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ひきこもりの就労支援とは?種類と利用方法をわかりやすく解説

目次
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この記事の要点

  • ひきこもりとは「6か月以上の社会的参加の回避」が続く状態を指すもの
    背景には生物学的・心理的・社会的な複数の要因が関わり、外に出たいのに出られない状況になることもある。
  • ひきこもりの方でも利用できる就労支援は多く、無料の公的支援も充実している
    サポステ・ジョブカフェ・なかぽつ・ハローワークは無料で相談可能。障害がある場合は就労移行支援やA型・B型も利用できる。
  • 自分の状態に合わせて支援を選ぶことで、段階的に社会復帰や就職を目指せる
    外に出るのが不安な人にはサポステや地域活動支援センター、在宅で進めたい人にはオンライン型の就労移行支援が役立つ。

「外に出たい気持ちはあるけれど、いきなり働くのは不安」「そもそも何から始めればいいのか分からない」と感じているひきこもりの方は少なくありません。

実は、ひきこもりの状態でも利用できる就労支援制度や相談機関があります。医師の診断や障害者手帳の有無にかかわらず、生活リズムを整えたり、働く準備を進めたりするための支援制度が整っています。

この記事では、

  • ひきこもりでも利用できる就労支援の種類
  • 支援を受けるメリット・デメリット
  • 利用の流れや費用
  • 実際に利用した人の体験談

をわかりやすく解説します。

医師の診断や障害がなくても使える就労支援

医師の診断や障害がなくても使える就労支援を紹介

この章のポイント

  • 医師の診断がなくても、誰でも無料で利用できる公的な支援がある
  • サポステ・ジョブカフェ・なかぽつ・ハローワークはすべて相談から就職支援まで対応
  • 年齢・状態に合わせて使い分けることで、働く不安を段階的に解消できる
医師の診断や障害がなくても使える代表的な公的な支援は、地域若者サポートステーション(サポステ)」 や「ジョブカフェ」や「障害者就業・生活支援センター」・「ハローワークです。これらは全て無料・特別な手続きが必要なく利用できます。

地域若者サポートステーション(サポステ)

全国に拠点があり、専門スタッフが相談から就職までをサポートし、少しずつ社会復帰を目指すことができます。

対象年齢

15〜39歳

利用料金

無料

主な支援内容

  • 就職相談
  • 職場体験
  • コミュニケーション講座
  • カウンセリング

ジョブカフェ

各都道府県が運営しており、キャリアカウンセラーが応募書類の添削や面接練習を行い、企業とのマッチングも支援しています。

対象年齢

地域によって対象年齢が異なる

利用料金

無料

主な支援内容

  • 就職相談
  • 企業説明会
  • 面接対策
  • 求人情報提供

障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)

「働きたいけれど生活面も不安がある」 という人を総合的に支える公的な支援機関です。ハローワークや医療機関、就労移行支援などとも連携してくれるため、「どこに相談したらいいか分からない」という段階の人でも利用しやすい支援です。

対象年齢

年齢制限なし

利用料金

無料

主な支援内容

  • 就職相談・生活面の相談
  • ハローワークや医療機関、福祉サービスと連携

ハローワーク

全国に拠点があり、求人件数が多く、求職登録後に応募・面接まで一貫してサポートが受けられる。

対象年齢

年齢制限なし

利用料金

無料

主な支援内容

  • 求人紹介
  • 職業相談
  • 職業訓練
  • 雇用保険の手続き

医師の診断や障害がある場合に使える就労支援

医師の診断や障害がある場合に使える就労支援の紹介

この章のポイント

  • 医師の診断や障害がある場合は、より専門的な就労支援を利用できる
  • 就労移行・A型・B型・ハローワーク障害者窓口で、支援内容が大きく異なる
  • 働きたい段階や体調に応じて選ぶことで、無理なく就職や生活の安定を目指せる

医師の診断や障害がある場合に利用できる代表的な支援は、「就労移行支援」「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「ハローワーク(障害者専門窓口)」があります。

就労移行支援

一般企業への就職を目指す人向け。職業訓練から就職後のフォローまで一貫して支援してくれる施設です。在宅支援に対応している事業所(※)もあり、外出が難しい人でも利用しやすいこともポイントです。

※自治体に申請し認められた場合のみ、在宅訓練が可能

対象年齢

18〜65歳

利用料金

原則1割負担(上限あり)

利用期間

原則2年間

主な支援内容

  • ビジネスマナー
  • パソコン訓練
  • 職場実習
  • 就職活動支援
  • 定着支援

就労継続支援A型

事業所と雇用契約を結び、地域別最低賃金以上の賃金をもらいながら、仕事と訓練の機会を得ることがきます。また体調に合わせて短時間勤務も可能で、一般就労への移行も目指すこともできます。

対象年齢

18歳以上

利用料金

原則1割負担(上限あり)

利用期間

制限なし

主な支援内容

  • 体調や特性に合わせた勤務調整
  • 実務スキルの習得(軽作業・事務補助など)
  • 一般就労に向けたステップアップ支援

就労継続支援B型

雇用契約は結ばず、工賃(作業報酬)を受け取る形で、あくまで、訓練が目的の施設のため工賃額は就労継続支援A型に比べると低いです。ですが体調や障害特性に合わせて自分のペースで働き、訓練やサポートが受けられることができます。

対象年齢

18歳以上

利用料金

原則1割負担(上限あり)

利用期間

制限なし

主な支援内容

  • 生活リズムの安定サポート
  • 体調が悪い日は休めるなど、参加ペースを自由に調整
  • 負担の少ない軽作業や創作の生産活動支援
  • 将来の就労に向けた基礎づくり(体調管理・ビジネスマナーなど)

ハローワーク(障害者専門窓口)

全国のハローワークにある障害者専用の窓口で、障害のある方向け求人を紹介し、面接同行や就職後のフォローも実施しています。就労移行支援と併用して利用する人も多いことも特徴です。

※ハローワーク(障害者専門窓口)の支援そのものは、障害者手帳がなくても利用可能です。ただし、「障害者雇用枠求人」へ応募するには障害者手帳が必要になります。

対象年齢

年齢制限なし

利用料金

無料

利用期間

制限なし

主な支援内容

  • 求人紹介
  • 面接同行
  • 職場定着支援
  • 雇用保険手続き

ひきこもりの方が就労支援を利用するメリット

ひきこもりの方が就労支援を利用するメリット3つを紹介

この章のポイント(就労支援を利用するメリット)

  • 生活リズムを整えながら、少しずつ外に出る習慣を作れる
  • 人との関わりが苦手でも、安心できる環境で少しずつ慣れていける
  • 就職に必要な準備を具体的にサポートしてもらえるため、働くイメージがつきやすい

ひきこもりの方が就労支援を利用する3つのメリットを紹介します。

  • 生活リズムを整えられる
  • 人との関わりに少しずつ慣れられる
  • 就職に向けた具体的なサポートが受けられる

生活リズムを整えられる

ひきこもりの状態が続くと、昼夜が逆転したり、外出の機会が減って生活リズムが乱れがちになります。就労支援では、決まった時間に通う・活動することで、自然と生活のリズムを取り戻せます。

最初は週1回など無理のないペースから始められるため、「朝起きて出かける習慣」を少しずつ作ることができます。

人との関わりに少しずつ慣れられる

就労支援では、同じように人との関わりに不安を感じている方たちが多く、最初はあいさつや簡単な会話から少しずつ練習していきます。スタッフがそばでフォローしてくれるので、慣れてきたら、グループでの軽作業や雑談の時間を通じて、自然に人とのやり取りに慣れることができます。

就職に向けた具体的なサポートが受けられる

履歴書の書き方や面接の練習、職場体験など、就職に必要な準備を具体的にサポートしてもらえます。また、自分に合った働き方を一緒に考えてもらえるため、「正社員を目指すのはまだ不安」「短時間から始めたい」といった希望にも柔軟に対応してもらうことができます。

ひきこもりの方が就労支援を利用するデメリット

ひきこもりの方が就労支援を利用するデメリット3つ

この章のポイント(就労支援を利用するデメリット)

  • 通所や人との関わりが負担になることがある
  • 支援内容や雰囲気が合わない場合がある
  • 途中でつまずいて、失敗経験になってしまう

基本的に、就労支援を利用することで大きな損をすることはありません。ただし、実際に利用を始めてみると、想像していなかった負担やつまずきを感じることもあります。ここでは、利用する前に知っておきたい現実的なデメリットを紹介します。

  • 通所や人との関わりに疲れてしまうことがある
  • 思っていた支援内容と違うと感じることがある
  • 途中でうまくいかず、落ち込んでしまうことがある

通所や人との関わりに疲れてしまうことがある

ひきこもりの期間が長いと、外出や会話そのものが負担になる場合があります。最初は通うだけで疲れてしまうこともありますが、就労支援では週1回や午前だけなど、自分のペースで始められるため、無理に毎日通う必要はありません。

思っていた支援内容と違うと感じることがある

支援の内容や雰囲気は、機関や担当スタッフによって少しずつ異なります。「想像していたよりも人が多かった」「自分のペースに合わなかった」など、利用してみてから違和感を覚えることもあります。ただし、どの支援も見学や相談の段階で雰囲気を確認できるため、合わないと感じた場合は、他の支援機関に切り替えることも可能です。

途中でうまくいかず、落ち込んでしまうことがある

どの就労支援を利用していても、思うように通えなかったり、課題に取り組む気力が出なかったりして「自分には向いていないのかも」と感じることがあります。

スタッフと一緒に原因を振り返りながら、通う時間帯や活動内容を調整していくことで、再び取り組めるようになるケースも少なくありません。どの支援でも、利用をやめたからといって終わりではなく、必要な時にまた相談し直したり、別の支援を利用したりすることも可能です。

ひきこもりとは

ひきこもりの厚生労働省の定義を解説

この章のポイント

  • ひきこもりは「6か月以上の社会的参加の回避」が基準となる状態
  • 外出していても他者との交流がなければ、ひきこもりに含まれることがある
  • 背景には「生物学的・心理的・社会的」な複数要因が関わるとされている

厚生労働省では、ひきこもりを「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念である。」と定義しています。

また厚生労働省のガイドラインでは、ひきこもりの背景には「生物学的」「心理的」「社会的」な側面があるとされています。

ひきこもり状態で起こる困りごと

ひきこもり状態で起こる困りごと3つを紹介

この章のポイント(ひきこもり状態での困りごと)

  • 生活リズムの乱れや体調不良など、身体・心のバランスが崩れやすくなる(生物学的側面)
  • 自信低下や対人不安が強まり、「外に出たいのに出られない」状態に陥りやすい(心理学的側面)
  • 社会の「こうあるべき」という圧力や孤立環境が、ひきこもりを長期化させてしまう(社会的側面)

ここではひきこもりで起こる困りごとについて3つ紹介します。

  • 身体と心のリズムの乱れ(生物学的側面)
  • 自信の低下や人に会うのが怖くなる(心理学的側面)
  • 周囲の期待や「こうあるべき」という雰囲気に押されてしまう(社会的側面)

身体と心のリズムの乱れ(生物学的側面)

ひきこもりが続くと、昼夜が逆転したり、睡眠や食事のリズムが乱れやすくなります。このような状態では、体内時計やホルモン分泌のリズムが崩れ、身体の調子が戻りにくくなることもあります。

また、うつ病・パニック障害・強迫性障害・統合失調症などの精神疾患が関係しているケースもあり、不安や恐怖が強くなり、人と会うことが怖くなったり、外に出ること自体が辛くなることがあります。

その結果、「外に出たくない」ではなく、「出たくても出られない」という状態に陥る方も少なくありません。さらに、発達障害や学習障害、軽度の知的障害があるのに、その特性が周囲に理解されず、学校や職場などで誤解や摩擦が生まれ、強いストレスを感じてしまうこともあります。

このようなストレスが積み重なると、「もう人と関わるのが怖い」と感じて、自分を守るためにひきこもるという形をとってしまうケースもあります。

自信の低下や人に会うのが怖くなる(心理学的側面)

長く無理を続けた結果の疲れや挫折感から、「もう頑張れない」「人に会うのが怖い」と感じてひきこもることがあります。

最初は少し休むつもりでも、人との関わりが減ることで緊張や不安が強まり、「外に出たらまた失敗するのでは」と考えてしまうようになることも。こうした状態が続くと、人と会うこと自体が怖くなる悪循環 に陥ってしまうことがあります。

また、学生時代のいじめや人間関係のトラブル、仕事での失敗などが強いストレスとなり、「外に出るのが怖い」「人と関わるのが辛い」と感じ、精神科的には「社会不安症」などと診断される場合もありますが、多くの方は診断されているのではなく、生きづらさや怖さを避けるためにひきこもっていることがあります

周囲の期待や「こうあるべき」という雰囲気に押されてしまう社会的側面)

ひきこもりの背景には、社会の価値観や周囲の環境が影響していることもあります。

例えば、「働いていないといけない」「みんなと同じでなければいけない」といった考え方が強い環境では、いったん学校や職場から離れた人が再び社会に戻るのは簡単ではありません。

「ひきこもってしまったら将来はない」「休むことは悪いこと」といった空気があると、本人だけでなく家族も「自分たちはいけないことをしている」と感じてしまい、支援を求めることができずに孤立してしまうことがあります。

また、身近に気軽に相談できる場所が少ないことも、ひきこもりの長期化を招く大きな要因です。

就労支援に共通するサポート内容

就労支援に共通するサポート内容3つを紹介

この章のポイント

  • どの就労支援でも、スタッフへいつでも相談しながら安心して進められる
  • 履歴書・面接対策・職場体験など、就職活動の準備を具体的に進められる
  • 就職後も定着支援により、長く働き続けるためのフォローを受けられる

就労支援と一口にいっても、サポステ・ハローワーク・就労移行支援など、制度や対象は様々です。ここでは、どの支援にも共通して行われている主なサポート内容を紹介します。

  • 支援スタッフにいつでも相談できる
  • 就職活動に必要な準備を進められる(履歴書・面接練習など)
  • 就職後も長く働き続けるための支援を受けられる

支援スタッフにいつでも相談できる

就労支援では、週ごとの面談や日々の声かけを通して、スタッフが利用者の状態を細かく把握しています。「朝起きられなかった」「作業中に不安になった」など、どんなことでもその日のうちに共有でき、一緒に原因や対処法を考えてもらうことができます。

就職活動に必要な準備を進められる(履歴書・面接練習など)

スタッフと一緒に履歴書や職務経歴書の作成を進めながら、面接で自分の経験をどう伝えるかを整理します。

例えば「人と会わない期間が長くてそもそも話し方がわからない」「人前で話すと頭が真っ白になる」といった悩みに対して、スタッフが一緒に言葉を考えたり、実際の面接を想定した練習を行います。

面接練習では、面接官役のスタッフが質問をし、受け答えを録画して表情や声のトーンを一緒に確認することもあります。また、希望する職種に合わせて職場見学や実習を組むこともでき、「自分に合う仕事かどうか」を実際に体験しながら確かめていくことができます。

就職後も長く働き続けるための支援を受けられる

支援機関では「定着支援」という仕組みを通して、就職後も継続的にフォローを受けることができます。

例えば、入社して数週間〜数か月間は、スタッフが定期的に電話やオンライン面談を行い、「職場の人とうまく話せない」「体調が安定しない」といった悩みを早めに共有できるようにしています。

職場に直接訪問して、上司や人事担当者と本人の間に入って調整を行うこともあります。「業務量が多くて疲れやすい」「通勤時間が負担になっている」など、

小さな問題を放置せず、職場と協力して働きやすい環境を整えていくことができます。

就労支援ごとの強みや違い

支援名障害の有無強み向いている人 
地域若者サポートステーション(サポステ)×心理面のフォローが手厚く、社会との関わりを少しずつ取り戻せる。いきなり就職は不安だけど、まず外に出る練習から始めたい人
ジョブカフェ×キャリアカウンセラーが常駐し、面接・書類対策など実践的な就職支援が受けられる。就職活動を具体的に進めたい人、求人情報を探したい人
障害者就業・生活支援センター×就職と生活の両方をまとめて相談でき、関係機関(ハローワーク・医療・福祉)との連携が強いどこに相談すればいいか分からない人、就職だけでなく生活面の不安も抱えている人
ハローワーク(一般求人窓口)×一般企業の求人を紹介。職業訓練や雇用保険の手続きまで一貫して利用できる。障害者雇用ではなく、一般求人を探す人
ハローワーク(障害者専門窓口)障害者雇用に特化した求人を紹介。面接同行や職場調整など、就職後のサポートも充実。障害者雇用での仕事を探したい人、職場との橋渡しが必要な人
就労移行支援一般企業への就職を目指すための訓練・面接練習・職場実習・定着支援までサポート。在宅支援(オンライン)も可能。障害や心の不調があり、サポートを受けながら企業就職を目指したい人
就労継続支援A型雇用契約を結び、給与を得ながら働ける。事業所のスタッフが日常的にサポート。まず短時間から実際の仕事を始めたい人
就労継続支援B型雇用契約を結ばず、自分のペースで作業できる。体調や特性に合わせた柔軟な働き方が可能。長時間勤務が難しい人、まず生活リズムを整えたい人

ひきこもりの方におすすめの支援

この章のポイント

  • 気持ちを整理したい・まず相談したい方は「サポステ」が合っている
  • 人との関わりに少しずつ慣れたい方は「地域活動支援センター」がおすすめ
  • 外出が難しい方は、自宅で学べる「在宅型の就労移行支援」が利用しやすい

ここでは、ひきこもりの方に特におすすめの支援を紹介します。

とりあえず相談したい方には地域若者サポートステーションがおすすめ

「何から始めればいいのかわからない」「就職の前に気持ちを整理したい」という方には、地域若者サポートステーション(サポステ)が向いています。カウンセラーや就労支援スタッフが一対一で話を聞いてくれる場所で、働くことへの不安や、これまでの経緯も安心して相談できます。

まずは電話やメールで予約でき、無料で利用できます。

少しずつ人との関わりに慣れたい方には地域活動支援センターがおすすめ

「いきなり働くのは不安」「まずは人と話すことに慣れたい」という方には、地域活動支援センターが適しています。ここでは、交流スペースでの雑談・創作活動・軽作業などを通して、無理のない範囲で社会とのつながりを取り戻していけます。参加は自由で、利用回数に制限がないため、「今日は顔を出すだけ」といった使い方も可能です。

※支援内容・利用条件は、自治体によって大きく異なります。実際の利用可否や手続きについては、お住まいの自治体が定める最新の実施要綱をご確認ください。

体力がなく外出が難しい方には「在宅型の就労移行支援」がおすすめ

「通うのはまだ自信がない」「家から出るだけで疲れてしまう」という方には、オンラインで利用できる在宅型の就労移行支援もおすすめです。パソコンやスマホを使って、自宅からスタッフとの面談・PC訓練・就職活動支援を受けられます。

障害者手帳が必要がない場合もあるので、一度就労移行支援に問い合わせてみるといいでしょう。

例えば、就労移行支援manaby(マナビー)では体調や生活リズムに合わせて、無理なく働く準備を進められる在宅訓練に取り組める環境が整っています。

  • eラーニングシステム「マナe」を活用した学習サポート
  • Webデザインやプログラミングなど、ITスキルの習得 
  • チャットを通して、いつでも支援員に相談できる
  • 通所が難しい方への在宅支援や柔軟なスケジュール調整
    ※在宅訓練の利用可否ついてはお住いの自治体によって異なります
  • 就職活動のサポートや、就職後6か月間の定着支援 など

在宅型の支援では、体調や生活リズムに合わせて自分のペースで訓練を続けられるのが強みです。通所が難しい期間も、スタッフとの面談やチャットでサポートを受けながら、就職に向けたスキル学習や準備を継続することができます。

就労支援を利用するための費用

就労支援を利用するための費用の紹介

この章のポイント

  • サポステ・ジョブカフェ・ハローワークなど公的機関はすべて無料で利用できる
  • 就労移行支援・A型・B型は原則1割負担だが、実際は「月0〜1.5万円程度」で利用できる
  • 低所得世帯や生活保護世帯は自己負担が0円になるケースが多い

ここでは就労支援を利用するための費用について紹介します。

公的機関の就労支援は、すべて無料で相談・利用が可能

地域若者サポートステーションジョブカフェ障害者就業・生活支援センターハローワークといった公的機関の就労支援は、すべて無料で相談・利用が可能です。

※ただし、プログラム内容により教材費・材料費・交通費等の実費がかかる場合があります。

就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)は原則1割負担

就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)は、福祉サービスにあたるため原則1割負担ですが、ほとんどの支援は国や自治体の制度に基づいて運営されており、所得に応じて自己負担額の上限が決められているため、実際には収入によって「月0円〜1万5,000円程度」の範囲で利用できます。生活保護世帯や低所得世帯の方は無料で利用できる場合がほとんどです。

就労移行支援manaby(マナビー)では約8割の方が月0円で利用されています。

※ただし、プログラム内容により教材費・材料費・交通費等の実費がかかる場合があります。

就労支援の利用条件

就労支援の利用条件の紹介

この章のポイント

  • 就労支援の多くは利用しやすく、厳しい年齢制限は少ない
  • サポステ(15〜49歳)・就労移行/A型/B型(18歳以上)など、一部の支援は年齢条件が決まっている
  • ジョブカフェは地域によって条件が異なるため、事前確認が必要

就労支援の種類によって、年齢制限がある場合があります。

年齢制限がある支援

支援名年齢制限 
地域若者サポートステーション(サポステ)15〜49歳
ジョブカフェ地域によって異なる
障害者就業・生活支援センター年齢制限なし
ハローワーク年齢制限なし
就労移行支援18歳〜65歳
就労継続支援A型18歳〜65歳
就労継続支援B型18歳以上(上限なし)
ハローワーク(障害者専門窓口)年齢制限なし

就労支援のほとんどが厳しい年齢制限はないですが、特にジョブカフェの場合は地域によって年齢の条件が異なるため、確認する必要があります。

サポステ・ジョブカフェ・障害者就業・生活支援センター・ハローワークの利用の流れ

サポステ・ジョブカフェ・障害者就業・生活支援センター・ハローワークの利用の流れ

この章のポイント(利用の流れ)

  • まずは電話・Web・窓口から予約や相談を行い、初回面談を行う
  • 個別相談で希望や不安を整理し、適した支援やステップをスタッフと一緒に決められる
  • 講座・職場体験・企業説明会などに参加し、少しずつ社会や就職活動に慣れていける

ここではサポステやジョブカフェ、障害者就業・生活支援センター、ハローワークなどの公的機関の一般的な利用の流れを3つのステップで紹介します。

STEP1:まずは予約または直接相談する

サポステ・ジョブカフェ・ハローワークは、いずれも無料で利用できる公的支援機関です。ホームページや電話で予約を取り、初回相談でスタッフに状況を話します。「働いた経験がない」「どんな仕事が向いているか分からない」といった悩みでもOKです。

STEP2:個別相談・カウンセリングを受ける

支援スタッフが希望や不安を聞き取りながら、「今の段階ではどんな支援を受けるのがよいか」を一緒に整理します。必要に応じて職業適性検査やキャリアカウンセリングを行い、次のステップ(職業体験や就職支援)を提案してくれます。

STEP3:就職に向けた講座やイベントに参加する

ジョブカフェでは面接対策セミナーや企業説明会など、実践的なプログラムも用意されています。サポステではコミュニケーション講座や職場体験を通して、

社会に少しずつ慣れていくことができます。

福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援A・B型)の利用の流れ

福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援A・B型)の利用の流れの紹介

この章のポイント

  • まずは事業所に相談・見学し、体験利用で自分に合うかを確認する
  • 利用を決めたら自治体でサービス受給者証を申請(事業所がサポート)
  • 支援計画を作成し、自分のペースに合わせて就労準備を進めていく

ここでは就労移行支援・就労継続支援A型・B型の一般的な利用の流れを4ステップで紹介します。

STEP1:まずは事業所に相談・見学する

気になる事業所を見つけたら、電話やWebフォームから見学を申し込みます。

STEP2:見学や体験を通して雰囲気を確認

見学後は、体験利用が可能です。実際のプログラムに参加しながら、通所ペースや内容を確かめることができます。

STEP3:自治体に「サービス受給者証」を申請する

利用を希望する場合は、お住まいの自治体(障害福祉課など)に「サービス受給者証」の発行を申請します。この手続きは事業所が一緒にサポートしてくれます。

STEP4:支援計画を作って利用開始

支援スタッフと一緒に「個別支援計画」を作成します。目標やスケジュールを相談しながら、働く準備を少しずつ進めていきます。

ひきこもりから就労支援を利用した方の体験談

ひきこもりから就労支援を利用した方の体験談の紹介(発達障害・うつ病・20代)

ここでは実際にひきこもり状態から就労支援を利用した方の体験談を紹介します。

発達障害・うつ病
新卒で入社した会社をすぐに退職し、失敗への恐怖と人からの評価が怖くてひきこもっていました。第二新卒の年齢が迫るなか、焦りと不安から心療内科を受診。自分の考え方の癖を知り、症状が落ち着いた頃に主治医から就労移行支援を紹介されました。見学や体験を通して、在宅でもITスキルを学べる就労移行支援manabyを選択。少しずつ自信を取り戻し、現在は在宅で憧れていたマーケターとして働いています。

ひきこもりの就労支援に関するよくある質問

ひきこもりの就労支援に関するよくある質問4つ紹介(FAQ)

ひきこもりの就労支援に関するよくある質問を紹介します。

病気や障害がなくても利用できますか?

サポステやジョブカフェ、ハローワークなどの公的支援は診断書や手帳がなくても利用可能です。一方、就労移行支援や就労継続支援A型・B型は医師の診断書やサービス受給者証が必要です。「自分がどの支援を使えるかわからない」という場合は、まずサポステに相談してみるのがおすすめです。

費用はどれくらいかかりますか?

多くの支援は無料または数千円程度で利用できます。サポステやジョブカフェ、ハローワークはすべて無料です。就労移行支援や就労継続支援は原則1割負担ですが、所得に応じて上限額が決まっており、就労移行支援manabyでは約8割の方が0円で利用されています。

支援を受けたら必ず就職しないといけませんか?

必ず就職しなければいけないわけではありません。就労支援にはいくつかの種類があり、それぞれ目的やゴールが異なります。

例えば、就労移行支援は一般企業への就職を目指す人のための支援ですが、サポステやジョブカフェは「社会との関わりを少しずつ取り戻したい」という段階の人でも利用できます。

また、就労継続支援A型・B型は、体調や障害の特性に合わせて「働くリズムを保つ」「自分のペースで作業を続ける」ことを目的としており、無理に一般就職を目指す必要はありません。まずは相談や見学からでも大丈夫です。

通い続けられるか不安です。途中でやめても大丈夫ですか?

就労支援は自分のペースで利用できる制度なので、体調や気分が優れない時は一時的にお休みしたり、利用を中断することも可能です。

診断の有無に関わらず利用できる就労支援はある

診断の有無に関わらず利用できる就労支援はあるというまとめ

「ひきこもりだから」「医師の診断を受けていないから」といって、支援を受けられないわけではありません。サポステジョブカフェハローワークなどの公的支援は、医師の診断や障害者手帳がなくても利用できます。

一方で、心療内科などで医師の診断を受けている場合は、就労移行支援などの障害福祉サービスを活用することで、より専門的な支援を受けられます。

どの支援も「今の状態から少しずつ社会との関わりを取り戻すこと」を目的にしており、無理に就職を急がされることはありません。

まずは、自分が利用できる支援を知ることが第一歩です。どんな支援が自分に合うのか分からない場合は、地域若者サポートステーション(サポステ)に相談してみましょう。また、より専門的なサポートを希望する場合は、就労移行支援manaby(マナビー)のように、障害や体調に理解のあるスタッフが在籍している事業所もあります。

ひとりで抱え込まず、まずは相談してみましょう。

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岩谷 朋美

社会福祉士/精神保健福祉士
社会福祉士・精神保健福祉士として、高齢者福祉や障がい者支援の現場で相談支援・就労支援に従事してきた。自身の不登校経験を通じて、人との関わりの大切さを学ぶ。現在は就労継続支援B型事業所で支援員として勤務しながら、メンタルヘルス・福祉・子育て分野の記事執筆や監修を行っている。

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