【発達障害(ADHD・ASD・LD)224名にアンケート】夏の通勤・出社でつらいことは?
夏本番の時期になると、通勤や出社そのものに大きな負担を感じやすくなります。
特に発達障害のある方の中には、汗のべたつきや冷房との温度差に、人一倍つらさを感じる方も少なくありません。
そこで今回は、発達障害(ADHD・ASD・LD)のある224名を対象に、夏の通勤・出社で負担に感じることをアンケート調査しました。
あわせて、具体的なエピソードや実際にしている対策についても聞いています。
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アンケート概要

調査内容:「発達障害(ADHD・ASD・LD)の方への、夏の通勤・出社で負担に感じること」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月10日~2026年7月24日
調査人数:224名(男性94名 女性130名)
年代:10代(2名)・20代(56名)・30代(99名)・40代(58名)・50代(7名)・60代以上(2名)
- 年齢を選択してください。
- 性別を選択してください。
- あなたの発達障害の診断名を教えてください。(複数選択可)
- 夏の通勤・出社で、最もつらいと感じることは何ですか?
- 具体的なエピソードがあれば、教えてください。
- 実際にしている対策があれば、教えてください。
夏の通勤・出社で最もつらいのは「汗や服のべたつきなどによる身体の不快感」

- 汗や服のべたつきなどによる身体の不快感 29.5%(66票)
- 暑さによる集中力や注意力の低下 23.7%(53票)
- 暑さによる体力の消耗 22.3%(50票)
- 汗・制汗剤などのにおいや強い日差しによる刺激 12.5%(28票)
- 気温差や冷房による体調不良 11.2%(25票)
- その他 0.4%(1票)
- 特にない 0.4%(1票)
※小数点第2位以下は四捨五入
最も多かったのは「汗や服のべたつきなどによる身体の不快感」で29.5%(66票)でした。次いで「暑さによる集中力や注意力の低下」23.7%(53票)、「暑さによる体力の消耗」22.3%(50票)と続きます。
汗そのものの不快感だけでなく、集中力や体力への影響も上位に挙がっており、暑さが心身の両面に負担をかけていることが分かります。
夏の通勤・出社|つらさのエピソード
駅まで歩くだけで汗をかき、服が肌に張り付いて不快になります。会社に着いてもしばらく汗が引かず、気持ちを切り替えるまで時間がかかることがあります。
感覚過敏があるため、汗でシャツが肌に張り付く感覚に耐えられず、出社するだけで酷く疲れてしまいます。
夏場は通勤中の暑さだけで体力を激しく消耗してしまい、オフィスに到着した時点で頭がボーッとしてしまいます。その結果、午前中のタスクに対する集中力が著しく低下し、普段ならしないようなケアレスミスが増えてしまうのがとても辛いです。
夏は通勤だけで体力を消耗してしまい、職場に着いた時点で疲れを感じることがあります。暑さで頭がぼんやりしやすく、仕事の優先順位を間違えたり、確認不足によるミスが増えたりすることがありました。満員電車の暑さも重なり、出社直後は集中するまでに時間がかかります。
真夏の通勤では暑さで体力を消耗し、職場に着く頃には集中力が落ちてしまいます。ADHDの特性もあり、普段以上に忘れ物や確認漏れが増えやすくなるため、朝の業務開始直後は特にミスをしないよう意識しています。
外は暑く、交通機関や建物のなかは冷房が強く効いているため、寒暖差に曝されることが多く、体調やメンタルを崩しやすい。
汗や制汗剤などの匂いがキツくて気持ちが悪くなる事がある。特に自分の匂いよりも他人の匂いに敏感。
寄せられたコメントを見ると、汗や服のべたつきそのものへの不快感だけでなく、それが集中力や仕事のミスにまでつながっている様子が分かります。
満員電車での身体的な不快感や、冷房との温度差で体調を崩す方もいました。
発達障害の特性による感覚過敏が、夏特有の身体感覚をより強く受け止めさせている背景にあると考えられます。
実際にしている対策は?
通勤時には速乾性のある服を選び、冷感タオルを持ち歩いています。また、駅に着いたらすぐに汗を拭くようにしています。
通勤時間を少し早めて混雑を避けるようにしています。冷感タオルや携帯用扇風機を使い、水分補給を意識しています。職場に着いたらすぐに冷たい飲み物を飲み、数分間落ち着いてから仕事を始めることで、集中力を切り替えやすくしています。
保冷剤等で首を冷やしたり、サングラスをかけたり、日除けのパーカーを着たり、避けられる時は電車を避けたり、迷走神経反射のような症状が起きそうになったら御手洗等に行って落ち着かせたりしている。
「薄手の羽織物やストール等を一枚、鞄に入れるようにして、冷えを感じた時にいつでも身につけられるようにしている。
メモに仕事の優先順位を書いて、一つ一つこなすようにしています。本当に限界な時は先輩に正直に話して助けてもらっています。
通気性の良い服装を選び、冷感タオルや携帯扇風機を使用しています。こまめに水分と塩分を補給し、少し早めに家を出て余裕を持って通勤することで、落ち着いた状態で仕事を始められるよう心掛けています。
人が混む時間帯を避けることと、夏でもマスクをして匂いを嗅がないよう口で呼吸するようにしている。
対策のコメントを見ると、冷感タオルや保冷剤といったグッズの活用に加え、混雑や匂いの刺激を避ける行動面の工夫も多く挙がっていました。自分に合った対策を組み合わせている方が多いようです。

ASDのある方は、気温差や冷房による体調不良をつらいと感じる割合がADHDのある方より高かった

- 汗や服のべたつきなどによる身体の不快感 29.2%(14票)
- 気温差や冷房による体調不良 18.8%(9票)
- 暑さによる集中力や注意力の低下 18.8%(9票)
- 汗・制汗剤などのにおいや強い日差しによる刺激 18.8%(9票)
- 暑さによる体力の消耗 14.6%(7票)
- 汗や服のべたつきなどによる身体の不快感 31.2%(50票)
- 暑さによる集中力や注意力の低下 25.6%(41票)
- 暑さによる体力の消耗 23.8%(38票)
- 汗・制汗剤などのにおいや強い日差しによる刺激 11.2%(18票)
- 気温差や冷房による体調不良 7.5%(12票)
※小数点第2位以下は四捨五入
ASDのみと回答した方では「気温差や冷房による体調不良」が18.8%(9票)と挙がっていました。一方で、ADHDのみと回答した方では7.5%(12票)にとどまり、順位でも最下位でした。
一方で、「汗や服のべたつきなどによる身体の不快感」はどちらのグループでも最も多く、共通してつらさの中心になっていることが分かります。
つまり、汗やべたつきへのつらさは診断名を問わず共通している一方で、気温差や冷房への感じ方には診断名によってややギャップがあったといえそうです。
夏の通勤・出社のつらさは、汗や体力の消耗だけでなく、気温差や冷房にも表れていた
今回のアンケートでは、夏の通勤・出社で最もつらいと感じることとして「汗や服のべたつきなどによる身体の不快感」が29.5%(66票)で最も多いことが分かりました。
次いで「暑さによる集中力や注意力の低下」23.7%(53票)、「暑さによる体力の消耗」22.3%(50票)と続き、汗そのものの不快感だけでなく、集中力や体力への影響も大きいことが見えてきました。
寄せられたコメントからは、汗や服のべたつきが集中力の低下や仕事のミスにまでつながっている様子や、満員電車での身体的な不快感も見えてきました。
実際にしている対策としては、冷感タオルや携帯扇風機、保冷剤といったグッズの活用に加え、混雑を避けるといった行動面の工夫も多く挙がっていました。
また、診断名別に見ると、ASDのある方はADHDのある方に比べて「気温差や冷房による体調不良」をつらいと感じる割合が高いことも分かりました。
一方で、「汗や服のべたつきなどによる身体の不快感」はどちらのグループでも最も多く、共通のつらさとなっていることも分かりました。
発達障害の特性による感覚過敏が、夏特有の汗や温度差への感じ方をより強くしている背景にあると考えられます。
夏の通勤・出社のつらさは、暑さそのものだけで語れるものではありません。
自分に合った対策を見つけて取り入れることや、つらさの感じ方には個人差があることを周囲に伝えていくことが、夏を乗り切るための大切なポイントだといえそうです。