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【体験談あり】ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事とは?働きやすい環境・職種などを紹介!

目次

「働きたい気持ちはあるけれど、自分にできる仕事が見つからない」「職場でうまくやっていける自信がない」といった不安を抱えているASD(自閉スペクトラム症)の方も多いのではないでしょうか。

人とのコミュニケーション、急な変化、マルチタスクなど仕事の中で感じる困難は人それぞれですが、自分の特性を理解し、向いている環境や働き方を選ぶことで、無理なく続けられる仕事に出会うことができます。

この記事では、ASD(自閉スペクトラム症)の方が抱えやすい仕事上の悩みや困りごと、働きやすい職場環境の特徴、向いている仕事の例まで、わかりやすくご紹介します。

この記事のまとめ

  • ASD(自閉スペクトラム症)とは?
    人とのやりとりや感覚の過敏さなどで困りごとが生じやすい発達障害のひとつ
  • ASD(自閉スペクトラム症)の方が向いている仕事は
    ルーティン作業や在宅勤務などがあり、自分の得意が分からない場合は就労移行支援で試すのもおすすめ

ASD(自閉スペクトラム症)とは

"ASD(自閉スペクトラム症)とは何かを初心者向けに解説し、向いている仕事を探すための基礎知識を伝える

ASD(自閉スペクトラム症)は、「自閉スペクトラム症」や「発達障害」とも呼ばれる、発達障害の1種です。

ASD(自閉スペクトラム症)の主な特性としては、以下の3点が挙げられます。

  • 社会性の難しさ:場の空気を読むことが苦手だったり、集団行動にストレスを感じたりする傾向があります。
  • コミュニケーションの難しさ:言葉によるやり取りや相手の気持ちを理解すること、自分の思いを適切に伝えることが難しいことがあります。
  • 興味・関心の範囲が狭く、偏りがある:特定の物事に強い関心を示す一方で、それ以外のことにはあまり関心を持たない傾向があります。また、こだわりが強いことも特徴です。

ただし、これらの特性の表れ方は人によって様々で、「困りごとが多い方」もいれば、「日常生活にはほとんど支障がない方」もいます。

ASD(自閉スペクトラム症)は脳の働きの違いによるものであり、努力不足が原因ではありません。

ASD(自閉スペクトラム症)が感じやすい仕事での困りごと

ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事で感じやすい困りごとや課題を説明

ASD(自閉スペクトラム症)の方の中には、「頑張ってもうまくいかない」「周囲の人と比べて自分だけ疲れ方が違う気がする」といった違和感を抱きながら、無理をして働き続けている方もいます。

ここでは、ASD(自閉スペクトラム症)のある方が仕事をする中で直面しやすい困りごとについて、代表的な例をご紹介します。

これはあくまで傾向であり、全ての方に当てはまるわけではありません。

  • 曖昧な指示やルールに混乱してしまう
  • 雑談やちょっとした会話に強い負担を感じる
  • 音や光、においなどに敏感で集中しづらい
  • 些細な注意でも強く落ち込んでしまう
  • 急な予定変更やマルチタスクが苦手

曖昧な指示やルールに混乱してしまう

ASD(自閉スペクトラム症)の方は、「ざっくりでいいよ」「臨機応変に対応して」などの曖昧な指示に対して、混乱しやすい傾向があります。

何をどこまで行えば良いのか分からず、結果として動けなくなってしまうことがあります。

具体例としては、次のようなケースが挙げられます。

  • 「時間を見て適当に休憩していいよ」と言われたが、明確なタイミングが分からず、結局休憩を取れなかった
  • 職場内で自然と共有されている暗黙の了解が多い職場で、「気が利かない」と誤解されてしまった

このように、業務そのものよりも、「どう判断すればよいのか分からない」という状況がストレスとなり、特に人間関係でつまずいてしまうケースも少なくありません。

雑談やちょっとした会話に強い負担を感じる

ASD(自閉スペクトラム症)の方は、職場で交わされる何気ない雑談やちょっとした会話に、強い緊張やストレスを感じやすい傾向があります。

例えば、次のような場面で負担を感じることがあります。

  • 「この場面で何を話せばよいのか」「今、話しかけても大丈夫か」といった判断が瞬時にできず、会話自体がプレッシャーになってしまう
  • 休憩室で同僚の会話に無理して加わったが、話のテンポについていけず、自分の発言で空気が止まったように感じて落ち込んでしまった
  • 帰り際に「今日は疲れたね」と声をかけられても、どう返せばよいか分からず、ぎこちない沈黙が続いてしまった

このように、ASD(自閉スペクトラム症)の方にとっては「話すこと」そのものよりも、「どう振る舞えばよいのか分からない」状況こそが大きな負担となり、職場にいるだけで神経をすり減らしてしまいます。

音や光、においなどに敏感で集中しづらい

ASD(自閉スペクトラム症)の方には、感覚が過敏な特性を持つ方が多く、職場の環境そのものが大きなストレスになることがあります。特に、音や光、においといった日常的な刺激が「強すぎて耐えられない」「気になって集中できない」と感じるケースは少なくありません。

具体例としては、次のようなケースがあります。

  • 隣の人がキーボードを打つ音が気になり、業務に集中できない
  • 蛍光灯のチカチカした明かりで目が痛くなり、頭がぼんやりしてしまう
  • 強い香水のにおいで気分が悪くなり、体調を崩してしまう

このように、周囲が気にしないような刺激でも、ASDの方にとっては「耐えがたい苦痛」になることがあるのです。

こうした刺激が積み重なると、「自分だけ仕事に集中できない」「この環境には耐えられない」と感じて落ち込み、職場にいること自体が苦痛になってしまう可能性があります。

些細な注意でも強く落ち込んでしまう

ASD(自閉スペクトラム症)の方の中には、上司や同僚からの何気ない注意や指摘を深刻に受け取り、強く落ち込んでしまう人がいます。

例えば、次のようなケースがあります。

  • 「ここは次から気をつけてね」といった軽い一言に対して、「自分はダメな人間だ」「もう信頼されていない」と感じてしまい、その日一日ずっと気持ちが沈んでしまう
  • 業務中にミスを指摘されたことで、過去の失敗を思い出してしまい、頭の中がそのことでいっぱいになってしまう
  • 気持ちの切り替えができず、目の前の仕事に集中できなくなり、さらにミスが増えるという悪循環に陥ってしまう

このように、ASD(自閉スペクトラム症)の方は、自分の失敗を必要以上に重く受け止めやすく、評価や人間関係に対する不安も強いため、周囲の言葉に過敏に反応してしまう傾向があります。

急な予定変更やマルチタスクが苦手

ASD(自閉スペクトラム症)の方は、「予測できない状況」や「同時進行の作業」に対して強いストレスを感じやすい傾向があります。予定を立てて行動することで安心感を得ている人が多く、急な業務変更があると頭の中が混乱し、うまく対応できなくなることがあります。

具体例としては、次のようなケースがあります。

  • 資料作成に集中していたところ、「今から来客対応もお願い」と突然頼まれ、気持ちの切り替えができず作業が止まってしまった
  • 電話応対をしながらメール確認や資料修正を同時に求められ、どれから手をつけるべきか分からなくなり、パニックに近い状態になってしまった

このような状況が続くと、次第に作業ミスが増えたり、報連相が抜けたりといった影響が出てきます。その結果、「要領が悪い人」「仕事が遅い」と誤解されてしまい、周囲からの評価や信頼関係にも影響が及んでしまいます。

ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている働き方・環境

ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている働き方や職場環境を解説

ここでは、ASD(自閉スペクトラム症)の方が「働きやすい」と感じやすい代表的な環境の特徴を5つ紹介します。

  • 業務内容や手順が明確に決まっている
  • 静かで落ち着いた環境
  • 1人で集中して取り組める
  • 予定外の対応が少なく、見通しを立てやすい
  • 特性への理解があり、配慮をしてくれる環境

業務内容や手順が明確に決まっている

ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって、「何を・いつまでに・どのように進めるのか」が明確に決まっている職場は、安心して力を発揮しやすい環境です。曖昧さが少ないほど、迷いや不安を感じずに作業に集中できます。

例えば、次のような環境は、ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって働きやすい傾向があります。

  • 業務ごとの手順やフローがマニュアル化されている
  • 仕事の優先順位や締切が明示されている
  • 報告や連絡のルールが明確に決まっている

このように、「分からないことが少ない」「判断に迷う場面が少ない」といった状態は、ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって非常に大きな安心材料になります。

静かで落ち着いた環境

ASD(自閉スペクトラム症)の方にとっては、静かで落ち着いた職場環境でこそ、本来の集中力や能力を発揮しやすくなります。余計な刺激が少ない空間は、安心感を得やすく、自分のペースで仕事に取り組むことができます。

例えば、次のような職場環境は、ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって働きやすい傾向があります。

  • 私語が少なく、整理整頓された事務所
  • パーテーションや個室ブースが設けられているスペース
  • 必要に応じてイヤーマフや照明調整などの配慮が可能な環境

このような環境では、余計な刺激を受けにくく、作業に集中しやすくなります。

1人で集中して取り組める

ASD(自閉スペクトラム症)の方には、他人とのやり取りが少なく、自分のペースで落ち着いて作業に取り組める環境が向いている傾向があります。静かな空間で1人で集中できる状況は、特性を活かしやすく、安心して働きやすくなります。

例えば、次のような作業環境は、ASD(自閉スペクトラム症)の方に適しています。

  • 1人で取り組めるタスクが中心で、人との会話や接触が少ない
  • 作業中に話しかけられることがなく、自分のリズムで進められる
  • 静かな部屋や個室、自宅など、集中しやすい空間で作業ができる

このような環境では、丁寧さや持続的な集中力といったASD(自閉スペクトラム症)の方の強みが発揮されやすくなります。

予定外の対応が少なく、見通しを立てやすい

ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって、あらかじめ予定が決まっていて、見通しを立てやすい環境は、ストレスを軽減し、安心して働ける職場条件のひとつです。

例えば、次のような環境は、ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いています。

  • 1日のスケジュールや業務の流れが事前に明確に共有されている
  • 業務の進め方や次の行動が、明確に指示される
  • 業務変更や突発的な対応が少なく、計画通りに行動できる

このように、見通しのある職場環境では余計な不安が減り、自分のペースで仕事に集中しやすくなります。

特性への理解があり、配慮をしてくれる環境

ASD(自閉スペクトラム症)の方が安心して働くためには、特性に対する理解があり、適切な配慮が行われている職場環境が重要です。

例えば、次のような配慮がある職場では、落ち着いて働きやすくなります。

  • 業務内容が視的に示されている(例:手順書、掲示物など)
  • 静かに作業できるスペースや環境が整っている
  • 定期的な面談の機会が設けられており、不安や相談を共有しやすい
  • 業務変更や重要な連絡事項が事前に伝えられる

特に障害者雇用では、支援体制や配慮が制度として整っており、安心して働ける環境が整えられています。

雇用形態特性への配慮主な特徴 
一般雇用法的義務なし業務内容や指示が柔軟・曖昧で、個別配慮がされにくい場合もある
障害者雇用法的義務あり(障害者差別解消法)業務内容が明確で、面談やサポート体制が整っている

ただし、障害者雇用は一般雇用と比べて給与水準がやや低くなる傾向があるため、事前に条件をよく確認しておくことが大切です。

ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事・適職とは?

ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事や適職を解説

ASD(自閉スペクトラム症)の方が無理なく働き続けるためには、自分の特性に合った仕事内容や職場環境を選ぶことが大切です。

ここでは、ASDの方に向いているとされる仕事のタイプを、特徴とともに3つ紹介します。

手順が決まっているルーティンワーク

「毎回やることがほぼ決まっている」「変化やイレギュラーが少ない」「自分のペースで作業できる」などの毎回同じ手順で進められる仕事は、先の見通しを立てやすく、集中力を発揮しやすい傾向があります。

仕事の例特徴と向いている理由 
データ入力同じ操作を繰り返すため、手順が明確で安心して作業できる
工場での製品検品マニュアルに沿った作業で、予定外の対応が少なく見通しが立てやすい
書類のスキャン・仕分け作業がシンプルで変化が少なく、集中力を活かしやすい
郵便物の封入・発送準備封入・ラベル貼りなど工程が決まっており、静かな環境で淡々と取り組める
倉庫内での商品ピッキング指示された通りに商品を集める作業で、決まったルート・手順に従えば完了できる
食品工場での盛り付け作業同じ食品や容器に一定の量を詰める作業で、マニュアル通りに繰り返し対応できる
コピー・印刷業務の補助複製作業を繰り返すだけなので、新しい対応が少なく安心して進められる
商品ラベルの貼付決められた位置・順番でシールを貼る作業で、ルールの中で正確さを発揮しやすい
書類のファイリング・分類ルールに従って書類を整理する作業で、手順が明確なため安心して取り組める
デジタルファイルの整理・保存指定フォルダへの保存や命名ルールに沿った作業で、変化が少なく落ち着いて進められる

一人で黙々と作業できる仕事

ASD(自閉スペクトラム症)の方にとって、人とのコミュニケーションが最小限で、自分のペースで落ち着いて作業できる仕事は、安心して取り組みやすい傾向があります。作業内容が明確で、集中できる環境であれば、特性を活かして力を発揮しやすくなります。

仕事の例特徴と向いている理由 
倉庫でのピッキング人との関わりが少なく、指示通りに物を集める作業が得意な方に向いている
図書館の本整理静かな環境で自分のペースで作業でき、落ち着いて取り組める
Webライター自宅で完結できるため、自分の空間で安心して作業できる
清掃スタッフ(オフィス・店舗)一人で黙々と作業でき、マニュアル通りの掃除業務なので変化が少なく集中しやすい
工場内の製造ライン作業人と話す機会が少なく、決まった手順に従って繰り返す作業がメインで安心感がある
商品撮影の補助や画像加工パソコンで黙々と編集作業を行うため、自分のペースで集中しやすい
アノテーション作業(データのタグ付け)一定のルールに沿って淡々と処理を進める作業で、対人負荷が少なく取り組みやすい
翻訳作業(クラウドワークス等)自宅で集中して作業でき、他人とのやり取りが少ないため取り組みやすい
ECサイトの商品登録商品情報をシステムに入力する作業で、淡々と処理できる内容が多く、対人関係の負担が少ない
データチェックや校正作業規則的な内容を細かく確認する作業が多く、集中力と注意力を活かせる

興味を深く追求できる専門的な仕事

ASD(自閉スペクトラム症)の方は、自分の関心のあることに深く集中し、粘り強く取り組む力を持っている方が多くいます。そのため、専門性の高い分野や、こだわりを活かせる仕事では、強みを発揮しやすくなります。

仕事の例特徴と向いている理由 
プログラマーコードを書く作業に没頭できる。ルールが明確で論理的思考を活かせる
イラストレーター細部にこだわる力や独自の感性を表現でき、オンラインでの受注も可能
動画編集者一人で集中して作業できる上、ソフトの使い方なども自分のペースで習得できる
研究補助・実験サポート正確さや観察力が求められる分野で、興味のある分野で長時間集中できる
プラモデル製作・模型作成手先の器用さと細部への集中力が活きる。製作過程そのものが没頭できる
データサイエンティスト数字やパターン分析が好きな方に向いており、自分の世界に入り込んで分析できる
アーカイブ整理(歴史資料・写真等)特定のジャンルを深く調べる作業が多く、知識を積み重ねるのが得意な人に合う
図鑑や辞書などの校閲作業細かい表記や用語の確認など、繊細な注意力や知識の積み重ねを活かせる
音響・録音関連の技術職精密機器の操作や音の調整など、繊細な感覚やマニュアル対応能力を活かしやすい

ASD(自閉スペクトラム症)の方が向いている仕事を探す前にやっておきたい3つの準備

ASD(自閉スペクトラム症)の方向けに、向いている仕事を探す前にやるべき準備や自己理解の方法を紹介した解説

ASD(自閉スペクトラム症)の方が「自分に合った仕事」を見つけるためには、いきなり求人を探すのではなく、事前の準備がとても大切です。自分の特性を理解し、何に不安を感じるのかを整理しておくことで、無理なく働ける環境を選びやすくなります。

この章では、仕事探しを始める前にやっておきたい3つの準備について詳しく解説します。

  • 得意・苦手を紙に書き出して可視化する
  • 働くうえで「何が不安か」をリストアップしておく
  • 主治医・支援機関に相談する

得意・苦手を紙に書き出して可視化する

ASD(自閉スペクトラム症)の方が自分に合った仕事を見つけるうえで、まず取り組んでほしいのが「自己理解」です。

その第一歩としておすすめなのが、得意なこと・苦手なことを紙に書き出して「見える化」すること。頭の中でなんとなく分かっているつもりでも、文字にして整理することで、自分の傾向がはっきりと見えてきます。

例えば、「コツコツとしたパソコン作業は集中できる」「マニュアル通りの作業は得意だけど、急な変更には戸惑いやすい」「電話対応や雑談は緊張してしまう」といった具合に、自分の得意と苦手を具体的に書き出してみましょう。

このリストは、向いている職種や働き方を考えるヒントになるだけでなく、就労移行支援のスタッフや面接担当者に自分の特性を伝える際にも役立ちます。

働くうえで「何が不安か」をリストアップしておく

ASD(自閉スペクトラム症)の方にとっては、この「なんとなく」を言語化しておくことが、働くうえでとても大切なステップになります。

例えば、「人とたくさん話す仕事は緊張して疲れてしまう」「急な予定変更があると混乱する」「長時間の通勤は体調に影響が出やすい」といったように、自分の中にある不安や苦手をひとつひとつ書き出してみましょう。

そうすることで、「こういう環境は避けたほうがよさそう」「こういう配慮があれば安心できる」といった、自分にとって働きやすい職場の条件が見えてきます。

このリストは、自分の考えを整理するだけでなく、支援機関や第三者に相談する際に、自分の希望や不安を具体的に伝えるための材料としても活用できます。

主治医に相談する

仕事を探し始める前に、まずは自分の体調や生活リズムを理解している主治医に相談するのがおすすめです。

主治医から自分では気づきにくい傾向や無理のない働き方について、客観的な意見をもらえることがあります。

監修者のコメント:

ご自分の特性やストレス反応を整理し、「可視化・言語化」することはとても重要です。「なんとなく苦手」「なんとなく不安」といった感覚を自分の頭の中だけに留めておくと、課題も対策もぼやけたままになってしまいます。

紙に書き出す、信頼できる第三者(例:主治医や支援機関のスタッフ)に説明してみるなど、可視化・言語化することは、適職の発見や職場での配慮を求める際の第一歩になります。さらに、自分の状態を客観的に把握できれば、就労後のセルフケアやストレス対処にも直結しますので、ぜひ意識的に取り組んでみてください。

ご自分の特性やストレス反応を整理し、「可視化・言語化」することはとても重要です。なんとなく苦手」「なんとなく不安」といった感覚を自分の頭の中だけに留めておくと、課題も対策もぼやけたままになってしまいます。

紙に書き出す、信頼できる第三者(例:主治医や支援機関のスタッフ)に説明してみるなど、可視化・言語化することは、適職の発見や職場での配慮を求める際の第一歩になります。さらに、自分の状態を客観的に把握できれば、就労後のセルフケアやストレス対処にも直結しますので、ぜひ意識的に取り組んでみてください。

ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事を探す時に利用できるサポート

ASD(自閉スペクトラム症)の方が向いている仕事を探す際に活用できる支援制度やサポートサービスを紹介

ASD(自閉スペクトラム症)の方が自分に合った仕事や働き方を見つけるためには、障害特性に理解のある支援機関の力を借りることがポイントになります。

ここでは、仕事探しの際に活用しやすい代表的な支援機関として、「ハローワーク(障害者専用窓口)」「障害者雇用専門転職エージェント」「就労移行支援」の3つをご紹介します。

ハローワーク(障害者専用窓口)

ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が全国に設置している国の職業紹介機関です

全国のハローワークには「障害者専門窓口」が設けられており、ASD(自閉スペクトラム症)の方も利用できます。

障害者専用窓口では、以下のようなサポートを受けることができます。

  • 障害特性に配慮した職業相談:専門の相談員が常駐しており、ASD(自閉スペクトラム症)などの特性に配慮した対応をしてくれます。
  • 障害者雇用枠の求人紹介:一般求人とは別に、障害者雇用を前提とした求人を紹介してもらえます。
  • 応募書類の添削や面接対策:履歴書や職務経歴書の作成支援、模擬面接など、就職活動を実践的にサポートしてくれます。
  • 職業訓練の案内:PCスキルや接客、事務作業などのスキルを学べる職業訓練の情報提供があります。

障害者雇用専門転職エージェント

障害者雇用専門の転職エージェントは、ASD(自閉スペクトラム症)をはじめとした障害のある方の就職・転職を専門にサポートする民間サービスです。専任のキャリアアドバイザーが、特性や希望条件、職場で必要な配慮事項をヒアリングしたうえで、自分に合った求人を提案してくれます。

ハローワークとの違い

比較項目転職エージェントハローワーク 
運営主体民間企業国(厚生労働省)
求人の種類障害者雇用に特化・厳選された求人が中心幅広く、地域の中小企業求人も多い
サポートの手厚さキャリアアドバイザーが個別対応担当者による相談対応だが、サポートは簡易的な場合もある
利用方法予約制が中心。オンラインも対応窓口に出向くか、Webで求人検索も可能
マッチングの丁寧さ働き方や特性に合わせたマッチング重視一般的な紹介が多い傾向

就職・転職で悩んでいるASD(自閉スペクトラム症)の方が利用できる就労移行支援

「働く自信がない」「長いブランクがあって不安」という方にとって、就労移行支援は特に心強い選択肢です。就労移行支援は、一般企業での安定した就労を目指す障害者向けの福祉サービスで、就職活動の支援だけでなく、「長く働き続けるための土台づくり」を目的としています。

就職先の紹介が中心となるハローワークや転職エージェントとは異なり、就労移行支援ではステップを踏みながら、働くための準備を丁寧に整えていきます。

就労移行支援で受けられる主なサポート

  • ビジネスマナーやPCスキルの習得
  • 履歴書作成や面接練習など、就職活動の準備
  • 就職後の職場定着に向けたフォロー

manabyの就労移行支援について

就労移行支援manaby(マナビー)では、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害の方やうつ病や不安障害などの精神疾患をお持ちの方々に寄り添った支援を提供しています。

例えば、以下のようなサポートを通じて、安心して働く準備ができます。

就労移行支援manaby(マナビー)で受けられる主な支援

  • eラーニングシステム「マナe」を活用した学習サポート
  • Webデザインやプログラミングなど、ITスキルの習得
  • 通所が難しい方への在宅支援や柔軟なスケジュール調整
    ※在宅訓練の利用可否ついてはお住まいの自治体によって異なります
  • 就職活動のサポートや、就職後6か月間の定着支援 など

「働きたいけれど、どう動き出せばいいのかわからない」「人と関わるのが苦手で、自分に合う職場が思い浮かばない」と働くことへお悩みがある方はまずは気軽にご相談ください。 

監修者のコメント:

仕事選びと同様に重要なのが「職場定着」です。障害のある方の職場定着は大きな課題で、職場定着支援を利用した場合の1年後の定着率は約70%ですが、支援を利用しなかった場合の1年後の定着率は約50%と、支援の有無によって約20%もの差が出ると言われています。

実際に働き始めると、採用時に配慮を約束されていても、配慮する側の企業も障害者支援に精通しているとは限らないため、「具体的にどのような配慮をすればよいのか分からない」という状況に陥ることも珍しくありません。また、配属先の直属の上司や同僚に詳細が伝わっておらず、十分な配慮を受けられないケースもあります。

こうした問題を防ぐためにも、就職後の定着支援まで行っている就労移行支援事業所や専門機関を利用することを強くお勧めします。継続的なサポートがあることで、職場との橋渡し役を果たし、長期的な就労継続につながりやすくなります。

ASD(自閉スペクトラム症)と診断されてから就職・転職した方のリアルな体験談

この章では、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた方が、実際に就労移行支援などのサポートを活用して就職・転職を実現した体験談をご紹介します。

ASD(自閉スペクトラム症)・うつ病(20代・女性)

ASD(自閉スペクトラム症)とうつ病を抱え、「働くのが怖い」「また辞めてしまうかも」と悩んでいました。manabyでは支援員さんがこまめに面談してくれ、自分の特性や不安を整理できました。特に面接練習では何度も付き合ってくれ、人前で話す自信が持てるように。結果的に2社から内定をいただけました。

ASD(自閉スペクトラム症)・社会不安障害(20代・女性)

専門学校を中退後、引きこもりのまま5年以上が過ぎ、自信も希望も持てませんでした。人との関わりが怖く、働くなんて無理だと思っていました。そんな中、在宅で訓練ができるmanabyに出会い、自分のペースで取り組めたことで少しずつ前向きに。支援員さんとの面談や認知行動療法を通じて、自分の思考のクセにも気づくことができ、人との関わりにも前向きになれました。今では希望していた完全在宅で働いています。

ASD(自閉スペクトラム症)と向き合いながら、自分に合う仕事を見つけるには?

ASD(自閉スペクトラム症)の方向けに、自分に向いている仕事を見つけるには自己理解と働く環境の選び方が重要である

ASD(自閉スペクトラム症)の特性と向き合いながら働くには、「自己理解」と「働く環境の選び方」がとても重要です。

苦手なことを無理に克服しようとするのではなく、得意なことや安心できる環境を見極め、それに合った働き方を選ぶことが、長く安定して働くためのカギになります。

ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いているとされる働き方・職場環境の特徴には、次のようなものがあります。

  • 業務内容や手順が明確に決まっている
  • 静かで落ち着いた環境
  • 1人で集中して取り組める
  • 予定外の対応が少なく、見通しを立てやすい
  • 特性に理解があり、配慮をしてくれる職場

自分にとって働きやすい環境を見つけるためには、まず「どのような職場が自分に合っているのか」を知ることが重要です。就労移行支援では、単に就職を目指すのではなく、自分の特性に合った環境を見極め、無理なく長く働き続けるための土台を整えるサポートを受けることができます。

仕事が続かない…体調が不安… お気軽にご相談ください!

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