りやすい特性があっても業務量が調整され周囲のサポートがある環境では、大きな困りごととして表れにくい場合があります。一方で、複数の業務を同時に求められる環境では、同じ特性でもミスが増えやすくなります。

このように、発達障害は遺伝と環境の両方が関係して現れるものです。

親や兄弟に似ている…これって遺伝?

この章のポイント
  • 家族で特性が似ることはあり、遺伝の影響が関係している可能性がある
  • 発達障害の特性は父母どちらからも受け継がれる可能性がある
  • 兄弟姉妹に診断があっても、自分が同じ診断になるとは限らない
  • 「似ている=同じ障害」ではなく、環境や個人差で現れ方は変わる

「母も忘れ物が多い」「父はとにかくこだわりが強い」「兄も昔から空気が読めないと言われていた」

家族の中に似た傾向があると、「遺伝しているのかもしれない」と感じるのは自然なことです。

では実際に、こうした特性は親や兄弟姉妹の間で受け継がれているのでしょうか。 

発達障害は父親・母親から遺伝する?

発達障害の特性は、父親・母親どちらからも受け継がれる可能性があります。現時点では、「どちらからの影響が強い」といった明確な差は確認されていません。

また、ここで知っておきたいのが「親自身が診断を受けていないケースも実は多い」ということです。

仕事でミスが多くても「ちょっとドジな性格」で済まされてきたり、こだわりの強さを「職人気質」として活かしていたりと、自分なりの工夫で社会に適応している方も少なくありません。

そのため、「親に診断がないから遺伝ではない」とも言い切れません。

兄弟姉妹が発達障害だと、自分も発達障害?

兄弟姉妹に発達障害の診断がある場合、自分にも似た特性がある可能性は一般より高くなる傾向があります。同じ親から生まれているため、遺伝的な背景を一部共有しているからです。

ただし、兄弟姉妹の一人に発達障害があるからといって、必ず同じ診断になるわけではありません。受け継ぐ遺伝子の組み合わせは一人ひとり異なりますし、学校や交友関係・習い事の経験など、育つ過程や環境によって特性の出方も変わってきます。

「兄がADHDの診断を受けているが、自分は特に困りごとなく生活できている」というケースも珍しくありません。

「似ている=同じ」ではない

家族で似た特徴が見られると、「同じ発達障害ではないか」と考えてしまいがちですが、「似ている」ことと「同じ診断になる」ことは別物です。

発達障害は、特性の組み合わせや周りの環境の相性によって現れ方が大きく変わります。

例えば、忘れ物が多いという共通点があっても仕事に大きな支障が出る方もいれば、メモや仕組みでカバーできている方もいます。

このように、同じような傾向があっても日常生活での影響や困りごとの大きさは一人ひとり異なります。似ているというだけで同じ状態と判断するのは難しく、状況や環境も含めて考えることが大切です。

遺伝する確率はどのくらい?

この章のポイント
  • 発達障害は「何%で遺伝する」と断定できるものではない
  • 研究ではADHDやASDに遺伝の影響があることが示されている
  • ただし遺伝率は「発症確率」ではなく、遺伝の関与の強さを示す指標
  • 数値は研究条件によって変わるため、あくまで目安として捉えることが大切

「どのくらいの確率で遺伝するのか」は気になるポイントですが、発達障害は一つの数字で表せるものではありません。遺伝と環境が重なって特性が現れるため、「何%の確率で必ず遺伝する」とは言い切れないのが実情です。

そのうえで、研究から「どのくらい遺伝の影響が強いか」を示す目安は分かっています。代表的な例を整理すると次の通りです。

ADHD(注意欠如・多動症)の場合

親にADHD(注意欠如・多動症)の特性がある場合、子どもにも似た特性が見られる割合は一般より高いとされています。

また、双子の研究では、遺伝子がほぼ同じ一卵性双生児の片方にADHD(注意欠如・多動症)がある場合、もう片方にも同じような特性が見られやすいことが分かっています。こうした双子研究をもとにした分析では、子どものADHD(注意欠如・多動症)の遺伝率は約60〜90%(平均約76%)と報告されています。

一方で、成人のADHD(注意欠如・多動症)では遺伝率が30〜40%程度と低く報告されている研究もあります。

これは、子どもは保護者や教師が評価するのに対し、大人は本人の自己評価が中心になるなど、評価方法の違いが影響している可能性が指摘されています。

ASD(自閉スペクトラム症)の場合

ADHD(注意欠如・多動症)と同様に、ASD(自閉スペクトラム症)にも遺伝の影響があることが知られています。

研究では一卵性双生児で片方にASD(自閉スペクトラム症)がある場合、もう片方にも特性が見られる割合は約50〜77%と報告されています。

一方、遺伝子の共通度が低い二卵性双生児では約21〜36%にとどまります。

このように、遺伝子の共通度によって特性の表れやすさに差があることからASD(自閉スペクトラム症)にも遺伝の影響があると考えられています。

理解する上での注意点

ただ、こうした数値を見る際には注意が必要です。

「遺伝率」は「必ず発症する確率」ではない

遺伝率は、「その特性にどれくらい遺伝が関わっているか」を示すものです。「親から子へそのまま受け継がれる確率」という意味ではありません。

そのため、遺伝率が高くても必ず同じように特性があらわれるとは限らないのです。

研究によって数値にばらつきがある

遺伝に関する数値は調査方法や対象者、診断基準などによって変わります。

また、双子研究は参考になるデータですが、「同じ環境で育つ影響も含まれているのではないか」といった指摘もあります。

そのため、遺伝率の数値はあくまで目安として捉え、他の要因も含めて考えることが大切です。

発達障害かどうかを調べる方法

この章のポイント
  • 発達障害の有無は、専門の医療機関でのみ正確に判断できる
  • 遺伝子検査や出生前診断では発達障害は判定できない
  • 診断は問診・心理検査・行動観察などをもとに医師が総合的に判断する
  • 特性があるだけでなく「生活や仕事への支障」があるかが受診の目安

「自分に発達障害の特性があるか知りたい」と思ったとき、正確に判断できるのは専門機関での診断のみです。

遺伝子検査キット・出生前診断では分からない

最近は自宅で使える遺伝子検査キットもありますが、発達障害の有無はわかりません。発達障害は一つの遺伝子で決まるわけではなく、複数の遺伝子や環境が複雑に影響しているためです。

また、妊娠中に行う出生前診断でも発達障害の有無を確認することはできません。

出生前診断で調べられるのはダウン症など染色体の数の異常が中心でADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)とは異なるためです。

診断は医師の総合判断

発達障害の診断は、医師が複数の情報を組み合わせて総合的に判断するものです。一つの検査結果だけで判断されるわけではありません。

主な手順は以下の通りです。

診断の手順
問診

仕事や日常生活、人間関係で困っている場面について詳しく話します。幼少期の記録も参考にされます。

心理検査

注意力・記憶力・処理速度などを測る検査で、得意・不得意のバランスを数値で確認します。

行動観察

診察中の言葉の使い方や話の組み立て方、やり取りの様子を医師が観察します。

診断基準との照合

集めた情報をもとに、DSM-5などの診断基準と照らし合わせて判断します。

発達特性=すぐ障害ではない|「困りごとがあるか」が目安

注意が続きにくい・こだわりが強い・言葉でのコミュニケーションが苦手などの特性は、程度の差こそあれ多くの人が多少なりとも持っているものです。特性があるだけで「発達障害」と診断されるわけではありません。

医学的に「障害」と診断されるのは、その特性によって日常生活や仕事に継続的な支障が出ている場合です。目安としては、複数の場面で困りごとが続いているかどうかが判断ポイントになります。

相談の目安リスト
相談の目安
  • 仕事で抜け漏れやミスが繰り返され、改善策を試しても変わらない
  • 会議や報連相で言語化がうまくいかず、業務に影響が出ている
  • 疲れやストレスが慢性的に続き、日常生活のコントロールが難しい

こうした状態が続く場合は、特性の有無に関わらず専門家に相談することをおすすめします。診断の有無にとらわれず、「今の困りごとをどう減らすか」を一緒に考えてもらうことが、受診の大きな目的です。

今日からできる「困りごと」対策

発達障害の特性による仕事の困りごとへの対策。報連相のテンプレ化やメモ、チェックリストの活用方法
この章のポイント
  • 困りごとは診断の有無に関わらず、日常の工夫で軽減できる
  • 報連相は「結論→状況→依頼」の順でテンプレ化すると整理しやすい
  • 口頭指示は「復唱・メモ・再確認」で抜け漏れを防げる
  • タスクの見える化やチェックリストで混乱やミスを減らせる

診断の有無にかかわらず、日常の困りごとは少しずつ減らすことができます。

ここでは、発達特性のある方が取り入れやすい具体的な対策を4つの場面別に紹介します。

報連相が苦手:話す順番をテンプレ化

報告・連絡・相談が苦手で、「何から話せばいいか分からない」「話が長くなる」ということがある場合は、話す順番をあらかじめ決めておくと安心です。

話す順番のテンプレ化
ポイント
  • 結論(何の話か)
  • 状況(今どうなっているか)
  • 相談・依頼(どうしてほしいか)
具体例
〇〇の件でご報告があります。
昨日の時点で作業が80%完了しましたが、一部データに誤りが見つかりました。
修正に1時間ほどかかりそうなので、提出を午後にずらしてもよいか確認したいです。

付箋やスマホのメモに書いて手元に置き、報告・連絡・相談の前に型に当てはめて整理する習慣をつけると焦った場面でも順番通りに話しやすくなります。

口頭指示が抜ける:復唱+メモ+確認をする

口頭で指示を受けたとき、その場では理解できたつもりでも、後で内容が抜けてしまうことがあります。

この場合は以下の3ステップが有効です。

口頭指示が抜ける場合の対策
1.復唱する

指示を受けた直後に「〇〇ということですね」と声に出して確認することで、聞き漏らしを防げます。

2.すぐにメモする

復習と同時、または直後にメモを取り、「何を・いつまでに・形式」を必ず書き留めます。

3.作業前に再確認

作業前にメモを見直して内容に漏れがないか確認し、不明点は質問してから始めます。

「メモを取るのが失礼かも」と思う場合は、「確認のためメモさせてください」と一言添えると安心です。

タスクが重なると混乱する:まずは全部書き出す(見える化)

複数の依頼が同時に来ると、「何から手をつければいいかわからない」「頭の中がパンクしそうになる」という状態になりやすいです。こうした混乱を防ぐためにまず有効なのが、頭の中にあるタスクをすべて外に出す「見える化」です。 

見える化の手順(数字リスト版)
見える化の手順
  • 1
    抱えているタスクを紙やメモアプリに全て書き出す
  • 2
    「今日中・今週中・それ以外」で期限をつける
  • 3
    「今日中」のタスクだけに絞り、所要時間が短いものから順番を決める
  • 4
    一つ終わったら線を引いて消す

一度に全部やろうとせず、「今日やること」だけに絞るのがポイントです。付箋やタスク管理アプリも活用し、自分に合った方法を試してみましょう。

ミスが減らない:チェックリストの作成

「確認したつもりだったのにミスがあった」「同じミスを何度も繰り返してしまう」という場合、記憶や注意力に頼った確認では限界があることが多いです。そこで効果的なのが、確認すべき項目をリスト化しておく「チェックリスト」の活用です。

チェックリストの作り方
ポイント
過去のミスを振り返り、「何を確認していれば防げたか」を書き出す
具体例
  • メール送信前:宛先・件名・添付ファイル・本文の敬称
  • 資料提出前:ページ番号・誤字脱字・データの単位・提出先形式
  • 作業完了後:上司への報告・共有フォルダ保存・期限の確認

一度作ったリストは使い回せるので、毎回「記憶から確認」する必要がなくなります。まずは5〜6項目から始め、ミスに応じて項目を追加していくと続けやすいです。習慣化するとミスが減り、精神的余裕も生まれやすくなります。

自分だけで対処が難しいなら|受診目安と相談先

この章のポイント
  • 困りごとが続く場合は、一人で抱え込まず専門家への相談が重要
  • ミスの繰り返しや強いストレスなどが続く場合は受診の目安になる
  • 受診は精神科・心療内科が選択肢で、事前に診断対応の有無を確認する
  • 病院に抵抗がある場合は、自治体の相談窓口から始めることもできる
  • 仕事の悩みは就労移行支援などの支援サービスの活用も有効

仕事や毎日の生活でうまくいかないことが続くと「もっと自分が頑張ればいいだけじゃないか」と自分を責めてしまいがちです。

でも、もしその原因が発達特性によるものであれば、根性論だけで解決するのはとても大変です。一人で抱え込まず、専門家に相談することで、具体的な対処法が見えてくることがあります。

ここでは、受診を検討する目安や医療機関の選び方、相談先について整理します。

受診を考える目安

発達障害の受診を検討する目安。仕事のミスやコミュニケーションの悩み、強いストレスなど5つのセルフチェック項目

受診のタイミングに迷うときは、次のような状態が続いていないか、自分の状況を振り返ってみましょう。

お悩みチェックリスト(スリム版・ホバー付)
こんなお悩みはありませんか?
  • 同じミスや抜け漏れが繰り返される
  • 会議や報告の場面で言葉に詰まりやすい
  • 複数の業務で混乱し、強いストレスを感じる
  • 帰宅後も疲労感や自己否定が続き、休日も回復に時間がかかる
  • 「話が長い」「要点が分かりにくい」など周囲の指摘に負担を感じる

これらが一時的なものではなく、長く続いている・繰り返している場合は、早めに状況を整理して誰かに相談することで、対処の方向性が見えやすくなります。

まずは病院へ

発達特性による困りごとや悩みを相談したい場合、受診先として「精神科」「心療内科」が選択肢になります。

主な対象
精神科気分の落ち込みやイライラ・不安・睡眠障害など心の症状
心療内科胃痛・頭痛・倦怠感などストレスや心理的な原因から身体に症状が出るケース

すべての精神科・心療内科で発達障害の診断ができるわけではありません。

診断や心理検査を希望する場合は、受診前にウェブサイトや電話で「発達障害の診断が可能か」を確認しておくとスムーズです。

診断の大まかな流れ

診断フロー:究極のニュアンスオレンジ(クリーン版)
STEP 1
初診(問診)

日常の困りごと・幼少期の様子・仕事環境などを医師に伝える

STEP 2
心理検査

注意力・記憶力・情報処理スピードなどを測定(別日になることも)

STEP 3
結果説明・診断

検査と問診内容をもとに総合的に判断

診断までに数回の受診が必要なケースが多く、初診から診断まで数週間〜数か月かかることもあります。焦らず、時間に余裕を持って進めることが大切です。

相談先が分からないなら:自治体の窓口へ

「いきなり病院に行くのはちょっと不安…」「どこに相談すればいいか分からない」という場合は、まず自治体の相談窓口を利用するのもひとつの方法です。

各自治体には、障害福祉に関する相談を受け付ける窓口があります。現在の困りごとや状況を整理しながら、利用できる支援制度や機関を紹介してもらえます。医療機関だけでなく、生活面のサポートや就労支援など、幅広い選択肢から自分に合った方法を提案してもらえるのが特徴です。

診断を受けるか迷っている段階や、まずは話を整理したい段階でも相談できるため、初めての相談先として利用しやすい窓口です。

仕事の相談したいなら:就労移行支援

仕事に関する悩みが大きい場合は、就労移行支援の利用も選択肢の一つです。

就労移行支援は、障害や難病のある方を対象に就職に向けたサポートを行う福祉サービスです。

具体的には、以下のような支援が受けられます。

就労移行支援で受けられる支援
就労移行支援で受けられる支援
  • 自分の特性や得意・不得意の整理
  • コミュニケーションや仕事の進め方のトレーニング
  • 生活リズムの安定や体調管理のサポート
  • 体調や特性に合った仕事・職場環境の探し方のサポート
  • 応募書類の添削や面接練習
  • 職場実習や就職後の定着支援

例えば、「指示が重なると混乱しやすい」「報告がうまくまとめられない」といった困りごとに対して、具体的な対処方法を整理しながら練習することができます。

働き方に不安がある方や、環境を整えながら就職を目指したい方に向いている支援です。

就労移行支援manaby(マナビー)について

就労移行支援manaby(マナビー)では、発達障害の特性をはじめとした様々な背景を持ちながら、働くことに不安を感じている方の相談を受け付けています。

ただ「仕事を見つける」だけでなく、自分らしく働くための準備を一緒に進めていく支援を大切にしています。

就労移行支援マナビーのサポート
体調管理やストレス対処のサポート
毎日を安定して過ごすためのサポートを行います。
自分のペースで学べる eラーニング「マナe
PC・ITスキルを無理なく習得することができます。
外出が不安なときも安心の在宅支援
※ 在宅訓練の利用可否は、お住まいの自治体によって異なります。
就職支援(履歴書・面接・求人探し)
履歴書の作成・面接練習・求人探しのアドバイスなどを行います。
働き始めた後も定着サポート
職場との連携・フォローがあり、就職後も安心の体制です。

発達障害の遺伝に関するよくある質問

発達障害と遺伝について調べていると、「実際はどうなのかな?」と迷うことがあります。ここでは、よくある疑問と回答をまとめました。

親が発達障害だと、子どもも必ず発達障害になりますか?

親に発達障害の診断がある場合、子どもに似た特性が出る可能性は一般の家庭よりやや高いとされていますが、必ずお子さんも発達障害になるというわけではありません。

発達障害は、病院に行けばすぐ診断されますか?

初診当日に診断が出ることは、ほとんどありません。

発達障害の診断は、問診・心理検査・行動観察などを組み合わせて、医師が総合的に判断するものです。そのため、初診から診断が確定するまでに、複数回の受診が必要になることが多いです。

クリニックによっては、初診の予約自体が数週間〜1か月以上先になる場合もあります。また、心理検査を受けた場合は、検査実施日から結果が出るまでにおよそ3週間〜1か月程度かかるのが一般的です。

診断や検査にはお金がかかりますか?費用は?

診断や心理検査にかかる費用は医療機関によって異なります。特に検査費用は保険適用になる場合とならない場合があるため、受診前に確認しておくと安心です。

費用の目安
診察のみ
2,000〜3,000円程度
心理検査
5,000〜15,000円程度
診断書の作成
3,000〜10,000円程度

全て合わせると、目安として15,000〜40,000円程度かかります。

受診するなら、精神科・心療内科のどちらがいいですか?

受診を検討する場合は、困りごとの内容に合わせて選びましょう。

受診先の判断の目安
ストレスによる頭痛・だるさ・食欲不振など身体の不調が中心
心療内科
気分の落ち込みやイライラ・不安・睡眠障害など心の症状が中心
精神科

発達障害の受診や診断は、職場にバレることはありますか?

医療機関での受診内容や診断結果は、本人の同意なしに職場に伝わることはありません。医師や医療スタッフには守秘義務があり、診療情報が外部に共有されることは基本的にありません。

ただし、健康診断の際に服薬状況から間接的に知られる可能性はあるため、心配な場合は医師に相談すると安心です。

大人になってから受診するメリット・デメリットは?

大人になって受診することで、自分の特性を整理できるメリットがあります。

これまで「なぜうまくいかないのか分からない」と感じていた困りごとの理由が見えることで、対処方法を考えやすくなります。仕事の進め方や環境の調整にもつなげやすくなります。

一方で、診断によって不安が強くなることや、診断を受けたからといってすぐに状況が変わるわけではない点にも注意が必要です。診断はゴールではなく、今後の対処や選択肢を広げるための手段と捉えることが大切です。

発達特性は人それぞれ|遺伝かどうかより、「困りごと」を減らすことが大切

発達障害には遺伝の影響がありますが、「遺伝=みんな同じように困る」というわけではありません。特性の出方や、どんなことでどれくらい困るかは人それぞれ違います。

大切なのは、遺伝かどうかにこだわるよりも今感じている困りごとにどう向き合うかです。例えば、報告の順番を決めて話す、指示をメモに残す、タスクを一度書き出すといった工夫だけでも仕事の進めやすさは変わります。

それでもうまくいかない場合は、医療機関や支援機関で相談してみるのも一つの方法です。自分に合った対処を見つけることで、「なぜできないのか分からない」という状態から少しずつ抜け出せます。

「遺伝かどうか」よりも、「困りごとを減らすために自分ができること」に意識を向けることが大切です。

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多鹿 友愛

臨床心理士/公認心理師
大学院修了後、児童発達支援事業所やクリニック、市町村で療育・相談業務に従事。発達障害や不登校、対人関係の悩みなど幅広い相談に対応している。発達障害のある家族をもつ当事者視点や、子育て中の母としての経験を活かし、保護者に寄り添い、支援を行っている。

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