就労定着支援とは?利用の流れや必要書類を解説

- 就労定着支援とは?
- 就労定着支援のサポート内容
- 定期的な面談
- 職場での困りごとの相談
- 生活リズムを整えるお手伝い
- 体調管理のサポート
- お金の管理のサポート
- 職場との調整
- 就労定着支援の利用対象者
- 就労定着支援の利用開始時期
- 就労定着支援のサポート期間
- 就労定着支援の利用方法
- 利用中の障害福祉サービスがある場合
- 過去にサービスを利用していた場合
- 支援先がない・相談先がない場合
- 利用には「受給者証」が必要です
- 就労定着支援サービス利用の流れ
- 利用する事業所を選ぶ
- 就労定着支援サービス開始(就職7か月目~)
- 契約更新(1年ごと)
- 就労定着支援を提供する事業所
- 就労定着支援の利用料金
- 就労定着支援のメリット
- 長期間の支援が受けられる
- 幅広い支援内容
- 客観的な視点からのアドバイス
- 就労定着支援のデメリット
- 利用料がかかることもある
- 時間の調整が必要になることも
- 就労定着支援が向いている方
- 就職後も継続的なサポートが必要な方
- 職場に慣れるのに時間がかかる方
- 生活リズムやお金の管理に不安がある方
- 長く働き続ける自信がまだ持てない方
- 就労定着支援が向いていない方
- すでに職場に十分適応し、安定して働けている方
- 支援を受けることに抵抗がある方
- 自己管理が十分にできる方
- 今の会社で長く働きたいと思っていない方
- 他の支援制度と就労定着支援の違い
- 職場定着支援と就労定着支援の違い
- ジョブコーチと就労定着支援の違い
- 就労移行支援と就労定着支援の違い
- よくある質問
- 面談はどのくらいの頻度ですか?
- 支援を受けるのにお金はかかりますか?
- 障害者手帳を持っていなくても利用できますか?
- パートやアルバイトの方でも受けられますか?
- オンラインでも支援を受けることができますか?
- 支援を途中でやめることはできますか?
- サービス利用中に退職した場合、どうなりますか?
- 3年経過後も支援を受けたい場合、どうすればいいですか?
- 障害福祉サービスを利用して就職しましたが、就労定着支援を利用しなくても良いですか?
- 就労定着支援は「就職後の不安」に寄り添う福祉サービス
「せっかく就職できたけど、ちゃんと続けられるかな…」「職場の人間関係がうまくいくか不安…」と働く上で、こんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そうした不安に寄り添い、就職後も安心して働き続けられるよう長期間支援してくれるのが就労定着支援です。
この記事では、就労定着支援の具体的な支援内容や、そのメリットについて紹介します。
就労定着支援とは?

就労定着支援は、障害福祉サービスを利用して就職した方が、一般企業で安心して働き続けられるようにサポートする制度です。
実際に働いてから起きる悩みや困りごとに対して、必要なサポートを受けられるようになっています。
就労定着支援のサポート内容

実際に働き始めると、やりがいや達成感を感じる一方で、戸惑いや不安を抱えることも少なくありません。
例えば、こんな悩みが出てくることがあります。
- 仕事に関する悩み: 新しい仕事に慣れるまで時間がかかり、知らない作業に戸惑ったり、自分にできるか不安になる
- 人間関係:上司や同僚とうまく話せなかったり、気をつかいすぎて疲れてしまう
- 生活リズムの乱れ:急に朝型の生活に切り替えるのが難しく、リズムが乱れると体調を崩す
- 体調管理の難しさ:疲れがたまりやすく、体調の変化に気づくのが遅れたり、うまく休めなかったりする
- お金の使い方に悩む:自由に使えるお金が増えることで、つい使いすぎて困ってしまう
こうした就職後の悩みや課題に寄り添い、安定して働き続けられるように支えることが、就労定着支援の目的です。
ここからは、実際に就労定着支援で受けられる具体的なサポート内容をご紹介します。
定期的な面談
就労定着支援では、定期的に支援員との面談を行います。
仕事を続けるなかで感じる不安や悩みを安心して話せる場として、ちょっとしたことでも相談できます。
「最近うまくいっていない気がする」「人間関係が気になる」といった悩みに対しても、支援員が一緒に考え、必要に応じて職場との調整もサポートしてくれます。
職場での困りごとの相談
仕事をしていると、いろいろな悩みが出てきますよね。
「新しい業務に不安を感じている」「上司にうまく相談できない」など、具体的な困りごとについて相談できます。
生活リズムを整えるお手伝い
仕事を始め、環境が変わることで生活リズムや睡眠に影響がでることがあります。
夜眠れないなど、生活リズムの乱れの問題について、どう対処すればいいか、アドバイスがもらうこともできます。
体調管理のサポート
仕事を始めるとストレスや疲れなどによって体調の変化があることがあります。安定して働くために、セルフケアの方法やストレス対処法などを相談することもできます。
お金の管理のサポート
お給料が入ると、うれしい反面、どう使えばよいか悩むこともあるかもしれません。お金を使いすぎてしまう方や計画的な使い方などを相談することもできます。
職場との調整
業務内容や職場環境について相談したいけど、直接職場には相談しにくいこともありますよね。
そんなときは、支援員が間に入って、職場の方と話をしてくれる場合があります。自分では伝えづらいことも安心して相談できるので、働きやすい環境につながっていきます。
就労定着支援の利用対象者

次に就労移行支援の利用対象と条件をわかりやすく説明します。
就労定着支援を使えるのは、次の2つの条件を満たす方です。
- 障害福祉サービスを利用して一般就労した方
- 就職後6ヶ月を経過した方
ここでいう「障害福祉サービス」とは、次のようなものを指します。
- 就労移行支援
- 就労継続支援(A型・B型)
- 生活介護
- 自立訓練
これらのサービスを通じて就職した方が対象となります。
ただ、就労定着支援は必ず利用しなければいけないわけではないので、すでに職場に慣れて安定して働けている方や相談先の心配がない方は、利用しないという選択をすることもできます。
もし、自分にサービスが必要かどうか迷ったときは、今まで利用していた事業所に相談してみるのがおすすめです。
就労定着支援の利用開始時期

ここでは、就労定着支援の利用開始時期について詳しく説明します。
就労定着支援は、実際に働き始めてから7か月目から利用できるようになります。
なぜ7か月目からなのでしょうか?
実は、就職後の最初の6か月間は「職場定着支援」と呼ばれる別の支援を受けることができる期間です。
この期間中は、就職前に利用していた事業所の支援員が職場訪問や面談を通じてサポートしてくれます。
つまり、就職してからの支援の流れは次のようになります。
- 就職後1~6か月目:職場定着支援
- 就職後7か月目以降:就労定着支援(最長3年間)
この仕組みにより、就職直後から長期的にわたって途切れなく支援を受けることができ、安心して働き続けることができます。
就労定着支援のサポート期間

「就労定着支援って、どれくらいの期間サポートしてくれるんだろう?」と気になる方も多いと思います。
就労定着支援は、最長で3年間利用することができます。
3年間という長期間のサポートが受けられるのは、就労定着支援の大きな特徴の一つです。
ただし、必ずしも3年間続ける必要はなく、自分にとって必要な期間だけ利用することができます。必要に応じて、途中でやめることもできます。
一度やめると再度利用するのが難しくなる場合があるので、急にやめるのではなく、下記のような状態になってきたら、まずは面談やサポートの頻度を減らしてみてもいいかもしれません。
- 支援が必要なくなったと感じたとき
- 職場に十分適応し、安定して働けるようになったとき
- ジョブコーチなど別の支援サービスに移行したいとき
自分に合った支援期間を考えながら、柔軟に利用することが大切です。支援員と定期的に相談し、支援の継続や終了について一緒に検討していきましょう。
就労定着支援の利用方法

就労定着支援を受けるには、まずサービスを提供している事業所を見つけることが必要です。
ここでは、状況ごとに適した探し方を紹介します。
利用中の障害福祉サービスがある場合

すでに障害福祉サービスを利用している方は、現在の支援先に相談するのがスムーズです。そのまま同じ事業所で就労定着支援が受けられるケースもあります。
まずは「今の事業所で対応しているか」を確認してみましょう。
過去にサービスを利用していた場合

すでに障害福祉サービスの利用を終了している場合でも、以前に利用していた事業所に連絡を取ってみることで、就労定着支援を行っている事業所を紹介してもらえる可能性があります。
支援先がない・相談先がない場合

支援先が見つからない、または相談しにくいと感じる方は、以下の方法も検討してみてください。
- お住まいの自治体(市区町村の障がい福祉課)に問い合わせる
- インターネットで「地域名+就労定着支援」などで検索する
- 自立支援協議会や相談支援専門員に相談する
利用には「受給者証」が必要です

なお、就労定着支援を受けるには「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
もし過去に返還してしまった場合でも、自治体にもう一度申請することで受給者証を再発行してもらえます。
就労定着支援サービス利用の流れ

就労定着支援サービスを利用する流れについて、簡単に説明します。
利用する事業所を選ぶ
まずは、就労定着支援を行っている事業所を探して契約します。
既に職場定着支援を利用している方は、そのままスムーズに就労定着支援に移行できるケースが多いです。
初めて利用を始める場合は、市区町村の障害福祉課に相談し、サービス利用の必要性を確認します。その後、支援を行う事業所を選び、正式に契約を結びます。
相談からサービス開始までには、大体2週間から1か月ほどかかります。そのため、「すぐに支援が受けられるわけではない」ことをあらかじめ知っておくと安心です。
就労定着支援サービス開始(就職7か月目~)
就職から7か月目が経過すると、就労定着支援サービスが開始されます。
支援員と定期的に面談をしながら、仕事や生活の困りごとを一緒に考え、必要なサポートを受けられます。
契約更新(1年ごと)
支援サービスは1年ごとに契約を更新します。
利用している方の状況や支援の必要性を見極め、引き続き支援が必要と判断される場合は、契約を更新し、支援内容を調整して利用を続けます。
就労定着支援を提供する事業所

就労定着支援を利用したいけれど、どこで受けられるのか分からないと、どうしても不安になってしまいますよね。
ここでは、支援を提供している事業所と、その探し方についてご紹介します。
就労定着支援は、次のような事業所で提供されていることがあります。
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援A型事業所
- 就労継続支援B型事業所
- 生活介護事業所
- 自立訓練事業所
ただし、就労定着支援は2018年4月から始まった比較的新しいサービスのため、すべての事業所で提供されているわけではありません。
自分がどこでどんな支援を受けられるのかを確認するには、事業所のホームページを調べたり、自治体の障害福祉窓口に問い合わせたりすると良いでしょう。
また、以前利用していた事業所に相談するのも1つの方法です。
過去に利用した際の状況を踏まえて、適切な事業所を紹介してもらえることがあります。
就労定着支援の利用料金
就労定着支援を受けるにあたって、費用について不安を感じる方も多いかもしれません。
ここでは、就労定着支援の利用料金について詳しく説明します。
区分 | 世帯の収入状況 | 自己負担上限額 |
---|---|---|
生活保護受給世帯 | 生活保護を受けている世帯 | 0円 |
低所得世帯 | 市町村民税が非課税の世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税が課税され、所得割が16万円未満の世帯 | 9,300円 |
一般2 | 所得割が16万円以上の世帯 | 37,200円 |
就労定着支援は、利用する方の収入状況に応じて自己負担額が発生することがあります。
自己負担額は、前年の収入によって異なりますので、上の表を参考にしてください。
例えば、就職前に障害福祉サービスを利用していた時に自己負担がなかった方であれば、就労定着支援も自己負担なしで利用できる可能性が高いです。
最初は無料で利用できる方が多いですが、働いて2年目以降、毎月の利用料金が発生する場合があります。
自分の自己負担額がどの区分に該当するかを確認するには、お住まいの自治体に直接問い合わせることをおすすめします。
また、就業先の企業には費用負担が発生しませんので、その点も安心してください。
就労定着支援のメリット

就労定着支援を利用することで、働き始めてからも仕事や生活に対する不安を相談することができるため、安心して働くことができます。
具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
長期間の支援が受けられる

就労定着支援を利用する最大のメリットは、働いてから長期間にわたって支援を受けられることです。
最長で3年間、サポートを受けることができるため、仕事に慣れてきても新たな課題が出てきたときに頼りにできる心強いサポートがあります。
就職したばかりの頃は不安が多いものですが、長期間のサポートを通じて、安心して仕事に取り組むことができます。
幅広い支援内容

就労定着支援では、仕事のことだけでなく、生活全般にわたる幅広い支援が受けられます。
仕事の面では…
- 仕事の進め方のアドバイス
- 職場でのコミュニケーションの取り方
- 困ったときの相談の仕方
生活の面では…
- 生活リズムの整え方
- お金の管理の仕方
- 趣味や余暇の過ごし方
このように、仕事と生活の両面から支援を受けられるため、バランスの取れた生活を送りやすくなります。
客観的な視点からのアドバイス

支援員は客観的な立場からアドバイスをくれるため、自分では気づきにくい課題や強みに気づかせてくれることがあります。
効率的な仕事の進め方や、トラブルを未然に防ぐ方法などを教えてもらえることで、自分の強みや改善点を知り、より良い働き方が見つけやすくなります。
これらのメリットにより就労定着支援は、職場での適応をサポートし、生活の質を向上させるための大きな助けとなります。
就労定着支援のデメリット
もちろん、就労定着支援を受ける際には気をつけたい点もいくつかあります。
長期間のサポートがある一方で、費用面や時間、依存のリスクについても考慮することが必要です。
ここではデメリットについて詳しく説明します。
利用料がかかることもある

就労定着支援は、多くの場合自己負担なく利用できる制度ですが、前年度の収入によっては費用がかかることもあります。
例えば、利用を始めたときは無料でも、就職して2年目以降に自己負担が発生するケースもあるため、気になる方は事前に自治体の窓口で確認しておくと安心です。
出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html
時間の調整が必要になることも

就労定着支援では定期的な面談のために事業所へ訪問が必要になることがあります。
仕事の合間や休日に時間を取らなければならないこともあり、スケジュールによっては負担に感じることがあるかもしれません。
就労定着支援が向いている方

ここでは、就労定着支援が向いていると思われる方について説明していきます。
就職後も継続的なサポートが必要な方

初めての就職で緊張している方、長いブランクがある方、仕事内容や環境の変化に戸惑いを感じやすい方にとって、就労定着支援は向いています。
「誰に聞けばいいかわからない」「仕事の優先順位がつけられない」などの悩みに対しても、的確にサポートしてくれます。
職場に慣れるのに時間がかかる方

職場での人間関係や仕事のペースに慣れるのに時間がかかる方にとっては、就労定着支援は向いています。
職場でのコミュニケーションの取り方や、効率的な仕事の進め方など、必要に応じて職場の方とも連携などその方が、より安定して働けるようなサポートを受けることができます。
生活リズムやお金の管理に不安がある方

仕事と生活のバランスを取るのが難しいと感じる方や、お金の管理が苦手な方、体調管理や規則正しい生活リズムを保つのが難しい方には、就労定着支援は向いています。
支援員は、日々の過ごし方や気分転換の工夫を一緒に考えてくれたり、収入に見合った生活費の使い方を一緒に見直したりと、身近なところから丁寧に関わってくれます。
長く働き続ける自信がまだ持てない方

仕事の内容が徐々に変わっていくことが不安な方や、ストレスがたまりやすく長期的なメンタルケアが必要な方、キャリアアップや新しいスキルの習得に挑戦したい方とって、就労定着支援は向いています。
支援員は、仕事で困ったときにすぐに相談できる窓口となり、状況に応じてアドバイスをくれたり、働き方の調整について会社と話し合ってくれたりします。
「新しい仕事に挑戦したいけれど不安がある」といった場合には、必要なスキルを一緒に整理し、段階的な目標を立てながらステップアップできるようサポートしてくれます。
こうした支援を最長3年間、必要に応じて受けることが可能です。
就労定着支援が向いていない方

就労定着支援は、長く仕事を続けるためのサポートですが、すべての方に必要というわけではありません。
ここでは、就労定着支援が向いていない方について説明します。
すでに職場に十分適応し、安定して働けている方

就職してから時間が経ち、仕事の内容をよく理解し自信を持って取り組めている方や、職場の人間関係が良好でコミュニケーションに困っていない方は、あえて就労定着支援を利用する必要はないでしょう。
支援を受けることに抵抗がある方

中には、他人の助けを借りることに抵抗を感じる方もいます。
「自分のことは自分で解決したい」という強い意志がある方や、他の人に相談することに苦手意識がある方は就労定着支援の利用は向いていない可能性が高いといえます。
自己管理が十分にできる方

仕事の優先順位をつけて効率的に進められる方や、ストレスを自分でうまくコントロールできる方、問題が起きたときに自分で解決策を考え実行できる方は、支援を必要としない場合があります。
今の会社で長く働きたいと思っていない方

就労定着支援は、現在の職場での定着を目的としています。そのため、転職を考えている方や別の仕事に挑戦したい方にはあまり適していません。
他の支援制度と就労定着支援の違い

就労定着支援には、似た名前や目的を持つ他の支援がいくつかあります。
ここでは、それらの支援との違いをわかりやすく説明します。
職場定着支援と就労定着支援の違い

「職場定着支援」と「就労定着支援」は似た名前ですが、支援の開始時期と支援期間が異なります。
- 職場定着支援:就職後すぐの6か月間、以前に利用していた事業所から引き続き支援を受けることができます。
- 就労定着支援:就職後7か月目から3年間にわたってサポートを受けることができる支援です。
職場定着支援は就労定着支援とセットで行われることが多く、職場定着支援を就職後6か月間受けたあとに、就労定着支援が始まります。
この流れにより、職場定着支援が就職直後の安定を図り、その後の長期的な支援を就労定着支援が担うことで、スムーズに職場に適応できるようにサポートが行われます。
ジョブコーチと就労定着支援の違い

「ジョブコーチ」と「就労定着支援」は、どちらも就職後の支援を提供しますが、利用対象、支援の開始時期や期間、かかる費用などに違いがあります。
- ジョブコーチ:週20時間以上の勤務を目指す方が利用対象です。障害福祉サービスを利用せずに就職した方でも利用できる点が特徴です。支援期間は1〜8か月間と比較的短期的で、料金は基本的に無料です。
- 就労定着支援:障害福祉サービスを利用して一般就労した方が対象となります。就職後7か月目から利用を開始し、最長で3年間にわたって支援を受けることができます。多くの場合、無料で利用できますが、前年の収入によっては費用が発生することもあります。
就労定着支援の利用に費用がかかってしまう場合には、ジョブコーチを選ぶのも一つの選択肢です。
また、ジョブコーチは、障害福祉サービスを利用せずに就職した方でも利用できることが特徴です。
就労移行支援と就労定着支援の違い

名前が似ている「就労移行支援」と「就労定着支援」ですが、実際には支援の内容が大きく異なります。
- 就労移行支援:就職前に提供されるサポートです。仕事に必要なスキルを身につけたり、職場体験を通じて就職の準備を整えたりすることが中心です。就職を目指している段階で、就労に向けた準備をサポートするものです。
- 就労定着支援:就職後の支援を提供します。職場での問題を解決したり、生活リズムや体調管理をサポートすることで、安定した職場生活を維持できるよう支援します。仕事を長く続けられるように、就職後に直面する問題に対応することが目的です。
就労移行支援は、就職前の準備を手助けするものであり、一方で就労定着支援は、就職した後に仕事を続けられるようにサポートします。
どちらの支援も組み合わせて使うことで、就職前から就職後まで安心して支援を受けることができます。
よくある質問

就労定着支援についてよくある質問をまとめました。
面談はどのくらいの頻度ですか?
基本的には月1回程度の頻度で行われています。
支援を受けるのにお金はかかりますか?
前年の収入に応じてお金がかかることがあります。
最初は無料で利用できる方が多いですが、働いて2年目以降、前年度の収入によって自己負担額が発生することがあります。
障害者手帳を持っていなくても利用できますか?
お住まいの自治体によって異なりますが、障害者手帳がなくても利用できることがあります。
利用には「障害福祉サービス受給者証」の申請が必要になります。
パートやアルバイトの方でも受けられますか?
雇用形態に関係なく、障害福祉サービスを使って一般企業に就職した方が対象です。
オンラインでも支援を受けることができますか?
オンラインでの支援が可能な事業所もあります。
利用を希望する場合は、事前に確認しておきましょう。
支援を途中でやめることはできますか?
必要がなくなった場合や、支援が合わないと感じた場合は、途中でやめることができます。
サービス利用中に退職した場合、どうなりますか?
原則として利用資格はなくなりますが、退職後1ヶ月以内に新しい職場で働き始めた場合は、1回限り継続利用が可能です。
3年経過後も支援を受けたい場合、どうすればいいですか?
3年経過後もサポートを希望する場合は、障害者就業・生活支援センターなどの他の支援機関で継続してサポートを受けることも可能です。
障害福祉サービスを利用して就職しましたが、就労定着支援を利用しなくても良いですか?
就労定着支援の利用は任意です。
支援が不要と感じる場合は、利用しなくても問題ありません。
就労定着支援は「就職後の不安」に寄り添う福祉サービス

就労定着支援は「働き始めたけど、この先ずっと続けていけるかな…」と感じている方の不安を少しでも軽くするための制度です。
「長く働けるか不安」「職場での人間関係が不安」「仕事の進め方に困っている」「生活リズムを整えたい…」このような不安がある方は、就労定着支援の利用を検討してもいいかもしれません。
就労移行支援manabyでは、就労定着支援を行っている事業所も多数あります。職場定着支援が終わった後も長く安定して働けるようにサポートしていきますので、ぜひお気軽にご相談ください。