うつ病・適応障害で休職した132名にアンケート|その後どうなった?
うつ病や適応障害で休職を考えた時、「その後どうなるのか」「復帰できるのか」「退職になるのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。
実際に休職した人は、その後どのような道を選んでいるのでしょうか。
本記事では、うつ病・適応障害を経験し休職した132名へのアンケート結果をもとに、休職を決めるまでの期間、職場に伝えたときの反応、復帰までの期間、退職割合、現在の就業状況までを詳しく解説します。
アンケート概要

調査内容:「うつ病・適応障害の方の休職経験」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年01月28日~2026年02月11日
調査人数:132名(男性51名 女性81名)
年代:20代(22名)・30代(58名)・40代(35名)・50代(12名)・60代以上(5名)
- 年齢を選択してください。
- 性別を選択してください。
- 診断名を教えてください。
- 当時の雇用形態を教えてください。
- 仕事にどんな支障が出ましたか?一番辛かったものを1つ選んでください。
- 仕事について、体調不良を感じた際に最初に取った行動は何でしたか?
- その選択をした理由は何でしたか?
- 休職を決めるまで、どれくらいの期間悩みましたか?
- 休職する前に上司や会社に体調について伝えましたか?
- 伝えた際の反応を教えてください。
- 印象に残っている言葉や出来事があれば教えてください。
- 休職後、どれくらいで職場に復帰しましたか?
- 復帰にあたって、役立ったことや工夫したこと、仕事を休んでいた期間の過ごし方などがあれば教えてください。
- 現在の就業状況を教えてください。
約6割が「うつ病」、約3割が「適応障害」で休職

- うつ病 77票(58.3%)
- 適応障害 44票(33.3%)
- 両方 11票(8.3%)
「うつ病」と回答した方が77名(58.3%)と最も多く、全体の約6割を占めました。次いで、「適応障害」が44名(33.3%)となっており、約3人に1人が適応障害と診断されていることが分かります。
約7割が正社員の時に休職を経験

- 正社員 93票(70.5%)
- パート・アルバイト 22票(16.7%)
- 契約社員 11票(8.3%)
- 派遣社員 4票(3.0%)
- その他 2票(1.5%)
正社員が93名(70.5%)と最も多く、全体の7割を占めていました。一方で、パート・アルバイトが22名(16.7%)、契約社員が11名(8.3%)、派遣社員が4名(3.0%)と、非正規雇用で働いていた方も一定数いらっしゃいました。
立場や契約形態に関わらず、業務量や人間関係、職場環境の影響を受け、不調を抱えるケースがあることがうかがえます。
仕事の支障1位「出勤できない」

- 出勤できない 41票(31.1%)
- 感情のコントロールができなくなる(涙が出る・イライラするなど) 39票(29.5%)
- 遅刻・欠勤が増えた 14票(10.6%)
- 何も手につかない 14票(10.6%)
- 集中できない 8票(6.1%)
- ミスが増えた 8票(6.1%)
- 同僚や上司と話せない 4票(3.0%)
- 整理整頓ができない 3票(2.3%)
- その他 3票(2.3%)
最もつらかったものは、「出勤できない」と回答した方が41名(31.1%)で最多となりました。
次いで多かったのは、「感情のコントロールができなくなる(涙が出る・イライラするなど)」39名(29.5%)で、約3割にのぼっています。
この結果から、うつ病や適応障害による仕事への影響は「出勤・感情」といった部分から崩れていくケースが多いことが分かりました。
体調不良を感じた際、最初に「休職」を選んだ方が50%以上

- 休職した 70票(53.0%)
- 働きながら通院した 44票(33.3%)
- 特に何もしていない 10票(7.6%)
- 配慮を受けて継続して働いた 8票(6.1%)
仕事について体調不良を感じた際、最初に取った行動を尋ねたところ、「休職した」と回答した方が70名(53.0%)と、半数を超えました。
次いで多かったのは、「働きながら通院した」44名(33.3%)で、約3人に1人が、仕事を続けながら、通院という形で体調と向き合っていました。
一方で、「配慮を受けて継続して働いた」8名(6.1%)にとどまり、業務調整や環境配慮を受けながら働き続けられた方は、決して多くはありませんでした。
なぜその選択をしたのか?実際のコメント
会社の人にうつ病であることを、バレたくないと思ってしまい働きながら通院していました。
新卒で入社して1年ほどでお金がない時期だったので、完全に休職すると生活が苦しくなってしまうから
会社に行くことに身体が拒否反応を起こすようになった。ストレスからか夜は寝付けなくなり、眠りがとても浅くなった。
初めは限界だと感じながらも、具体的にどんな行動を取ればいいかが分からず、とりあえず病院に行こうと思ったから。
(働く)人が足りていないと思ったので、周りに迷惑をかけると思ったから。
正常な判断が失われ、ただ頭の中に考えが浮かばない。何も考えられない状態だった。
自分で判断する能力が完全に機能しておらず、先輩に勧められて通院しその場で即診断がおりました。
出勤して涙が出てくる、次第には職場の最寄駅に着いても電車から降りられなくなったから。
自分以外に業務を行う人員がおらず、従業員や取引先への影響が大きく業務を止められなかったから。
時間が経てばすぐに良くなるだろうと楽観視していたからです。
休職することでキャリアが途絶えることや、周囲から怠けていると思われるのが怖かったからです。
自分は違うと思い、最初は特に何もしませんでした
上司と医師の判断によるものです。休職を勧められた際、仕事のことは気になりましたが、「1年、2年休んだとしても、会社にとって必要な人材であることに変わりはないので、ゆっくり静養するように」と言われました。
休みたい気持ちもあったが、復帰したことの時を考えると不安で、日数を減らしたり、時短勤務などで調整をしてもらって働いていました。
急に仕事を休むことへの不安が大きく、まずは生活リズムを保ちながら通院で改善できないか試したかったため。また、業務の引き継ぎや周囲への影響も考え、すぐに休職する決断ができなかった。
働きながら通院を選んだ方からは、「休むことへの不安」や「周囲への影響を考えた結果」が多く挙げられていました。体調のつらさ以上に、収入・キャリア・周囲の評価といった不安が判断に影響していた可能性があります。
一方で、休職を選んだ方の中には、「会社に行くことに身体が拒否反応を起こすようになった」など、自分で判断する余地がほとんど残っていないほど心身が限界に近い状態だったと受け取れるコメントも見られました。本人の意思というよりも、医師や上司など第三者の判断がきっかけになっているケースも少なくありませんでした。
また配慮を受けて働き続けたを選んだ方の多くは、「会社の人手不足」「周囲に迷惑をかけたくない」といったコメントが多数ありました。
一方で、「特に何もしていない」と回答した方の中には、「何も考えられなかった」といったコメントもあり、心身の負担によって判断力そのものが落ちていた可能性が考えられます。
休職は「3か月以内」に決断した人が約7割

- 3ヶ月以内 47票(35.6%)
- 1ヶ月以内 45票(34.1%)
- 半年以内 26票(19.7%)
- 1年以上 11票(8.3%)
- 1年以内 3票(2.3%)
休職を決めるまでにどれくらいの期間悩んだかを尋ねたところ、「1か月以内」45名(34.1%)、「3か月以内」47名(35.6%)と、約7割の人が3か月以内に休職を決断していたことが分かりました。
また、「半年以内」26名(19.7%)とあわせると、9割近くが半年以内に休職を決断している結果となりました。これは、時間をかけて慎重に考えたというよりも、心身の状態が急速に悪化し、続けられなくなった方が多かったのではないでしょうか。
8割超は休職前に「不調を伝えていた」

- はい 107票(81.1%)
- いいえ 18.9票(18.9%)
休職を決める前に、上司や会社に体調について伝えていたかと伺ったところ、「はい」と回答した方は107名(81.1%)と、全体の8割を超えました。体調不良を抱えながらも、仕事や職場への影響を考え、相談という形を取った方が多かったと考えられます。
一方で、「いいえ」と回答した方も25名(18.9%)おり、約5人に1人は、体調について伝えないまま休職に至っていました。
「理解あり」は3割、「具体策ない」が2割

- 理解してくれ、配慮の提案があった 43票(32.6%)
- 話を聞いてくれたが、具体的な対応はなかった 27票(20.5%)
- 休職・業務調整などの制度説明があった 24票(18.2%)
- 伝えていない 9票(6.8%)
- まずは様子見と言われた/休めない雰囲気だった 7票(5.3%)
- 距離を置かれた/評価が下がったと感じた 7票(5.3%)
- 人事・産業医・支援窓口に繋がった 2票(1.5%)
- 特に何もなかった 2票(1.5%)
- その他 11票(8.3%)
上司や会社に体調について伝えた際の反応について質問したところ、最も多かったのは「理解してくれ、配慮の提案があった」43名(32.6%)でした。
次に多かったのは、「話を聞いてくれたが、具体的な対応はなかった」27名(20.5%)でした。伝えること自体よりも「その後の調整をどう行うか」までが難しいようです。
また、「休職・業務調整などの制度説明があった」24名(18.2%)も多く、会社側が制度面の案内を行っている場合もありました。
伝えた時のエピソード
「今まで辛かったね」と声をかけられるなど、上司や同僚が理解がある場合もある一方で、「みんな辛い中で頑張っている」「気分の問題だから来なさい」と理解のない言葉を言われた方も多かったです。
また、表向きは「話を聞く場」が設けられても、その態度から「面倒だと思われている」と感じたり、「休むの?辞めるの?どちらにしても迷惑がかかる」と責められるというケースもありました。
休職後、約3人に1人は復帰せず退職という選択に

- 休職したまま、退職した 46票(34.8%)
- 半年以内 28票(21.2%)
- 3ヶ月以内 25票(18.9%)
- 1ヶ月以内 17票(12.9%)
- 1年以内 9票(6.8%)
- 1年以上 4票(3.0%)
- 現在も復帰していない 3票(2.3%)
休職後、どれくらいで職場に復帰したかの質問に対しては、「休職したまま、退職した」46名(34.8%)が最も多かったです。
一方で、復帰した人も一定おり、「半年以内」28名(21.2%)、「3か月以内」25名(18.9%)、「1か月以内」17名(12.9%)をあわせると、約5割強が半年以内に復帰していることになります。
休職期間の過ごし方

半年ぐらい経って会社の人と連絡を取り社外で会ったりして少しずつ職場復帰に向けて準備をした。
休職期間の過ごし方について寄せられたコメントからは、「早く元に戻ろうとする」よりも、「今の状態に合った過ごし方を選ぶ」ことを大切にしていた方が多数いらっしゃいました。
休職し始めの時期については、「何の気力も湧かず、ほぼ家の中で過ごしていた」「最初の1か月は寝ることに専念した」といった声が多く見られました。
この段階では、無理に前向きな行動を取るよりも、仕事のことを考えない、あえて何もしないという選択が、心身の回復にとって重要だったと振り返る方が多かったです。
状態が落ち着いてきた段階では、
- 毎朝太陽の光を浴びる
- 決まった時間に起きて散歩をする
- 1日1回は外に出る
といった、小さな行動を習慣化する工夫が多く挙げられていました。
また自分を責めないための工夫として、
- 毎日自分を褒める
- SNSを断つ
- 他人の活躍を見ない
といった、周囲と比べて落ち込むのではなく、自分の状態を客観的に見つめ、責めすぎない環境をつくることが、結果的に復帰後のメンタルにも良い影響を与えていたようです。
少しずつ回復が進んでからは、復帰や次の選択の準備期間として
- 資格の勉強
- リワーク(復職支援)プログラムの活用
- 医師・産業医と復職プランを立てる
といった、再発を防ぐための行動に移しているようでした。
休職期間は、成果を出すための時間ではなく、自分の心身を立て直し、これからを考えるための時間でもあるといえます。
休職後も、半数は同じ会社で働いている

- 同じ会社で働いている 67票(50.8%)
- 別の会社に転職した 36票(27.3%)
- 就労移行支援などの就労支援を利用している 26票(19.7%)
- 休職中/現在は働いていない 3票(2.3%)
休職を経験した後の現在の就業状況について伺ったところ、「同じ会社で働いている」67名(50.8%)と、半数以上が元の職場で就業を続けていることが分かりました。
休職は「そのまま辞めることになるのでは」と不安に思われがちですが、今回の結果からは、休職を経て職場復帰し、働き続けている方が決して少なくないことが明らかになりました。
一方で、「別の会社に転職した」36名(27.3%)と、約3割は環境を変える選択をしていました。体調や働き方を見直した結果、元の職場に戻るのではなく、自分に合った環境を探す道を選んだと考えられます・
また、「就労移行支援などの就労支援を利用している」26名(19.7%)という結果から、すぐに働き始めるのではなく、支援を受けながら次の就業に向けて準備している方もいることが分かりました。
休職はキャリアの中断ではなく、働き方を見直すための時間

体調に異変を感じた時、多くの方はすぐに休職を選んだわけではありませんでした。働きながら通院したり、配慮を受けて続けようとしたり、何もできない状態のまま耐えていた方もいました。コメントからは、収入や評価への不安、周囲への遠慮など、簡単には割り切れない事情を抱えながら判断していたことがうかがえました。
また、伝えた際の職場の反応は人それぞれでした。理解や配慮につながったケースがある一方で、具体的な対応が得られなかったり、かえって傷ついたという方も少なくありませんでした。
復帰までの期間にも個人差があり、約3割が3か月以内に職場へ復帰していました。一方で、時間をかけて回復を優先した方や、復帰せず別の選択をした方もいます。
休職後の過ごし方を見ると、最初は「何もしない」ことで少しずつ回復を図った方、生活リズムを整えることから始めた方、転職や就労支援を選んだ方など、自分の回復のペースに合わせて過ごし方を選んでいたことが分かりました。
実際に、半数以上は同じ会社で働き続けており、環境を変えた人や支援を利用している人も含めて、休職後の道は一つではないことが分かります。
休職は「立ち止まること」ではありますが、それは後退ではなく、これからの働き方を見直すための時間でもあります。もし休職を考えている、あるいは休職中で次の一歩に悩んでいる場合は、就労移行支援などのサポートを利用するという選択肢もあります。支援を受けながら、自分の体調や希望に合った働き方を整理していくことも、1つの方法だと言えるでしょう。
