うつ病経験者226名に大調査!周りから言われて嫌だったことは?

うつ病で体調が不安定…将来も不安…そんな時に
「うつって気持ちの問題でしょ…?」
「もっと頑張れ」
など周りからの何気ない一言で辛くなってしまった経験はありませんか?
今回はうつ病・うつ病経験のある方226名を対象に、周りから言われて嫌だったことを調査しました。
アンケート概要
アンケート概要
調査内容:「うつ病の方が周りから言われて嫌だったこと」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年08月18日~2023年08月31日
調査人数:226人
対象者 :うつ病・うつ病経験のある方
1. 年齢を選択してください
2. 性別を選択してください
3. 周りから言われて嫌だったことはありますか?
4. どんなことについて言われましたか?
5. 具体的なエピソードを教えてください
6. 誰から言われましたか?
7. それはあなたの特性や症状を知っている方でしたか?
アンケート属性は次の通り。
■性別
・男性 88名(38.9%)
・女性 138名(61.1%)
■年代
・10代 2名(0.9%)
・20代 42名(18.6%)
・30代 88名(38.9%)
・40代 63名(27.9%)
・50代 29名(12.8%)
・60代以上 2名(0.9%)
嫌なことを言われた経験がある方が大多数!
・はい 205票(90.7%)
・いいえ 21票(9.3%)
※小数点第2位以下は四捨五入
うつ病経験者のほとんどが周りからの言葉で嫌な思いをしたことがあると答えました。
言われて嫌だったこと第1位は「仕事」について
1位:仕事について(成果・取り組み方・勤怠についてなど) 74票(32.7%)
2位:障害そのものについて(うつに関する決めつけ・薬のことなど) 52票(23.0%)
3位:生活について(プライベートの過ごし方など) 29票(12.8%)
4位:性格について 24票(10.6%)
5位:容姿、体型について 10票(4.4%)
6位:恋愛について 6票(2.7%)
7位:お金について 6票(2.7%)
該当なし(嫌なことを言われていない)16票(7.1%)
その他 9票(4.0%)
※小数点第2位以下は四捨五入
仕事に関することで嫌なことを言われたと答えた方が最も多い結果となりました。次に多かったのが「障害について」「生活について」という結果に。具体的にどんなコメントがあったか見ていきましょう。
1位:仕事について
体調の波があり、いつも通りのパフォーマンスができない中で「やる気の問題でしょ」と片付けられてしまい辛かったという声が多く挙がりました。
また会社からすると人員や仕事の割振りの関係で、回復を急ぐ気持ちもわかりますが、うつ病は自分でもいつ治るかわからないため「早く治してね」や「いつ治るの?」といった発言は余計にプレッシャーや不安につながってしまっているようです。
2位:障害について
うつ病は目に見えない症状がほとんどのため、休んでいることに対して「羨ましい」「本当にうつ病なの?」辛さをわかってもらえない経験をした方が多くいました。
病院で相談して治療をしているのに「薬は飲むべきではない」や「運動で治る」といった決めつけのような発言が辛かったという声もありました。
3位:生活について
この項目では、家で療養しているタイミングで家族から言われたという方がほとんどでした。
もちろん心配して声を掛けてくれているのがわかりますが、体調が悪くて動きたくても動けない中だと「これ以上どうしたらいいのかわからない」とさらに追い詰められてしまう原因になりそうです。
4位:性格について
「マイナス思考」「気にしすぎる性格」がうつ病の原因だと言われた方が多くいました。うつ病は性格だけが原因だけではなく、様々な要因が重なって起こるもので、誰でもなりうる可能性があるものです。
またうつ病になって「変わってしまった」と友人から距離を置かれてしまい辛かったという声も挙がりました。
5位:容姿・体型について
「太った」「痩せた」など体型に関するコメントが多く挙がりました。食事がとれず体重が落ちてしまったり、治療で使われる薬の副作用で体重が増えてしまったり、コントロールできない部分だからこそ傷ついた方も多いようです。
誰から言われた?1位は○○からの言葉…
1位:上司 55票(24.3%)
2位:家族 48票(21.2%)
3位:友人 41票(18.1%)
4位:職場の人 38票(16.8%)
5位:親族 12票(4.4%)
6位:恋人 4票(1.8%)
7位:知らない人 3票(2.7%)
8位:近所の人 2票(1.3%)
9位:病院の人 2票(1.3%)
該当なし(嫌なことを言われていない)15票(6.6%)
その他 5票(2.2%)
※小数点第2位以下は四捨五入
上司からの言葉で嫌な思いをしたと答えた方が最も多い結果になりました。
仕事を進めていく上では、上司という立場で言いにくいことを伝えなければいけないときもありますが、忙しさや障害への理解不足から「意図しない意味で伝わってしまっている」可能性もありそうです。
また言葉は「受け取る側」感情も大事になってくるので、普段からのコミュニケーションや信頼関係も大事になってくると考えられます。
「46.5%」が特性を知っていると回答
46.5%は「特性を知っている」人からの言葉に嫌な思いをしたことがわかりました。
「相手を気遣って」「親しい間柄だから」と思って伝えたことでも、知らないうちに相手を傷つけてしまっていることもあるようです。「理解しているつもり」になっていないか改めて振り返る必要がありそうです。
まとめ
うつ病経験のある方226名に、周りから言われて嫌だったことを聞いた結果
①言われて嫌だったことは「仕事」「障害」「生活」に関することが多い
②上司からの言葉に傷ついた方が多い
③46.5%は「特性を知っていた」と回答
ということが分かりました。
うつ病や精神疾患への理解や関心が高まる中でも心無い発言や偏見はまだまだあるようです。
寄せられたコメントからもわかるように辛いと感じる部分や感じ方も人それぞれ。目に見えないからこそ、決めつけや他の人と比べるのではなく、その人のことをよく知って、寄り添った声がけをしていきたいですね。