【うつ病151名に聞いた】年末年始の帰省で「辛い」と感じる瞬間とは?
年末年始の帰省で「近況を聞かれるのが怖い」「余計なことを言われそうで気が重い」と感じる人も少なくありません。
今回はうつ病の方151名を対象に、「帰省で辛いと感じる話題」「家族や親戚から言われて嫌な言葉」「気持ちの落ち着け方」についてアンケートを実施しました。
アンケート概要

調査内容:「帰省の時に言われて辛い言葉」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年10月30日~2025年11月13日
調査人数:151名(男性78名 女性73名)
年代:10代(1名)・20代(30名)・30代(69名)・40代(41名)・50代(9名)・60代以上(1名)
- 年齢を選択してください
- 性別を選択してください
- 帰省の時に、どんな話題が出ると1番辛い・嫌だなと感じますか?
- 家族や親戚から「言われて辛かった」または「もし言われたら嫌だな」と思う言葉はありますか?
- 具体的に帰省時に言われて「嫌だな」「辛い」と感じる言葉やエピソードがあれば教えてください。
- 帰省で辛いと感じた時、どうやって気持ちを落ち着けていますか? 実際のことでも、もしそうなったらと思うことでもOKです。
- 実際に試してうまくいった対処法や、自分なりの工夫があれば教えてください。
帰省で辛い話題、第1位は「将来のこと」

- 将来のこと 44票(29.1%)
- 仕事・学校のこと 39票(25.8%)
- 健康・体調のこと 22票(14.6%)
- 性格に関すること 21票(13.9%)
- 恋愛・結婚などプライベートな話題 20票(13.2%)
- その他 4票(2.6%)
- 特にない 1票(0.7%)
アンケート結果では、最も多かったのが「将来のこと」(29.1%)、続いて「仕事・学校のこと」(25.8%)でした。また、3位以下には「健康・体調」(14.6%)、「性格に関すること」(13.9%)、「恋愛・結婚などプライベートな話題」(13.2%)が続きました。
いずれも個人的・デリケートな内容であり、相手に悪意がなくても負担を感じやすいのかもしれません。
6割以上が「実際に言われて辛かった経験がある」と回答

- 実際に言われたことがある 93票(61.6%)
- 言われたことはないが、もし言われたら嫌だと思う言葉がある 42票(27.8%)
- 特に思い当たらない 16票(10.6%)
「実際に言われてつらかったことがある」と答えた人が最も多く、全体の61.6%(93名)を占めました次いで、「言われたことはないが、もし言われたら嫌だと思う言葉がある」が27.8%(42名)、「特に思い当たらない」が10.6%(16名)という結果でした。
この結果から、およそ9割の人が、実際または想像の中で帰省時に言われる言葉の中で「嫌だ」と感じることあるということが分かります。
うつ病の方が帰省時に「嫌だ」「辛い」と感じた言葉・エピソード

この章では実際に帰省時に「嫌だ」「辛い」と感じた言葉やエピソード、「こんな言葉を言われたら辛い」ということについて、伺いました。
仕事や将来に関するプレッシャー
最も多く寄せられたのは、「仕事」や「将来」に関する話題でした。「まだ仕事決まらないの?」「正社員になれないの?」「将来どうするの?」など、将来設計や働き方について問われることが、大きなストレスに繋がっていることが明らかになりました。
「心配のつもり」でかけられた言葉でも、本人には責められているように受け止められるケースが多いようです。
恋愛や結婚に関する話題も
「いい人いないの?」「将来一人は寂しいでしょ?」など、結婚や交際にまつわる質問や助言が、精神的な負担になっていることが分かりました。
こうした言葉は、発言する側には悪意がなく、世代や価値観の違いから自然に出てしまう言葉である場合もあります。しかし、受け止め方に差が生じやすく、結果的にストレスに繋がることが多いです。
病気や性格への否定的な言葉
病気や性格に関する否定的な言葉も挙げられました。精神疾患や体調不良への理解不足から、「励まし」のつもりで発せられる言葉が、結果的に自己否定を強める要因になっていることが分かります。
多くの人が「その場をやり過ごす」方法で気持ちを落ち着けている

- その場は笑って流す 86票
- 話題を変える・別の話をする 47票
- 席を外す・距離を取る 46票
- スマホを見たり、別のことを考える 42票
- 深呼吸する 17票
- 頓服薬を飲む 16票
- 特に対処はしていない 5票
- その他 2票
帰省中に「辛い」と感じた際の対処法について聞いたところ、最も多かったの「その場は笑って流(86票)」でした。次いで「話題を変える・別の話をする(47票)」、「席を外す・距離を取る(46票)」、「スマホを見たり、別のことを考える(42票)」と続き、場の空気を乱さずやり過ごすという対処が多く見られました。
一方で、「頓服薬を飲む(16票)」、「深呼吸する(17票)」という薬などで落ち着けるケースもあり、帰省時の会話や環境のストレスが身体に及ぶほど強いと感じる人もいることも多いようです。
実際に試して効果があった対処法や自分なりの工夫を紹介

ここでは、帰省時に「嫌なこと」「辛い言葉」があった時にどのように対処をするかについて、伺いました。
一時的に帰省を控えたり、関係に適度な距離を置くことで心が落ち着いたという声が多く見られました。また「無理に話を続けず、静かな場所に移動して深呼吸する」「トイレに向かって席を外す」といった一時的にその場を離れることで、気持ちを落ち着ける対処を行っている方も多かったです。
さらに「気持ちをノートに書き出す」といった方法をしている方もいて、この対策をすることで自分の感じたことを言語化し、感情の整理やストレスの軽減ができるのかもしれません。
その他に「話題を変えたり笑ってごまかすより、無表情で何も言い返さない方が効果的だった」「話を早く終わらせて帰省の頻度を減らした」というように、相手に合わせすぎず、自分にとって無理のない対応を選ぶことが、結果的に対処に繋がったという声もありました。
うつ病の方が帰省時に心を守るために意識したいこと

今回のアンケートでは、うつ病やメンタル不調を抱える方の多くが、年末年始の帰省に際して強い心理的ストレスを感じていることが分かりました。特に「将来」や「仕事」に関する話題はプレッシャーとなりやすく、「まだ働かないの?」「これからどうするの?」といった言葉が負担になる傾向があります。
また6割以上の方が「実際に言われて辛かった経験がある」と回答しており、家族や親戚の何気ない言葉が、ストレスや負担を与えることが明らかになりました。
一方で、対処法としては「距離を取る」「静かな場所に移動する」「気持ちをノートに書く」など、自分を守るための具体的な行動・対策を取る方が多く見られました。
帰省後に強い疲労感や気分の落ち込みが続く場合は、医療機関やカウンセラーなどの専門家に早めに相談しましょう。