9割以上がメンタル不調を抱えていた!相談できる相手がいない人も2割

10月10日は「世界メンタルヘルスデー」。心の健康について理解を深め、支援の大切さを考えるために定められた国際的な記念日です。近年は、働き方の変化や人間関係、将来への不安など、日常のさまざまな場面で心の不調を感じる人が増えてきています。
そこで今回、453名を対象に「過去1年以内に感じたメンタルの不調」についてアンケートを行いました。この記事では、そのアンケート結果をもとに、多くの人がどのような不調を抱え、どのように向き合っているのかを紹介します。
アンケート概要

調査内容:「過去1年以内にメンタルの不調」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年9月2日~2025年9月16日
調査人数:453名(男性168名 女性285名)
年代:10代(1名)・20代(87名)・30代(161名)・40代(134名)・50代(55名)・60代以上(15名)
- 年齢を選択してください
- 性別を選択してください
- 過去1年以内に、メンタルの不調を感じたことはありますか?
- どんなメンタルの不調を感じましたか?
- その不調の原因として、最も当てはまるものを1つだけ選んでください
- その時、どう対処しましたか?
- 心の不調を感じた時、最も相談しやすい相手は誰ですか?
過去1年以内にメンタル不調を感じた方は95.6%

- はい 433票(95.6%)
- いいえ 10票(2.2%)
- わからない/覚えていない 10票(2.2%)
95.6%の方が「はい」と回答し、10人に9人以上が不調を経験していることがわかりました。
一方で、「いいえ」と答えた人は2.2%にとどまり、「わからない・覚えていない」と回答した人も2.2%でした。
この結果から、メンタルの不調は特別なことではなく、多くの人が日常的に直面している問題であることが分かりました。
最も多かったのは「気分の落ち込み」

- 気分の落ち込みが続いた 321票
- 集中力が落ちた 168票
- 食欲や睡眠に変化があった 166票
- 何も楽しめなかった 145票
- 自分には価値がないと感じた 131票
- 朝起きられない・外出が辛かった 93票
- 涙が止まらなかった 76票
- 死にたいと思った 69票
- その他 27票
「気分の落ち込みが続いた」が321票で最も多く、次いで「集中力が落ちた」168票、「食欲や睡眠に変化があった」166票が続きました。
上位に挙がった不調は、どれも日常生活や仕事のパフォーマンスに直結するものばかりです。
最も多いメンタルの不調の原因1位「家族・パートナーの関係」

- 家族やパートナーとの関係 79票
- 将来やお金の不安 79票
- 仕事の負荷や責任(業務量・プレッシャーなど) 76票
- 健康面・体調の不調 71票
- 職場の人間関係 55票
- 孤独や孤立感 38票
- 特に思い当たる原因はない 18票
- 季節・天候の変化 13票
- その他 24票
「家族やパートナーとの関係」(79票)と「将来やお金の不安」(79票)が同率で一番多い結果でした。そのあとに「仕事の負荷や責任」(76票)や「健康面・体調の不調」(71票)が続き、日常の暮らしや働き方に直結することが、多くの人の不調原因として挙げられています。
最も多かった対処は「趣味や好きなことで気を紛らわせた」

- 趣味や好きなことで気を紛らわせた 145票(32.0%)
- 我慢した・特に何もしなかった 140票(30.9%)
- 誰かに相談した(家族・友人) 67票(14.8%)
- 休養をとった/休職・欠席した 54票(11.9%)
- 専門家に相談した(医療機関・支援機関など) 34票(7.5%)
- その他 13票(2.9%)
「趣味や好きなことで気を紛らわせた」が32.6%で一番多く、次に「我慢した・特に何もしなかった(30.9%)」でした。つまり、多くの人は不調に対して具体的な対処をしたわけではなく、特に行動を取らずに過ごしていたことが分かります。
5人に1人が「相談できる相手はいない」と回答

- 家族 184票(40.6%)
- 相談できる相手はいない 90票(19.9%)
- 友人・知人 84票(18.5%)
- 専門家(医師・カウンセラーなど) 36票(7.9%)
- わからない 28票(6.2%)
- SNSなどインターネット上の相手 20票(4.4%)
- その他 5票(1.3%)
- 職場の仲間 6票(1.1%)
「心の不調を感じた時、最も相談しやすい相手は誰ですか?」という質問では、「家族(40.6%)」が最も多い結果となりました。身近な存在だからこそ話しやすいと感じる人が多いのかもしれません。
一方で、次に多かったのは「相談できる相手はいない(19.9%)」で、およそ5人に1人が、心の不調を感じても頼れる人がいないと答えています。
メンタル不調は誰にでも起こり得る、身近な問題

今回のアンケートでは、9割以上の人が過去1年以内にメンタルの不調を感じたと回答しました。さらに、心の不調を抱えた時に「相談できる相手はいない」と答えた人が約2割に上り、誰にも頼れず一人で抱え込んでしまう現状も明らかになりました。
また、不調を感じた時の対応については、「趣味や好きなことで気を紛らわせた」「我慢した・特に何もしなかった」といった、その場しのぎの方法が多く選ばれています。逆に、専門家に相談したり、しっかり休養をとったりといった積極的な対処をした人はごく一部にとどまりました。
こうした結果から、多くの人が心の不調を自覚しながらも、十分な支援や適切な対処を取れていないということが分かります。
メンタルの不調は誰にでも起こり得るものであり、多くの人が経験している身近な問題です。もし一人で抱え込み、誰にも相談できないと感じた時には、カウンセラーなどの専門家や医療機関・支援機関などの専門的な窓口を活用を利用することも選択肢の1つとして覚えておくと安心です。