【障害のある151名にアンケート】法定雇用率2.7%引き上げ、企業に一番求めることは?
障害者雇用の法定雇用率が2.7%に引き上げられ、企業の障害者雇用をめぐる環境は大きく変わろうとしています。
障害のある方の中には、「本当に求人は増えるのだろうか」「職場は変わってくれるのだろうか」と感じる方も少なくありません。
そこで今回は、障害のある151名を対象に、法定雇用率引き上げの受け止めと、企業に一番求めることをアンケート調査しました。
あわせて、引き上げについて感じることや、企業に求めたい理由についても聞いています。
就職・障害・体調のこと…
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どんなことを相談できるの?
- 「自分に合った仕事や働き方を見つけたい」
- 「体調やメンタルに波があり、長く働けるか不安」
- 「障害への理解がある職場に就職・転職したい」
- 「まずは生活リズムを整えるところから始めたい」
アンケート概要

調査内容:「障害者雇用の法定雇用率引き上げ」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月9日~2026年7月23日
調査人数:151名(男性64名 女性87名)
年代:20代(30名)・30代(63名)・40代(45名)・50代(9名)・60代以上(4名)
- 年齢を選択してください。
- 性別を選択してください。
- あなたの障害種別を教えてください。
- あなたの現在の状況に近いものを教えてください。
- 障害者雇用の法定雇用率が2.7%に上がったことを知っていましたか?
- 法定雇用率が上がることで、障害者雇用の求人は増えると思いますか?
- 法定雇用率が上がることについて、感じることを教えてください。
- 障害者雇用で働くうえで、企業に一番求めたいことは何ですか?
- その項目を選んだ理由を教えてください。
法定雇用率2.7%引き上げ、約半数が「知らなかった」

- 知らなかった 41.7%(63票)
- 聞いたことはある 39.1%(59票)
- 知っていた 13.2%(20票)
- 法定雇用率という言葉を知らなかった 6.0%(9票)
※小数点第2位以下は四捨五入
最も多かったのは「知らなかった」41.7%(63票)で、次いで「聞いたことはある」39.1%(59票)でした。「知っていた」と答えた方は13.2%(20票)にとどまり、「法定雇用率という言葉を知らなかった」6.0%(9票)と合わせると、合計すると、47.7%(72票)が引き上げの内容を知らなかったことが分かります。
約半数が知らなかったという結果からは、引き上げの情報が当事者にまで十分に届いていないことが分かります。
求人は「少し増えると思う」との回答が半数を超える

- 少し増えると思う 51.7%(78票)
- あまり変わらないと思う 21.9%(33票)
- 分からない 17.9%(27票)
- 増えると思う 8.6%(13票)
※小数点第2位以下は四捨五入
最も多かったのは「少し増えると思う」51.7%(78票)で、半数を超えました。「増えると思う」8.6%(13票)と合わせると、合計すると、60.3%(91票)が求人の増加を見込んでいることが分かります。
一方で、「あまり変わらないと思う」21.9%(33票)、「分からない」17.9%(27票)と、増加を実感できていない方も4割近くいるようでした。
法定雇用率引き上げについて|受け止めエピソード
期待の声
就職の選択肢が広がり良く感じる
期待の声
働く意欲や能力があっても就職が難しい人はまだまだ多いので企業から積極的に雇用を考えてくれると嬉しいです。
懸念の声
見かけ上は良いことだが形骸化すると思う。
懸念の声
法定雇用率だけが上がっても、実態が伴わなければ意味がないと思う。
懸念の声
現状においても法定雇用率を満たす企業の割合は高くないので、大きな変化は見込めないと思います。
制度と実態のギャップを指摘する声
社会の方向性として必要な事だと思う反面、数字を上げる法律のスピードに対し、企業の受け入れ体制やノウハウの蓄積が追いついていない事が歪みを生んでいると感じます。
制度と実態のギャップを指摘する声
率が引き上げられることで、新しく仕事に就けるチャンスが広がる人がいるのは良いことだと思いますが、受け入れる企業側の体制や業務の切り出しが追いついていないケースも多いと思います。
寄せられたコメントを見ると、法定雇用率の引き上げそのものは、多くの方が前向きに受け止めていることが分かります。
一方で、数字だけが先行して形だけの雇用になってしまうのではないかと不安に感じている方も少なくありませんでした。企業の受け入れ体制が制度のスピードに追いついていないと感じている方もいました。
制度の引き上げを喜ぶ気持ちと、実態が伴うかどうかへの懸念が入り混じっているといえそうです。
企業に一番求めたいことは「体調に合わせた働き方」

- 体調に合わせた働き方 30.5%(46票)
- 障害や特性への理解 28.5%(43票)
- 相談しやすい環境 18.5%(28票)
- 在宅勤務や時短勤務などの柔軟さ 10.6%(16票)
- 長く働けるサポート 7.9%(12票)
- 給料や待遇の改善 2.6%(4票)
- 分からない 1.3%(2票)
※小数点第2位以下は四捨五入
最も多かったのは「体調に合わせた働き方」30.5%(46票)で、僅差で「障害や特性への理解」28.5%(43票)が続きました。この上位2つを合わせると、合計すると、58.9%(89票)にのぼり、企業に求めたいことの半数以上を占めることが分かります。
次いで「相談しやすい環境」18.5%(28票)も多く挙がっていました。「給料や待遇の改善」2.6%(4票)を選んだ方は少なく、待遇面よりも働き方や理解を重視する方が多いようでした。
体調や特性に配慮した柔軟な働き方こそが、障害のある方が長く働き続けるための土台になっていると考えられます。
- 「自分に合った仕事や働き方を見つけたい」
- 「体調やメンタルに波があり、長く働けるか不安」
- 「障害への理解がある職場に就職・転職したい」
- 「まずは生活リズムを整えるところから始めたい」
障害種別によって、企業に求めることに違いがあった

- 精神障害:障害や特性への理解 30.2%(26票)
- 身体障害:体調に合わせた働き方 44.8%(26票)
- 知的障害:体調に合わせた働き方 42.9%(3票)
※小数点第2位以下は四捨五入
この結果から、精神障害のある方は周囲の理解や相談しやすい関係性を重視する傾向が見られました。
一方で、身体障害のある方と知的障害のある方では、「体調に合わせた働き方」が最も多く選ばれており、働き方への配慮を重視する傾向がうかがえます。
企業に求める理由|エピソード
体調に合わせた働き方
体調には波があることもあるため、無理なく働ける環境があると安心できます。自分の体調に合わせて働けることで、長く仕事を続けやすいと思います。
体調に合わせた働き方
体調を悪化させてしまうと働けない状況になってしまいます。安定して働けるための配慮をしてもらうのが重要だと思います。
障害や特性への理解
障害や特性への理解がないと働きづらくて嫌に感じるから、そういうことをしっかり理解してくれることを求めたい
障害や特性への理解
一人ひとりの特性を理解してもらえる職場であれば、自分の力を発揮しやすくなります。困ったときに相談しやすく、無理のない働き方ができる環境が長く働くために大切だと思います。
相談しやすい環境
どうしても一人で抱え込みがちになってしまうので、相談しやすい環境を一番に求めたいです。
在宅勤務や時短勤務などの柔軟さ
身体障害者にとっては在宅勤務が選べる環境であってほしい。
長く働けるサポート
就職できても体調を崩して辞めては意味がないので、継続的な支援が必要だから
寄せられたコメントを見ると、体調の波に合わせて働ける環境や、特性を理解してもらえる関係性を求める声が多いことが分かります。
在宅勤務や時短勤務など働き方そのものの柔軟さを求める方や、長く働き続けるための継続的なサポートを求める方もいました。
法定雇用率引き上げは歓迎されつつも、企業には体調配慮と特性理解が強く求められている
障害者雇用の法定雇用率が2.7%に引き上げられたことについて、約半数の方が知らなかったと回答していることが分かりました。
制度自体の認知は十分に広がっておらず、引き上げの情報が当事者にまで届いていないことも見えてきました。
一方で、求人が増えると見込む方は6割に上り、期待の声も一定数あることが分かりました。
実際に寄せられたコメントを見ると、引き上げそのものは前向きに受け止めつつも、数字だけが先行し形だけの雇用になるのではという懸念も少なくありませんでした。
企業に一番求めたいこととしては、「体調に合わせた働き方」と「障害や特性への理解」が突出しており、この2つで半数以上を占めていることが分かりました。
さらに、障害種別によって重視するポイントが異なり、精神障害のある方は理解や相談できる関係性を、身体障害のある方は体調に応じた働き方を、それぞれ強く求めていることも見えてきました。
寄せられたコメントからは、体調の波に合わせられる仕組みや、特性を理解してもらえる安心感を求める声が多く挙がっていました。
法定雇用率の引き上げは、求人の増加という数のうえでの変化だけで解決できるものではありません。
一人ひとりの障害特性や体調に合わせた配慮を、企業がどれだけ具体的に実践できるかが、当事者が安心して働き続けるための大切なポイントだといえそうです。