就労移行支援とハローワークの違いは?対象者・サポート内容・費用を比較
- 就労移行支援とは?
- ハローワークとは?
- 就労移行支援とハローワークの違いは?
- 就労移行支援とハローワークの対象者の違い
- 就労移行支援とハローワークの費用の違い
- 就労移行支援とハローワークの利用期間の違い
- 就労移行支援とハローワークのサポート内容の違い
- 就労移行支援とハローワークの就職後の支援の違い
- 就労移行支援のメリット・デメリット
- ハローワークのメリット・デメリット
- 就労移行支援とハローワークは併用できる?
- 就労移行支援・ハローワーク、どちらを利用すべき?
- まず就職先を探したい場合はハローワーク
- 就労に向けた準備を整えたい場合は就労移行支援
- 効率よく仕事を探して、安心して就職準備を進めたいなら両方活用がおすすめ
- 就労移行支援とハローワークの違いに関するよくある質問
- ハローワークの利用だけで就職することは難しいですか?
- 障害者手帳がなくても就労移行支援は利用できますか?
- 就労移行支援は費用がかかるの?
- 就労移行支援を利用したら必ず一般就労を目指さなければならないの?
- 就労移行支援とハローワークの違いを理解し、賢く活用しよう
「就労移行支援とハローワーク、名前は聞いたことがあるけれど違いがよくわからない…」
そう感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援とハローワークの違いを対象者や費用、利用期間などのポイントごとにわかりやすく解説します。
この記事のまとめ
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就労移行支援とハローワークの違いとは
就労移行支援は、障害のある方が「働く準備」をするための福祉サービスで、訓練から就職後のフォローまで手厚くサポート。ハローワークは、誰でも無料で利用できる「仕事探しの窓口」で、求人紹介や職業相談が中心 -
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両方活用がおすすめ
就労移行支援で働く力を伸ばし、ハローワークで豊富な求人を探すことで、より効率的で安定した就職につながる
就労移行支援とは?

この章のポイント
- ● 障害や難病のある方が一般企業で働くための準備をする福祉サービス
- ● 働くために必要なスキル習得から就職活動、就職後の定着支援まで一貫してサポート
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつで、障害や難病のある方が一般企業等で働くためのサポートをする制度です。
働くために必要な知識やスキルの習得、就労に必要な訓練、就職活動の支援、さらに就職後の職場定着まで一貫してサポートが受けられます。
参考:厚生労働省「就労移行支援事業」
ハローワークとは?

この章のポイント
- ● 国が運営する仕事探しと雇用の無料相談窓口
- ● 求人紹介や職業相談、履歴書の相談など求職活動をサポートしてくれる場所
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営する仕事探しと雇用の無料相談窓口です。全国に拠点があり、仕事探しを行う方に求人情報の提供や紹介、雇用保険や職業相談、就職活動の支援などを行います。
求職者は自分の希望条件に合った仕事を探したり、面接や履歴書の書き方の相談をしたりすることができます。
参考:厚生労働省「ハローワーク」
就労移行支援とハローワークの違いは?
この章のポイント
- ● 就労移行支援は、障害や難病のある方が一般企業で働くために、訓練・就活支援・定着支援まで一貫して受けられる福祉サービス
- ● ハローワークは、誰でも無料で使える公的な就職支援窓口で、求人紹介・職業相談・雇用保険の手続きが中心
- ● 「働くための準備まで支える就労移行」「求人紹介が中心のハローワーク」という違いがある
就労移行支援とハローワークの違いを、ひと目で分かるように表にまとめました。
| 比較項目 | 就労移行支援 | ハローワーク |
|---|---|---|
| 対象者 | 障害のある方で一般企業等への就職を目指す方 | 求職中のすべての方 |
| 費用 | 利用料の1割負担(前年の収入に応じて0~37,000円程度) | 無料 |
| 利用期間 | 原則2年 | 制限なし(希望する期間) |
| サポート内容 | 就職前の訓練・スキル習得・面接練習・職場定着まで手厚く支援 | 求人情報提供・応募手続き・面接や書類作成の相談中心 |
では、各項目ごとにもう少し詳しく見ていきましょう。
就労移行支援とハローワークの対象者の違い
就労移行支援の対象は、以下の3つを満たす方です。
- 障害や難病を持っている
- 一般企業等での就職を目指している
- 原則65歳未満である
ハローワークは、年齢や障害の有無に関わらず、仕事を探しているすべての方が対象です。障害のある方専門の窓口も用意されています。
就労移行支援とハローワークの費用の違い
就労移行支援は、サービス利用料の1割を自己負担します。自己負担の上限は前年の収入に応じて変わり、月額0〜約37,000円程度です。
一方、ハローワークは誰でも無料で利用できます。
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」「職業紹介・相談に関するQ&A」
就労移行支援とハローワークの利用期間の違い
就労移行支援は、職業訓練や就職活動支援を計画的に行うため、利用期間は原則2年間と定められています。
ハローワークは、仕事が見つかるまで何度でも利用できるため、利用期間に制限はありません。ただし、利用には「求職登録」が必要で、有効期限が設定されています。
- 雇用保険の失業給付を受けていない場合、求職登録の有効期限は原則「登録日の翌々月末日」まで
- 窓口にて職業相談や職業紹介を受けたり、オンラインで自主応募を行うと有効期限は1か月単位で延長される
- 有効期限が過ぎた場合は、ハローワーク窓口で再登録が必要
参考:厚生労働省「各サービスの現状」
ハローワークインターネットサービス「求職者マイページでできること(仕事をお探しの方へ)」
就労移行支援とハローワークのサポート内容の違い
| サポート内容 | 就労移行支援 | ハローワーク |
|---|---|---|
| 職業訓練・実習 | 〇 | △ |
| 求人情報紹介 | △ | 〇 |
| 書類・面接支援 | ◎ | 〇 |
| 職場実習 | 〇 | × |
| 内定後の調整 | 〇 | × |
| 職場定着支援 | 〇 | △ |
| 雇用保険・制度相談 | × | 〇 |
〇 …受けられる ◎ …特に手厚い △ …一部連携・紹介あり × …基本的に受けられない
就労移行支援では、働くための準備を手厚くサポートします。主な内容は次の通りです。
- 履歴書作成や面接練習:就職活動のサポート
- パソコンスキル:仕事で必要な操作やスキルを身につける
- ビジネスマナー:あいさつや敬語、基本的な仕事のルールを練習
- 就職後のサポート:就職後の困りごとや仕事上の悩みを相談可能
ハローワークは、求人情報を中心としたサポートがメインです。
- 求人紹介:希望条件に合った仕事を紹介
- 職業相談:どんな仕事が向いているか一緒に考える
- 雇用保険手続き:失業給付などの手続きを行う
- 支援機関との連携:障害者就業・生活支援センターなど支援機関と協力して職場定着まで支援を実施
就労移行支援とハローワークの就職後の支援の違い
就労移行支援では、就職後も本人と企業の両方に継続的なフォローがあり、「職場定着」を意識した支援が受けられます。
普段から関わっている事業所のスタッフがサポートしてくれるため、安心感があります。
- 定期的な面談や職場での困りごとの相談
- 必要に応じた勤務条件の調整や職場への助言
ハローワークは基本的に「就職まで」の支援が中心です。就職後のフォローや職場定着の個別支援はほとんど行われません。
必要に応じてジョブコーチや障害者就業・生活支援センターなどの支援機関を紹介されますが、その後のサポートは紹介先の機関で受けるイメージです。
就労移行支援のメリット・デメリット
この章のポイント
- ● 生活リズムの安定やスキル習得、自己理解の深化、手厚い就活・職場定着サポートが受けられるのが強み
- ● 一方で、利用期間が原則2年、収入が得られない期間がある、事業所の質に差があるなどのデメリットもある
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 生活リズムが安定する | 原則2年間の利用期限があり、焦りを感じる場合がある |
| 就職に必要な専門スキルが身につく | 利用中は原則収入を得られない |
| 自己理解が深まる | 事業所の質にばらつきがあり、合わない場合は不満を感じやすい |
| 手厚い就活サポートが受けられる | 利用料が発生することもある(前年の世帯収入による) |
| 職場定着まで一貫して支援が受けられる | 必ず就職できる保証はなく、本人の努力も重要 |
就労移行支援は、就職に必要なスキルや知識を身につけながら、就職後も職場定着まで一貫してサポートします。ただし、事業所の質や合う合わないによって満足度に差が出る点は注意が必要です。
ハローワークのメリット・デメリット
この章のポイント
- ● ハローワークは、地域に根ざした求人が多く、相談・応募サポート・職業訓練などをすべて無料で使えるのが大きなメリット
- ● ただし、担当者ととの相性によって満足度が変わることがあったり、無料で出せる求人ゆえに条件のばらつきが大きい点は注意が必要
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 全国に多くの拠点があり、地域に密着した求人が豊富 | 相談員の対応にばらつきがある |
| 求職・転職相談や書類作成、面接対策など無料で支援 | 求人が無料で出せるため、条件の良くない求人が含まれる場合もある |
| 公的機関なので就職・転職の圧力が少なく、マイペースで利用可能 | 高待遇・専門職の求人は少ない傾向 |
| 職業訓練の紹介・斡旋もあり、スキルアップができる | 企業の社風や職場環境など詳細情報が得にくい場合がある |
ハローワークは幅広い求職者に対して無料で多様な求人情報を提供し、就職・転職活動を支援しますが、相談員の質や求人の質には差がある点が課題です。
就労移行支援とハローワークは併用できる?

この章のポイント
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就労移行支援とハローワークは併用できる
ハローワークで求人を探しつつ、就労移行支援で訓練や面接対策を受けることも可能 -
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併用する場合の注意点
ただし、併用していても就労移行支援の利用期間(原則2年間)がそのまま消化される点には注意
就労移行支援とハローワークを同時に利用できるのか疑問に思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、就労移行支援とハローワークは併用可能です。
ただし、就労移行支援の利用期間は原則2年間。併用する場合もこの期間は消化されるため注意が必要です。
就労移行支援・ハローワーク、どちらを利用すべき?

この章のポイント
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目的によって選ぶのがポイント
まずは求人を探したいなら「ハローワーク」/働く準備から始めたいなら「就労移行支援」 -
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両方使うと効率よく進められる
「就労移行支援で準備を整えながら、ハローワークで求人を探す」という併用もおすすめ。それぞれの良さを活かすことで、無理なく就職につなげられる
就労移行支援とハローワーク、どちらを利用すべきかは、目的によって選ぶのがおすすめです。
まず就職先を探したい場合はハローワーク
働く準備は整っていて、仕事を見つけたい方にはハローワークがぴったりです。豊富な求人があり、無料で利用でき、誰でも活用可能ですので、効率よく仕事を探したいときに向いています。
就労に向けた準備を整えたい場合は就労移行支援
「いきなり働くのは不安…」という方は、まず働くための準備から始めましょう。就労移行支援では、生活リズムの調整や特性への対応、職業訓練、面接同行、就職後の定着支援など、仕事に関することはもちろん、メンタル面のサポートも手厚く受けられます。
効率よく仕事を探して、安心して就職準備を進めたいなら両方活用がおすすめ
ハローワークの豊富な求人と、就労移行支援の手厚いサポートを組み合わせることで、無理なく就労へつなげられます。就労移行支援で働くための準備を整えながら、ハローワークで求人を探し応募や面接を進める、といった活用方法が効果的です。
このように、目的や状況に合わせて使い分け、必要に応じて両方を併用することで無理なく就労に繋げることが可能です。
就労移行支援とハローワークの違いに関するよくある質問

就労移行支援とハローワークに関するよくある質問の回答をまとめました。
ハローワークの利用だけで就職することは難しいですか?
ハローワークだけでも就職は可能ですが、生活リズムが不規則であったり、就労に必要なスキルが不足している場合など、就労の準備が十分でない場合は就職が難しいかもしれません。
障害者手帳がなくても就労移行支援は利用できますか?
障害者手帳がなくても、医師の診断書など自治体が認定する基準を満たせば利用できる場合があります。詳しくは自治体の窓口での確認をおすすめします。
就労移行支援は費用がかかるの?
前年の収入状況に応じて、月額0~約37,000円程度の自己負担が発生する場合があります。就労移行支援manabyでは、約8割の方が自己負担なしで利用しています。
就労移行支援を利用したら必ず一般就労を目指さなければならないの?
原則として一般企業での就労を目指す支援ですが、就労継続支援A型・B型などの福祉的就労で働く方もいます。
就労移行支援とハローワークの違いを理解し、賢く活用しよう

就労移行支援とハローワークは、それぞれ全く異なる制度で、提供されるサポート内容も異なります。違いを理解することで、自分に合った活用方法を見つけやすくなります。
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就労移行支援
障害や難病のある方が働くためのスキルや知識を身につける「準備の場所」 -
ハローワーク
仕事を探している全ての方に求人情報を提供する「仕事探しの窓口」
どちらを利用すべきか迷ったら、まずは自分の目的を考えてみましょう。
目的や状況に合わせて使い分けたり、場合によっては両方を併用することで、無理なく安心して就労への一歩を踏み出せます。

