ニートになる原因7選:抜け出す方法までをわかりやすく解説
- 「ニート」とは?
- ニートになる主な原因7選
- 1.学校生活でのつまずき・いじめ・不登校経験
- 2.働く環境が合わず、短期離職を繰り返してしまう
- 3.うつ・適応障害などメンタル面の不調
- 4.「やりたいことがわからない」という迷い
- 5.働きたくない・意欲がわかない
- 6.家庭環境や親との関係
- 7.働かなくても生活できる環境
- ニートになりやすい方の特徴5選
- 1.人との関わりに苦手意識がある
- 2.自己肯定感が低く、自分を責めがち
- 3.完璧主義で、失敗を過度に恐れてしまう
- 4.受け身な性格で、自分から動き出しにくい
- 5.欲がなく、将来への関心が薄い
- 「病気かも?」と感じたら相談を
- 「やる気が出ない」「眠れない」などはSOSのサイン
- ニート状態の背景にあることが多い「心の不調・病気」
- 相談できる医療機関とは?
- 初診の流れと準備しておくと良いこと
- 費用の目安
- 【体験談あり】「脱ニート」するための方法
- 安心できる「他者」がいる場所に身を置く
- できたことを一緒に認めてもらう
- 相談できる場所を続けて持つ
- 気が進まなくても、少しやってみる
- ニートから就職を目指すためのステップ
- ステップ1:興味・関心を見つける
- ステップ2:将来の方向性を考える
- ステップ3:アルバイトや短時間勤務から慣れていく
- ステップ4:支援機関でスキルを身につける
- 相談・サポートを受けられる主な機関一覧
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- ハローワーク
- 就労移行支援
- 就労移行支援manaby(マナビー)について
- 支援を受けることは「甘え」ではない
- 「ニートの原因」に関するよくある質問
- ニートは甘えですか?
- ニートを続けるとどうなりますか?
- 再就職は何歳まで可能ですか?
- 原因を知ることが、再スタートの第一歩
「ニート」という言葉を目にすると、「自分はなぜこうなってしまったのか」「努力が足りないだけなのではないか」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
しかし実際には、ニート状態に至る背景は一つではなく、学校生活でのつまずき、職場環境とのミスマッチ、家庭環境、メンタル面の不調など、さまざまな要因が重なっているケースが多く見られます。
本人の意思や努力だけで説明できる問題ではないことも少なくありません。
この記事では、ニートになる主な原因を7つに整理したうえで、「なぜ抜け出しにくくなるのか」「今の状態から何ができるのか」を、できるだけ分かりやすく解説します。
「ニート」とは?

この章のポイント
- ● ニートとは、15~34歳の「非労働力人口」にあたる若年層を指す
- ● 学校にも通わず、求職活動もしていない独身者が対象となる
- ● 「働いていない人すべて」がニートに該当するわけではない
厚生労働省や内閣府では、ニートを次のように定義しています。
「15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者」
つまり、「働いていない=すべてニート」ではなく、「学校にも通わず、働くための活動もしていない若年層(15~34歳)」がニートに該当します。
参考:厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」
ニートになる主な原因7選

この章のポイント
- ● ニートの背景には、学校・仕事・家庭・心身の不調など複数の要因が重なっている
- ● いじめや不登校、職場が合わない経験が自信喪失や働く不安に繋がることがある
- ● 家庭環境や生活状況によって、働くきっかけを逃す場合もある
ニートになる背景は、ひとつの理由だけでなく、環境・性格・体験・心の状態などが複雑に絡み合って生じるものです。ここでは、よく見られる主な原因を紹介します。
1.学校生活でのつまずき・いじめ・不登校経験
学生時代にいじめや不登校を経験した方の中には、「人間関係で傷ついた」「学校や社会に居場所がなかった」「努力しても報われないと感じた」といった体験から、大人になっても働くこと・人間関係に対する不安や恐怖を感じていることがあります。
厚生労働省の調査によると、高校・大学・短大・専門学校の中退者を合わせると3割を超え、高校生の16.6%、大学・短大生の25.8%が「1か月以上の長期欠席」を経験しているとされています。さらに、全体の37.1%が不登校を経験しているというデータもあります。
2.働く環境が合わず、短期離職を繰り返してしまう
厚生労働省の調査によると、ニート状態になる前に働いた経験がある方は64.4%にのぼり、1週間未満の離職経験が44.1%というデータも示されています。このことから、多くの方が「仕事が長く続かない」という悩みを抱えていることが分かります。
職場での失敗やストレスが重なると、「また怒られるかもしれない」「自分は仕事ができないのでは」「職場の人と関わるのが怖い」といった不安が強くなり、結果として、「働くことそのもの」に恐怖を感じてしまいます。その積み重ねが短期離職 → 自信喪失 → 行動できない → ニート状態の長期化という悪循環に入ってしまうことがあります。
また、能力や意欲の問題ではなく、職場の人間関係や働き方が合わなかったことが原因で、働き続けられなくなるケースもあります。
3.うつ・適応障害などメンタル面の不調
うつ病や適応障害、発達障害などが関係している場合、「やる気が出ない」「何も楽しめない」「朝起きられない」といった症状が現れることがあります。
これらは決して「怠け」ではなく、脳や心が疲れているサインです。しかし、「頑張ればなんとかなるはず」と誤解して無理に行動し続けると、症状が悪化し、さらに動けなくなることがあります。
厚生労働省の調査では、全体の49.5%が「ひきこもりを経験」し、同じく49.5%が「精神科または心療内科での治療経験がある」と回答していて、ニート状態とメンタル不調が密接に関連していることが分かります。
4.「やりたいことがわからない」という迷い
仕事での失敗や人間関係のストレスが続いた後は、「興味がわかない」「気持ちが動かない」 といった状態になりやすく、結果的に「自分には何が向いているのか分からない」「やりたいことが見つからない」と何を選べばいいのか判断する力も落ちてしまいます。
また、この「やりたいことが分からない」という感覚は、うつ病・適応障害などのメンタル面の不調が影響している場合もあります。
5.働きたくない・意欲がわかない
「働くことに価値を感じられない」「疲れたから休みたい」と感じることは、心や体が疲れている時にごく普通に起こりうる反応です。
実際、働く意欲が湧かない背景には、
- 過去の仕事でのストレスや人間関係の負担
- 心身の疲労や睡眠の乱れ
- うつ病・適応障害などのメンタル不調
- 自己肯定感の低下
などが潜んでいることがあります。
6.家庭環境や親との関係
家庭環境は、ニート状態に影響を及ぼしています。
青森県庁の調査では、公的機関や民間団体の相談担当者から、家庭環境に関する以下のような指摘が挙げられています。
- 家庭内依存が長期継続し、社会から疎遠となり、社会へ無関心になっている。
- 自分の意志ではなく、親の考え、意見を受けて職業選択している。
- 過保護・過干渉又は放任の親が多い。事業所や職種について親の介入が強いケースが見受けられる。
- 過保護・過干渉により、子どもをある意味で支配しようとしたがる保護者が多い。
こうした背景は、「本人の努力不足」という単純な問題ではありません。育ってきた環境や家族との関係性が、知らず知らずのうちに影響を及ぼしている可能性があるのです。親子と言えど、ある程度の年齢になると適切な距離感で見守りをすることが大切になります。
7.働かなくても生活できる環境
経済的に支援してくれる家族がいたり、実家暮らしで生活が成り立っている場合、働かなくても日常生活が送れてしまうことがあります。
青森県庁の調査では、公的機関や民間団体の相談担当者から、経済に関する以下のような指摘が挙げられています。
- 「働いた方が良い」とは思っているが、働く必要性に迫られておらず(親と同居しているため働かなくても生きていける環境にある等)就職活動に必死にならない。
- 親が小遣いを与えている。
こうした環境は、一見すると 「恵まれている」 と見られることもありますが、実際には、働くきっかけを得る機会が奪われてしまうという側面もあります。また、親の入院や失業によって家計が悪化するなど、何か大きなきっかけがないと意識を変えることが難しい場合もあります。
参考:青森県庁「若者自立支援のための実態把握調査」、厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究報告書」
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
親が子どもを突き放す意識を持つことが、自立への一歩となります。親子共に共依存状態が長期にわたって継続していると、専門機関が関わっても結局自立できないことがあります。長期化すると8050問題につながりかねません。
ニートになりやすい方の特徴5選

この章のポイント
- ● 対人不安や人付き合いの苦手意識が、社会参加のハードルを高くしてしまう
- ● 自己肯定感の低さや完璧主義が、挑戦への恐れに繋がりやすい
- ● 受け身な姿勢や決断の難しさから、進路や就職を先延ばしにしやすい
- ● 将来への関心や欲求が薄れることで、働く動機を見失いやすくなる
ここではニートになりやすい方の特徴を紹介します。
1.人との関わりに苦手意識がある
対面での会話が苦手だったり、初対面の場面で強い緊張を感じるタイプの方は、学校や職場でも人間関係が負担になりやすい傾向があります。「どう思われるのだろう」「うまく話せなかったらどうしよう」という不安が積み重なると、徐々に人との関わりを避けるようになり、その結果、社会参加の機会が減っていくことがあります。
厚生労働省の調査でも、ニート状態にある若年層の 64.6%が「人に話すのが不得意」と回答しており、対人不安の強さがニート状態と深く関わっていることが明らかになっています。
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
場面緘黙症や対人恐怖症など、精神科で診断が付く場合もあります。診断が付くと医師の意見書を書いてもらうことにより、障碍者手帳や自立支援医療が無くても福祉サービスに繋げることが可能になる場合もあります。
2.自己肯定感が低く、自分を責めがち
自己肯定感が低く、「自分はダメだ」「周囲に迷惑をかけている」と感じやすい方は、できない自分を過度に責めてしまう傾向があります。このような自己否定が積み重なると、挑戦したい気持ちはあっても動き出せず、さらに自信を失うという悪循環に陥りやすくなります。
厚生労働省の調査では、無業状態の若者の82.8%が「仕事をしていないことにうしろめたさを感じる」 と回答しています。
また、同調査では 80%前後が「世間体が悪い」「ニート状態であることが精神的に負担」 と感じていることも分かっており、自己肯定感の低下や罪悪感が心理的な負担となり、行動をより難しくしてしまっています。
3.完璧主義で、失敗を過度に恐れてしまう
一見すると「真面目で責任感がある人」ですが、完璧にできないと自分を否定してしまう傾向があります。
小さなミスでも「もう無理だ」と感じやすく、挑戦よりも「失敗を避ける」ことを優先してしまうため、社会参加のハードルがどんどん高くなることがあります。
厚生労働省の調査でもニート状態の背景には、「失敗経験による自己評価の低下」 が影響している可能性があると指摘されており、完璧主義や失敗への強い恐れが行動意欲を下げる一因となり得ることが示されています。
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
白黒思考、100ぜロ思考と呼ばれ、適度な判断が難しい状態です。発達障害(特にアスペルガー)が要因となっているケースもあります。本人が自分の思考の癖を認識することが大切ですが、自分は間違っていないと主張し、なかなか難しい場合もあります。
4.受け身な性格で、自分から動き出しにくい
厚生労働省の調査によると、ニート状態の若者に共通する印象として、人や物事に対する「受動性」がしばしば指摘されています。
具体的には
- 自分から積極的に動き出しにくい
- 物事の決定を他者に委ねやすい
- 何をしたいかわからない
といった状態に陥りやすく、結果として進路選びや就職活動の場面でも迷いやすくなってしまいます。
5.欲がなく、将来への関心が薄い
厚生労働省の調査では、無業状態の若者に「収入の使い道」を尋ねた際、「特に買いたい物がないので、とりあえず貯金する」という回答が多く見られています。
また、人生設計についても「今は先のことは考えていない」と答えることが目立ち、将来への希望や欲求が希薄になりやすい傾向が示されています。
参考:厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究報告書」
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
趣味や楽しみを見つけることで、使い道が生まれることもあります。また、貯金が趣味ということを否定せず、目標金額を具体的に設定すると意欲を高めることにつながります。
「病気かも?」と感じたら相談を

この章のポイント
- ● ニート状態の背景には、うつ病や適応障害などのメンタル不調が関係していることが多い
- ● 「やる気が出ない」「眠れない」などは怠けではなく、心からのSOSサインである可能性がある
- ● 病名や状態は自己判断せず、精神科・心療内科など専門機関に相談することが大切
先ほども言及したように、厚生労働省の調査によると、49.5%が「精神科または心療内科での治療経験がある」と回答しています。これは、ニート状態とメンタル不調が密接に関連していることが分かります。
また、労働政策研究・研修機構の調査でも、ニート状態にある「非求職無業者」が就業を希望しない理由として、最も多かったのは 「病気・けがのため」 という回答でした。この「病気」には、身体の不調だけでなく うつ病や適応障害などのメンタルヘルスの問題 が含まれていると考えられています。
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③」
「やる気が出ない」「眠れない」などはSOSのサイン
「何もやる気が出ない」「朝起きられない」「夜眠れない」などの状態は、単なる疲労ではなく、心のSOSが表れているサインである可能性があります。これらは本人の心が弱いのが原因ではなく、誰にでも起こりえることです。
- 気分の落ち込み(憂うつ):何をしても悲観的になる・突然涙が出る
- 興味や関心の低下(おっくう感):好きなことにも興味がわかない・入浴が家事ができなない
- 不安・焦り:理由のない不安、イライラが続く、細かいこと、他人の言動に過敏になる
- 思考力の低下:判断できない、頭が回らない(いつもより作業が遅くなる、いつもできていたことに集中できない)
- 食欲・体重の変化:食欲がない/急に増える、体重の急な増減
- 睡眠トラブル:寝つけない、途中で起きる、早朝に覚醒する
- 身体の不調:頭痛、めまい、吐き気、腹痛など原因不明の症状
- 強い疲労感:十分寝ても疲れが取れない、朝からぐったりしている、布団から出られなくなる
参考:厚生労働省「うつ病を防ぐ」
ニート状態の背景にあることが多い「心の不調・病気」
ニートという状態そのものは病気ではありませんが、次のような疾患が影響している場合があります。
- うつ病
- 適応障害
- 不安障害
- 発達障害(ADHD・ASD)
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
まずは適切な医療機関を受診し、自分の状態を客観視してもらったり、服薬によって少しずつ改善させていくことが大切です。病名や障がい名を自己判断せず、専門機関の意見を聞いてみるようにしましょう。精神疾患の場合は治療によって、メンタル関連の課題だけではなく、身体症状や生活の状態が改善することが多くあります。
相談できる医療機関とは?
メンタル面の不調を感じた時に相談できる主な医療機関は次のとおりです。
| 医療機関名 | 主に扱う症状・疾患 | 向いている相談内容 |
|---|---|---|
| 精神科 | うつ病・適応障害・双極性障害・統合失調症・不安障害・パニック障害など「こころの病気」 | 強い不安、深い落ち込み、幻覚・妄想、希死念慮、生活に支障がある精神症状 |
| 心療内科 | ストレスによる身体症状(頭痛、胃痛、めまい、動悸など) | 身体の不調とメンタルの関係を診てほしい場合 |
最近では「メンタルクリニック」という名称の施設が増えており、精神科と心療内科を一緒に診療しているクリニックも多く見られます。そのため、受診する際に「精神科と心療内科のどちらが正しいのか」と気にする必要はありません。精神科を受診することに抵抗がある場合は、まず心療内科に連絡してみることもお勧めです。
初診の流れと準備しておくと良いこと
受診の流れは次のようなものが一般的です。
- 予約をする(電話やWeb)
- 問診票に具体的な症状を書く
- 医師との面談で状況を説明する
- 必要に応じて検査や治療方針の提案がある
初診時は緊張してうまく話せないこともあるため、以下のことを事前にメモしておくとスムーズです。
- いつから不調を感じているか
- 日常生活にどのような影響が出ているか
- 睡眠・食事・行動の変化
- 職場や学校での出来事
- 飲んでいる薬や既往歴
- 家族関係・生活
費用の目安
心療内科や精神科の診察費は保険適用されます。一般的には次のような金額が目安です。
- 初診:3,000〜5,000円程度
- 再診:1,000〜3,000円程度
- 薬代:数百円〜2,000円前後
【体験談あり】「脱ニート」するための方法

この章のポイント
- ● 脱ニートの第一歩は、いきなり就職ではなく「心と生活の土台」を整えること
- ● 信頼できる第三者や支援スタッフとの関わりが、不安を和らげ行動のきっかけになる
- ● 小さな「できた」を認めてもらうことで、自信が積み重なり行動が続けやすくなる
- ● 相談できる場所とつながり続け、気が進まなくても少しずつ試すことが脱ニートにつながる
ニートの状態から抜け出すには、いきなり就職活動を始める必要はありません。むしろ、心と生活の土台を整えることが最初のステップになります。
安心できる「他者」がいる場所に身を置く
厚生労働省の調査では、脱ニートに進むきっかけとして最も効果的だったのは、「信頼できる他者との関わり」であると報告されています。
支援スタッフなど、親でない第三者と関わることで、
- 孤独感が和らぐ
- 自分を否定しない大人と出会え
- 「ここにいていいんだ」と感じられる安心感が生まれる
こうした小さな安心が積み重なることで、人との距離感が少しずつつかめるようになります。
できたことを一緒に認めてもらう
厚生労働省の調査では、支援スタッフに小さな行動を認めてもらうことが大きな動機づけになると示されています。
- ほんの小さな行動(挨拶ができた、外出できたなど)でも「誰かが見てくれる」
- 小さなことでも「できたね」と声をかけてもらえる
小さな「できた」を一緒に確認できる相手がいると、自分でも気づけなかった進歩を実感しやすくなり、自信が積み重なり、行動が続けやすくなります。
参考:厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び 支援策に関する調査研究報告書」
相談できる場所を続けて持つ
厚生労働省の調査では、ニート状態から抜け出せた方の多くが、「訓練後・就職後も誰かと繋がり続けていた」ということが分かっています。
例えば就労移行支援manaby(マナビー)では、就職後に定着支援という形で最長6ヶ月相談ができます。同調査では、訓練後のフォローや職場と支援スタッフの連携によって、仕事が続けやすくなるケースが多いことが報告されています。
また、必要な場面では会社との橋渡し役もしていただけたので、「どう伝えればいいのかわからない」という不安を抱えずに、環境を整えて働き続けることができました。
らない」という不安を抱えずに、環境を整えて働き続けることができました。
気が進まなくても、少しやってみる
厚生労働省の調査では、「最初は気が進まなかったが、周囲の勧めで支援につながり、結果的に良い経験になった」というケースが報告されています。
やる前は不安でも、実際に動いてみることで「思っていたより大丈夫だった」「相談できる人ができて安心した」と感じるかもしれません。
また、必要な場面では会社との橋渡し役もしていただけたので、「どう伝えればいいのかわからない」という不安を抱えずに、環境を整えて働き続けることができました。
ニートから就職を目指すためのステップ

この章のポイント
- ● ニートから就職を目指すには、いきなり正社員ではなく段階を踏むことが大切
- ● 興味・関心や働き方の条件を整理することで、仕事選びのミスマッチを防げる
- ● アルバイトや短時間勤務など、負担の少ない働き方から社会に慣れていくと良い
ニート状態から社会復帰するには、「いきなり正社員」ではなく、段階を踏むことが成功するポイントです。
ここでは、取り組みやすい4つのステップを紹介します。
ステップ1:興味・関心を見つける
就職活動の最初の一歩は、「自分が興味を持てること」を知ることです。
興味がない仕事を無理に選ぶと、続かなかったり早期離職につながることがあります。
まずは、下記のような軽い行動から始めてみましょう。
- 少し気になる職種をネットで調べる
- 好きなこと・得意なことを書き出してみる
- やりたくないこと・苦手なことを書き出してみる
- 嫌だった仕事の理由を書き出して、逆の条件を整理する
ステップ2:将来の方向性を考える
興味や関心が少し見えてきたら、次は「どんな働き方をしたいか」「自分にとって無理のない仕事は何か」を整理してみましょう。
これは「職探しの軸」を作る作業で、迷いや不安を減らし、仕事選びのミスマッチを防ぐ助けになります。
具体的には:
- どんな働き方がしたい?(在宅/通勤、フルタイム/短時間)
- 人と関わる仕事がいいか?コツコツ型の仕事がいいか?
- 人と関わる場合なら、どんなタイプの人なら大丈夫か、苦手なのか
- 体調にどんな配慮が必要か?
- 長く続けるために必要な環境は?
こうした「働き方の条件」を言語化しておくことで、自分に合わない仕事を選んでしまうリスクが減り、就職活動がぐっと進めやすくなります。
ステップ3:アルバイトや短時間勤務から慣れていく
長期間働いていないと、生活リズム・体力・コミュニケーションなどに不安が出やすくなります。
そのため、いきなり正社員を目指さずに、
- 週2〜3日からのアルバイト
- 短時間のパート
- 在宅の軽作業
など、負担の小さい働き方で社会に慣れるのが現実的です。
特に「働くの久しぶりで怖い」という方には、
- 仕事内容がシンプル
- シフトの融通がきく
といった環境から始めると続けやすくなります。
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
最近はタイミーなどを使ってスポットワークを色々と経験し、自分の向き・不向きを認識できたというケースもあります。
ステップ4:支援機関でスキルを身につける
「いきなり働くのは不安」「面接や書類が苦手」という方は、支援機関を利用して準備することも効果的です。
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- ハローワーク
- 就労移行支援
相談・サポートを受けられる主な機関一覧

この章のポイント
- ● サポステやハローワークは、無料で利用でき、情報収集や相談だけでも活用できる
- ● 就労移行支援では、訓練から就職・定着まで一貫したサポートを受けられる
ニート状態から抜け出すために、相談先を持つことは大きな助けになります。国や自治体が提供している支援サービスは、費用を抑えつつ利用できるものが多く、「何から始めればいいかわからない」という段階でも気軽に使えます。
ここでは、代表的な支援機関を紹介します。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーションは、15〜49歳の「働きたいけれど一歩踏み出せない」若者を支援する公的な相談窓口です。
カウンセリング・職業相談・コミュニケーション講座・職場体験など、社会復帰に向けたサポートを幅広く提供しています。
- 無料で利用できる
- 心理面の不安にも対応(心理相談員がいるところも)
- 社会参加の練習になるプログラムが豊富
「まず相談だけしたい」「人と話す練習から始めたい」という方に向いています。
ハローワーク
全国のハローワークでは、ニートや無職の方に向けた相談窓口が用意されています。
求人紹介だけでなく、仕事探しの基本から丁寧にサポートしてくれます。
- 求人の種類が豊富(一般求人+障害者雇用)
- 職業訓練校の紹介も可能
- 職場実習や面接対策を行うケースもある
- 障害者専用窓口を利用すれば配慮ある求人に出会いやすい
「とりあえず情報収集したい」「まずは仕事を探してみたい」方に向いています。
就労移行支援
うつ病・発達障害・適応障害など、メンタル面の不調や障害がある方が利用できる福祉サービスです。
働くためのスキル習得から就職活動、職場定着まで一貫して支援してくれます。
- パソコン・ビジネスマナー・コミュニケーションなどの訓練が受けられる
- 週1〜2日、短時間から通所できる
- 面接同行・職場との調整などのサポートが手厚い
- 就職後も長く働けるように定着支援がある
「働きたいけど自信がない」「何から始めればいいかわからない」という方に特に向いています。利用料は原則1割自己負担ですが、就労移行支援manaby(マナビー)では8割の方が自己負担額0円で利用しています。
就労移行支援manaby(マナビー)について
就労移行支援manaby(マナビー)は、うつ病や発達障害などの障害のある方が、一般就労を目指すための支援施設です。
「毎日通所するのが不安」「体調に波がある」「人との関わりに疲れてしまう」といった方でも、体調や生活リズムに合わせて、無理のないペースで「働く準備」を進めることができます。
- eラーニングシステム「マナe」を活用した学習サポート
- Webデザインやプログラミングなど、ITスキルの習得
- チャットを通して、いつでも支援員に相談できる
- 通所が難しい方への在宅支援や柔軟なスケジュール調整
※在宅訓練の利用可否ついてはお住いの自治体によって異なります - 就職活動のサポートや、就職後6か月間の定着支援 など
障害者手帳が必要がない場合もあるので、一度就労移行支援に問い合わせをしてみることをおすすめします。
支援を受けることは「甘え」ではない
支援機関には、ニート状態からの自立を専門的にサポートする仕組みが整っています。
利用することで、
- 何から始めればいいか分からないを解消してくれる
- 自分に合う働き方を一緒に整理してもらえる
- 応募書類や面接の準備を手伝ってもらえる
- 不安やつまずきを相談できる相手ができる
これらは個人の努力だけでは補いにくい部分であり、支援を利用することで迷いが少なくなり、再スタートまでの時間を短縮でき、負担を軽くすることができます。
支援を使うことは決して「甘え」ではなく、自分の人生を立て直すための力を借りる、賢い方法です。
「ニートの原因」に関するよくある質問

ここでは「ニートの原因」に関するよくある質問を紹介します。
ニートは甘えですか?
いいえ、甘えではありません。
ニート状態の背景には、精神的な疲労・過去のトラウマ・家庭環境・経済状況・体調不良・自己肯定感の低下など、多くの要因が複雑に関係しています。
ニートを続けるとどうなりますか?
長期間のニート状態は、生活リズムの乱れや社会的な孤立が強まり、
次のような影響が生じる可能性があります。
【考えられる影響】
- 家族以外と話さなくなり、対人不安が強くなる
- 仕事に対する自信がますます低下する
- 年齢が上がるほど、未経験の仕事に応募しづらくなる
社会福祉士/精神保健福祉士/相談支援専門員
森 彩佳
なるべく短期間のうちにニートから脱出した方が社会復帰の予後も良いとされています。
再就職は何歳まで可能ですか?
結論からいうと、年齢に関係なく再就職は可能です。ただし、年齢によって選択肢やアプローチが少し変わります。
| 〜29歳:若者支援サービスの利用がしやすい |
| 地域若者サポートステーション/ジョブカフェ/若年者向け職業訓練 |
| 30〜39歳:再スタートしやすい時期 |
| 未経験歓迎の求人も多く、支援機関も利用可能 |
| 40代以降 |
| 経験を生かした就職や短時間・在宅からの復帰も可能 |
就労移行支援やハローワークの窓口を使うことで、選択肢が広がります。
原因を知ることが、再スタートの第一歩

ニート状態には、学校生活でのつまずき・家庭環境・短期離職・メンタル面の不調など、さまざまな背景があります。
大切なのは、「なぜ今の状態になっているのか」を整理することで、自分に合った解決策が見つかりやすくなるという点です。
原因を理解できると、
- どこでつまずいているのか
- 何から取り組むと負担が少ないのか
- 医療・支援機関のどれを使うべきか
- 今の自分に合う働き方やサポートの種類
が明確になり、行動へのハードルが下がります。
また、支援を受けながら進めることで、生活リズムの立て直し、自己理解、スキル習得、就職後のフォローなど、再スタートに必要な基盤を整えやすくなります。
「原因を知ること」は、責めるためではなく、自分に合った「次の一歩」を選ぶための手がかりになります。



